常連のやごぉーさんが、大勢の女の子を連れてきました   作:東風ますけ

58 / 64

お久しぶりです!東風です!
お待たせしてすみません!
代わりと言ってはなんですが、今回は5000文字ちょいあるので読み応えはいつもよりあると思います!
帰省編はこれにて完結となります!
次回からはまたホロメン重視の日常的な単話が続く予定です!
アンケートにご協力いただきありがとうございました!
反対が0ということでメルさんは続投という方向で行かせてもらいます!

いつも長々とすみません!このセリフも久々でちょっと昂ってます!



それでは本編!どうぞ!




大切な宝物

 

「いやぁー、しっかし、なついなぁ〜」

 

「そうだね。ココのコンビニも久々な気がするよ」

 

「さんをつけろよデコ助野郎!」

 

「いやココさんじゃないから。とゆうか上手いねココさんの真似。………とりあえず姉さんはholoXのみんなへのお菓子選んどいてね?」

 

「らじゃーりょうかい!」

 

ここのコンビニは大手チェーンではなく、所謂個人店というやつだ。まあ便利で24時間やってたらそれは大体コンビニだ。

 

\チロリーン、チロチロリーン、チンチロリーン/

 

この独特な入店音が、ワイのかつての憧憬を刺激する。

 

懐かしい。ワイがまだ子供だった頃、よく来たっけ。

 

「いらっしゃいませ!」

 

明るい接客をしながら、店内をほうきで掃いている大男。ジャガガさん。このコンビニの店員さんだ。

 

ワイ(180センチ)よりも大きいし、ワイよりもムキムキだ。やっぱりワイはまだまだ未熟なんやな。帰ったら鍛え直そう。

 

「いらっしゃいませ……ダ」

 

踏み台に乗ってレジのカウンターから話しかけてくる幼女。モヤモシさん。長い前髪で片目を隠していて、側から見たら完全にただの小学一年生なんだが、普通に大人だ。

 

このコンビニはこのキャラの濃い2人だけで切り盛りしている。

 

「お久しぶりです!」

 

「2人とも!久しぶり!」

 

「あァ。もう10年くらい会ってないナ?」

 

「えっ、モヤモシさん。そんなに経ってましたっけ?」

 

「おウ、オデたちは時間に気を使って生きて来たからナ。多分合ってるゾ」

 

「でもまあ、私たちにとってはつい昨日みたいなものですよ! ……それにしても2人とも見ないうちに随分と大きくなりましたね? 特に和葉君!」

 

「ワイは一応ジムは行ってますね。逆にお二人は?」

 

「オデは全然運動してないゾ」

 

「私も最近はあまり運動してませんね」

 

でも二人とも痩せてるように見えるけど?

 

「………しっかし、なんで2人は全く見た目が変わってねぇんだ?」

 

姉さんの言う通り、10年も経ってるのになんでこの2人はこんなに若いままなんだろう?

 

「モヤモシさんなんてもう50歳になってる筈ですよね?」

 

「………あ、私、ちょっとやらなきゃいけない仕事を思い出したので、失礼します!」

 

「あ、アタシも買いたい商品を思い出したからちょっと行ってくるぜ!」

 

「えっ、2人ともなんで急に…?」

 

姉さんとジャガガさんが行ってしまった…。

 

「モヤモシさんはなんであの2人が急によそよそしくなったのかわかりますか?」

 

「…………………(怒)」

 

「あっ(察し)」

 

モヤモシさんのハイライトのないブチギレている目を見て、ワイはまるで走馬灯のように過去を思い出した。

 

ホワホワホワーン…。

 

■■■■■■■■■

 

〜ワイ12歳〜

 

その日はとてもよく晴れていた。

 

空は雲一つない快晴で、雲が好きなワイはちょっぴり残念な気持ちになってたっけ。

 

そしてそんな、ちょっとしょんぼりした気分でコンビニに入ったワイは、そこにいた身長110センチの店員さんに向かって。

 

『なんで30歳超えてるのに子供みたいな見た目してるの?』

 

『………………(怒)』

 

