落ち着け! 話を聞け! いいか、私は女だ!!   作:あんどぅーサンシャイン

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報連相はしっかりと

 

 

 ―――side千聖

 

「千聖さん。ちょっといいですか?」

 

「はい?」

 

 ドラマの撮影が終わり共演者の方々に挨拶回りをしている途中、突然マネージャーに声をかけられた。

 

「実は……来週のこの日に、特番のバラエティ番組の出演が入りまして」

 

「バラエティ番組?」

 

「はい。これなんですけど」

 

「はい……ああ」

 

 この番組は私も知っている。

 確か某人気お笑い芸人とアナウンサーが司会を務め、雛壇にはこれまた芸人が多数。毎回タレントや芸人、ミュージシャンなど様々なゲストを迎え、そのゲストの人生を掘り下げたり、そのゲストの考案した企画をやって盛り上がったりするトークバラエティ番組だ。

 私はまだ出演したことはないけど、おそらく今撮っているドラマの宣伝が目的でオファーが来たのだろう。

 

「いいんじゃないですか? 撮影が夜なら学校もないですから時間も合いますし」

 

「いや……そこに関しては問題ないんですけどね」

 

「他に何か問題でも?」

 

「それがこの日の企画の一つにですね……『私の恩人紹介』というコーナーがありまして」

 

「恩人紹介?」

 

「はい。千聖さんが人生において一番お世話になった人や、この人がいたから今の私がある、みたいなかけがえのない人を紹介して、実際にスタジオに呼んで話をしてもらう

 

「まぁ、こういう系の番組にはありがちな内容ですよね」

 

「ですので本番の時にはそういう方を一人連れてきてもらいたいのですが……いますかね?」

 

「そうですね……」

 

 顎に手を当てて考える。

 さて、誰にしようかしら。無難にいくならパスパレのメンバーのうちの誰かなんだろうけど……。

 

 ……………あ。

 

「あの、ちなみにその恩人は一般の人でもいいんですか?」

 

「え? あ、はい。その方が出演と顔出しを了承してくれるなら」

 

「そうですか……ふふっ、良かった……」

 

「?」

 

 不敵に笑う。

 そうよ。私が人生において最も大切な人なんてわざわざ考えるまでもない。この世にたった一人しかいないじゃないの。

 

 雪のように透き通った純白の肌。

 プラチナ色の髪。

 “美”そのものを体現した端整な顔立ち、スタイル。

 たわわを超えた超たわわスイカ。ボインボイン。

 

 まさに現代に舞い降りた女神。非の打ち所がまるでない完璧な存在。私の大切な親友であり―――恋人だ。彼女以外に恩人などいないしあり得ない。あの子に比べたら他の生き物なんてもう道端に落ちてる泥水でヨレヨレになったエロ本ぐらいのしょうもない価値しかない。

 

「千聖さん?」

 

「あ、いえ。なんでもありませんよ」

 

 私はその仕事を受けること、そしてその恩人を本番までに用意しておくことを伝えた。

 

「じゃあ向こうのプロデューサーには私の方から連絡しておきますので」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――side 結愛

 

 

 こんにちは。アメコミヒーローはDCよりもマーベル派、もちろんスパイダーマンもト◯・ホ◯ンド派、ノーウェイホームは神映画、柊結愛です。  

 突然ですが、私が今どこにいるかわかりますか? わかりますよね? だってもうね、ヤンデレ小説においてこういう語りから始まるときって言うのは大抵状況は決まってるんものなんですよ。

 

 

「むぐぐぐ!! むぐぐぐぐぐぐ!!(バタバタバタ)」

 

「こら結愛! 静かにしなさい! 気づかれるでしょ!」

 

「むぐぐぐぐぐぅぅーー!!」

 

 

 ……ああそうだよ! 拉致だよ! 拉致と書いてらちと読むアレだよ!

 いきなり猿轡とロープで手足を拘束されて、デかいボストンバッグみたいなものに詰め込まれてどこかに運ばれている最中だよ! 狭いしキツいし苦しいよぉーー! 

