落ち着け! 話を聞け! いいか、私は女だ!!   作:あんどぅーサンシャイン

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今回で絶対に一区切りつきます。もしつかなかったら桜の木の下に埋めてもらって構いません。


YANDERE VS SISUKON 後編であってほしい

 

 ―――side 映姫

 

 

「……裏切った、だと?」

 

「は、はい。現在湊隊長―――もとい湊友希那は突然として謀反、反逆者であるモルフォニカの連中と行動を共にしており、こちらに辿り着くのも時間の問題かと思われます……」

 

「ふーん……」

 

 偵察兵―――羽丘の女子生徒の報告を、占拠した校長室のソファーに深く腰掛けて聞く。

 あ、占拠したと言ってももちろん先生達には事前に理由を話してお帰りいただいている。さすがに無関係な人間を巻き込むワケにはいかないからな。

 

「おのれぇ……何をしてやがるんだあの馬鹿女が!!!」

 

「戦死ならまだしも寝返っただとォ……? ふざけやがって! あのブタ野郎!!」

 

「使命を忘れて我欲に走るとはね~~……うん、殺そっ」

 

「我らの血の盟約に背きし愚か者が……でら許さんっ!!! 今すぐブチ殺してひき肉にしたる!!」

 

「映姫様! どうかご指示を! あのクズに裁きの鉄槌を下す許可を!!」

 

「……………」

 

 他の連中は見ての通り動揺し、殺気立っているようだ。だが私は違う。所詮は結愛という美しい蝶に群がってきたクソにも劣る薄汚いハエ共の集まり。協調性や忠誠心など微塵も期待していないからな。裏切りの一つや二つなど想定済みだ。

 だが……湊友希那という存在が貴重な戦力であったこともまた事実。早々に手を打たなければなるまい。

 

「喚くな貴様ら。おいお前、現状を簡潔に述べろ」

 

「はっ、現在湊友希那達は校舎一階の階段渡り廊下にて防衛部隊と交戦中であります!」

 

「他はやられたのか?」

 

「はい。氷川日菜、瀬田薫、今井リサ。部隊長達は既に奴の毒牙にかかり……戦場にて散りましたッ!!」←死んでません。

 

『なんと! 部隊長達までか!?』

 

『この短期間で次々に……湊友希那、化け物めっ!!』

 

「で、あと何分持つ?」

 

「大変言いづらいのですが……おそらく10分も無いかと」

 

「……ふむ。腐っても究極兵器(アルティメットヤンデレ)。雑兵共では足止めにもならんか。なら少し早いが仕方ない」

 

「えっ?」

 

 

 

「―――私が直接やる。“柊家”の本当の恐ろしさを身をもって教えてやろうじゃないか」

 

 

 

 

 

 ―――side ましろ

 

 

『『『死ねやボケがぁああっっっ!!!』』』

 

「っ!」

 

 大人数で凶器を持ち襲いかかってくる生徒達をたった一人で迎え撃つ友希那さん。迫り来る暴行を次々と避けて、いなして、防御して、反撃して、逆に叩き潰す。明らかにバンドリというコンテンツから大きくかけ離れた凄惨な光景が繰り広げられている。

 

「この程度じゃ肩慣らしにもならないわね」

 

『何をォ……イキるなこの裏切り者がぁ!!』

 

『よくも隊長達を葬ってくれたわね! その罪はお前の命で贖わせてやる!!』

 

『結愛様は貴様らなんかに渡さないわ!! その方は世界の宝なのよ!!』

 

『そうよ!! だからここでくたばりなさい!!』

 

『死ね!』

 

『『死ね!!』』  

 

『『『死ね死ね死ね死ね死にくされえぇええっ!!!』』』

 

 明確な殺意をあらわにし、まるでゾンビみたいに何度も倒れては立ち上がる向こうの人達。 

 でも、ここまで他人から死ねだのくたばれだの言われるのって、普通に考えてないよね……。それだけ結愛さんがもたらす影響力が強いって事なんだろうけど……。

 

