漂流傭兵小噺~なんで右も左もケモ耳ばっかなんだ、いやそんなことよりまずはカネだ龍門幣だ!~   作:ラジオ・K

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_(-ω-`_)⌒)_

開幕土下座!

いや、すみません。一次創作の更新をほぼ毎日していたら更新遅くなりました。
次話もなるべく早く書きたいなぁと思います。

危機契約? 知らない子ですね(白目)。


中ボス、ブラン族の長・ティアカウチャンピオン戦

 まるで降ってくるような攻撃。

 躱す。躱す。躱す!

 そして隙をみて攻撃!

 

 だが……その図体には(デリヴァ)の拳は通らず、かといって武器を使えば奴のアーツによりたちどころにボロボロとなり、これも通じない。

 

 そして再び攻撃を躱す……その繰り返し。

 そんなことをもう10分は続けている気がする。というか、このままだと詰みって奴じゃね? 俺は軽く絶望してしまう。そんな()()を抱いたのがいけなかったのだろう。

 

「隙ありッ!」

「な、しまっ――」

 

 一瞬の間だった。硬直した俺の体にブレインの棍棒が振り下ろされる!

 慌てて後ろに飛びのこうとした。

 間に合わなかった。

 

「がはっ――」

 

 棍棒についたギザギザの黒い石。これが俺の体に次々とめり込み、不快な音を立てながら肉が引き裂かれる。そのまま振り下ろされたものだから無数の傷は下方向へ広がる。

 結果、出来の悪い刃で胴体を右上から左下へとナナメに袈裟斬(けさぎ)りされた格好となった。

 大量のが口から、傷口から噴出し大地を(けが)す。目を見開きその光景をただ、見つめる俺。

 

 ……くそ、めちゃ()()じゃ、ねー、か。力が、いしきが、だんだんはなれていく――

 

「ようし、これで  ン 命の  に差しだ 。念のためもう 撃入れる 」

 

 ……なんか、めのまえのでかぶつがブつブツ言ってやがる。てにもつ棍棒をふりあげた。とどめをさす気だな? てか殺害はるーるいはんなんじゃねーのかよ。この――

 

 朦朧とした意識の中、俺が最後に発した言葉は悪態じゃ、()()()()

 無意識のうちに唱えたのは、■■血■■。

 

 

 

 

 

 

「ジュラの大成長。」

 

 それは、とても小さな、小さな音だったが。直ちに滅びを(もたら)した。

 

 

 デリヴァの体に着いた大量のが蠢き、右手に集まる。次の瞬間、一気に右手が成長した!

 

「何!?」

 

 その後に起きたことは一瞬だった。

 

 成長し、肥大化した右手がまず強烈な突き攻撃を繰り出し、ブレインを()()()()()

 次いで一度右手を引っ込め、薙ぎ払い攻撃! ブレインの盾と(防具)を粉砕する。

 その衝撃にふらつく(スタンする)敵。そのスキを見逃さず左手に召喚するはやはり――生涯の友、RPG-7(ロケットランチャー)。それを発射!

 白煙を上げて飛び出す弾頭がブレインのどてっ腹に命中。うめき声も出せずに倒れ伏す。

 

 俺はその光景を、呆然と見ていた。……なんだ? これは。なんだ? この力は。

 

 

中ボス、ブラン族の長・ティアカウチャンピオンのブレインに勝利した!

