漂流傭兵小噺~なんで右も左もケモ耳ばっかなんだ、いやそんなことよりまずはカネだ龍門幣だ!~   作:ラジオ・K

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 本日はアークナイツの「公式生放送~2022春の大感謝祭スペシャル~」をやるらしいですね。
 全裸待機しながら書いてます。


傭兵新生活が、始ま──らない。

 前回までのあらすじ。

 

 苦闘の末、なまえをてにいれた!

 安宿を、ゲットした!

 酒場で、飲んだ

 大ボス、見習い審問官・アイリーニ(酒乱のすがた)が、しょうぶをしかけてきた!

 

 おれはながいねむりに、ついたようだ!

 

 

 

 

 

「ああ、落ち着いてください。焦ることはありませんよ」

「あなたにお話が、あるのです」

 

 目の前の女性は安心させるように微笑む。いやでもその言い方は何故か妙な胸騒ぎが──

 

「どうか、落ち着いて。貴方はずっと泥酔状態にあったのです。ええ、ええ。わかっていますよ。どれくらいの長さか?」

 

 思わず唾を飲み込む。まさか……9年とか?

 

「貴方が眠っていたのは……昨日の深夜から今日の昼にかけて。半日です」

「おう……」

 

 単に酔いつぶれていただけやんけ。あっでも何でだ……? 昨日はそこまで飲んでいなかったはず。む……待てよ。確か昨日は途中でアイリーニと飲んで……あっ。

 

「それで、昨日の夜に酔いつぶれた貴方を運んで来たアイリーニさんが、これを」

 

 女性は一切れの紙を差し出す。今度こそ、嫌な予感が

 手に取って、見る。それは請求書(レシート)

 その金額、1万龍門幣(ろんめんへい)

 

 

 *言葉になっていないカエル(アヌーラ)の呻き声!*

 ちきしょう! 全財産の1/3が吹っ飛んだ! 

 

 何ということでしょう。折角昨日作ったばかりの計画が……。

 ベッドの中で一人うなだれていると、更なる追い打ちが!

 

「もし、デリヴァさん。その……1つ悪いお知らせが」

「アズリウス? いたのか」

「ええ。(わたくし)、彼女──ウィスパーレインさんの元でお世話になっていますの」

「放浪医師の、ウィスパーレインと申します」

「デリヴァだ、よろしく」

 

 ウィスパーレインと握手をする。とても細い、繊細な手だと思った。

 

「それで──アズリウス、悪い話って?」

「その……大変申し上げにくいのですが。簡潔に申し上げますと、仕事がないのです」

「えっ、ないの」

「残念ですけれど……」

 

 

 なんてこったよ。新天地での生活2日目にて、今までの出来事を全て上回る、大ピンチだ!

 

 

 

 アズリウスによると、イベリアという国はしばらく前から鎖国状態にあったらしい。そのせいで、例えば輸送業者(トランスポーター)の護衛といった荒くれ者(傭兵)の仕事は年々減少している。昨日誤解されたなんとかという指名手配犯は、そうした職に(あぶ)れた者の末路だという。

 

 他には町の外にいる「怪物」を始末する仕事かなんかもあったが、ここ1週間ほどその出現頻度がピタリと途絶えてしまったそう。

 

(わたくし)も丁度遠征より昨日帰ってきたばかりでしたので、まさかこんな事になっているとは想像できませんでしたわ。なので、昨日の約束は……」

「それはアズリウスのせいじゃないだろ? だから、謝んなくても大丈夫だ。しっかし、そうするとどうやって稼ごうか……」

「ウィスパーレインさんのところでは、彼を雇うことはできませんの?」

「そうですね……残念ですが、ご覧の通りこの地区は患者さんが少ないですし、余りお給料は出せそうにありません」

 

 そういえば俺達が話始めてからもう数時間立つけど。誰も患者来ないな……。閑古鳥が鳴いているぜ。

 

「まあ、ここでウジウジしててもしょうがない。ちと街の外に出てみる事にするぜ」

「何かアテがありますの?」

「いいや。けれどもひょっとしたら何かいるかもしれないだろ? それに怪物を始末しなくても、何かの動物がいればそいつを食料とすれば少しは節約できる」

「そういうことでしたら、(わたくし)もご同行してよいかしら? このクロスボウで遠距離支援ができますわ」

 

 アズリウスはそう言って懐より小型のクロスボウを取り出す。遠距離攻撃持ちか! それは頼もしいな。俺は即座に承諾することにした。

 

 

 

 

マルヴィエント郊外にて

 

 

「なぁ、アズリウス。話違くない?