「よく吠えるわね。けど死ぬのは貴女達よ。結愛にも、あの5人にも手は出させないわ。私が守るから」

 

「いや、センパイさっきまでアタシ達の事殺すとか言ってたよね?」

 

「記憶に無いわね」

 

「じゃあ廊下を蹴りで粉砕したのは」

 

「記憶に無いわね」

 

「シロにドロップキックしたのは」

 

「しつこいわね。無いと言っているでしょう。しつこいギャルは嫌われるわよ」

 

「ねえシロ。アイツ一発ブン殴ってもいいよね?」

 

「と、透子ちゃん気持ちは分かるけど落ち着いて……」

 

 透子ちゃんちょっと口が悪くなっちゃってるよ。

 

『いたわ! 裏切り者と反逆者5人よ!』

 

『『『殴り殺せぇっ!!』』』

 

「えっ!? 上からまだ来てるよ!?」

 

「あれ、でも二階から上はもう全滅した筈じゃないの!?」

 

『さっきはよくもやってくれたわね……裏切り者の分際で!!』

 

『結愛様を大人しく引き渡して死ね……さもなくば結愛様を奪い取ってから殺す!!』

 

『私達の生命力を……甘く見ないで!!』

 

 瞬く間に四方八方を囲まれた。

 全員がもれなく血走った目をしていて、それだけで確実に私達を殺すという強い意志が感じられる。正直に言う、すごく怖いです。

 

「チッ、結愛達を守りながらとなると、この数はさすがに面倒臭いわね……」

 

 本当に面倒臭そうな目付きをする友希那さん。

 どうするのかな、と思っていると、

 

「なら手伝ってあげましょうか。湊さん」

 

『ごふっ!?』

 

『がぅ! な、なに……!?』

 

「! 貴女……」

 

「そ、その声は!」

 

「白鷺先輩!?」

 

 敵を薙ぎ倒しながら現れたのは、先ほど結愛さんによって外に埋められたはずの白鷺千聖さんだった。

 

「生きていたのね、白鷺さん」

 

「ええ。結愛に全身の関節と頚椎を逆方向に折られた挙げ句屋上から突き落とされてそのまま土葬よろしく埋められたけど、なんとか自力で這い上がってきたわ」

 

 (((((人間じゃない……)))))

 

「どうやら結愛も無事なようね。良かった、もしこの子にかすり傷一つでもつい……この場にいる全員を八つ裂きにしてたところよ」

 

「「「「え……」」」」

 

「ふふっ嘘よ。安心して、3割冗談だから(ニヤリ)」

  

 あの、7割以上本気なんですけど……。そして目が全く笑ってないんですけど……。

 

『貴様は……白鷺千聖!!』

 

『よくも同胞を! 許さない!』

 

『仲間のピンチに颯爽と現れるなんて、随分とヒーロー気取りね! だけど!』

 

『そんな手負いの状態じゃ恐るるに足らない! そこの裏切り者同様まとめて葬ってあげる!』

 

「……だそうよ」

 

「ふふ、公式に名前すら与えられないド腐れモブ野郎の分際でこの芸能界、そしてバンドリ界において1、2を争う程の超人気キャラクターである私に対して随分と吠えるじゃない。」

 

 色んな意味で酷い言い様です。

 

「でも白鷺さん。私達が同時に戦えば結愛にも危険が及ぶ可能性があるわよ」

 

「大丈夫、その辺はちゃんと考えがあるから」

 

「考え?」

 

「ええ、簡単な話よ。私達のどちらか一人がこの場に残って敵を殲滅して、もう一人が結愛とその他大勢を連れて避難するの」

 

「……そうね、そうするのが一番手っ取り早いわね」

 

「あの……そうなるとちなみに、どっちが残るんですか?」

 

