泣いた雪鬼   作:ディヴァ子

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最近ライトボウガンでリッチなハンティングしてマス。やっぱり好き嫌いは良くなイネ。しかし弓はやっぱり使えナイ……。


ハンターキッド

 ハ~イ♪ ボクだよ、たぶん精神年齢のせいでショタになった元ゴシャハギだよ。

 あまりに絶好な昼寝日和だったから、ベリオロスの「リベロ」を枕に寝ている間に日を跨いでてビックリしたよねー。

 まぁ、それはそれとして、

 

『だぇ~?』

「……そんな目で見ないで欲しいな」

「大丈夫ですよ、「相方」ッ! 彼は純粋に疑問を持っているだけですからッ! “こいつ見境無いな”とは思ってない筈です、たぶんッ!」

「人を犯罪者扱いしようとするんじゃないよ」

 

 誰よ、その女性(ひと)

 活動的な服に多機能ゴーグルやスリンガーを付けているという恰好からして、“編纂者”の1人なんだろうけど、何で新大陸調査団の人がここに居る訳?

 あと、顔が絶妙に芋臭いな。今はアップにしてるけど、三つ編みと眼鏡が似合いそう。愛嬌はあるから別に良いんだけどさ。

 そんな謎の編纂者をアヤメさんが連れているのだが、一体何がどうしてそうなった。そもそも、お名前は何て言うのよ。

 

「受付嬢ですッ!」

『イビルジョー?』

「違いますよッ!?」

 

 でも、口の周りに食べカス付いてるし、色んな食材の匂いがするんですけど?

 

「ああ、うん……こいつは「ウケツケジョー」だ」

「何かイントネーションに悪意がありませんッ!?」

「それはアンタが自分の名前を忘れたからだし、明らかに食い過ぎだから文句は受け付けないよ。お前は今日からウケツケジョーだ」

「何て酷い話ッ!」

 

 ふーん、記憶喪失なのか。頭でも打ったのかな?

 

「まぁ、その、何だ……お仲間が見付かるまで、こいつもカムラの里で暮らす事になりそうだから、宜しくやってくれないかい? 寝泊まりは里クエストの受付所でするから、そこまで頻繁に顔を合わせたりはしないと思うけど」

『あぅーい』

 

 そう言えば、全然使われてないよね、あの建物。ヒノエさんは基本的に外の座席に座ってるからなぁ……。

 

「とりあえず、宜しくお願いしますね、ユウタくんッ!」

『よーしく、イビルジョー』

「受付嬢ですッ!」

 

 何だかよく分からないが、そういう事になった。

 

 ◆◆◆◆◆◆

 

 つぎのひ~♪

 

「さぁ、張り切って行きましょうッ!」

「『………………』」

 

 今日も今日とて狩猟に励もうとしたら、何故かウケツケジョーさんがノリノリで付いて来た。何故に。

 

「私は受付嬢ですが、編纂者でもありますッ! 今まで訪れた事の無い土地の生態系を調べるのも、仕事の内なのですよッ!」

「『はぁ……』」

「何故納得されないッ!?」

 

 だって、ねぇ?

 つーかさ、何でガライーバ入りの大樽を背負ってるのよ。一体何の意味があるんだ、その行為に。

 

「非常食ですッ!」『ビチビッチ!』

 

 いや、ガライーバは納得していないようですが?

 

「あとは“幸運のお守り”ですねッ! 何でも、彼はアヤメさんとゴシャハギの戦闘に巻き込まれながらも生き延びた、豪運の持ち主だとかッ!」

『はぁ……』

 

 だからって、そんな物を担いで歩くなよ。常識って物が無いのかい?