『あっ!ワイ天才だからわかった!実はもっとおばあちゃんで、背が縮み始めてるんだ!ねぇ?そうだら?』

 

『………表出ろヨ………まずはオマエの身体に教えてやル………真の恐怖ってやつヲ……』

 

『えっ、ちょっ、なんで服の襟掴んで………てゆうか力つよっ!?』

 

ズルズルとワイの体は引きずられていき、田舎特有のだだっ広い駐車場へと放り投げられた。

 

『覚悟しろヨ………レディに向かって年齢を聞くことが如何に禁忌(タブー)なのカ………教えてやル』

 

『えっ、ちょっ──』

 

そこから先は、そう、まるで、例えるならば虐殺。蹂躙。破壊の限りを尽くしたデストロイヤー。かなたんの握力(50キロ)………。

 

この世界のありとあらゆる力の全て。その片鱗をたっぷりと身体で味わったよ。……と。

 

そう、後に鳥居少年(12歳)は語った。

 

─回想終了─

 

ホワホワホワーン……。

 

■■■■■■■■■

 

〜そして現在〜

 

「あっ(察し)」

 

「………鍛え直してやるヨ……和葉」

 

「あっ、ハイ…」

 

モヤモシさんの圧倒的な覇気に萎縮したワイはトボトボと重い足取りでこの店の駐車場へと歩く。

 

「……オデがオマエに課した筋トレメニューはしっかりやってるようだナ」

 

「えぇ、でもまだまだです」

 

「その通りダ。鍛錬を怠るなよ和葉」

 

広い広い駐車場の、ど真ん中にワイたちは立っている。

 

ふとモヤモシさんが人差し指を立てた。そしてくいっ。と、挑発するように動かしている。

 

「一発。一発ダ。オデを殺す気で殴ってみロ。そして今のオマエの強さを証明するんダ」

 

「わかりました!」

 

少しづつ、力を溜めていく。

 

腰を深く落として、足の裏から指の先までゆっくりと力を込めていく。

 

筋肉を段階を踏んで膨張させる。電気信号を全身に伝えるんだ。

 

今、俺の筋肉は鋼鉄よりも硬い。……はずだ。

 

周りには蒼い稲妻が走っている。

時間が経つと、やがて紅い火花も散り出した。

 

今の俺の全身全霊を、この一撃に込める。

 

「……いきます」

 

「かかってこイ」

 

……ノーガードか。

 

今の状態の俺は、ゲームセンターでパンチングマシーンをやったらカンストするくらいには強い。

きっと世界王者レベルのプロボクサーよりも重い一撃だろう。それをモヤモシさんはノーガードでお腹に受ける。

 

だけど──。

 

「……痛くないんですか?」

 

「蚊に刺されてるのって気がつかないだロ?そういうことダ」

 

そんな俺の一撃は、全く歯が立たなかった。

 

「……と、いってモ、そうだなァ。筋トレでここまで来たのは恐ろしいナ」

 

「どういうことですか?」

 

モヤモシさんは首をパキパキと鳴らしながら説明してくれた。

 

「オデたち人類は修羅場を潜り抜けることで初めて『壁』を超えることができル。しかシ、オマエはそれを『勇気』だけで乗り越えタ。……やっぱりオマエは生まれ変わっても『勇者』だナ。キャロム」

 

「キャロム?」

 

「……あ、ああ間違えタ!和葉!」

 

「それってワイのご先祖さまですよね?」

 

「知ってたのかヨ……。……まぁ、肉体的にはナ」

 

「肉体?」

 

「……まあこの話ハ、ルーベルトやキャロも混ぜた方がすんなりいク。……今度、和葉の店に行くからナ」

 

「ま、マジですか!?」

 

やべぇ!1人で100人前食べる人来るってなると仕入れは早めにしとかないと!

 

「いっ、いつですか!?」

 

「ンー……結婚式の後だナ」

 

「わかりした!しっかり用意しておきま……す………ね…………?」

 

何かが引っ掛かるぞ?

