「どうぞ……あら?」
「おや」
「深瀬…衛といったか。
「はい。すみませんちょっと立会人になろうと思いまして。ほら幻人」
「先に言っておきますけど治す以外のことはしませんからね!!」
「だそうです」
「…これは」
「いや、だそうですってな」
「ね、変わり者でしょう?」
「お前も来たのか、奏…」
「ははは、まったく聞いてた通りだね。はじめまして高塔くん。保健委員長の
「生徒会長の
「あー…まあ、私はあまり関係ないんだが。風紀委員長の
「ご存じの通り高塔幻人です。重ねて申し上げますが治す以外のことはしません、トラブルを増やす自信しかないので」
「あーうん。いいよ」
「いいのか!?」
「いいの?ヒロくん」
「まあ保健委員はすでに最低人数は超えてるので。本人の意向を酌めない状態じゃない。それに適材適所ってものがあるからね」
「まあ…それはそうね」
「理解ある委員長でよかったね幻人」
「ええもう一時はどうなることかと思いませんでした」
「思わなかったんだ…」
「それにしても治すのだけはするんだな…」
「そりゃ使えるもん使っていかなきゃ無駄ですからね。テツさんにも申し訳が立たないですし」
「テツさん…?」
「あぁいえ、大したことじゃありません。ほんの戯れ言です」
❁ ❁ ❁ ❁ ❁
というわけで、オリキャラについて語るためのオリジナル編へ突入します
オリ設定が火を噴きます。各自衝撃に備える姿勢をとってください。結構長いし
※後書きのラストは意図的です念の為
それでは、はじめに魔法科二次恒例・八雲先生チェックのお時間です
たまたま日付と曜日が一致する年に書き始めたの結構ラッキーだったな
2095/5/1(日)
21.調査報告【雪】
【雪】
月が変わった日曜日、私はお兄様と
「お兄様、依頼した調査というのは、もしや…」
「…しばらく前に話した、高塔幻人という生徒についてだ」
「!…あの、剣道部と剣術部の騒ぎの時、ですか」
「ああ。それにブランシュ騒動のあと、保健委員に抜擢されたらしい」
「…保健委員…ですか…?」
「なんでも一科二科を問わず負傷した生徒に治癒魔法をかけて回っていて、それが保健医も驚くほどの腕前だった、とのことだ。…それで、騒動が落ち着いた頃合いを見て、師匠に調べてもらうよう持ちかけていたんだ」
…実を言うと私は、ほのか達が襲撃を受けた際に対面しているのですが……その事はまだお兄様には伝えることができていません。
「やあ達也くん、深雪くん!待ってたよ」
「っ!?」
境内には誰も見当たらない…?と思った折、突然背後からかけられた声に肩が跳ねました。
「…驚かさないでください、師匠……改めて、今回はこんな突飛な依頼を――」
「あーいやいや、大丈夫だよ。これくらい造作も…なくはなかったのはまあ、確かだけどね」
「…それは」
お兄様の謝罪を遮った
「高塔くんのことだろう?一応周囲まで含めてざっと調べているけど、どこから話そうか」
「周囲、とはどこまででしょうか?」
「よく彼と行動を共にしている面々だよ。まず、
「他は違うんですね」
「そう。まあ立ち話もなんだから座りなよ」
これはもっと早く言うべきだったね、と笑いながら縁側に案内し、私たちが腰を下ろすと「さて」と手を叩きました。
「突然だけど、二人は"深瀬"についてどれくらい知ってるかな」
「ええと…百家支流のひとつ、ですよね?」
「それと…支流の中でも高い魔法力があり、四系統八種類すべてを使いこなす『汎用』の深瀬、ですね」
…迂闊にも、あまり詳しく知らない家だったので答えに窮していると、お兄様がすらすらと続けてくださいました。さすがはお兄様…!
