漂流傭兵小噺~なんで右も左もケモ耳ばっかなんだ、いやそんなことよりまずはカネだ龍門幣だ!~   作:ラジオ・K

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 これから先は原作のとあるエピソードを妄想、もとい改造したお話となります。
 そんなに長くはならないと思いますが……
 


話が、長い!

前回までのあらすじ。

勇者、始めてみました。

まだ始まってねーよ!

 


 

――今、この時よりも遥かにむかしむかし、あるところに……

 

「ちょっと待て」

「なんでしょう、志を共にする我が勇士よ?」

「祭祀さんよ、一体いつの話から始める気だ?

「それはもちろん、この大地が生誕し、悠久の時を越えた先」

「もっと後だ後! ついこの間の出来事だけでいいだろ!」

「なんとまぁせっかちな方でしょう。この地の歴史をイチから知ることで、この度の英雄的叙述詩、その素晴らしき」

「誰がせっかちだコラ。ほれみろ、客人方は今にも席を立ちそうだぞ」

「まぁ」

 

 パラスの目の前には勝手に集められていた()()が今にも席を立ち――いや、クランタの兵士は既に建物の出口へと――

 

「ああっ! どうか落ち着いてくださいサルゴンからの客人よ、今はあなた方の力が」

「落ち着くのはそちらの方でしょうが! それに私は先を急いでいると言いましたよね!? あっ、こら、放せ……」

 

 2人の女性が暫しの間もみ合い、そして決着がついた。

 

 

TAKE2

 

――おほん。元々この地、アクロティ村は2つの大国、即ちサルゴンとミノスの間に挟まれていた影響で常に領土紛争の舞台となっていたのです。そして私はとある時事故に遭い「身の上話はまたの機会に、な? 祭祀さんよ」「なんとまぁせっかちな方で」「さっきと同じネタを繰り返すんじゃねぇ!」

 

 一時中断して。

 

TAKE2.5

 

――ともかく、私とこの村の勇敢なる村人たちによってこの村がもう2度と戦果に焼かれないように平和条約を締結することが出来たのですが、そんな喜ばしい出来事の矢先に、「彼ら」がアカフラの奥より訪問してきたのです。

 

 

「頼もう! ここに屈強な戦士たちがいると聞いた! 手合わせを願いたい!」

「どうして会話1秒でそうなるのでしょう、屈強なアダクリスの戦士よ」

「む、聞えんかったか。では。頼もう! ここに屈強な戦士たちがいると聞いた! 手合わせを願いたい!

「ちゃんと聞こえていますよ、声高きアダクリスの戦士よ。手合わせ、ということですが、何故その様な事を? まだ祭りの時期ではありませんが」

良くぞ聞いた! 我、誉れ高きブラン(腕力)族の長、ブレインである! 我らの地よりあのすンごぃ強い、ガヴィルが出奔して以降、開催されたマヒゾッティアにて優勝し、栄えある大族長となったのだ!」

「……」

「…………?」

「それで?」

「だから、手合わせを願いたい!」

「…………???」

 

 

 その後、2時間程会話して判明したことは、要は腕試しがしたいとのことなのです。大族長としての実力をアピールする為に、そして何よりも戦いたいから。

 

 

「腕試し、ですか。望むところ! と言いたいのですが声五月蠅(うるさ)きアダクリスの戦士よ。我が方の戦士たちは未だ先の戦いの傷から回復しておりません。なのでそちらが望むような手合わせは出来ないで」

「それは困る! 我! は戦いに来たのだから!」

 

 で、どうにか戦う理由について激論を交わした結果、戦いには戦利品が必要である。という結論になったのです。さて、彼らは大所帯でアクロティに来たわけですが当然、食料が必要です。戦士という者は皆大食(おおぐ)らいですから。

 …………ところで、そこにあるやたらと華美な装飾の瓶の中身は……ほう、ほう。お酒ですか。

 なるほど。

 

「では、私達(ミノス)はあなた方が行軍中に拾ったというウルサス産高級酒、『スピリタス~密林の甘美()を添えて~』をもらいましょう」

「では、我! はお前の頭に生えている赤い()を貰おう! 初めて見るものだ、きっと価値があるに違いない!」

 

 こうして、互いに譲れない「花」を賭けた花戦争(ソチヤオヨテル)が開催されることになったのです――

 

 

「ところが困った事に我が方の戦士たちは先の戦いの傷から回復しておらず、このままでは私とこのせっかちな傭兵さんの」「誰がせっかちだ。というか俺は参加しないぞ」「計2人しか戦闘要員がいないのです」「無視すんな!」

 

「……で、俺達がその補充要因だと?」

「そうです、 流石私の三日三晩の祈りによって召喚されし勇者よ! なんと素早い理解力――」

 

 何かペラペラと喋る祭祀(パラス)の話を聞き流しつつ、横に座る女兵士に顔を向ける。

 目と目が合う。

 完全に初対面だが、何故か心の奥底で通じた気がした。

 

「「帰る」」

「ああっ!」

 

 

 入口付近で揉み合う女2人と男1人。中々の激戦で、勝敗への道は未だ遠い。

 

「私はただ遠くに行きたいだけだというのに全く!」

「てかコイツ、なんて力しているんだ! 2人がかりで振りほどけないなんて!」

「このままでは私のトレードマークが失われてしまいます。そうなってはプレイアブル化(実装)した際、ドクター諸兄(プレイヤーの皆様)にネタを提供できなくなってしまうのです! これはアイデンティティの(もん)だ」

「「急にメタい事言うんじゃねぇ!(言わないでください!)」」

 

 

 両者の均衡、なおも崩れず。護衛の傭兵はやれやれといった趣で、イナムは面白いバラエティー番組を見るような趣で、加勢せず。

 そんな中、デリヴァにパラスが耳打ちしたことで、遂に均衡が崩れる!

 

「…………もし助けてくれたらお礼として10万龍門幣(ろんめんへい)を」

「聞こえてますよ!というかいくらなんでも見境なさ過ぎでしょう!? 私達がその程度の誘惑で言うことを聞くと――」

その話、詳しく聞こう

「!?」

 

 この時クランタの元サルゴン軍兵士(脱走中)、ヘビーレインは悟ったのである。

 敗北を。自身が騒動に巻き込まれることを。

 

「……では、12万龍門幣(ろんめんへい)でどうでしょう、勇者よ」

「…………乗った!」

 

 ヘビーレイン、それを聞いて思わず叫ぶ。

 

「こっこの、裏切り者め!」

 

 

 前衛教官のパラスが、パーティーに加わった!

 重盾衛士のヘビーレインが、パーティーに加わった!

 

 




 パラス
 「ところで、どうして私のセリフは最後まで言わせてくれない事が多」
 ヘビーレイン
 「もっと簡潔に喋ってください!」

 なるべくギャグ風にしてみましたが、いかがでした? 作者はギャグセンスの適性が欠落しているので、どうしてもパロディ&メタ要素が多めになってしまいました。

 もしこの話を面白いと感じてくれたら、☆評価や感想を是非、よろしくお願いします!

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  • 多少ならいける
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  • ダメ、ゼッタイ

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