訳ありはどこにでもいる。簡単な話。   作:諸喰梟夜

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衝撃に備える姿勢…は今回はお休みしてもいいかも
前回の続きから


26.【識】上目遣いは卑怯ですよ

 

【識】

 

 辺りに青白い光が漂い、気温がすぅっと、いや一気に下がっ…

「さっっぶ!?うわ…雫から聞いてたけどこれかぁ」

 キレると辺りが冷気に包まれるとかいう話。半端ない事象干渉力がこんな形で発揮されちゃうらしい。にしても得意魔法ってここで出るもんなんだな…いやはやちょーっとカマかけた程度のつもりだったけど、なんかスイッチを入れちゃったっぽい。

 

「…やはり、先生のおっしゃる通りでしたか

「み、みゆきちゃーん?識ちゃん寒いんですけどー?」

何が目的ですか?

 恐る恐る声をかけたら、深雪はキッと睨み付けてきて。きゃー美人のこの顔絵になるぅーとか言ってる場合じゃないぞ私。

「何が目的って…私は別に、誰が探ってきてるのかわかればいいよ?襲いかかってくる感じじゃないのは薄々勘づいてたし。だからほら殺気しまって?ね?」

「…そう…ですか」

 内心びくびくしつつ説明すると深雪の眼光もだんだん穏やかになって…あ、よかった気温も戻ってきた。

「ふぅ…一応いつもの面々もとい深瀬家には伝えることにはなっちゃうけどさ。まさかそこまで警戒されるとは…あ、どうして探ってるかは聞いて大丈夫な感じ?」

「…わかりませんか?

 

 ん?質問を質問で返され…あれ、おかしいなまた気温が下がってきた。地雷踏んだか?

「え、えーっと…?」

「私は…純粋に心配なんですよ?識や螢の…あなたたちのことが」

「え、や、だからそれは」

「対処ができるのはわかっています…しかしだからといって、黙って見ていられるわけがありません!…ほのかも、雫も同じ意見です」

「…そっかー」

 私は生返事を返しつつ頭を抱えた。…黙ってられない、のはわからなくもない。しかしまさか深雪がここまでアクティブだとは……あーでもほのか達でアレだもんな…こういう時に頼れる先があるならなおさらかー…

 

「識…無理しないで、いつでも頼ってくれていいのよ?」

「あ~~うん…善処します。けど無理してないのはほんとだから、ね」

 目線だけ上げると、いつのまにか冷気をしまった深雪は心の底から心配してる表情だった。あダメだ、まだ効いてない…美少女の上目遣いは卑怯ですよ深雪さん??

 …心配されるのはやっぱり苦手だ。こうなった場合どうすればいいのかが本当にわからない。検索したい。まあこれだ!って情報にはなかなか出会えないわけだけど、新しくお得な情報が入荷(in stock)されてるかもって希望的観測はある。けど今ここではできないから後で。

 …安心させる方法、ねぇ……ん~~~~~今この状況で効果的なやり方、となると………

 

「んぅぅ……ネタバレ…だけど深雪になら、いいかな」

「?…何ですか?」

「…私たちが巻き込まれてるトラブル。…とりあえず来月までには…完治は難しいけど落ち着きはするよ」

 

 

❁ ❁ ❁ ❁ ❁

 

 

「馬鹿なの?」

「うん!^^」

「秒で認めんな馬鹿!胸を張るな!!」

「ゴッファ!?」

 全力で開き直ってみたところ、右胸に拳が飛んできてむせた。

 

「ほ゛…螢っ、……脂肪(クッション)あるから、って…こんなガラスのハート(物理)近いところぶん殴らんで…?」

「どこからどう見たらガラスのハートなのよ。"なーんか怪しい"程度で突撃する奴がどこにいる」

「いるさ、ここに一人な!」

わかったわよ歯ぁ食い縛りなさい

「おわーっタンマタンマ!」

 ほたるんがかなり""ガチ""だったので後退を余儀なくされた。主に目つきとか構えとか。幸い接近して確実に一撃を加える感じではなかったのか、すぐに構えを解除してくれたけど。

「はぁ……ったくほんとこのヒトの皮かぶった行動力は…」

「せめて化身って言ってよそこはさ」

 

 五人揃った昼休み。そこで私は昨日の放課後の、深雪と交わした会話について報告することにした。なにしろ予告しちゃったからね。最善と判断したとはいえ。

「本当に深雪がクロだったからいいとはいえ、よ?」

「あー…来月までには~を言っちゃったのは別にいいのカナ?」

「いいでしょ別に。とっくに確定事項なんだし、それに説得Fランクなあんたの全力だったってんなら何も言えないわ」

「ングゥちくちく言葉ぁ…」

「文句が言える立場とお思いで?…で、なんであんたらはさっきからだんまりなのよ」

「いや、相変わらず漫才やなぁって」

「嬉しくない」

「知ってた」

「して衛君、進捗はいかがです?」

 

 ぷくーっと頬を膨らませるほたるん(かわいい)を傍目に、この中では当の計画に最も深く関わるメンバーに声をかけた。

「…とりあえず、幻人に僕と庸介が同行することは決まったよ」

「張り切ってこうぜ☆」

「張り切ることやないと思うぞ」

「で、私と識は暫定留守番組な訳だけど…確定になりそうね」

「あー…やっぱり?外部の対応に迫られる感じ?」

「迫られるってほどではないにせよそうやな」

「誰かさんの行動力のおかげでね」

「ぅぐ…んじゃまあ、私とほたるんがそっち担当ということで」

 

 

 

「あ、あとシキ」

「ん?何?」

「俺のこと聞かれたらもう知ってる範囲教えちゃっていいからね、泣いてもわめいてもそこは通行料ってことで」

「りょーかーい。…セリフが強すぎるんだよなぁ。なんだ今のパワーワード」

 

 

 

 





・識
"なーんか怪しい"程度で軽率に切り込んだし心配をストレートに伝えられて取り乱した。自他ともに認めるお馬鹿。絶妙に危機感がない辺り本当にお馬鹿。
心配されるのはむず痒いけど止め方がわからないから苦手。今回遺憾なく発揮()された

・深雪
警戒心をあらわにして、解いたら今度は心配が伝わってなくて説教に入った。吹きすさぶ冷気…
意味深なネタバレとやらを貰うことになった

・螢
説教二巡目担当。バイオレンス(物理)なのは相変わらず
なおギャップ萌え担当でもある模様

・庸介
女子コンビに対しては傍観に徹するツッコミ枠

・衛
何かしらの計画に関わるらしい。

・幻人
張り切って行くらしい。

・琥ノ葉
計画には関与しないので今回は不在
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