常連のやごぉーさんが、大勢の女の子を連れてきました   作:東風ますけ

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あの日、我等が出会ったあの場所を、吾輩は、忘れる事はない。

 

一年………か。長いようで短かったか?いや、長かったかもしれないな。なんせ久々だったんだ。吾輩達が一緒に過ごす事自体が………。

 

……あの日あの時、あの山の奥で出会えた奇跡を、吾輩は密かに、静かに、目をつぶって、椅子に座りながら、思い返して………………そっと微笑んだ。

 

■■■■■■

 

「うーむ。どうすれば世界征服できるんだ?」

 

吾輩は一人、人里離れた山奥で考えていた。『どうやったら世界征服できるのだろう』と。

 

考えても考えても妙案は浮かんでこない。こうも浮かばないと自分の想像力に対して葛藤が湧いてくる。

 

「………はぁ」

 

ひとり。ただひとり。たったひとり。孤独を感じながらため息をついた。

 

「どうしてため息なんか吐いてるの?」

 

「ん?」

 

声がした方を向くと、そこには、例えるならば『鷹』のようにワイルドで、気品漂う中学生くらいの少女が立っていた。

 

「なんで中学生?がこんな人気のない山奥なんかに来てるんだ。危ないから日が暮れる前に帰れよ」

 

「家出して来たの」

 

「………え?」

 

これが、『高嶺ルイ』との馴れ初めだった──────。

 

■■■■■■

 

「オイルイ!お前はまだ中学生!酒はダメだ!」

 

シャワシャワシャワシャワ

 

「ラプラスばっかずるい!見た目は小学生なのに!」

 

シャワシャワシャワシャワ!

 

「吾輩はおとなだからいいんだ!」

 

シャワシャワシャワシャワ!!

 

「ずるい〜〜〜!」

 

シャワシャワシャワシャワ!!!

 

「………うるせぇ!!!!!」

 

吾輩の叫び声に驚いたのかルイはビックリしている。………ごめんな。お前にむけてじゃねぇんだ。

 

シャワッッッ!?!?!?

 

そう、お前だ。

 

「オイ吾輩はわかってたんだよ!わかってて見逃してたんだよ!なぁでてこいそこのヤツ!」

 

吾輩が木を指差すと、その木の表面が大きく剥がれ落ちる。アレは木の表面を模した布。『隠れ蓑術』だ。そんなことできるやつは『アレ』にきまってる。

 

「オイニンジャ!名乗れ!」

 

「かざまです!………じゃなかった。………かざまでござる!あとかざまは『サムライ』でござる!」

 

「紛らしいことするんじゃねぇ!!!」

 

「よく気づいたね…ラプラス」

 

「あ?あんだけシャワシャワシャワシャワ言ってたら気づくだろ普通」

 

「ラプどの!!すごいでござる!」

 

これが、『風真いろは』との馴れ初めだった──────。

 

■■■■■■

 

「秘密結社を作ろう」

 

「あ?」

 

いつもの秘密基地で集まった途端、ルイが突然秘密結社を作ろうと言い出した。

 

「具体的どのようにするでござるか?」

 

「ラプラスが総帥。私が幹部、いろはは用心棒。………あとは博士とか掃除屋とか?」

 

「どうやって探すんだ?」

 

「そうでござる。拙者のように山を駆け回る博士や掃除屋は滅多に居ないと思うでござる」

 

「確かに。………あーあ。しばらく見つからそうだなぁ」

 

ルイは気だるそうに呟いた。

 

 

 

 

「……ケテ」

 

 

 

 

「ん?ルイ、なんか言ったか?」

 

「ううん?何にも?」

 

「そうか、吾輩の聞き間違いだ」

 

 

 

 

 

「…スケテ」

 

 

 

 

 

「ん?いろは、なんか言ったか?」

 

「え?かざまはなにも言ってないでござる」

 

「ん?でもなぁ………なんか聞こえるんだよなぁ」

 

 

 

 

「助けて!!!」

 

「うぉっ!」

 

急に頭ピンク色の獣人?が突っ込んできた。

 

