訳ありはどこにでもいる。簡単な話。   作:諸喰梟夜

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前後がやや長いので短め


13. " 倒れるわけにはいかないんだよね " 【雫】

 

【雫】

 

 

 頭の中がかき回されるような感覚にさいなまれ、意に反して足は止まり膝をついた。聞きたくなくて耳を塞いだけど効果はない。状況は何も変わらない。

 

「苦しいか?司様からお借りしたアンティナイトによるこのキャスト・ジャミングがあるかぎり、お前らは一切魔法を使えない」

 覆面を被った男たち、その一人が私たちにそう告げた。アンティナイト…そんなものが、なぜ……ダメだ、頭が回らない。想子(サイオン)感受性が高いほのかは、真っ青になって倒れてしまった。悔しいけれど、魔法が使えないのは事実…と思ったとき、近くに見慣れた光がちらついた。

 

「…何?」

「識…?」

 覆面の男たちからもやや動揺しているような声が聞こえてくる。名前を呼ぶと、目線だけがちらりと向いてきた。識は青い顔で両手をこめかみに当てたまま、荒い呼吸をしながら想子をまき散らして……ジャミングのノイズを、はね除けている?エイミィも気づいたようで、目を丸くした。

 

「シキ!?何、して…」

「私も…受け売りの、見よう…見まねだから……下手だけどさ…!」

「…まだ効果が足りないようだな?」

 その言葉の直後、さらに強まったキャスト・ジャミングに私もエイミィも倒れてしまった。識は「ぐっ…!」と苦しげな声をあげて顔を伏せたけど、すぐに顔をあげて男たちを睨み付ける。そして、

 

「…おあいにく様…っ、私はまだ、倒れるわけにはいかないんだよね!」

 そう叫んで力強く立ち上がると、男たち――その中の、アンティナイトの指輪を持つ一人めがけて走り出した。

 しかし、指輪に手を伸ばしたところで蹴飛ばされてしまった。

 

「あ…っう…くぅ……」

「識…!」

 倒れた識の顔色が急激に悪くなっていく。もうキャスト・ジャミングを防ぐ余裕はなくなってしまったらしい。

 

「少々手こずったが…あとは手筈通り。我々の計画を邪魔するものには消えてもらう……まずは貴様からだ」

 識に近づく男の手には大振りのナイフ。助けなきゃ、と思うけれど何もできない…起き上がることすら……!

「この世に魔法師は必要ない!!」

そう叫んだ男は、識めがけてナイフを振りかぶって―――

 

―――突然、吹き飛ばされた。

 

 

 

「…えっ?」

 …少し、呆然とした。何が………何か、半透明の何かが勢いよく伸びてきて、ついさっきまで目の前にいた相手を遠くへ突き飛ばしたんだ。そうわかったとき、後ろから軽い拍手とともに声がした。

「いや~何回見ても壮観だわ」

「あとは知らんからな?俺は」

 

 振り向くと、二人の知らない男子を背にして立つ黒髪の美少女がいて。

 

「当校の生徒から離れなさい」

 

 彼女――深雪が、冷たい声色で男たちに告げた。

 

 

 

 

 





・雫
!?

・エイミィ
!?

・ほのか
見ているだけの余裕はなさげ…?

・識
対処ができちゃっていらっしゃる。事象干渉力ェ…
ただいっぺんまともに食らいはしたし、さらに別の魔法を使う余裕もなかった

・男子①
有識者。壮観だと拍手してた方

・男子②
巻き添え。吹っ飛ばしてあとは知らん方
withBとか言うんじゃない

・深雪
何やら原作とは違う様子で現着



サブタイ、他人の台詞を引用したい場合はこうすることにしました
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