深雪なかなか難しい…相変わらず主人公兄妹一番把握しきれてないかもしれない。特に兄
【雪】
走り去っていく後ろ姿を見ながら、私は二人が使った魔法について思考を巡らせていました。
月田、と名乗った男子…その名前は、古式魔法家系のひとつとして覚えがあります。使っていた術からも、その家でまず間違いないでしょう。…シンプル故に応用力が求められるという"月田流結界術"。しかしまさか、
そして、もう一人…高塔幻人。以前お兄様が気にかけていた、擬似キャスト・ジャミングを防御したという生徒。
制圧を済ませた私の隣で「俺来なくてもよかったかなぁ」と言ってはいましたが…いつのまにか相手が持っていた武器の類いはすべて彼の足許に散らばっていました。傷ひとつなく…いえ、それどころか私も気づかないうちにそんなことを実行できてしまうあたり、やはり一般家庭の出とは…
「深雪?」
「あっ…ごめんなさい、少し考え事を」
呼ばれて振り向くと、見慣れたクラスメート…ほのかと雫、それにもう二人。赤毛の少女には見覚えがあります。
「ほぁ…深雪が助けに来てくれた…これは夢?」
「夢じゃないわよ。みんな無事でよかった」
ひとまず、ぼんやりとした表情になったほのかの手を引いて立ち上がらせました。スカートについていた汚れを落とすのも三度目です。…この制服、なかなか汚れが目立ちますよね…。
初対面の二人からは軽い自己紹介を受けました。二人とも1年B組で、小柄な赤毛のほうはアメリア=英美=明智=ゴールディ。ゴールディ家といえば、英国の現代魔法の名門です。一方、長身の黒髪のほうは古御堂識。…古御堂も古式の家系だったように記憶しています。制服のお腹のところに靴の跡が残っていましたが、当人はあまり気にしていないようで、魔法で落とすと申し訳なさそうな顔をされました。…ここで、ふと気になったことがひとつ。
「ところで…さっきの二人は"当事者から呼ばれた"と言ってここに来ていたけれど」
「あ、それは私。ちょっとツテを頼りまして」
「…そう」
すっと手を挙げたのは古御堂さん。…あの二人はいったい何者?そう聞きたくなりましたが、ほのか達もいる今ここで追及するのは避けた方がいいでしょう。彼女の言う「ツテ」がどれ程のものかもわからない以上、彼女も注視しておくべきかもしれません。
「で、話してくれる?識」
「…えと、またあとでいい?この状況で話すことじゃないでしょ。あとは総代さんが引き受けてくれるらしいし?」
「…そうだね。そういえば深雪、引き受けるって?」
「…ちょっと
「ううん、必要ない。監視カメラにも撮られてないし」
「そう。それならこの場は私に任せて?」
「わかった!じゃあまた学校でね、深雪!」
…立ち去っていく四人の姿が完全に見えなくなったところで、ある人に電話をするためサイオンシールドと音波遮断の術式を張りました。
❁ ❁ ❁ ❁ ❁
「あら」
「深雪」
数日後の放課後、ほのか、雫、エイミィの三人とばったり出くわしました。どうやら部活帰りのようです。
「久しぶりね、エイミィ…でいいかしら?」
「うん、堅苦しいのもナシでいいよ!…その、この間は本当にありがとうね」
「当然のことをしたまでよ。…ところで、古御堂さんは一緒じゃないの?」
この間、と言われてふと、その時にはいた顔がここにはないことに気がつきました。以前は"この状況で話すことじゃない"と流されたことが、私も気になっていたのですが。
「シキは中学からずっと一緒のメンバーがいるらしくて、放課後はだいたいそっちに行っちゃうんだよね…前はたまたまこっちを優先してくれてただけみたい」
「そう…」
「でも、エイミィはそのメンバーと会ったことあるんでしょ」
「えっ?」
お預けになると知って気落ちしましたが、雫の発言に思わず顔を上げました。
「容赦ないよね雫…まあいいけどさ……入学式の次の日、食堂で集まってるところにお邪魔したんだ、サクラ…桜小路紅葉って子と一緒に。そこで会ってたんだよね。えっと…同じ飛び入りがもう一人いたけど、とりあえず高塔くんと月田くんっていうあの二人はいた。それで識と、あと同じクラスの宍倉さんって女子と、D組の深瀬くんっていう男子」
…人物を整理するとエイミィ含めて八人。飛び入りを除けば五人というわけですね。
「深瀬…って名前は、確か百家支流にあったような気がするけれど」
「たぶんそうなんじゃない?風紀委員にお姉さんがいたし。一科生とトラブルがあってそのお姉さんが来てた」
「そっちもトラブルあったの…?」
「高塔くんが言い負かしてたけどね」
…私たちは憮然とした表情をしていたと思いますが、エイミィはおもしろおかしいというふうに笑っていました。と思うと今度はびしっ!とほのかを指差して。
「それを言うならそっちも面白い話あったじゃないほのか」
「えっ……あ、そうだ!私と雫、前に高塔くん見たんだよ!私と同じアパートに住んでるみたいで」
「えっ、本当?」
「うん…アパートの玄関先で私とぶつかって転びそうになったんだけど、気づいたら普通に立ってて!」
「魔法で引っ張り上げてたんだよ…CADを使わずに、一瞬で」
「…それは…」
ある程度の実力があればCADなしで魔法を扱うことはできる…けれど、それを"一瞬で"できるとなれば相当な実力者といえます。ほのかはしどろもどろになりながらも興奮した様子、雫は一見するといつも通り淡々と話しているようで、けれどその瞳には確かな光が宿っているようです。…本当に"一瞬"だったのでしょう。
「確かD組だったよね…そんな実力者だなんて、全然聞いたことなかったけど…」
「そのあたりは何か事情があるのかもね」
「複雑な境遇って言ってたなあ…シキも詳しくは知らないらしいけど」
その後、先に帰っているとばかり思っていたお兄様と駅で合流し、三人とはそこで別れました。
「すみません、お待たせしてしまったようで」
「いや、俺が独断で待っていたから気にしなくていいよ」
…しかし…急ぎの案件ではありませんが、やはり気になります…。
・深雪
原作主人公[優等生side]
当事者に呼ばれたという二人が気になる。
・ほのか
"これは夢?"はやっぱり言ってもらうことにした
幻人がどうやら同じアパートに住んでいるらしいことは知っているけど部屋までは知らない(そこそこ遠い)。
・雫
"ううん必要ない"のあたりでメンタル強者では?って思った作者。
思い返して静かに興奮してる
・エイミィ
ネット上では出典によってフルネームの並びが異なる模様
覆面男たち事件(呼び方が雑)の後しばらく登場しなくなるのもあって深雪との距離感がわからぬい
・識
有識者を呼び出してなんとかなった。
めんどうごと の けはい を さっち! どうする?
▶️にげる
・幻人
今回は登場なし
皆さんが思っている以上に彼は何も考えていない
武器奪取は主に移動系魔法
・庸介
公開は登場なし
何も考えていなくはないが、深雪やほのか達のことは言うほど気にしてなかったりした
・達也
原作主人公[劣等生()side]
申し訳程度に登場していただいた
・衛・螢
平穏そのものな蚊帳の外