「あら、そんなの決まってるじゃない―――」

 

「愚問よ倉田さん。それは当然―――」

 

 

「「私に決まってるわ」」

 

 

 ピキッ

 

 

「「「「「……………」」」」」

 

『『『……………』』』

 

「「……………は?」」

 

「……聞き間違いかしら? 今貴女の口から戯れ言のようなものが聞こえたのだけれど」

 

「うふふ、その言葉そっくりそのままお返しするわ」

 

「「……………」」

 

 

 ゴゴゴゴゴゴゴ……

 

 あ、あれ? なんか空気が一気にざわついて……。

 

「……白鷺さん。最初に言い出したのはそっちなのだから、ここは責任をもって貴女が殿をつとめるべきでしょう?」

 

「ご指摘ありがとう。でも私は見ての通り手負いの状態なの。身体のコンディション的にもここは私よりも友希那ちゃんの方が適任な筈よ。私は貴女を信頼してるから、ね?」

 

「そんな気遣いは全くもって必要ないわ。それに……もし結愛が目覚めた時に一番愛する人……すなわち私が側にいた方がいいでしょ。だから貴女がここに残りなさい」

 

「うふふ、それなら尚更その役目は私しかあり得ないわね。結愛にとって最も必要なのは他の誰でもない、この白鷺千聖という人間ただ一人だもの。……どこぞの歌うことしか取り柄の無い孤高の歌姫(笑)さんと違って(ハイライトオフ)」

 

「……作り物の笑顔しか出来ない芸能界の犬畜生の分際でデカい口叩かないでくれるかしら。しかも結愛に必要なのは自分だけとか冗談にしてもつまらない。どうやらその胸だけじゃなく、頭まで残念なのね(ハイライトオフ)」

 

「……………」

 

「……………」

 

「……………(ギリギリギリ)」

 

「……………(ポキッパキッ)」  

 

「……あ、あのぉ、二人共?」

 

 

「……………ふふ」

 

「……………ふふ」

 

「「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ……」」

 

 

 ダンッ!!!

 

「「野郎ブッ殺してやらぁああっっっ!!!!!!!」」

 

 

 

「ちょっとおおおお!!?」

 

 何故かいきなり本気の殴り合いを始めた二人。

 その衝撃は凄まじく、彼女達がぶつかり合う度に校舎全体が激しく揺れ、破壊される。

 

「や、やめてください!! 今はそんなことで争ってる場合じゃきゃあぁああっっっ!!!?」

 

 天井が崩れて上から黒板やら机やらが降ってきたぁああっっっ!!!?

 

「ひいいっ!!? が、ががが学校が、校舎が大変なことにいいーーっ!!?」

 

「このままだと崩落も時間の問題ね。早く避難しないと全員生き埋めになるわ」

 

「だから瑠唯さんそんな冷静に状況分析してる場合じゃないって!」

 

「あーもう!! なんでこうアタシ達の周りの先輩共は問題ばっかおこすんだよーー!!」

 

『な、なんだ!? 仲間割れか!』

 

『ど、どうする!?』

 

『とにかく一旦離れるわよッ!! 近くにいたら巻き込まれるわ!!』

 

『チッ! イカれた怪物共めっ!!』

 

 向こうもここは危険だと判断したようで、私達に背を向けて一斉に走り出していく。

 

「あ、敵がいなくなったよ! アタシ達もさっさと行かなきゃ!」

 

「う、うん!」

 

 すぐさま私達もその場を離れ、近くにあった窓から外に脱出する。

 背後から『爆ぜろゴミクズ』とか『死に腐れビチクソ野郎が』とか聞くに堪えない罵詈雑言の嵐が飛び交っていたけど、そんな事を気にしている余裕はない。

 やがてなんとか月ノ森の敷地内を抜け出し、近くの住宅街まで避難した。

 

「な、なんとか助かったね……」

 

