実は僕……耳がすごくいいんです。   作:花河相

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ソブール公爵一家が一度会場を出た後、10分ほどして戻ってきた。

 ソブール公爵一家が戻ってくるまでは大変であった。

 

 会場の参加者たちはなにもなく無事であったことに安堵し、僕たちユベール伯爵一家は噂の的であった。

 もちろん悪い意味で。

 やれ、伯爵の嫡男は廃嫡決定だの、子育てがなってないだの、ボロクソ噂を言われていた。

 もちろんその噂の内容は父上と母上には聞こえるはずはなく、僕もはっきりとは聞こえなかったものの、単語だけ拾うことができ、大体話の内容を理解した。

 

 父上と母上は上の空であった。

 いつもなら父上の失言から始まり、最終的に母上に屈服させられるという夫婦漫才があるのだが、今は会話はなく、通夜状態の雰囲気だった。

 

 

 そんな僕も自身の失態でアレイシアがパーティ不参加になってしまったらどうしようと思うこと。そしてラクシル様の怒りを買ってしまい、後日呼び出しを喰らってしまい、今後どうなるのだろう?

 不安しかない。

 本当にお先真っ暗だ。

 そんな心境でいた。

 

 

 だが、そんな我がユベール一家に一つの道筋があったとすれば、アレイシアがパーティに戻ってきたことだ。

 僕は勿論、母上と父上も不安要素が一つなくなり、安堵の笑みが見えた。

 

 そして、一つ疑問に残ったのが、何故かラクシル様の機嫌が良かったことだ。

 何故だろう?そんな心境変化があったものの、お披露目会は進行した。

 

 

 

 パーティは開始時間になると、国王からのありがたーいお言葉からはじまった。

 「国の誇りを胸に」とか、「国の発展のために」とか「将来偉大な」とかそんな美辞麗句を並べた言葉だった。

 周りの子供たちは照れている雰囲気をしていたが、僕は前世での校長の挨拶みたいな印象を持ってしまったので聞き流し、次に国王への挨拶に上級貴族の順に挨拶があり、僕はそれをしっかりこなした。

 

 ただ、挨拶前に父上と母上から厳重に注意をされ、国王へ挨拶が終わったら安心していた。

 パーティの山を越えた後はつつがなくパーティは終わった。

 本当になにもなかった。僕に近づく子供は一人もいなかった。

 

 ただ、パーティが終了するまで気になったことがあったとすれば勘違いじゃなければ僕はずっとアレイシアに睨まれていた。

 理由はおそらく僕の発言が原因だろう。

 本当に後悔しかない。

 なにが見惚れただよ。

 

 ……僕は今後をどうなってしまうのだろう?

 廃嫡され、平民になるか。

 家の継承権を剥奪されるか。

 

 パーティが終わり、屋敷に着くと不安で押しつぶされそうになるも、どうにか眠りについた。

 

 

 そして、パーティから次の日。死の宣告のようにソブール公爵からの使いが来て、急遽父上と僕の二人で来るように指示が来た。

 

 母上も来ようとしていてが、命令に逆らっては現状を悪化させるだけであるため、屋敷待機となった。

 

 手紙が届いてから急いで用意をして、父上、僕はソブール公爵邸へと向かうのだった。

 





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