訳ありはどこにでもいる。簡単な話。   作:諸喰梟夜

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18.【幻】これはいわゆる様式美ってことで

 

【幻】

 

 ―――――魔法が発動する。

 

 立ち上がり、埃を払いつつ武装集団~女子生徒一人を添えて~が消えていった重厚な扉を見る。あ~貫通してちょっと血が飛んじゃったか。めんどくさいな。ついでに制服のズボンにも穴が開いたので、これで晴れてダメージジーンズ(物理)に……いやこれスラックスって言うんだったか。ダメージスラックス(直球)では絶妙にダサいので却下です。残念無念。

 以前、清廉なイメージなんて合わないのでわざと汚しておくのも一手…とか言ってはいた*1ものの、まさか汚す前に穴を開けてしまうとは。人生何が起きるかわからない。

 

「よう大丈夫か?」

「いやぁこれでダメージジーンズ(物理)だと思ったけどこれジーンズじゃなかったね」

「これやもんなぁ~…心配するだけ無駄やでほんまに」

 ヨースケはそよ風が起きる勢いでがくりと膝に手をついた。後ろでマモは無言でほほ笑んでいる。そういえばなんか笑顔は攻撃的なものだという話があったね故人いわく。俺は知らんが。

 

「まあこれはいわゆる様式美ってことで。さて、閉じこもられちゃったけどどうします?」

「様式美は自分で言うことちゃうやろ……どうもこうも、俺らがどうこうしてええことなんか?これは」

「ここまでいくともう、生徒会とか風紀委員に任せた方がいいんじゃないかな」

「信頼ある委員くん(ただし割と女子が多い)?」

「もうツッコまんぞ」

 銃弾を見つけて拾っておいたのはシンプルに好奇心から。なかなかこうしてお目にかかれるものではないからね。一旦外に出ようかと思ったけど、どうやら図書館前がもう混戦状態らしいので断念した。窓際に寄るとヨースケが結界を張った。視線避けらしい。

 

「自販機でなんか買って眺めとくかな…」

「スタイリッシュ不謹慎ェ…」

「ところでソーサク君は大丈夫かね?」

「…引っ込んどるし大丈夫ちゃうか?本に集中してたらなかなか戻ってこんしな」

「そっかー」

 一階を覗き込んだヨースケの言葉にひとまず安心した。なるほどうっかり出てきて変に疑われる可能性すら潰れるか。素晴らしいことですね。

 二科生、それもまだ魔法師界隈に足を踏み入れたばかりの家庭出身…実を言うと、ソーサク君は不安要素として少し警戒してはいたけど、手首に例のリストバンドはなかったのでおおむねシロと見ていいだろう。あれだいたい運動部に多い傾向があるように思えたし。

 とはいえ今回こうやって巻き込まれちゃってるので、さすがにこの変人*2にも心配する気持ちが芽生えたわけだ。二重の意味での安心である。

 …あ、風紀委員来た。あと総代さん。その他数人。図書館前の武装勢力がじゃんじゃん蹴散らされていく。それはもう清々しいくらいに。

 

「「「おー…」」」

「…これ、僕らがいるとむしろややこしいよね」

「そういやここ、どっか裏の目立たないとこにも階段あるんでない?」

「あーまあ…これほどの規模の建物やし、ない方がおかしいか」

 まあ信頼ある委員くん(+α)も来たことだし。無責任にも傍観を決め込ませていただきますか。ソーサク君は回収できるかな。

 

 

 

*1
1話参照

*2
躊躇の欠片もない明言





・幻人
緊張感?知らない子ですね。
※彼はダメージジ……スラックス(物理)を作ったばかりです、念の為
自覚のある変人。どうせちょっとだけだし…と血痕を残していくことにも躊躇はない(有れよ)。

・衛
相変わらず危なっかしいなぁ^^…何?別に怒ってないよ?^^
実際すぐいつも通りに戻るのが彼である

・庸介
なかなか状況は変わらない、ただ一人のツッコミ担
視線避けは一応光学系。慣れだ慣れ。

・蒼朔
こいつ、銃声が気になりこそすれ書棚の間から出てくる気配はない。恐ろしい本の虫である。

・信頼ある委員くん(+α)
言うまでもなく男女比1:1の公式メンツ
うち一人が次の語り手になるけどちょっとキャラ把握に自信ない


まさか階段が正面のあれしかないなんてことはないと思うんだ
ややこしくなるから登場しなかったんだろうけど
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