「うん……でも見て、私達の学校がどんどん瓦礫の山になっていってる……」

 

「もしかしてアタシ達、夢とか見てるワケじゃないんだよね……?」

 

「残念だけど現実よ。一片の狂いもなくね」

 

「でもこんなの、現実とか言われてもさすがに信じられないよね……」  

 

 信じられないし、信じたくない。

 ガールズバンドとして憧れていた先輩達が、今や私慾と激情に駈られ、破壊の限りを尽くす人間殺戮兵器になってしまったなんて。

 

「それで、これからどうしよっか……?」

 

「どうするも何も、こうなったら戻るワケにはいかないっしょ。てかもうその戻る為の校舎すら無いんだから。最後までアタシ達で結愛センパイを守るんだよ」

 

「でも、どこに逃げれば……」

 

「あ、ならいつもの練習場所にいかない?」

 

「そうね。そこでしばらく身を隠してほとぼりが冷めるのを待つのが、今の状況的にも妥当だと思うわ」

 

「あまり長く結愛先輩を外にはいさせられないもんね」

 

 今日は無駄に天気がよく、日射しもかなり強い。

 一応日傘を指してるとはいえ、アルビノという特殊体質をもつ結愛さんにとっては最悪な環境といえるだろう。

 

「よし、じゃあ善は急―――」

 

 

 

 

「ほう? どこへいくつもりだァ……? このガキ共がァよ……」

 

 

「「「「「!!?」」」」」

 

 

 鼓膜に直接突き刺さるような圧力に満ちた冷徹な声色。

 恐る恐る振り返ると、

 

「ひ、ひぃっ!?」

 

「な、なにあの人……」

 

「ん? あぁ、そういえばお前らの前に姿を晒したことは無かったな。なら教えてやろう。私こそが柊永姫。そこの柊結愛の実の―――姉だ」

 

「「「「「!!?」」」」」

 

 ラスボスが立っていた。

 

「う、嘘……!?」

 

「あれが……結愛先輩のお姉さん!?」

 

「でも確かに、顔つきとか似てる気がする……」

 

「雰囲気はキッパリ真逆だけどね」

 

「ふん、まさかここまであの連中を手こずらせるとは思わなかったが……図に乗るのもここまでだ」

 

 私達、もとい結愛さんを指差して永姫さんが言う。

 

「大人しく妹と首と心臓をこちらに差し出せ。さもなければ貴様らを死ぬ寸前まで蹴り殺し肉塊にしてから結愛を奪うことになる(ゴキッゴキッ)」

 

「あの、それだとどちらを選んでも死んじゃうんですけど……?」

 

「??? むしろ助かるなんて選択肢があると思っているのか???」

 

「それじゃ選択肢の意味がありません!!」

 

「黙れツインテールのロリガキ、蹴り殺すぞ(ズドン!!)」

 

「ひぃっ!?」

 

「助けになんて来るわけが無かろう。淡い希望を持つのはやめろ」

 

 ア、アスファルトの地面を踏み砕いた……。

 どうしよう、このままじゃ私達もあのアスファルトみたいにされる……。

 

 

 ピーポーピーポー

 

 !!

 

「あっ! あそこ見て皆! パトカーがこっちに来てるよ!」

 

「本当だ! 誰かが通報してくれたのかな?」

 

「どっちでもいいよ! とにかく助けてもらおう!」

 

 安堵する私達の前にパトカーが止まり、中から若いお巡りさんが出てきた。

 

「あの、先ほど緊急の通報を受けて来たのですが」

 

「す、すみませんっ! 助けてくださいっ! テロです! あそこに学校破壊のテロリストの首謀者がいます! 逮捕してください!」

 

「テロ?」

 

 よ、良かった。これで助かる……!