「ほ、本当ですわ。おかしいですわね、狩人協会で聞いていた話と全然違いますわ」

 

 俺達2人は困惑していた。

 目の前に広がる海辺には、大小様々な蛸魚(タコたま)の、遺体。この辺りについて以来、まるでタワーディフェンスゲームのように次々と湧いて出てきたのだ。ほぼ一定間隔で。そのおかげで俺が前衛、アズリウスが後衛という感じの即席パーティでもなんとか殲滅できた。

 

「しかし、今度の連中()()()()()()()

「むしろ喋る蛸魚(タコたま)なんて見たことないのですけど」

 

 困惑気味にアズリウスが言う。その反応から察するに多分俺が会った奴が特別だったのだろう。そう考える俺をよそにアズリウスは短刀を取り出し、比較的小さな蛸魚(タコたま)の元へ。そして解体作業を始めた。って、ええ!?

 

「えっなんで解体するんすかアズリウスさん」

「知りませんでしたの? 蛸魚(タコたま)、小さいものでしたら食べることができますのよ?」

 

 マジか。待てや。俺が昨日食べた「蛸」のオリーブ漬けというのは……ハハハまさか、な。……な、そうだよなそうに違いないよな? なっ?

 あまりの「な」の多さにゲシュタルト崩壊を起こしつつ、こうして無事狩りは成功。かなりの大漁だったので、持ちきれない分は俺の「力」で格納し、大量の蛸魚(タコたま)(小)を持って帰ることに成功した!

 

 

 そしてその日の夜。 

 ウィスパーレインの診療所にて。

 

「どうしましたの? そんな浮かない顔で?」

「いや……やっぱり昨日の蛸は「蛸」だったんだな~と」

 

 俺は聞いてしまったのだ……獲れた蛸魚(タコたま)の一部を、昨日お世話になった酒場に売りに行った時。

 

「ああ、これは新鮮な蛸魚(タコたま)をありがとうございます。丁度()()()()()()()()()が切れていたものですから」

 

 と、言っていたのを……。

 

「そんな深刻な顔しなくても、大丈夫ですわよ。確かに見た目は()()()()()アレですけど、味は保証しますわ」

「ま、まぁ味に関しては昨日食べたから知ってはいるが。でも何かなぁ~」

 

 おっとまずい。せっかくの食事が台無しになってしまう。

 では、気を取り直して。

 

「えーでは、今日の大漁を祝って乾杯!」

「乾杯ですわ」

「かん、ぱい」

 

 俺、アズリウス、ウィスパーレインがそれぞれのテンションで乾杯を上げる。こうしてささやかながら、ウタゲが始まった。ん? なんか字が違うな……? まあよい、多分伝わるだろ。

 酒のつまみは皆、今日捕れた蛸魚(タコたま)の刺身や唐揚げなど。

 

「それにしてもデリヴァさんの()()()、大変便利なものですわね。異空間にあらゆるものを格納、好きな時に展開できるなんて。大変トランスポーター向きですわ」

「なんか、SF小説で出てくる冒険者、みたいですね……」

「あーそれなんだが、そもそもあーつって何なんだ?」

「ご存知ないのですか?」

「それも記憶喪失の影響でしょうか?」

「ん、そのことは──」

「ウィスパーレインさんには(わたくし)の方から伝えておきましたわ」

「お、そうか。……その反応から察するに、常識的な単語なんだな?」

「その通りですわよ。もしよろしければこの機会に教えておきましょうか?」

「! 是非、頼む!」

 

 これは有意義なウタゲになりそうだ! あれ、やっぱりなんか字が違う気がする……。

 

 

 

 

 そして──

 ふー食った食った。いやぁこの世界について色々と知ることが出来たぜ。特にアーツというのは中々面白いなぁ。俺も早く使いたいぜ。あ、しまった! あの()()()()()()の事を聞くの忘れていたぜ。ま、また次があるさ。

 

 安宿の階段をギシギシ鳴らしながら、3階にある自室(仮)を目指す。そこまで飲んでいないから、迷うことはないぜハハハ。

 ……うん? 扉の前に誰か、いる? ゴシゴシと目を凝らし、じっと観察する。

 やはり、誰か、いる!

 

 俺はこっそりと動こうとし──やべ、気づかれた! 遮蔽物も何もない、一方通行の廊下だからか畜生! 

 その謎の人物が、突撃して来る! まずい、防御を──

 

今までどこに行ってたんですか! ずっと待っていたんですよ!?

 

 その声、アイリーニか!? 何でここに──って待っていた? 

 

「私の特訓相手になってくれると()()()()したじゃないですか!」

 

 

 ふむ……昨日の敵を今日の友(?)とするとは、酒は人生の潤滑油だな!

 俺は脳死気味にそう思うのだった。

 




 アズリウス
 「ところでウィスパーレインさんはお身体が弱いと聞きましたが、お酒は大丈夫ですの?」
 ウィスパーレイン
 「あ、これはノンアルコールですから大丈夫ですよ♪」
 アズリウス
 「少し酔っていらっしゃいますわね……お酒はほどほどに、ですわ」


 公式生放送視聴中……
 新イベント、リミテッドスカウト、ニアール異格キタ! これで勝つる!

 というわけで記念すべき第10話でございます。また、UA数が6000まで秒読み段階と来ました。
 皆様、ご愛読ありがとうございます!
 この話を面白いと感じてくれたら☆評価、感想をよろしくお願いします!

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