漂流傭兵小噺~なんで右も左もケモ耳ばっかなんだ、いやそんなことよりまずはカネだ龍門幣だ!~   作:ラジオ・K

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 というわけで第2部、はっじまるよー。
 ちとわかりにくいかもですが、番外編の日常回は未来の時間軸となります。
 


第2部 全ての道はロドスに通じる……というか通じてくれ! 上編
巨像と商人


 巨大な拳が、強烈な風圧が、目の前に迫る!

 回避!

 (デリヴァ)は逢えて前方向へ回避。真後ろから響く衝撃を受けながら、奴の真下へ。

 大槍を両手に召喚し――()()の膝裏に叩き込む!

 だが。

 

「ちっ! ダメか!」

 

 大槍は突き刺さるが、ただそれだけ。生身ではなく単に岩の塊だから生物学的な弱点もクソもないか。まあ、予想は出来ていたが……。

 慌てて股下から脱出。巨像の背中側に出る。

 巨像の顔がぐるりと180度回転し、その真ん中の「瞳」が、俺を見下ろす。

 

「よう。俺は単なる通りすがりだぜ? 見逃してくれませんか――ねぇ!」

 

 巨像が再び拳を振り上げ、叩きつける。

 俺は再び、今度は後ろ側に避け、その拳に飛び乗る!

 

「その攻撃、もう見切ってるんだよ! そんでもって……テメェ、早いのは攻撃時だけだろ!」

 

 巨像の腕を伝い歩き、肩へ乗っかり、目の前には1つ(コア)が。

 全く、分かりやすくて助かるぜ。

 ここが、弱点(ウィークポイント)だ!

 

 俺の生涯の友、RPG-7(ロケットランチャー)を召喚し……撃つ!

 

 ドカーーーーン!!!

 

 頭部を吹き飛ばされた巨像はガラガラという音を立てて崩れ落ちる。

 破片は、もう、動かない。

 

 

 中ボス、はぐれの巫術巨像を、撃破した!

 


 

「ふぃー終わった終わった。おーい、そこの人、大丈夫か?」

「はい、おかげさまで。どうもありがとね」

 

 褐色肌、銀髪をした女性が頭を下げる。……にしてもまた、とんでもなく際どい格好だな。彼女の足元には大量の段ボールが散乱している。

 

「なあ、アンタ。あの巨像に襲われていたみたいだから、取り敢えずぶちのめしたが……何なんだ、コイツ?」

「えっ? 知らなかったの? あれはね、元はサルカズの古い巫術により造られたものらしいよ。ただ、今は術者がいないから、ああして『はぐれ』て、時たま襲ってくるんですよ」

「なんかペットにした猛獣が野生化したみたいな言い方だな。アンタは飼いならせないのか?」

「わたし? 無理無理。アーツの種類というか系統? が全然違うもの。でさ……ちょっと相談があるんだけど」

 

 目の前の女性が俺の車を指差す。

 

「私の乗り物、はぐれのせいで壊れちゃったんだよね。あなたのに乗せてくれない? この沢山の荷物も運ばないといけないんだけど、」

「ふむ。一応聞くぞ。見返りは?」

「んー、龍門幣(おかね)かな」

 

 その回答に俺は素早く財布をひっくり返し、中身を数える。どれどれ……ふむ、数字のケタが3しかないのを確認し、宣言する!

 

その話、乗った!

「ん、そう来ると思ったよ。わたしはトランスポーターのイナム。あなたは?」

 

 俺は予め用意していた答えを口にする。

 

漂流(フリー)傭兵のデリヴァだ!」

 

 

 トランスポーターのイナムが、パーティーに加わった!

 

 

 

 暫く後、車内にて。

 

「へぇー組織()探しの旅、ねぇ。それでとりあえずマルヴィエントから最も近い集落であるアクロティ村に」

「そうそう。いやーにしても行き先が一緒というのは、幸運だな!」

「その探してる組織名、何て言うの?」

ロドス・アイランドというんだが。知ってたりする?」

「うーん、ごめん、わからないや」

「そうか……」

 

 アズリウスやウィスパーレインの時もそうだったが、やはり有名ではないのだろうか?