 

「ユウタ、たぶん今“常識知らず”って考えてんのかもしれないけど、アンタも結構常識無いからね?」

 

 えぇ、そんな馬鹿な。

 まぁ良いや。今日は狩りへ行く前に寄る所があるのよ。

 

『かもぉん、さぁ~ん』

「いや、儂はお前の息子じゃないし、むしろお前が来い。老骨を動かすな」

 

 それがここ、たたら場前の加工屋である。

 そして、目の前におわすこの方が、里一番の鍛冶職人、ハモンさんだ。オトモ雇用窓口を務めるイオリくんのお爺ちゃんでもある。

 見た目は頑固一徹の鉄鉱石頭だが、ボクは知っている。彼は口下手なだけで、意外とファンキーな人だという事を。発想元が里の住人とは言え、団子とか折り鶴とか臼を武器にしてるのはカモンさんだからね。アヤメさんのヴァイク装備やアルブーロ装備を嬉々としてデザインしている辺り、結構スケベなのかもしれない。彼も男だという事さ。

 さらに、イオリくんに厳しく当たっている場面を時折見掛けるが、本音はガルクが怖いだけだったりと、付き合っていれば割と可愛い一面が見えて来る。

 ま、ハモンさんを含めて、この里に悪い人は居なさそうだけどねー。セイハクくんやコミツちゃんは一緒に遊んでくれるし、ヒノエさんはお団子をご馳走してくれるし。八百屋のワカナさんは、ちょっと押しが強過ぎるけど。ボク、野菜はそんなに好きじゃないのよ。果物は好きだけど。

 さて、どうしてボクが加工屋に来たのかと言えば、確認するまでもないよね?

 そう、武器の新調だよ。流石に何時までも「カムラノ鉄大剣Ⅲ」と「スティールソード」のままじゃねぇ……。

 という事で、前に頼んでおいた武器、下さ~いな♪

 

「……ほれ、出来ているぞ。「アイシクルファングⅡ」と「ゴシャズバァⅠ」だ。受け取れ」

『おー』

 

 ハモンさんから渡された、2組の大剣たち。

 1つはベリオロス素材の大剣「アイシクルファングⅡ」。ベリオロスの翼脚や尻尾を剣にしたような形をしており、パワーは今1つだが、高い会心率と氷属性値が特徴だ。

 もちろん、提供元はリベロ。討伐はしてないけど、以前の戦いで結構な素材が手に入ったし、何なら毛や甲殻の欠片ぐらいだったら何時でも貰える。使える物はガンガン利用しよう。

 もう1つはゴシャハギを素材にする「ゴシャズバァⅠ」。見た目は完全にデカい出刃包丁で、会心率がマイナスかつ氷属性値も低いけど、素材元並みの馬鹿力を発揮出来る。

 ……そう、素材はゴシャハギである。

 それはつまり、ボクが寝ている間に狩って来たモンスターが、ゴシャハギだったという事。ボクは今、同族の亡骸を手に狩りへ行こうとしているのだ。

 しかし、全然気にならないと言えば嘘になるけど、そこまで感傷的にはならない。野生下における共食いは珍しくないし、そもそも赤の他人がどうなろうと知った事じゃないからね。というか、出合頭の第一声が「ぶっ殺してやる」なゴシャハギ族に、想う所は特にないよ。ボクにとっての身内は、カムラの里の皆だけさ。

 

『だぅもー』

「構わん。装備を作りたい時に、また来い」

 

 もうちょっと笑った方が良いよ、ハモンさん。初対面の人にはアナタの人間臭さは伝わりにくいからねー。

 さぁて、武器も揃った事だし、今度こそ一狩り行こうか。今回はアイシクルファングⅡを持って行くよー。




◆ゴシャズバァ&ゴシャガズバァ

 ゴシャハギから作られる氷大剣。見た目は完全に出刃包丁。
 低い会心率と氷属性に馬鹿高い攻撃力が特徴の、所謂「脳筋武器」。匠を付けて「鈍刃の一撃」を発動させれば、かなりの攻撃力を発揮する。敢えて切れ味を補完せずに、「鈍器使い」でぶん殴るのも良いかもしれない。何れにせよ、“力こそパワー”な大剣らしい武器である。
 体験版の大剣にも抜擢されており、作っていなくとも見た事がある人は、案外と多い筈。作者は盾で殴ってたから知らなかったけど。
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