 

「結愛、いい加減にしなさい。さもないと……」

 

「むぐぐ! むぐ! むぐぐぐぐぐ―――(うるさい! 出せ! 私をここから出―――)」

 

「処女膜破るわよ(ヴィィイイン)」

 

「……………」

 

 とてつもない恐怖を感じたのでお口チャックしました。

 

 やがて目的地についたようで、千聖が私の詰め込まれたボストンバッグを持って車から降りる。

 そしてしばらく歩いた後、どこかの部屋に入る。そこでようやくボストンバッグから解放され外の景色を見ることが出来た。床や天井は白を基調としていて、部屋の真ん中には大きな机、壁には鏡台が取り付けられてて、オマケにブティック屋にありそうな着替えルームまである。

 

「着いたわよ、結愛」

 

「むぐぐ……(やっとか……)」

 

 もう無駄な抵抗はやめた。

 だってこんなしょうもないタイミングで処女奪われたくないもん。というか逃げようにも物理的にも不可能だしね。手足縛られてるんだし。

 

「さ、本番まで時間もないし、早く準備しなくちゃ」

 

「むぐ、むぐぐぐぐぐぐぐ(ねぇ、せめて拘束具だけでも外して)」

 

「騒がない?」

 

「むぐ(うん)」

 

「逃げない?」

 

「むぐ(うん)」

 

「私の言うことを一言一句ちゃんと聞く?」

 

「むぐ(うん)」

 

「私の事世界一愛してる?」

 

「むぐぐぐ(いえ全く)」

 

「……………(ヴィィイイン)」

 

「む、ぐっ!? むぐ、むぐぐぐ!! むぐぐぐぐぐぐぐーーっ!!?(ちょ、止めて! ハイライトの消えた瞳でローターを押し付けないでいやぁーーっ!!?)」

 

 

 千聖と熾烈な攻防を繰り広げた(最後に私の頭突きが千聖の鳩尾にクリーンヒットして終了)後、結局猿轡とロープは外してもらえた。

 ま、守りきった……どうにか純潔は守りきったよ……。

 

「というかここどこ? やけに綺麗な部屋だけど」

 

「テレビ局の楽屋よ」

 

「は、楽屋? テレビ局? なんで?」

 

「だって貴女はこれから私と番組に出演してもらうからよ」

 

「あ、そうなんだ。私が千聖とテレビにね―――」

 

 

 ……………は?

 

 

「……え、いや、あ、え? テレビ? 私が?」

 

「ええ」

 

「いや、いやいやいやちょっと待って! な、なんでそんな話になってんの? 私何も聞いてないんだけど!?」

 

「それはそうよ。だって今初めて言ったんだもの」

 

「はぁ!?」

 

 ここでようやく千聖から事情を説明してもらう。

 

「心配しないで。出演といっても軽いトークぐらいしか結愛のやることはないから」

 

「そ、そうなんだ……。いやいや、にしても急すぎるって……せめて事前に話くらいはちょうだいよ」

 

「それは私も考えたわ。でも結愛、こういう話は絶対断りそうなんだもの」

 

 そりゃそうだ。

 ただの一般人……それも人見知りな私がいきなりゴールデンタイムのバラエティに出て喋れとか無理に決まってる。

 

「それ別に私じゃなくてもいいじゃん、恩人なんて」

 

「他に誰がいるのよ」

 

「彩とか日菜とか?」

 

「想像しただけで反吐が出るわ」

 

「ひどっ!?」

 

 露骨に嫌な顔をする千聖。

 反吐が出るは流石に言い過ぎだと思う。

 

「だってその子達、分際を弁えずに結愛に近づこうとしてくるのよ? 身の程知らずもいいところだわ。全く……あのブタ共が……!!」

 

「いや、それはアンタも大概じゃ」

 

 ザクッ

 

「な、に、か、し、ら?(スチャッ)」

 

「心の底からごめんなさい」

 

 おでこに伝わる床のひんやりした感触。

 やっぱり敵から身を守る対処法は土下座が一番だよね。

 

「とにかくもう貴女の出演は決まったことなの。諦めなさい」

 

「うう……理不尽だ。拉致はされるわボストンバッグに詰め込まれるわ勝手にテレビ出演させられるわ……最悪だよ」

 

「そうかしら」

 

「そうだよ!」

 

 

 ピンポーン

 

『はーい? どちらさ』

 

『結愛、行くわよ』

 

