第七波動(セブンス)と呼ばれる異能の力を持つ人間、第七波動(セブンス)能力者が生まれるようになった近未来。
これはまだ蒼き雷霆(アームドブルー)と呼ばれる能力を持つ少年が世間を騒がせる前、幼き日に復讐を誓った一人の少年の物語……。

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どうも皆様こんばんは!
今回は最新作が出るというわけで蒼き雷霆(アームドブルー)ガンヴォルトの本編前のアキュラが能力者を憎むまでになるまでを本編の情報を元に二次創作で書いてみました!
オフィシャルコンプリートワークスを私は持ってなくて、そっちで明かされた設定と矛盾するかもしれませんがご容赦ください……。
割と今回は読みやすさなどは度外視で書いたのでいつもより読みにくい文章かもしれません……。
注意事項は以上です。
ではどうぞ。


蒼き雷霆(アームドブルー)ガンヴォルト〜The Birth of Luminous Avenger〜

 目を閉じれば日常(すべて)が崩れさった日のことが蘇る。

 当時、9歳だった少年は父親の研究所(ラボ)に遊びに行くのが何よりも楽しみだった。

 眼前に広がる研究機材の城、鼻をくすぐる消毒液などの薬品の匂い、研究成果を生活に役立てるための会議で飛び交う議論の声。

 研究職に就く父の影響で発明に興味を示した少年にとって、そこは一種の遊園地のようだった。

 数年前に発見された第七波動(セブンス)と呼ばれる異能を持つ人、第七波動(セブンス)能力者の研究に携わる父は、仕事にかかりっきりで相手をしてくれなかったけれど、研究所を散策したら新たな機械やロボットの開発現場を見れるから退屈する事はなかった。

 この日も、少年は父の仕事場である研究所(ゆうえんち)へと遊びに来ていた。

 いつも通りにロボットや兵器を開発する区画(エリア)を見て回っていると今日はなんだかいつもと様子が違う事に気がついた。行き交う人々の話を聞いてみると「第七波動(セブンス)」や「SSランク」、そして「皇神(スメラギ)」と言った単語が少年の耳に入ってくる。

 皇神(スメラギ)とは、電力供給をメインに事業展開する複合企業(コングロマリット)の事だ。

 この国のインフラの管理は全て皇神(スメラギ)が取り仕切っていると言っても良いし、聞いた所によればこの国の防衛の中枢にも手を広げているらしい。中には皇神(スメラギ)をこの国の影の支配者と呼ぶ声もある。

 それ程までこの国は皇神(スメラギ)に依存しきっている状況だったし、皇神(スメラギ)もその状況を利用して警察組織にまで手を拡げようとしている、という噂まで立つ始末だ。

 だが、そんな事は少年にとってはどうでもいい事だったし、研究所の人々が忙しそう動き回っているのも、父さんの研究で何か凄い結果が出たんだな、程度の感想しか出てこなかった。

 そんな事よりも今は、目の前で準備中である試作型高出力輻射式増幅光砲と名付けられたビーム兵器の稼働実験の方が重要だった。

 

「よし、それでは実験を開始するぞ」

 

 パソコンの前に座り、キーボードを叩く研究者が実験開始の号令を出した。

 指示を受けたもうひとりの研究者が頷き、一つずつスイッチのつまみを上げていくと試作型高出力輻射式増幅光砲はゴウンゴウンと唸りを上げ始めた。

 狙う標的は実戦で出てくる事を想定して作られた戦車の実物大の模型だ。

 

「エネルギー充填開始。30%……40%……」

 

 少年は読み上げられていく数字が100%になるのをワクワクして待っていた。

 順調に溜まっていくエネルギーは75%まで到達した。しかし次の瞬間、突如鳴り響いた爆発音により実験は中止される事となる。

 いったい何事かと状況が飲み込めない少年は辺りを見回した。すると研究室へ武装した兵士が飛び込んできた。肩にかかるストラップにはこの研究所で開発されたアサルトライフルが()がっていた。

 

 たしかこの人は皇神(スメラギ)に所属する兵士だったような……。

 

 胸のアーマーに描かれたマークについてを思い返す少年を余所に、研究者の一人が兵士に何があったのか尋ねた。

 

