漂流傭兵小噺~なんで右も左もケモ耳ばっかなんだ、いやそんなことよりまずはカネだ龍門幣だ!~ 作:ラジオ・K
一歩
また一歩。
それは無意識か。
まるで死んだはずの人に会った、そんな表情をしながらグレイディーアは歩みを進める。
目の前にあるは巨大な培養槽と。
修道服に身を包む白髪の、女性の姿。
その両手は胸の前で組まれており、まるでナニカに祈りを捧げているようにも見える。
また一歩、グレイディーアの脚が進む。
明らかに尋常ではないその様子に、俺は思わず声をあげてしまう。
「お、おい。一体どうしたっていうんだ──」
俺は彼女に追いつき、歩みを止めようととりあえず肩に手を──
俺達は気づかなかった。
罠に。
俺が足を踏み出し、グレイディーアとほぼ横一列に並ぶ。
床に重さが加わる。二人分。
次の瞬間。
床が砕け落ちた。
「!?」
「なっ」
ガラガラガラッ、というけたたましい音と共に落下する──
時間にしてほんの5秒ほどだったか。
割と直ぐに底は見えてはいたのだが、落とし穴の面積がかなり狭いことと、大量の瓦礫が邪魔をしてうまく体勢を整えられず。
俺もグレイディーアもろくに受け身を取る暇もなく、地面と熱烈な抱擁を交わした。
「痛ってぇ……クソ、そっちは大丈夫か?」
「え、ええ。なんとか、無事ですわ」
俺の問いかけに胸や
……? その様子にふと違和感を覚える。
その時。
「うん? ……何だ、この臭、くっさ!?」
強烈な異臭が辺りを漂い始める!
無意識のうちに鼻をつまんでしまう、顔を背けてしまう、
「AA、お客しゃま…………?」
人ではないナニカが、無理やり声というものをマネしたような
強烈な臭いをどうにか我慢しながら、その方向に顔を向けると。
「ZOの■い、魔っ赤ナ陸人の血と、おいちい海人の血……?」
「ごちそ、ごちそだ!
「あれ、あれれれ、陸人、血、違う? オリじニうムの■り、しないね?」
「まいいっか、いただきます♪」
馬鹿でかい、無数の口を生やした、
ホヤが、襲い掛かってきた!
そして──
「ッ! 何なんだそれ、反則にも程があるだろうが!」
俺とグレイディーアは今、突然襲い掛かってきたきたホヤのバケモノに大苦戦していた。
最初、てっきり体当たりか何かで攻撃してくるのかと思っていたのだが、ホヤの攻撃は、全く予想外の方法であった。
奴に生えている大量の口、そこからまるで舌のように伸びてくる──
ウツボ自体にも意識があるようで、避けるこちらを執拗に追ってくる。
それだけじゃない。
別の口からは舌先に括りつけられたエビやカニの
それだけでも厄介なのに、この舌ども、リーチが5メートルと、とんでもなく長い!
落ちた部屋自体、精々8メートル程と狭いから、殆ど逃げ場がない。
今や俺もグレイディーアも
というかさっきのタコといい、今回のホヤといい、この世界の動物はこんなんばっかか!? 修羅にもほどがあるだろ!
そんな余計な事を考えていたのが悪かったのだろう。
「しまっ──」
俺はそこら中に転がっている瓦礫に足を取られ、ほんの僅かに動きを止めてしまう。
ホヤはそのスキを逃さず、舌の一本で俺を絡めとる。舌の先にはゴカイか何かの口が!
俺の下半身はがっぷりと
「いっ──でぇぇぇ!? 離せ、この!」
何本もの汚い歯が俺の腰に、脚に突き刺さる!
服を、皮膚を貫通し、肉に突き刺さる!
下半身を襲う電撃のような痛み!
経験したことがない強烈な感覚に情けない声をあげてしまう。
「っ──この、
俺の苦境を見たグレイディーアが駆け付けようとして、そのスキを突かれエビの鋏により思いっきり壁に叩きつかれてしまう。
「ぐっ……」
と、声にならないうめき声をあげるグレイディーア。
その美しい髪は乱れ、苦痛を体現するかのような
その様子を喜ぶかのように鋏をカチカチと鳴らすホヤ。
悪趣味な奴だな……!
というか、くそ、下半身の感覚が薄れてきた。
このまま、だと……まずい、いしきが徐々に、遠のいて…………い く。
ばちゃん!
そんな朦朧とする俺の頭に、何かの液体が、
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
本作を投稿してから、僅か1日で1000UAを突破しました!
皆様、ありがとうございます!
まだまだお話は終りませんので、「漂流傭兵小噺」をどうか、よろしくお願いします!
感想等もありましたら是非!
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