 

……あっ。

 

「結構おめでとう和葉。幸せになれヨ」

 

「ええええええええ!?!?!?」

 

なんで知ってるんですかと、言いたかったがこの人に対して言うのは今更な気もする。ワイについて色々と知りすぎてるし。

 

「ちゃんと式に呼んでくれナ!」

 

「……わかりました!楽しみにしておいて下さい!」

 

「良い返事ダ!よーシ!今日は奢りダ!じゃんじゃん持ってケ!」

 

「いいんですか!?」

 

「いいんだヨ。年上の言うことは聞いとケ!」

 

「どう見てもモヤモシさんワイより若いですけどね」

 

「そんなに褒めても酒と食べ物しか出ないゾ!ガハハハハハ!」

 

見たことないくらい大笑いするモヤモシさんと一緒に、身長を合わせるようにワイは屈みながら肩を組んで、店の中へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──ということがあったんですよラプラスさん」

 

「なるほど?」

 

「実年齢と見た目が噛み合ってない人、ワイの周りに多くないですか?」

 

「吾輩とかな?」

 

「たしかにそうですね。まあでも、見た目関係なく、素敵な人は素敵ですよね!お年寄りでもワイより元気な人もいますし!ラミィさんとか!フレアさんとか!ぺこらさんとか!」

 

「ウチの事務所の先輩泣かすの、やめてもらっていいっすか?(論破王並感)」

 

「あとマリンさんとか!」

 

「オーバーキルやめろ」

 

「すみません。つい……」

 

「ついで済んだら大空警察はいらないんですよ」

 

「というか、こたつ、暑くないですか?」

 

「あちぃー」

 

「なんで入ってるんですか?」

 

「吾輩、前世はきっと猫だったんだ…!」

 

「地球と同時に誕生してるのに、それよりずっも後の猫が前世ってありえなくないですか?」

 

ふっ!ワイながら鋭い意見だ。論破王と呼んでくれてもええんやで?

 

「でもさぁ!」

 

「「うおっ!?」」

 

こたつの中からぬっ!……と、こよりさんが出てきた。

 

「ラプちゃんが猫だったら可愛いと思わない?ねぇ?鳥居さん」

 

「それはそうだと思いますけど……また何か新薬でも作ったんですか?」

 

「はっはっはっ!甘いな鳥居さん!吾輩は知ってるぞ!こよりはこういうときなんかメンドイ薬を吾輩に飲ませるんだ!絶対そうだ!吾輩が二次創作を創る小説家ならそうする!」

 

「ううん違うよ」

 

「違うんだ(驚愕)」

 

ラプラスさんがまた宇宙猫みたいな顔してる。

虚な目の、その視線の先には。

 

「ぐっ!?ぐっ!?ぐっ!?」

 

「ふっふっふっ。これが幹部とインターンの差かな!」

 

ルイさんとクロヱさんが大乱闘スマッシュシスターズ。通称スマシスをやっていた。

 

ルイさんはクッパ。クロヱさんは勇者を使っている。

 

今はクロヱさんがボコされている。

 

「なんか意外ですね。私はルイさんの方がこういうのは弱いと思っていたので」

 

「オフだとわりとはっちゃけるタイプだからなルイは」

 

「オンとオフで逆ってことですか?」

 

「たしかにラプちゃんも、オフだと大人っぽいよねー!」

 

「やめろよ……照れちゃうだろ……」

 

こんな感じでのほほんと雑談を繰り返していると。

 

「ただいまでごさるー!」

 

「母さんー。今帰ったぞー」

 

買い物に出掛けていたいろはさんと父さんが帰って来た。

 

「あらあらお帰りなさい二人とも。いいお肉はあったかしら?」

 

「母さん!聞いて驚け!広告の品だったから黒毛和牛買って来たぜ!3キロも!」

 

「あらあら!これはあなたのお財布からプレゼントってことかしら?」

 

「えっ?」

 

「ね?いろはちゃんもそう思うわよね?」

 

「そ、そう思うでごさるー(棒読み)」

 

「えっ(絶望)」

 

可哀想に。こうなったときの母さんは最強だ。逆らえるはずがない。

 