皇神(スメラギ)の兵士がここに何の用だ!?」

「テロリストが侵入したんだ! ここは危険だから避難しろ!」

「テロリストってまさかここにいる第七波動(セブンス)能力者を狙ってきたのか!?」

「おそらく爆発した箇所から見てそうだろう! ここらの区画(エリア)一帯はすぐ戦闘に巻き込まれる事になるから早く逃げろ!」

「えっ……」

 

 テロリストが侵入した。簡潔だが明確な危険を知らせる兵士の言葉に少年は言葉を失った。

 しかも目の前の兵士は今、「この研究所にいる第七波動(セブンス)能力者を狙ってやってきた」と口にした。

 第七波動(セブンス)能力者といえば、少年の父が研究をしている異能者の事だ。

 それを狙ってやってきたとなると……。

 

 ___父さん! 

 

 言いようのない不安感に突き動かされるまま、少年は大人たちの静止する声を振り切って父の元へ駆け出した。

 

 

 

 どれくらい走っただろうか。

 少年はたどり着いた扉に手を着いて、肩を上下させながら荒い呼吸を落ち着けていた。一対の翼に剣が立つそのマークは、この研究所に出資している皇神のロゴだ。

 普段は近付いてはいけないと父から言われていたその部屋は、生体研究の分野を担当する区画(エリア)だ。

 扉に手を当てると鍵が掛かっていないのか呆気なく開いた。

 部屋の中は照明が壊れているのか暗い。少年は恐る恐る部屋に足を踏み入れ、中の様子を伺いながら父の姿を探した。

 床には実験に使うための薬品や、採血に使うためと思われる注射器やチューブなどが散乱している。

 

「父さん……どこ……?」

 

 不安げな声で少年は暗闇へ呼びかけた。しかし、返答はない。少年はなおも暗闇へ足を進めた。そして、ついに少年は血に濡れた神園(かみぞの)と書かれた名札を首にかけた研究者、自分の父親が事切れた姿を発見した。

 

 

 

 少年の父、神園博士の葬儀は血縁者と同僚により(おごそ)かに行われた。

 病気で声の出せなくなってしまった上、身体が弱って車椅子での生活を余儀なくされた妹と共に、少年は父の遺体が炉に入れられて行くのを見送った。

 不思議な事に涙が出る事はなくただ、これでお別れなんだ、と人形のような表情(カオ)で眺めているだけだった。

 

 悲しいのに……どうしてボクは涙が出ないんだろう……。

 

 もしかしたら自分は涙が出ないロボットじゃないだろうか。そんな益体もない事をぼんやりと考えてしまうくらい、父が亡くなってしまったという実感がない。

 父が炉に入ってから2時間ほどの間、少年は同僚の噂話やこれからの事を聞かされる事となった。

 

「神園博士、第七波動(セブンス)能力者に殺されたらしいぞ。可哀想に……」

「たしか、ウチを襲ったのは反皇神(スメラギ)第七波動(セブンス)能力者の立場向上を掲げるテロ組織のフェザーだったらしいな」

「そうそう。息子さん、大変だよなぁ……。これから病気の妹の世話を一人でしないといけないんだから」

「いや、たしか一人だけハウスメイドがいただろう。名前はたしか……ノワって言ってたかな」

「あー……あの目付きが鋭い……。そんな事より例のプロジェクト、どうなるんだろうな? たしか神園博士が主任(リーダー)となって進めていたはずだが……」

電子の謡精(サイバー・ディーヴァ)プロジェクトか……」

 

 自分よりも仕事仲間の方がよっぽど悲しんでいると思ったが、そうでもないらしい。

 どうやら同僚の死よりも仕事の方が大切のようだ。

 手持ち無沙汰のまま、妹と一緒に自分と同じくらいの薄情者(とうさんのしごとなかま)の話を聞かされていると少年は肩に手を置かれた。

 見上げるとメイド服に袖を通し、赤毛のストレートヘアを肩口に切り揃えた怜悧(れいり)な目付きの女性、先ほど話題に挙がったノワが立っていた。

 

