【幻】
「東西東西。さあさあ皆様お待ちかねの放課後でございます」
「誰に対して言うとんねん」
はてさて、勧誘週間二日目、放課後。え?午前中のことは別にいいでしょ、まだ通常授業しかないし、面白いトラブルもこれといって起こらないし。特筆するならA組の森崎くんっていう茶化し甲斐のある人間が見つかったくらいか。マモとは同じ百家支流同士、知ってはいるけど精々面識がある程度らしい。まあ置いといて。とかくこの勧誘週間、やはり面白いトラブルは放課後が旬。わくわくすっぞ☆^^
これといった目的もなく、勧誘を軽やかなステップ(当社比)で躱しつつお馴染みの三人でうろついていると、風紀委員の腕章をしている見知った顔を見つけた。向こうもこちらに気づいたようだ。きっちりと整えられた黒髪、伊達の黒縁眼鏡、お手本のような着こなしの制服。真面目な生徒を絵に描いたようなその雰囲気が、
「よーっす、どっか入部した?」
口を開いた途端に崩れるから面白い。
「ゆっきー@名前で損しているじゃん、風紀委員どうよ」
「そんなアカウント運用してねーよ。どうもこうも見ての通りてんてこ舞いだ。…そんでこっちの質問には答えんのか」
「黙秘権を行使しまーす」
「あっそ」
そんなそっけない返事すんなよ~。しかし察しのよさに定評がある彼は俺の状況なんか大体わかってるだろう。まあだからって何かしてくることはないだろうけどさ。
「なんの時間なんこれ」
「教室でもこのノリだよ」
「はー…驚いた。幻人のノリに対応できるやつがおったとは……あ、僕はG組の月田庸介。いつもこのアホがすまんな」
「いや、これも一興と思うことにしたから大丈夫。俺はD組の
「…名前で損…?」
「字面が強烈すぎて第一印象がそれになる」
「あーそういう」
どうやらヨースケとゆっきーはツッコミ担同士馬が合うらしい…?とか思っていると、ゆっきーがふとこちらを見る。
「あーそうだ幻人、お前二科になんかやらかしたか?」
「ん?いや…二科生にやらかしてる一科生にやらかすのは日課だけど」
「日課にするなそんなもん。委員長経由でE組の風紀委員仲間からなんだっけ…刺客?みたいな役割頼まれてな」
「危険物取扱者乙種?」
「その資格じゃねえな。気になってるから様子見て教えてくれってさ」
「幻人を?」
「おん。俺もよくわからんけどまあそれくらいならって」
「はーん…俺は別にいいけどー。とりあえず歩き回ってるだけだしやましいことなんか何にもないしぃ?」
「様子見やったら斥候やな」
「あーそうそれ」
「なるほど、美術部のデッサン人形」
「おこるぞ^^」
「ヘイヘイ^^アンガーマネジメントカモン^^」
「怒らせてるやつのセリフとは思えんな」
ちょうどそこで呼び出しがかかったようで、ゆっきーはじゃあなーと軽く手を振って走り去っていった。
「ここまで幻人に対応できるやつがおるとは」
「やはり魔法科高校は伊達じゃない」
「専門外やけどな」
「だがゆっきーは女子がたいへん苦手らしい。残念だ」
仲間内に引き入れてやりたいがそういうわけで、誠に遺憾である。まあ閑話休題。
「しっかし俺を様子見ねえ」
「あー…そういや相手方の名前聞かんでよかったんか?」
「え~気にしなくてもいいでしょその辺は。当方まだ新入生な訳だし、やましいこと何ひとつないし*1」
「まあ主観的にやましいことないよなお前は…いや確かに客観的にもそうやけども」
「驚異的にぶれない」
「それが俺ですから~?」
二人からはなんとも言えない微妙な顔をされている。まあまあいつも通り。とりあえず美術部の方にでも行くか、と移動を再開することにした。
「ま、何にしても誰かから注視されてるって程度だけ把握しときゃいいっしょ」
「ほんまこいつ適当」
・幻人
騒動は楽しむもの。OK?
ほんまこいつ適当。警戒心とか危機感とかどっかに落としてきてる。このアホとか言われてるがまったく気にしてない。
面白そうなトラブルには進んで首を突っ込むしたまに自分で起こすこともある。お労しや森崎…。
・庸介
ツッコミ要員は仲間を見つけた。
・衛
またしても地味さを発揮している回であった。()
・聲元之晶
名前がつよい新キャラ。クラスでは浮きがちな幻人と衛のフォロー役として欠かせない。
減速・停止系統に高い適性を持つため風紀委員にスカウトされた(奏さんを増やした分各学年一人多くなってる枠)
・風紀委員仲間
お察しの通り
ちょうどクラスが同じ風紀委員がいたので