父さんがぐったりと項垂れる中、ワイたちは。

 

「いいお肉……じゅるり!」

 

「ラプちゃん、食べてばっかりだと太るよ?」

 

「私と一緒にジムでも行きますか?ノエルさんとアキロゼさんも一緒ですよ!」

 

「わがはい、げーむでいそがしいからむり」

 

ラプラスさんが幼稚園児みたいにそう答える中、こたつから何か出て来た。

 

「アタシもラプ様の配信観るから無理」

 

「姉さんずっとこたつの中に入ってたんですか!?」

 

「顔は出してたぜお前の方に」

 

「ワイが気づかなかった……ってコト!?」

 

「灯台下暗し……ってコト!?」

 

こよりさんがここぞとばかりに便乗して来た。

まあワイも、こよりさんの真似してるつもりでいつもやってるし、本家が乗ってくれて嬉しいぞい。

 

「極大火炎呪文。ふっ、沙花叉の逆転大勝利!」

 

「ぬわああああああ!」

 

ルイさんがパ◯スみたいな断末魔をあげている。

 

「みんなキリがよさそうだから、そろそろご飯にしましょっか!」

 

母さんがパンッと手を叩くと、みんな料理の支度を始めた。

 

今日作るのは鍋だ。夏なのに、暑いのに鍋だ。ワイ焼き鳥が得意料理なのに、鍋ばっか作ってる気がする。

 

とまあそんなことは置いておいてだな。

 

ラプラスさん、ルイさん、いろはさんと母さんは料理の支度を。

 

ワイ、姉さん、父さん、クロヱさん、こよりさんは机の片付けや座布団の用意を始めた。

 

「なあ和葉。お前は何持って来た?」

 

「それを言ったらダメでしょ父さん。サプライズ感が大切なんだよ闇鍋には」

 

「そうだそうだー!パパの世間知らず!」

 

「ぐっ!?娘の罵倒が痛い!」

 

「ちなみにこよは女体化薬を……」

 

「マジかよこんこよ」

 

クロヱさんに同感。マジかよこんこよ。ぶっ飛んでんのは配信時間だけにしてくれないか?

 

「クロちゃんは?」

 

「その呼び方はなんか別のがよぎるんだが……沙花叉はまあ推しに関係するものかな」

 

絶対シオンさんじゃん。とワイは心の中で思った。

 

「用意できたでござるー!」

 

いろはさんがお鍋を持って来てくれた。

 

「こっちが普通に食べる美味しいお鍋で、こっちが闇鍋用でごさる!」

 

「吾輩の魔法。

 

「だいたいなんでも美味くなる魔法」(メチャタベール)

 

でナニ入れても美味しくなるように準備してあるから、みんな!じゃんじゃん闇鍋してくれ!」

 

「「「「「いえーい!」」」」」

 

みんな順番で持って来たものを入れ始めた。

 

と言うことでワイは居酒屋なので焼き鳥を入れます。

 

……にしても、なんだか今回の帰省はどっと疲れたなぁ。なんだかすごい永い夢を見ていたみたいな気分だ。

 

……戻ったら籍を入れたり、あとはやごぉーさんにお礼をしなきゃな。もちろん、holoXのみんなにも。

 

……まだまだ会ったことのないホロメンが居るみたいだし、出来る限り多くの人と触れ合いたいなぁ。

 

………おっ、そろそろ準備が出来たみたい!

 

「「「「「いただきまーす!!!!!」」」」」

 

もし叶うのならまた、来年も、再来年も、できればこれからもずっと。

 

「「「「「おいしい!!!!!」」」」」

 

みんなと楽しく過ごしていたいな!

 

この時間はワイにとってかけがえのない、大切な宝物だ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





おまけ。「だいたいなんでも美味くなる魔法」。メチャタベールという魔法を考えたときの東風の脳内。

「……みんなゲテモノを入れすぎなんだよ。
闇鍋は食べるものでしょ?」

「──闇鍋の完食?地獄だよ。……考えたくもない」

「(つべこべ言わずに)食べたらいいのに…」



  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。