「うんうん。そういえば、達也くんのクラスには千葉エリカくんがいたね。彼女からの情報かい?」
「はい。加えて、百家や古式の家々と提携して様々な依頼を受ける家だと」
「その通り。深瀬は端的に言えばよろず屋かな。僕もご当主とは面識があるよ。まあ、さすがに全ての古式の家と繋がりがあるわけじゃないようだけれど。で、衛くんはそこの五人きょうだいの四番目。二人のお兄さんは一高OBで、お姉さんは現役生…達也くんも知っての通り、二年生の風紀委員だ」
「そうだったのですか?」
「ああ…普段は気さくだけど、仕事にはひたむきで、尊敬できる先輩だよ」
その優しい表情から、本当に深い尊敬の念を抱いていることがうかがえます…それにしても、深瀬という家系がまさかそんな近くにいただなんて、知りもしませんでしたが…
「まあ、深雪くんの疑問ももっともだと思うよ?」
「なっ…私はまだ、何も」
「ごめんごめん、表情から読ませてもらったよ……深瀬はあまり表舞台に出てこないし、十師族にもほぼ関わらない。"コンセプトが七草と同じだから"というのをその理由にしてる。一応、十師族に反旗を翻したりはしないというパフォーマンスとして、十文字とは懇意にしているけどね。……で、この深瀬と提携する古式家系が」
「…月田と、古御堂、ですか」
私の言葉にうんうんと満足げにうなずく先生の顔を見つつ、私はあの時に見た二人を思い出しました。先生はまず、と右手の人差し指を立てて話し始めます。
「先に古御堂について触れておこう。古御堂が扱うのは"
「考えられている?確定ではないんですか?」
「なにぶん現代魔法とは長らく疎遠な境遇にいた家だったからね…今でもあそこと付き合いのある家は、深瀬を筆頭にごく少数。それで霊子と考えるのが一番妥当だけど、まだ確信は持てない、という感じなのさ」
「霊子…となると、SB魔法でしょうか」
「そう思えるけど、精霊のたぐいに頼るものじゃない……人造精霊に近い感じになるかな。式紙の作成まで含めて、すべて術者自身の力で行われるものだ」
「そんな術が…」
「あぁ、実に興味深いよ…ただ、識くんがそれを使えるかはわからない」
「えっ?…それは、どういうことですか?彼女は第一高校の一科生で…」
「そう混乱するのもわからなくはないよ?けれど理由はまさしくそれさ。そもそも一科生たるほどの魔法力というのは、古御堂の者としてはどうも異例中の異例らしい」
「それは……想子ではなく霊子だから、ですか?」
「そういうことだ。少なくとも調査中、彼女が魔法を使うそぶりはあったけど、その紙游術を使う様子は見られなかった。ただ想子能力自体は高い。彼女の姉…古御堂
「なるほど…」
「あと、識くんはどうやら"遠くの音を拾う"先天性スキルを持っているようだ」
「遠くの音……盗み聞き…?」
「おや、ひょっとしてすでに使われたのかな?人気者だねえ」
「あまり嬉しくはないですね…」
「彼女にとっては興味本意だと思うよ。あまりよろしくないことだけど、日常的に使っているようだし」
まあ彼女についてはこれくらいかな、と先生は言い、今度は中指も立てました。
「一方の月田は、シンプル故に応用力が求められる結界術を扱う。だけど血縁に縛られず、適正さえあれば入門できることもあってか情報は比較的オープンだった。庸介くんは現当主・月田康一の甥っ子、同世代の中では本家直系の次に皆伝をもらっていることからも、相当の実力者と見える」
結界術では相当の実力者。…あの展開速度と応用術を目の当たりにした私としては、その言葉に疑いようもありません。
「月田の本家は…確か姫路でしたよね?どうしてそんな実力者が、はるばる第一高校まで…?」
「月田流はね、皆伝をもらえば全国に散らばる傾向があるんだよ。…ただ、彼の場合は『東京にいた月田の者がいなくなったから』という理由だったようだけど」
「いなくなった…」