 

 

 

 これは後から聞いた話なんだが。

 ブレインのアーツにはちと複雑なもので、以下のような感じらしい。

 

 ・目で見える範囲内にいる敵の武器・防具の耐久性を低下させる。ただし、有効範囲は3メートル(1マス)

 ・戦闘に集中している間、目の前の敵以外から放たれる攻撃は無効化される(なんでやねん)。上と同じく、有効範囲は3メートル(1マス)

 

 こうして書くとわかるが、完全に近接特化だな。アイツの弱点は遠距離攻撃であったというワケ。だから、距離を取られる前に問答無用で攻撃してきた。挑戦相手を強制的に土俵の上にあげたって感じか。

 で、俺は謎の力で無理やり距離を取らせ(相当な力で吹き飛ばし)、かつ攻撃時の衝撃でふらつかせる(スタンさせる)ことでアーツを無力化&行動不能にさせることで、単なる置物にした。あとは遠距離攻撃を当てるだけ。

 ……というのが真相だ。

 

 ともかく、総大将を打ち破ったことで花戦争(ソチヤオヨテル)は俺達の勝利に終わった。めでたしめでたし。

 

 いや、実は俺がブレインの盾と兜を破壊した丁度その時に他の兵士が突然戦意を失って降伏したんだよ。奇妙なことにさ。なんで呆けてる連中をあっという間に気絶させて、ハイ敵は「全滅した」という判定となったわけだ。

 さて肝心のブラン(腕力)族の連中だが不気味なことに口を揃えてこう言ったんだ。

 

「俺たち……どうしてここにいるんだ?」

 

 で、あっという間に故郷へと向け帰っちまった。何というか……まるで洗脳を受けていたようだったな。

 

 

 ちなみに俺のキズはアホみたいなスピードで塞がってしまった。ぶっちゃけ不気味さでは俺の方が上だな。

 


 

 そして夜。祭りに勝っためでたい日、興奮する戦士たち、相手から分捕った酒。ここまでそろえばやることは1つ。

 ウタゲ、じゃなくて宴会である!

 

 ……から俺は抜け出していた。表向きは用を足すためだ。

 

「あいつらやべーよどんな肝臓してるんだよ飲みすぎだろ全く!」

 

 特にパラス。足元に瓶を10本転がしてもなお、人生の歓びを摂取し続けていた。どうやったらあんな量が胃袋に収まるんだ?

 なお、パラスの横には酔いつぶれたヘビーレインとイナムが転がっていた。

 

 

 用事を済ませた後、そこら辺をぶらぶらと歩く。今すぐ宴会に戻るのは流石に遠慮したいからな。

 俺はポッケから小さな機械を取り出す。それはピンバッジサイズのカプセルだ。俺が謎の力でブレインを倒した時にくっついていたものだ。

 

「ん、なんかロゴが書いてあるな」

 

 月明かりに照らす。そこには……

 

+と-、それから、これは(無限)のマークだったっけ?」

 

 でもなんか違う―― 

「それ、返して?」

 ――殺気!?

 

 真上から何かが降ってくる!

 どうにか躱す。何か、はさっきまで俺がいた場所に突き刺さった。紅紫色の……さそりの、尻尾?

 音も立てずに尻尾が引っ込む。その方向に振り返ると――何もいな

「返して? それ」

 

「何!?」

 

 横腹にブスリ、と何かが刺さる!

 見ると先程の紅紫色の尻尾。刺された場所から鋭い痛みが広がる。少し尻尾が脈打った後、引っこ抜かれたその先端には毒々しく輝く針が。

 

「まさか、毒、か……?」

 

 体が、しびれて、うまく……立てない……!

 

「クソ、が……!」

 

 目の前に、少女が音もなく姿を表した。無機質なピンク色の瞳が俺を見下ろす。

 

「わたし、マンティコア。能力は、こっそり殺す……。怖がらないで、あなたは、殺しの対象じゃない……」

 

 マンティコアのほっそりとした手が、俺に伸びる。

 

 




 というわけで25日ぶりの更新でした。いや、ホントに遅れてすみません。
 私が書いている一次創作というのはカクヨムで連載している「異形ト化シタ極彩色世界ノ冒険譚」というお話です。↓URLです。気が向いたら読んでみてね。
 https://kakuyomu.jp/works/16816700428673808393

 さて、危機契約#7やるか……。

 もしこの話を面白いと感じてくれたら、☆評価や感想を是非、よろしくお願いします!

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