漂流傭兵小噺~なんで右も左もケモ耳ばっかなんだ、いやそんなことよりまずはカネだ龍門幣だ!~   作:ラジオ・K

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書いてみました。R18ではないはずです。
R18ではないはずです(2回目)。
……たぶん。

時系列的に第1部より少し後、ゲーム的には潮汐の下の後となります。


番外編・UA数10.000突破記念回
カエル、さかな達に食べられてしまう


 何故か食物連鎖という言葉が浮かんだ。

 朝一番に。

 

 いやまて。どうしてこうなったよ。

 俺は酸欠の中、そうぼやく。もちろん、心の中でだ。

 

 何故かって?

 

 口が塞がれているからだ。同じ口によって。

 目の前には狂気的な色を孕む赤が、2つ。

 

「あむ……ちゅっ、れろぉ……じゅるるるる……」

 

 吸われている。吸われている。俺の口から出る、ちとベタつく液体が、吸われている。

 奇襲により始まった口づけはあっという間に次の段階(ディープ)へと移行。

 棒立ち状態だった俺の舌はあっという間にスペクターの舌に絡めとられた。

 

「……ん、はむ、んぅ、あむ、ちゅっ、ちゅ……ぷはっ」

 

 圧倒的な力により上から覆い被さられているため、身動きが、抵抗ができない中、吸われ続け……

 そして、ようやく口が離された。横目で時計を見たが、なんか10分は経過している気が。

 

「あ、あの、スペクター? どうしたんだいきな――」

「だいぶ()()()けど、まだ足りないわね」

 

 こちらが反応するより早く、迫る舌。反撃の言葉は、物理的に遮断された。

 

「んちゅっ。れろ、れろ、ん、ちゅ……じゅるるるる……」

 

 口内を、歯の裏を、内頬を、舌を、舌の裏を、更には奥歯のその先まで。

 それは、愛情表現というよりは,捕食。

 思いのほか長いスペクターの舌は、蹂躙しつくす。生気を、魂を、吸い取るように。

 

 食物連鎖。そうだよカエルがサメに勝てるわけないじゃないか――

 

 三度口が離れた時には、舌と舌の間には透明な、それはそれは立派(えっち)な橋がかかっていた。

 

 目の前の捕食者は妖艶に微笑む。口元は互いの唾液が混ざり合った証がキラキラと光を反射していた。

 

「――やっぱり。とっても、()()()()()

「へっ?」

「やっと『私』も目覚めたことだし……もっと楽しみましょう?」

 

 俺を押さえつけていた双腕のうち片方が離れ、下へと移動――っておいまてなんでベルトを外しているんだちょっとズボンを降ろすなそれシャレにならないやつ――

 

「サメ、そこまでよ」

「あら?」

 

 咎めるようなグレイディーアの声と共にスペクターの体が誰かにひょい、と持ち上げられ俺の体はいとも簡単に解放される。見るとスカジがまるでフォークリフトのように彼女を移動させているところだった。流石である。

 ともかく、助かった。さて、どう釈明しようか……いやまて。これはどう見ても俺が被害者なのでは? などと寝起きの頭をフル回転させていると。

 

「全く……独り占めはダメだと事前に約束したでしょう」

「だってカジキもシャチも中々来ないんですもの」

「効果があるかどうか、観察していたからよ。さて、次は私の番ね」

 

 ……ん? 今、私の番って言った? 番って、何の?

 グレイディーアがベッドに腰掛け、こちらに近づく。

 ベッドが軋む。

 

 ……ともかく、助かってなどいなかったようだな!