「借金取りに追われてるの!」

 

「お?」

 

「こよがマシーン開発に使ったお金返せって言ってくるの!」

 

「おおう」

 

「助けて!ツノの生えた小学生!」

 

「大人だ馬鹿野郎」

 

ピンクコヨーテの頭をピシッと叩く。

 

「アイタッ!」

 

これが、『博衣こより』との馴れ初めだった──────。

 

■■■■■■

 

「あとは掃除屋だけだね」

 

「だな。案外、集まるもんだな」

 

「ラプ殿がカリスマなんでごさるよ」

 

「お?いろは、お前幹部にしてやろうか?」

 

「あ!そういうのいけないんだー!ラプちゃんサイテー!」

 

秘密基地もだいぶ賑やかになってきたな。コレじゃ秘密基地じゃなくなっちゃうかもな。

 

「見つけたよ」

 

「「「「!?」」」」

 

上空から声が聞こえる………上だ。

 

「こっちこっち」

 

今度は隣から。コイツ、速いぞ!

 

何処からとも無く現れたそいつはたぶん、暗殺者だ。殺気がヤバい。この星にこのレベルと圧をもつ奴が居るとは………エデンも広いな。

 

「こ、こよを狙いにきたの!?」

 

「いかにも」

 

「何者なんですか!?」

 

「フハハ………暗殺者は名乗らない」

 

「シャチみたいなマスクしてるでごさる」

 

「………え?なんで沙花叉がシャチってわかったの?………まぁいいや。借金返してください!お願いします!お腹すいてるんです!」

 

暗殺者はペコペコお辞儀しだした。

 

「なんだコイツ」

 

これが、『沙花叉クロヱ』との馴れ初めだった──────。

 

■■■■■■

 

「そうす〜い!ご飯奢って!」

 

「こより、お前の借金何億か言ってみろ」

 

「1129億円!【いい肉】億円です!」

 

「その全額返したのは誰だ?」

 

「偉大なる我等の総帥、ラプラス・ダークネス様です!」

 

「馬鹿野郎!」

 

脳みそピンクコヨーテの頭をピシッと叩く。

 

「アイタッ!」

 

「こんなので博士が務まるの?ラプラス?」

 

「こんなのでも、発明自体は凄い。そこいらの科学者より数段上だ」

 

「借金も数段上でござるな」

 

「「「「………うん」」」」

 

「「「「「キュルルルルル」」」」」

 

腹の虫が鳴いている。5匹もな。

 

吾輩の所持金、『ニ千円』。………しゃーない。コイツらに肉食わしてやるか!………当分もやしだな。

 

「お前ら!東京いくぞ!」

 

「「「「おー!!!」」」」

 

………歩きでな。

 

〜東京〜

 

「うーん。東京は物価が高いからなぁ………二千円で5人が肉を食うとなるとなぁ………」

 

「ラプラス!アレ!」

 

「ん?二千円で食べ放題【5人まで!】だと?」

 

「なかなか胡散臭いでござる」

 

「こよお腹すいたー!」

 

「さかまたも〜!」

 

「まぁ、行ってみてもいいかな」

 

古い店構えの焼き鳥屋に入店した我々は、5人で二千円食べ放題プランを頼のむ。

 

「すいません、確認なんですけど、本当に、5人で二千円食べ放題なんですか?」

 

「ハイ!今日は店長の誕生日なんですよ!店長は誕生日の日には沢山仕事がしたい!っていう人でして、お客さんを集める為に一日限定超格安プランを用意するんですよ」

 

「成る程。じゃあ食べ放題プランで!」

 

「はい!」

 

出されてくる焼き鳥は値段以上に良いものばかりだった。

 

我々は出される焼き鳥全てを喰らい尽くした。

 

■■■■■■

 

「「「「う、うぅ………」」」」

 

「泣くなルイ!いろは!こより!クロヱ!みんな泣くんじゃない!いいか、我等はエデンの星を統べる者、それを忘れるな!いいな!」

 

「「「「はい!!!」」」

 