 

「ところでさ、この流れている曲、いいロックだね。何て名前なの?」

「ん、確かここにパッケージが。えーと、『定期試験(危機契約)#2のテーマ』ってやつ。いやまてや、何だこの名前……?」

 

 なぜかわからんがこの「危機契約」の4文字を見ると武者震いが止まらん! うーむ、謎だな。

 

「で、イナムは何でアクロティに?」

「商売のためだよ。近々、あの辺りで大きな戦いがあるらしくてね。花戦争(ソチヤオヨテル)って呼ばれてるんだけど。で、保存食とか武器とか、色々売りに行くってわけ」

「なるほどな、さっきの沢山の荷物は商品ってわけか」

「そうゆうこと。それにしてもあなたのアーツ、無限に格納できる空間を操るってすごく不思議だけど便利だね」

「俺もまだその全容を把握しきれてないから何とも言えんが。まぁ便利ではあるな」

「軍事的にも有用だと思うし、ひょっとしたらあなたも雇われるかもよ?」

「ふむ、ちょうど龍門幣(ろんめんへい)には困っているからな。そうだとしたら好都合だ。戦っているのは……ミノスとサルゴンという国か?」

「そうだよ。このアクロティはずっと前から小規模な争いが絶えない地域なんだ」

 

 元の世界(地球)にもある紛争地帯というやつだろうか。どの世界もこういった面はあるようだな。

 仮に傭兵として仕事をするとすると、どちらにつくべきだろうか?

 そんなことを考えながら運転を続ける。

 

 だが――

 どちらの陣営につくべきか、そもそも雇ってもらえるのか、その2つの心配は実のところ全く不要だったのだ。

 どうもこの先の運命は既に決まってたらしい。

 

 

 

 荒野を抜け、道なきジャングルを進み、車と徒歩を切り替えつつ。俺達はどうにかアクロティ村に到着することができた。のだが。

 

「ああ、私の三日三晩の祈りが、遂に通じたのですね……! 大いなるミノスの十二英雄よ、感謝を。運命に導かれ召喚されし勝利を護りし勇者よ、そして偉大なる戦士よ、その武に祝福を。畏れることなどもうありません。さぁ共にあの蛮勇な狼藉ものどもを放逐し我らに勝利をもたらそうではありませんか!」

 

 立派な角と、何故か額に花を飾った祭祀が熱烈に歓迎してきた。

 えーと、要約すると私の祈りに応えて召喚した勇者よ、共に蛮勇な狼藉ものども(魔王)を倒せってこと?

 

 傍らに控える大剣を持つ護衛の目が「もっと簡潔に話せ!」と語っている気がした。

 

 やたらと話が長いこの祭祀は自らをパラスと名乗った。

 

 そんなわけで。

 こうして俺の異世界転生物語が始まったのであった!

 なんか突然作品が変わった気がするんだけど?

 

 




 パラス
 「遂にこの私の出番が! さぁ読者よ歓呼せよ! 私の時代がここから始まるのです! さぁ貴方も……」
 ヘビーレイン
 「ちょ、私を巻き込まないでくださいっ!?」

 念のために……作中に登場するイナムというキャラはオリキャラではなくサイドストーリー「帰還!密林の長」で登場したキャラクターです。
 いつの日か実装してほしぃなぁ……。

 もしこの話を面白いと感じてくれたら、☆評価や感想を是非、よろしくお願いします!

 最後の方に、前話(番外編)で予言したR18版についてのアンケートを乗っけておきます。
 よろしければご回答ください。

この中でデリヴァ君と絡ませたいキャラは誰ですか?

  • パラス
  • ヘビーレイン
  • イナム
  • 護衛のサルカズ傭兵
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