 理性が足りない頭でそう考えていると。

 

「……んっ」

 

 軽く口と口が、触れる。

 まるで幻であったかのように、すぐ離れる。

 

「今のは、ごあいさつ。まずは会場を綺麗にして差し上げますわ」

 

 再び迫る口。

 

 ちゅ、と小さな音が口元から聞こえる。次いで、舌がつつつ、と皮膚を撫でる感覚。

 妙な電撃が脳裏を走る。

 

 ちゅ……れろ、れろ、れろろろろ――ぴ、ちゃっ。

 ちゅ……れろ、れろ、れろろろろ――ぴ、ちゃっ。

 ちゅっ……れろ、れろ、れろろろろ――ぴ、ちゃ。

 

 先程の、スペクターが残していった暴食の()()

 それをキレイに拭き取り、自らのソレでもって上書きしていく。

 

「きゃぁ! ねぇねぇスカジスカジ、見てる? 見なさいよ! 隊長ってば意外と独占欲あるのね!」

「そうね……意外だわ」

 

 外野が姦しく騒ぐ中。

 掃除を終えたグレイディーアが改めて、侵入してくる。

 

「さぁ、踊りましょう?」

 

 耳元でそう囁いた後に。

 

 口内を舞台に、生暖かきダンスパーティーが始まった。

 

衣擦れ。

 

 俺は全く踊れない中、グレイディーアのエスコートが始まる。

 最初はゆっくり、絡み合い、少しずつ動きながら。こちらを労わるようように、優しく。

 時に表裏を入れ替え、上品な刺激をもたらす。

 

 適度に甘ったるいねばつく水が会場に満ち始めると、ゆっくり、ゆっくり、と飲み干されていく。

 グレイディーアの喉が小さく、ごく、ごく、と音を立てる。

 

衣擦れ。

 

 今や俺の脳内は妙な感覚による数多の電撃で完全に機能停止していた――ああっ!?

 

 とんとん、とんとん、とんとん……

 

 その振動は、うなじから。

 グレイディーアの片手は俺の頭を固定し、もう片方の手は俺のうなじにあるアヌーラ特有のウロコを、優しく叩く。

 知らなかったことだが、ウロコには神経が集中しているらしく、未知の恐るべき快感を俺に与える。

 

衣擦れ。

 

 とんとん、とんとん、とんとん……

 ちゅ、ちゅ、じゅる、れろ、あむ、れろ……

 とんとん、とんとん、とんとん……

 ん……ちゅ、ちゅっ……じゅる、じゅるる……

 

 余りの気持ち良さに俺の腰は砕け、力は抜け、抵抗の意志は何処かに飛んで行ってしまった。

 

 そんな俺をグレイディーアは目をきゅっ、と細めて見ている。

 その目、その表情は外での冷酷さからは全く想像できない、愛おしげなものであった。

 それを見ることができるのは、同族たるアビサルハンターだけなのだろう。

 

「あらあらあら~あんなにも蕩けた表情! ねぇねぇスカジ、着替えてないで見なさいよ!」

「もう見てるわよ」

 

 そんな拷問めいた時間もようやく終わった。

 ぷはっ、という湿度が籠った音と共に、口は離れ、ダンスパーティーは終った。

 

「ふぅ、ご馳走さまでした。私の侵食も止まると良いのだけれど。……気持ちよかったかしら?」

「……………………」

「隊長隊長、彼ほぼ気絶してるわ。よっぽど隊長のテクが凄かったのね!」

「そう。スカジ、最後はあなたの番……どうして、寝間着になっているのかしら?」

 

 グレイディーアの目に映っているのは、いつもの内股が空いたカウボーイスタイルではなく。可愛らしいシャチのデフォルメキャラがあちこちにプリントされているセパレートタイプパジャマに着替えたスカジの姿であった。

 

「だってこれから()()のだから、当たり前じゃない」

「「…………」」

 

 スカジはそう言い残し、放心状態のデリヴァを押し倒した。

 そして――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ベッドの上には本来の主であるデリヴァを抱き枕にした状態で眠りこけるスカジの姿が。

 そんな2人にそっと毛布をかけるグレイディーア。

 

「なーんだ。てっきりお楽しみの時間だと思ったのに。ま、スカジらしいといえばそれまでだけど」

 

 少しは予想できたとは言えあんまりだ、と愚痴を漏らすスペクター。

 