 

 

 

「なんだァ……てめェ……。サツごときが私の邪魔するのか?(ゴゴゴゴゴゴ)」

 

「……………」

 

 

 スッ(パトカーに戻るお巡りさん)

 

 バタン(パトカーのドアを閉めるお巡りさん)

 

 ピーポーピーポー(どこかへ消えていくパトカー)

 

  

「……………」

 

「……………」

 

「……………」

 

「……………」

 

「……………」

 

「……………おい」

 

「「「「「はい」」」」」

 

「誰も助けになんて来るわけが無かろう、淡い希望を持つのはやめろ」

 

「何事もなかったかのように続けた!? いやいや今通ったよね!? バリバリお巡りさんが通りましたよね!!?」 

 

 華麗に見捨てられたけど。

 

「フッざけんな!! なんで大事な場面で役に立たねえんだよ警察の癖に!! こっちが必死で助けを求めてんのにビビって尻尾巻いて逃げやがって!! 国民の安全より自分の保身に走るとか馬鹿にしてんのか!! 何が国の治安維持組織だよ!!! あんの資本主義に飼い慣らされた薄汚い税金泥棒があぁああっっっ!!!!!」

 

「透子ちゃん! 透子ちゃん落ち着いて!! それ以上は透子ちゃんのキャラに響くからダメだよ!!」

 

「大丈夫よ。ちゃんと小説のタグにキャラ崩壊ってついているから。今さら桐ヶ谷さんのキャラが多少壊れても何ら問題はないわ。さっきだって湊さんと白鷺さんだって相当イカれゲフッ!?」

 

「瑠唯さん。いい加減ちょっとメタ発言は黙ろうか」

 

 あ、つくしちゃんちょっと怒ってる。

 

「さて、返答を聞こうか」

 

「い、嫌です! 例え結愛さんのお姉さんだとしても、貴女みたいな危険な人に結愛さんは絶対に渡せません!!」

 

「そうか。なら今から現役女子高生血塗れ解体ショーの始まりだな。覚悟しろ」

 

「っ!!?」

 

 映姫さんがボキボキと手首を鳴らす。

 その時だった。

 

 

「「「「「ちょっと待ったぁああっっっ!!!」」」」」

 

 

「?」

 

「そこまでだよっ!! 結愛ちゃんのお姉さんっ!!」

 

「倉田さん達に手を出すことは!!」

 

「私達が!!」

 

「……ゆ、許しません……!!」

 

 

 と、また別の声がこだます。

 

「あれは……松原先輩!」

 

「紗夜さんもいるじゃん!」

 

「待たせましたね皆さん。良かった、まだ無事なようで」

 

「ナイスタイミング! お願いします! 私達あの人に今まさに殺されそうになってて! だから助けてくださいっ!」

 

「………ん? 助ける? もしかして何か勘違いしてないかな?」

 

「「「「「え?」」」」」

 

 スチャッ

 

「貴女達は、私達が殺すんだよ♪」

 

「「「「何で!!?」」」」

 

 悲報、助かるどころか余計に敵が増えました。

 

「いやいやなんでですか!? どう見たって敵は向こうですし、今回私達結愛先輩に何もしてませんよ!」

 

「ううん、違うの。皆が結愛ちゃんに何かしたしてないの問題じゃないんだよね」

 

「え?」

 

「ええ、私達が抱いているのはそれよりももっと根本的なものなんです。つまり……」

 

 

「「「「私達よりも結愛ちゃん(さん)に仲良さそうなMorfonica(お前ら)がそもそもムカつく(ニコリ)」」」」

 

 

「「「「ただの逆恨みじゃねぇか!!!」」」」

 

 ああもう! どうしてこう私達の周りには味方がいないのかな!

 とするとさっきの紗夜さんの無事って良かったっていうのは、私達を身の心配してるんじゃなく、自分達の手で殺せるかどうかの心配だったってことなの!?

