訳ありはどこにでもいる。簡単な話。   作:諸喰梟夜

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これにてオリジナル編を終了とします。やっとか~

九校戦(一発変換が難しすぎる)編は原作の参照にてこずっている&平行執筆が増えたので時間がかかると思われます…


29.【螢】嘘も方便 +α

 

【螢】

 

「それじゃ、この辺で解散としますか。会計は私が済ませとくね~言い出しっぺだし!」

 席を立って足早に駆けていく識。不慣れなことをしたからか、やっぱりぎこちないし妙に早口。だから気になっても放っておけばいいと思ったのに。何度首を突っ込んでしっぺ返しを食らっても懲りる様子もないからたちが悪い。

 こちらも席を立って歩き出すと、横からぽんぽんと肩を叩かれた。

 

「そういえば帰るって言ってたけど、結局ずっといたよね~螢」

「あれで流れは変わったでしょう?」

 話し掛けてきたエリカは何やらニヤニヤ笑ってるけど他意はない。嘘も方便、はじめから帰るつもりなんてなかった。ただあのまま放っておいたらこのメンツと識の間で堂々巡りになると思ったから。

「エリカも司波君もごめんなさいね。特に司波君。初対面でなっていい空気ではなかったわ」

「いや、大丈夫だよ。あくまでも深雪の付き添いだから」

「そう?…きょうだいってそういうものかしら」

「いや、ここの二人はちょっと変わってるから…」

 …苦笑いを浮かべるエリカ、無言でうなずくほのかと雫、きょとんとしている兄妹…なるほど大体察した。

 

「そう…それは置いておくとして、さっきはああ言ったけど本当に大丈夫?ほのかとか震えてたでしょう?」

「う…そうだけど、でも…さっきから何回も言ってると思うけど、知らないふりなんてやっぱりできないんだよ」

「…まあ、少女探偵団のことを踏まえるとそういう(タチ)よね。あいつはその辺わかってるか知らないけど」

 順番が回ってきて会計中の識を見やる。見た感じはもう普段通りかしら。深雪たちを見たら元通りになるかもしれないけど。

 

「二人とも、優しいのね」

「はっ?」

 思わず振り向いたらふんわりと微笑む深雪。…高嶺の花だのなんだのB組の教室でも言われてるの聞いたことあるけど、これはそう言われても当然…じゃなくて。

「…別に、これくらい普通じゃない。特別優しくなんかないわよ」

「むしろ頑固だと思った」

「雫…」

「…その指摘は甘んじて受けるわ。識が」

「えっ何??」

 戻ってきて早々困惑している識に内心ほくそ笑みつつ店を出た。

 

「それじゃまた来週、学校でね」

「!…ええ、また来週!」

 

 

 ❁ ❁ ❁ ❁ ❁

 

【 】

 

「なんというか…」

「聞いちゃっていいの?ってことを聞いたよね…」

「いいから話したとわかっていても…不安になるわよね」

「あたしはあんな重大な話を他人任せにする幻人君とやらがわかんなくなったよ」

「そういえば、エリカは初対面だっけ」

「四月の、あの武装した奴らが来た騒ぎの時に見かけた程度かなぁ…図書館から悠々と出てくるところだった。あとの二人も一緒だったね」

「図書館って、なんか大騒ぎになってたんじゃ?」

「そうそう…でも、あの三人はやけにのんびりというか…あの状況にそぐわない雰囲気だったなぁ」

「あの…お兄様はどう思われますか?」

「そうだな…とりあえず、気にしないわけにはいかないだろうな」

「まーアタシですらさすがにほっとけないなって思うし、そりゃそうだよね」

「それもあるが…実は深瀬家について、十文字会頭にも当たってみたんだ。十師族の中では唯一、関わりを持っていると聞いてな」

「そうなの?」

「…そっか、言われてみれば。全く関わりを持たないと『古式引き連れて反旗を翻すんじゃないか?』って疑われてもおかしくないよね」

「そういうことだ。それで十文字会頭いわく、深瀬家には実力者が多く、提携する古式も無名どころは多いが粒揃いとのことだ。百家関連をはじめ、頼ることもよくあるらしい」

「へー…あれ、そもそもなんで十師族と関わり薄いの?」

「そういえば二人には説明してなかったっけ。コンセプトが七草と同じだかららしいよ」

「なるほど…確かにそれは実力者」

「無名どころの古式が粒揃い、って聞くと完全に影の実力者って感じだよね…」

「確かにそうだな…。それと深雪、"深瀬家には伝える"と言われたんだよな?」

「はい…ということは」

「ああ。推測するに、深瀬は情報力でそれなりにアドバンテージを持っている…ということだ」

「そうなるとあんまり敵には回したくないよね~」

「ああ。でも現状、そういう大きな変化が起きることは考えられない。俺としては、今の関係のままにしておくのがいいと思うよ」

「そうですね…わかりました」

 

 

「そういえばさ」

「なんだ?」

「四月の件で思い出したんだけど、"図書館で脚を撃たれた生徒"って、まだ謎のまんまだよね」

「…ここで言うってことは、()()()()ことか?」

「ま、アタシは当事者だからね。むしろ達也くんも…ってのが意外かな」

「まだ推測の域を出ないけどな。具体的に何をしたかもわからない。ただ、可能性としては十分にあるだろう」

 

 

 

 





・螢
あんたがMVP。しかし地味にいい性格してる
でも結局懲りないんでしょうね…

・識
弱体化の余波は健在なので逃げた
ここまで押された経験はありません!

・深雪
アグレッシブ雫により途中から見守る側にシフトしていた。螢も動揺させるとはさすが純正美少女
これからもよろしくね?

・雫
衝撃を受けはしたけど、だからって退くとでも?
うちなら全力でサポートできるよ

・ほのか
怒涛の展開になかば放心状態。震えはしたけど退きたくはない

もう大切な友達だもん…

・達也
一歩退いて見てた①
思わぬ躊躇のない情報開示に戸惑いはあり、警戒を解いたわけではない。しかし現状維持が最良と判断

・エリカ
一歩退いて見てた②
図書館での一件はまだ気になってる



・深瀬家
言いしれぬ陰の実力者感…
※裏社会とは通じてません。念の為
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