「この子は初心ですし、これでもかなりの勇気を出したのだと思いますわ。それに――」

 

 この中で一番、深海の侵食が浅いのだから。と静かに漏らした。

 

 

 

 

 

 

 

 同じ頃。

 ロドス船内のとある秘密会議室にて。

 そこにはロドスの三大トップたる女性たちが集っていた。

 大スクリーンにデカデカと映し出されるはアビサルハンター達の一連の行為である。

 

 アーミヤが顔を真っ赤に染め、両手で目を覆いながら、それでもしっかりと指の隙間から「観察」している中。

 彼女(ドクター)は長い長いケルシーの説明を聞いていた。

 

「――――つまり、本人の弁を信じるのならば、未確認種族からアヌーラを経てアビサルハンターと成ったデリヴァは、海の脅威に対して並外れた耐性、免疫を所持している可能性が示唆されている。君も読んだであろうワルファリンレポートのようにな。さて、そんな彼の成分をどうにかして()()すれば、例えばスペクターの洗脳などが解ける可能性があるかもしれない。グレイディーアやスカジの怪物化を防ぐ、もしくはその進行を大幅に遅らせることができるかもしれない。私はそう考えて助言した結果が」

「これ、だと?」

「そうだ」

「でも、どうしてこんな形に?」

「恐らく、男女の関係から、本能的に摂取する最良かつ手軽な(規制ギリギリセーフの)方法として、ああなったのだろう。言い方を簡略化すれば――発情期だ」

「発情期」

 

 あまりのパワーワードに思わず復唱するしかないドクター。

 

「絶対にその単語での例えは違うと思います!」

 

 アーミヤの抗議を受け流し、ケルシーは続ける。

 

「ともかく、デリヴァの鉱石病(オリパシー)に罹らない、言い換えると源石(オリジニウム)が彼の肉体を認識せず、各消化器官をすり抜けるという摩訶不思議な体質にこのような更に不可解な特性が追加された。これは彼を特別隔離病棟に移し様子を見るべき案件だと私は考える。元々彼とスペクターを接触させていると、彼女の狂気が和らぐことも確認済みだ。ドクター、異論はないな?」

 

「え、ええ……」

「ではデリヴァにその説明を頼む。私はこういったことは苦手だからな。彼は君と仲がいいし、適任だろう」

「わかった。……え? 本当にこう説明するの? 今朝の出来事はアビサルハンターたちの発情期によるものだ。そしていつか本番行為もあり得る、って?」

 

 はやくも理性が失われつつあるドクターであった。

 

 

 その後、理性回復剤(2→62)を投入しつつどうにかこうにか説明責任を果たしたドクターに対し、デリヴァは一言。

 

「それなんてエ□ゲーの設定?」

 

 

 

 

 結果、デリヴァは一時的に住処を変えることを快諾。暫しの間スペクターと同棲することになった。

 それを見た多くの男性職員、オペレーターから、「あの」スペクターを陥落させた! として尊敬されることになるのだが。

 それはまた別のお話。

 

 




 と、いうわけで「漂流傭兵小噺」のUA数1万突破記念として、書いてみました。
 もうすぐ2万行きそうな勢いですが。
 いつも読んで下さる皆様には感謝の限りです。

 ところで、これってR18に入るんでしょうか? 少し不安ですね。

 とりあえず2週間連続投稿&イベント「ニアーライト」に間に合わせることができました。
 第2部はイベントこなすのと、本業の一次創作作品「異形ト化シタ極彩色世界ノ冒険譚」(カクヨムで連載中)の執筆を再開させるため、遅れる可能性があります。

 これからも「漂流傭兵小噺」をよろしくお願いします!
 もしこの話を面白いと感じてくれたら、☆評価や感想を是非、よろしくお願いします!

ぶっちゃけ、えっちでしたか?

  • えっちだった。
  • えっちだった。続きを所望する!
  • えっちだった。R18版を所望する!
  • そうでもなかった。
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