「三年ほど前だね。あまり報道もされなかったようだけど、当主の弟である月田康二が交通事故で亡くなってる。その埋め合わせで、そのまた弟である月田康三一家…庸介くんが来たようだ」
「…そんな事情があったなんて」
「事情は誰にでもあるものだよ。さて、そんな庸介くんが東京に来たのと同じ頃、一人の少年が深瀬の家に保護された。それが、高塔くんだ」
ここに来て
「…彼は、何者なんでしょうか?俺も調べはしましたが…深瀬に保護される以前の情報は、何も見つかりませんでした」
「そうだろうねえ…。いやぁ、僕にとってもなかなか衝撃的な結果だったし、あまり気持ちのいい話でもないから、少々心して聞いてほしいかな。大丈夫かい?」
「聞かせてください。俺たちは今日そのために来たんです」
やや渋るような態度を見せる先生に、お兄様がまっすぐな言葉を告げました。…先生が心の準備が必要、とまで仰る事情は気になりますが、私もお兄様と同じく覚悟はできています。
……できているつもりでした。
❁ ❁ ❁ ❁ ❁
「君たちが一番気になっているであろうことに答えておくと、君たちの脅威になる可能性は…こちらから手を出さない限りはまずないね。…因縁が残っているといっても、少なくとも彼の方からは特にないようだし」
意識的に明るい調子に戻したらしい八雲先生のその言葉を聞いてなお、私はショックからなかなか抜け出せずにいました。お兄様はうつむいて考え事をしている様子で、場にはすっかり沈黙が下りています。先生も少し思案顔をしたのち、注意を引くように柏手をひとつ打ちました。
「まあ、彼らについて僕から言えることは以上だ。僕も興味が湧いたから、引き続き調査する予定だけど―――」
「待ってください師匠。…周囲の人間について、一人だけ意識的に避けていますよね?」
先生を引き留めたお兄様の指摘に、私はハッとしました。…そういえば以前エイミィから聞いたうち、飛び入りを除いたメンバーは五人。…高塔幻人、深瀬衛、月田庸介、古御堂識と、もう一人。…まだ直接の面識はありませんが。
眼光鋭いお兄様に対し、八雲先生は困ったように頭をかいて答えました。
「う~んバレたかぁ。敵わないね、達也くんには。…宍倉螢。彼女については…きっと僕よりよく知っている人物が、君たちの身近にいるはずだよ」
その人物とは、私たちも全く予想だにしなかった…叔母上。四葉家当主、四葉真夜その人でした。
そうして私たちは叔母上の口から、"宍倉"と…その系譜の先、かつて第四研を去ったという"
・深雪
只事ではないだろうと思って情報共有のためについてきた。
幻人について何を聞いたのか…(露骨)
・達也
密かに調査を依頼した人。ようやく黒髪女子と盗み聞きが繋がった。
・九重八雲
密かに調査を依頼された人。螢に関しては一般人のようで近づきがたい何かがあって、もしや…という。
言ってないことはまだある。お気づきだろうか?
・『深瀬』
古式と提携し、人材派遣やよろず屋に近いこともしている。百家や古式の中で顔が広い。ので
・『古御堂』
深瀬と提携する家庭。
もともと剪紙成兵術をやろうと思ってたけど作中日本では衰退してるようなので、式神をびゅんびゅん飛ばすオリジナルの"紙游術"ができた
・『月田』
深瀬と提携する家庭。
14でも触れた結界術。展開・解除・付与の三つしかないシンプルさ故に応用力が試される。
・識・庸介
訳ありはどこにでもいる。簡単な話。
・幻人
保健委員に、されたよ!(錦□長◇川並感)
やる気:どちらかと言えばなし
・前野博秋
オリキャラな理解ある保健委員長。だって公式出てない…よね?これで把握してないスピンオフで出てたら泣く。日本史の教科書から名字を拾っています
ここの保健委員はちょっとぐらい定員超えてるくらいがいいのではないかという独断と偏見
・『紫芝』
書いてませんが+αが先に来るというややこしいスタイルになりました
それではGo for the next