『は? 千聖? なんでい―――』

 

『Let's note(ドスッ)』

 

『ベブフォッ!!?』

 

 バタッ

 

『Mission complete』

 

 

 

「……? なにかおかしいかしら。キチンとした物理的解決(こうしょう)じゃない」

 

「おのれは一回交渉という言葉を辞書で調べ直してこいこのバカ!!」

 

 どうして私の周りにはこんな暴力的な女性ばっかりないんだろう。コイツといい花音といいもうホントやだ。帰りたい。

 

「もう結愛ってば、そんなに怒ってばかりいたら折角の可愛い顔が台無しよ」

 

「誰のせいだ誰の……!」

 

「はむはむ」

 

「耳をしゃぶるな!!」

 

「あぁんっ」

 

 

 私のストレスの原因はほとんどがアンタ絡みなんだよくそったれ。

 

「ったく、アンタはいつもいつも……!」

 

「しょうがないわね。ならちょっと待ってなさい」

 

「え?」

 

「すぐ終わるから」

 

 そう言って千聖は試着室の中に入っていってしまった。

 なんだろ? 撮影用の衣装にでも着替えるのかな? なんて思いつつしばらく待っていると、

 

「……んっ、はぁっ、あんっ(ヴィィイイン)」

 

 (ん? なんか変な声が聞こえるんだけど。千聖なにして―――)

 

 

「はぁっ、ふぅ♡♡ ンンンッ、いぎっ、あぅぅっ、しゅ、しゅごいいっ、ら、らめっ、そ、そこぉっ、激し……イィッ、んひぉっ!? ゆ、結愛ぁっ♡♡♡ しょ、しょんなっ、にっ強く、しゃれっ、たら……私っ、壊れちゃうっ、おかっ、しくっ、なっちゃう、からっ♡♡ あぅんっ、らめっ、イグ……イッぢゃうのおおおおおおおお♡♡♡♡♡」

 

「……………」

 

「しゅきっ、しゅきっ♡♡ 結愛っ、大っ、しゅき♡ あああああああああああああああああああああああ♡♡♡♡」

 

「……………」

 

 

 ―――数分後。

 

「あ、はあっ……ふぅんっ。お、お待たせ……っ♡」

 

「……………」

 

 試着室から千聖が出てくる。

 なんか目がトロンとしてて火照ってた。足ガックガクさせて、なんか足の付け根あたりをビショビショに濡らしまくって。

 

「……………」

 

「ハァ、ハァ……んっ、……ほら、これをっ、あげるから……機嫌直して?」

 

「……………」

 

「その……私の……アレがたっぷり染み込んだ……うふっ♡♡」

 

 千聖が手に持っているものを私に差し出してくる。

 触らなくてもわかるぐらい―――透明な液体で汚れに汚れまくったパンツを。

 

「……………ねえ千聖」

 

「な、なぁに? 結愛ぁ……、しゅき♡」

 

 ガシッ!

 

「へ?」

 

「私の秘密を教えようか―――」

 

 

 

 

 

「―――いつも怒ってる(ニコッ)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガチャ

 

「すみませーん。千聖さん。もうすぐ本番なんで移動の方を―――」

 

 

「おごぼぼぼぼっ!? おごご!! おぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼーーっ!!?」

 

「ほらほら気絶なんて許さないよ千聖。いっとくけどあと10分はそうしててもらうからね。まぁアンタならそれくらい何ともないと思うけど(笑) 気合い入れて死んでも生き残りなよー(グググググ)」

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!?」

 

「……………」

 

  

 ガチャリ

 

「……………」

 

「……………(スッ)」

 

 

 

「……もしもし、警察ですか? 今楽屋で真っ白い女の人が笑いながらウチの女優の子を水を張った洗面台に押し沈めて溺死させようと……!」

 

 

 

 

 




本編でも言いましたが念のためもう一度。ノーウェイホームは神映画、是非見てみてください。泣きます(歓喜で)

どっかでクロスオーバーさせようと思います。どれがいいと思いますか?

  • バカとテストと召喚獣
  • のうりん
  • ぬきたし
  • 艦隊これくしょん ~艦これ~
  • 見える子ちゃん
  • 君のことが大大大大大好きな100人の彼女
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