 

「というわけで、この五人を葬るのは私達の役目なので、お姉さんは大人しく手を引いてもらえますか?」

 

「断る」

 

「そうですか……なら仕方がありませんね。そこの五人の前に貴女から始末させていただきます。お覚悟を」

 

「とても……残念です。愛する人の身内を……この手にかけなければならないなんて……」

 

「また一個、作らなきゃいけない墓標が増えちゃうね」

 

 

 光の消えた瞳で永姫さんを見る五人。

 底知れない負のオーラをこれでもかと放っているが、対する永姫さんは眉一つ動かしてない。凄い胆力だ。

 

「図に乗るな雑魚共。軽くひねり潰してやるからさっさとかかってこい(クイックイッ)」

 

「なんだとこのブタ野郎!! 舐めてんのか!!」  

 

「数も力も圧倒的に私達の方が有利だ! 負けるなど万が一にもあり得ない!!」

 

「たった一人でこの私達相手に何が出来る! 強がりも甚だしい!!」

 

「スカしてんじゃねぇぞタコが!!!」

 

 ……何だろう。不思議とこの後の展開が何となく予想出来ちゃったんだけど。

 

 

「「「「生きて帰れると思うなよボケがぁああっっっ!!!!!」」」」

  

 

 

 10秒後……

 

 

 ドコボカバキグシャァッ

 

「「「「ひでぶぁああっっっ!!!?」」」」

 

 K、O! GAMESET!!

 

 

 ほらね、見事に予想的中だよ。

 意気揚々と向かっていった先輩方は清々しいくらいにボコされました。

 

「何だコイツら。予想以上に手応えがないぞ」

 

「「「「ぐぉお……!! このドブネズミにも劣るチンカス野郎がぁああっっっ……!!」」」」

 

 チーン

 

 

「……何これ?」  

 

「ねえ、この先輩らマジで何しに来たの。助けるどころか何の役にも立たずにくたばったんだけど」

 

「あれだけ啖呵を切っておきながらこのザマはさすがに目も当てられないわね」

 

「私知ってる。こういうのを死亡フラグって言うんだよね」

 

 物言わなくなった先輩方を見下ろして私達は口々にそう言う。

 さっきの香澄さんといい、どうして私はこんなどうしようもない人達に憧れを抱いてしまったんだろうか。

 

「さて、邪魔者はいなくなったな。それでは……ショーの再開といこうかぁ!!」

 

 ズゴォン!!!

 

「「「「うわぁ!!?」」」」

 

 突然近くを走ってたタンクローリーをぶん投げてきた。

 

「いきなり攻撃してくんなし!!」

 

「次はお前らの両足の踵を蹴り砕いて動けなくしつつ頭蓋骨を手刀で叩き割って脳髄を引きずり出すぞ」

 

「違う! さっきの発言は別にやることを予告すれば受け入れるって意味合いじゃないから!」

 

「み、皆、逃げよう!」

 

「フン……また逃げるつもりか? ……だがもう遅い!!」

 

 ガシッ!!

 

「きゃあ!?」

 

「っ!」

 

「シロ!」

 

「ましろちゃん!」

 

 頭を鷲掴みにされ、体ごと持ち上げられた。

 

「悪あがきはやめろ。何をしようがお前らの処刑は既に……決定されているんだからな!!」

 

「い、痛い……! やめて……助けてぇ!(ジワッ)」

 

 ミシミシと嫌な音が痛みと共に耳に響く。

 

「命乞いか? だが……断る!!(ググググ)」

 

「いっ!? 痛い痛い痛いいだぁぁぁあああ!!?」

 

「お前らが悪いのだ。私の結愛に分不相応にも近づいたからだ。結愛は私のものだ。誰にも渡さない。迫る害虫は誰であろうと殺す……ひねり潰す……消し飛ばす……跡形もなく破壊する!! 私だけだ、あの子の隣にいていいのは未来永劫この私一人でいい!! そうだ……そうなんだ……ああ結愛、私だけを見ろ、私だけを愛してくれ結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛結愛♡♡♡♡♡(ハイライトオフ)」