「お二人共、ここよりもあちらの方へ移動した方がよろしいかと思われます。お菓子とお茶を用意したのでどうぞお休みください」

 

 さぁ、と少年の代わりに妹の車椅子のハンドルを握ったノワは少年の手を引っ張る。

 連れていかれた先で少年はショートケーキと紅茶を出されたのだが、不思議と美味しいとは思えず、ただの甘いスポンジの塊と熱い紅茶としか思えなかった。

 

 葬儀から数日ほど経過した。

 ノワが遺品を整理するというので何をして良いか分からない少年は彼女に勧められるまま、遺品整理の手伝いをする事になった。

 神園博士は生体工学の論文など様々な研究の資料を遺していたのだが、その中で少年は一冊の日記帳に目を付けた。

 

「これ、読んでも良い?」

「ええ。残りはワタシがやっておきます」

 

 気を利かせてくれたのか、少年の言葉にノワは言葉少なに返事した。

 空いている場所へ移動し、日記帳を開いた少年はその内容に目を見開いた。

 そこに書かれていたのは将来、第七波動(セブンス)能力者は人類の敵になる危険性がある事。そして皇神(スメラギ)グループはその報告を無視し、なおかつ第七波動(セブンス)能力者の軍事利用を画策中だと告発する内容だった。

 少年は日記帳を読み進めていく。

 ページをめくり、読み進めていくごとに父の言葉を無視した皇神(スメラギ)グループへの怒りと、父の命を奪った第七波動(セブンス)能力者そのものへの憎しみが芽生えてくのを感じた。

 日記帳の全部(すべて)を読み終えた時、少年の心に残っていたのは第七波動能力者と皇神グループ(バケモノ共)への復讐心だけであった……。

 

 

 

「……ラくん! アキュラくん!」

 

 目を閉じ、過去を振り返る時間は自分の名前を呼ぶ声で終わりを迎えた。

 復讐を誓ったあの時の少年、アキュラの静かに開けた真っ赤な()に映るは、真っ白なアーマーと以前、対第七波動(セブンス)能力者用大型回転式拳銃(マグナム)、ヴァイスティーガーII。

 彼の隣には先ほどアキュラに掛けた声の主、黄色い目に赤と白のカラーリングの球体型戦闘支援バトルポット、通称RoRoが浮いている。

 これらの装備は全て、父が遺した資料を元にアキュラが自作した物である。

 そして、アキュラ達が眼前を見据え睨んでいるのは襲撃を受け、現在は混乱しているであろう皇神(スメラギ)グループの本社ビルだ。

 

「RoRo、ミチルを攫った能力者の反応は捉えているな?」

「うん! バッチリだよアキュラくん! ミチルちゃんはビルの周りを飛ぶ飛行船の中にいるみたいだ!」

 

 RoRoの返事を受け、アキュラはヴァイスティーガーIIの銃把(グリップ)を強く握り締める。

 そして、たった一人の肉親である(ミチル)を攫った能力者(バケモノ)に断罪するべくアキュラとRoRoは駆け出した。

 

 ミチルを使って何を企んでいるのか知らんがその邪悪なる野望はオレが討滅する___!! 

 

 以前、煮え湯を飲まされた第七波動能力者(バケモノ)の能力を参考に作った新装備と新たな力であるブリッツシステムを手に、アキュラはミチルを助けに夜空を駆ける。

 この時、その煮え湯を飲まされた蒼き雷霆を纏う少年と再び相見え、彼をも巻き込んだ数奇な運命に踊らされる事をアキュラはまだ知る由もなかった。




と、こんな感じの事があったんじゃないかなぁという妄想でした。
ほんとはアシモフにお父さん殺させようかと思いましたが、Xの方で特段言及があった訳じゃないので没となったという裏話がございます。
もし、未プレイだけどこれを読んでガンヴォルトに興味が出た!って読者の方はぜひともSwitchの方にストライカーパックと白き鋼鉄のXとX2をダウンロードしてプレイしてもらい最新作に追いついて欲しいと思います。
それではこの辺で失礼します。
最後に一言だけ
ゲーマーズ特典のモルフォときりんちゃんはなッ!サイッコーに胸キュンなんだよッ!!

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