………お別れの時が来た。みんなが、家族と一緒に過ごす為には、離れ離れにならなくてはいけなくなってしまった。

 

始まりがあれば終わりがある。単純で、至極真っ当な事なのに、不思議と納得がいかない。だが、総帥である吾輩は泣いてはいけないんだ。絶対に、泣いてはいけないんだ。

 

「また、10年後、この場所で会おうお前ら!」

 

「「「「うん!」」」」

 

これが、『holox 』との、お別れだった──────。

 

■■■■■■

 

「吾輩が一番乗り………か。………あいつら来るかな?」

 

10年が経った。あの日あの時からちょうど10年。アイツらはもう、吾輩のことなんて憶えていないだろうか………。

 

「……あ。…ブランコ………」

 

吾輩はひとり。ただひとり。たったひとりでブランコを漕ぐ。漕ぐたびにここでの思い出が湧き出てくる。ルイ。いろは。こより。クロヱ。………みんな、忘れちゃったのかなぁ………………。

 

………またひとりぼっちかぁ。

 

「…………………はぁ」

 

ふと、ため息を吐く。

 

「どうしてため息なんて吐いてるの?」

 

「え?」

 

──────この声は。このセリフは………!

 

「久しぶり!ラプラス!」

 

一目見ただけでわかる。

 

「大きくなったなぁ………ルイ!」

 

「えへへ」

 

シャワシャワシャワシャワ

 

「ん?」

 

音のする方を見ると木の表面が剥がれ落ちた。

 

「お久しぶりでござる!ラプ殿!」

 

「いろは!」

 

タッタッタッタ。足音が近づく。

 

「久しぶり〜!」

 

急にハグしてきやがった。

 

「こより!」

 

「ラプちゃん、上!」

 

「ん?」

 

上を見上げるとそこには…。

 

「フハハ………名乗ってやろうじゃないか。沙花叉だ!」

 

「クロヱ!」

 

「みんな!………吾輩のこと、憶えててくれたんだな」

 

「「「「あたりまえだよ」」」」

 

「………グスッ」

 

「ラプちゃん泣いてるの?」

 

「ラプラスは小学生だな」

 

「ラプ殿かわいいでござる」

 

「や〜い!ラプラスの泣き虫〜!」

 

「ち、違──!………………みんなに言いたいことがあるんだ」

 

ルイが吾輩の口に人差し指を当ててきた。

 

「それは私たちから言ったほうがかっこいいね!みんな行くよ!せーのっ!」

 

『『『『ただいま!!!!』』』』

 

『おかえり!!!!!!!!』

 

これが、『holox』再結成の瞬間だ──────!

 

■■■■■■

 

「ということがあって我等はエデンの星を統べる者になった訳ですね。どうでしたか?」

 

「メッチャ感動しました!………あの、話に出てきた焼き鳥屋の店員ってまさか………!」

 

「ああ、鳥居さんですね」

 

「おおおおお!!!!!なんか全てが繋がりました!holoxの皆さんに見覚えがあったのはそのおかげですね!」

 

居酒屋『鳥居』に今日はみんなで来ていた。鳥居さんにこの話をしようとは前々から思っていたのだが、流石に写真撮影の時に言うのはちょっと尺が足りなかったので後回しにしていた。いざ話してみると結構感動的だな吾輩達。

 

ま、今が楽しいから昔のことはそんな気にしてないけどなー。

 

でも、あの思い出は吾輩の宝物だ。この地球(エデン)とおんなじくらいの宝物だ。

 

「ラプラス〜。一緒に乾杯しよ〜!」

 

「ラプ殿〜来るでござる〜!」

 

「ラプちゃん早く〜!」

 

「ラプラスあくしろよ!………アレ?沙花叉みんながいる時しか喋って無くない?個人でのセリフが少ないような………」

 

まぁこれからも、それなりに頑張って、世界征服していこうかな。

 

吾輩は、大胆に、大きく、目を開いて、椅子から立ち上がりながら、思い立って………………にいっとはにかんだ!

 

 

 




………たまにはこういうのもいいかな。ラプ様はワイの居酒屋で預かっておくぜ!

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