 

「ひっ……!」

 

「目が完全にイッちゃってるよ……」

 

「まずいわ。このままじゃ倉田さんが……」

 

「このシスコン野郎が……やめろ!! シロを放せ!!」

 

「ふははは! これで終わりだ! 私の結愛を誑かしたその罪―――」

 

 スッ

 

「地獄でたっぷりと懺悔するがいいわぁああっっっ!!!!!!」

 

「「「やめろぉぉおおお!!!」」」

 

「いやぁぁああっっっ!!!?」

 

 思わず目を瞑る。

 もうだめだ……ごめんなさい結愛さん。私はここまでみたいです。今まで優しくしてくれてありがとう、ございました……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……………?

 

 (あ、あれ? 何もされてない……なんで……?)

 

 そう不思議に思い、瞼を開けると、

 

 

 

 

「……その手、どうするつもりなの。お姉ちゃん」

 

 

 

「!!!!?」

 

 

 結愛さん?

 でも、まだ気を失ってる筈じゃ……? いや、そんなことよりも、

 

 ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ……

 

 (な、何で……身体が震えて止まらない……!? この顔、明らかにいつもの優しい結愛さんのものじゃない……! 表情もまるで出荷直前の養豚場の豚を見るかのような……!? さっきの永姫さんと同じくらい、いやそれ以上に冷たくて、寒くて、張り裂けそうなくらい怖くて……!?)

 

「ゆ、結愛。こ、これはその……あの、えっと、違うんだ……(ガタガタガタ)」

 

「何が違うの。どっからどう見ても……無抵抗なまっしーの事殴ろうとしてたように見えるんだけど? しかもそれだけじゃなく、他の四人にまで危害を加えるつもりだったなんて……ねぇ、お姉ちゃん。どうしてそういう思考に至ったのか私に一から十まで分かるように……説明してくれないかな(ギロッ)」

 

「ひ、ひゃあっ!!?」

 

 結愛さん(?)の問いに覇気の無い声で返す永姫さん。

 先ほどまでの高圧的な態度が嘘のようだ。

 

「……………」

 

「……ねえ、黙ってないで。早く言いなよ。こっちは可愛がってる後輩泣かされてすっごく頭にキてるんだから」

 

「ゆ、結愛先輩……(ガタガタガタ)」

 

「多分あれ……怒ってる。それも物凄く……(ガタガタガタ)」

 

「あ、あんな顔する結愛先輩初めて見た……!(ガタガタガタ)」

 

「ち、違うんだ結愛! これは全て結愛を想っての事なんだ! 私はただ、結愛に仇をなすゴミ共を排除しようと」

 

「うるさい。今そういうキモい発言いらないんだよ」

 

「キモごふぁっっ!!?」

 

 あ、なんか口から出た。

 

「あば、あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば(ガタガタガタガタ)」

 

「……どうあっても説明しないんだ。じゃあいいよ―――()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「む、無理矢理……!!? ま、待ってくれ結愛! 頼む!! それだけは勘弁してくれ!! 謝る!! 謝罪する!! 土下座でも靴なめでもなんでもするから許してくれいやホントすんません自分がチョーシこいてましたごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいもう二度と舐めた態度取りませんからお仕置きだけはやめてください許して下さいなんでもしますから!!」

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………ん? ()()()()()()()()()()()()()()???(ニヤリ)」

 

「……あっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――その後、柊永姫の姿を見たものはいないという。

 

 ―――多分ね。

 

 




モチベーションが上がったり上がらなかったりでもうやだ……

感想、意見などありましたらよろしくお願いいたします。

どっかでクロスオーバーさせようと思います。どれがいいと思いますか?

  • バカとテストと召喚獣
  • のうりん
  • ぬきたし
  • 艦隊これくしょん ~艦これ~
  • 見える子ちゃん
  • 君のことが大大大大大好きな100人の彼女
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