ヒロアカ世界だが、人造人間編を始めたい   作:食卓の英雄

6 / 6
今回の話でえらく時間が飛びます。
みんなも早く原作に突入してほしいよね。因みに第一話時点では原作の40年前だよ。
尚、この話が終わった時点でも雄英高校入学の18年前である。原作主人公生まれてすらいないではないか!

※スカウターの説明が一部足りなかったので追記しました。


過ぎ去った時間、これまでの成果はイカがかな?

 

 (実質)休暇の申請から早くも6年が過ぎた。

 その間に目立ったことと言えば、オールマイトこと八木俊典が日本に帰国し、デビューと同時に華々しい活躍をし、その後も精力的に活動していることだ。メキメキと功績をあげ、日本の犯罪率が目に見えるほどに低下していったのは恐ろしいとしか言いようがないだろう。

 おかげで力を蓄え台頭するような大規模な敵組織は主にオールマイトの活躍で滅んでいる。わたしが日本にRR軍の支部を置かなかったわけが分かるだろう?

 

 いやそれにしても本格的に研究に着手すると時間の流れも早く感じてしまう。まあ、それでも最低限の仕事は行っているし、兵器の無駄な破損もないためこのままでもあと20年ほどは持つだろうがな。

 

 そしてこの6年、わたしはそのような雑事にかまけていたわけではない。相応の成果は上げたと言える。

 

 まず、人造人間7号だ。

 やつの制作は中々手こずったと言える。まず回収時点での破損が多かった。冷凍保存してあるとはいえ無茶も多い。具体的に言えば指先や一部臓器なども腐りかけていたし折れている骨も多く、まず死体をまともに扱えるようにするだけで一苦労だった。眼球は水分が抜けてしまって萎んでいたし、変色してしまった場所もある。

 

 そういった要素を気にしないという案もあるが、わたしはお遊びでやっているわけではない。それに、将来人造人間17、18号を造るためには生前の本人の姿からかけ離れてしまうわけにはいけない。

 よって、全力で体内の状態や欠損部を専用に作った人工臓器や特性の筋肉繊維で埋めていく。最初こそ剥がれやすかったが、いくらかトライ・アンド・エラーを繰り返すうちに実用に耐えられるだけの機能を手に入れることが出来た。

 当然薬品漬けでは個性(本来の意味の方)がないので純然たる生物学の範疇に収めておるがな。

 

 そうして、わたしの科学の粋を集めた人造人間7号は完成したのだ。

 自我を奪ったために複雑な知性を要する行動は出来ないが、その分素の肉体と個性の合わせ技が映える。

 

 有する個性は『筋力増強』『筋骨活性』『剛力』『リミッター』などの単純増強系個性。

 本人の『浮遊』に加え、『体幹強化』『赤外線』『動体視力』『超反応』『加速』などの戦闘の補助となる個性。

 そして『閃光』『頑強』『螺旋』『毒霧』『的あて』『接合』などの有用な個性達。

 

 総合的な実力はわたしの見立てでは脳無ハイエンド個体の5体分程だろうか。これで意思を持たせたのならより強力なのだがな。あの弱体化したオールマイトも意志の力であれほどの困難を乗り越えたし、孫悟空も同様だ。あえて自我を封じたとはいえ、その点に賭けてみたくもある。

 流石にそれは性格のコントロールの不得手なわたしだ。どうせ試作機なのだからと割り切っている。

 

 例のごとく自爆装置をつけているが、星ごと吹き飛ばすものではないので安全性も万全だ。

 そうそう、7号の時点で完成度が8号を超えるのも怪しまれるので、あえて縫合痕は目立たせている。

 

 話が逸れたな。ともかく、7号はあくまで生体ベースの人造人間の試作機であり、実戦における動作確認のためのモデルだ。動きのサンプルを記録するまでは盛大にお世話になることだろう。

 それに、現状7号にRR軍内で勝てるものはいない。いざとなったらRR軍の最終兵器として配置してやれば、こちらの手抜きを悟られずにRR軍の壊滅を実感させてくれるだろうか。

 

 因みに、万全を期して7号には仮面を装着させている。今の時勢どこから情報が漏れるか分からないからな。今後、万が一にもネット上に広まりでもしたらわたしといえど完全に消去するのは難しい。それに、縫合痕は目立つだろうしな。いかに異形種個性に対しての理解が進もうと、注目や好奇の視線は避けられない。

 

 デザインはドラゴンボールヒーローズに登場する仮面の人造人間のものである。あちらと違って力の増幅や洗脳などの効果はない。ただ、あえて特徴を上げるなら、かなり頑丈に作ってあるため、壊れる心配はしなくてもいいことだろうか。

 全力のオールフォーワンの攻撃にも三回程度は耐えきるだろう。かつてその戦いを観察していたわたし自身が誇張抜きで断言させてもらおう。

 

 今はデータの収集のために核爆弾でも耐える実験室で6号に指示を出させている。やれるだけのことをやったら本部に配備……いや、いつかオールマイトが攻める基地の最奥に配備するとしようかな。

 

 

 次に、メディカルマシーンだ。

 あの治療液を調合し、人一人がまるごと入れるようにして呼吸器などを取り付けるだけだったので、制作自体は簡単だった。

 何分治療液の原材料が遥か彼方にしかない上、数も多くないのだから時間がかかった。

 試作機としての旧型が10機に、効率を上げた新型が15機の計25機が稼働しており、肝心の治療液はポッド内部で腐らないようにしているため、電力の供給さえ怠らなければ実質無限に使える。

 

 その性能は作ったわたしですら驚愕するものだった。テストとして腕を切除した兵士を入れてみると、そう長い時間をかけずに失くなった腕が再生していったのだ。

 

 ああ、当然兵士の記憶は改竄しているのでこの機械がバレることはない。

 

 それから、損傷や時間が治療に何かしらの影響を及ぼすのかと試した。結果は、内臓や四肢程度なら新しいものが作られ、目や骨なども元通りになっていた。流石に死亡したものには効果がないが、肩口から心臓まで裂けていたとしても再生する治癒力だ。ただし、より重い怪我や致命傷を負っていると、そちらに力が割かれるのか、稀に再生した部位に僅かに違和感が残ったりはするらしい。

 

 そして時間だが、こちらはあまり関係なかった。大抵の傷は治るし、進行形で傷が癒えていないのならポッドは治療を開始する。

 だが、傷を残しながらも塞がってしまったものや、熱により傷口を焼いたものは治らなかった。

 傷口の焼けたものは火傷が続いているならまだその部位を治療できるが、火傷も癒えるともうその部位は正常と判断されてしまうらしい。同様に、古傷なども残ったままだ。

 

 などとは言ったが、ここに入るまでに生きていればよいのだからその時点で問題はない。これで治せない傷など、それこそ既に死亡しているだろうからな。

 

 これを医療機関に持ち込めば大混乱が起きるだろうことは想像に難くない。仮に売り出すとすれば、1機あたり数千億は下らないだろう。

 これも自惚れではなく、性能、何度も使えること、そして地球に存在しない治療液の希少性から考えれば当然のことだ。まあ、材料費は1200万程度に抑えられておる。

 新しく作った永久エネルギー炉がコストカットに多大に貢献してくれた。人造人間のためのものとしてしか造っていなかったが、確かに世の学者ならばまずこう使うな。盲点だった。

 

 ああそうそう、孫悟空が気持ちいいと発言していたために快適さもバッチリだ。感覚としては風呂に入っているのに近かった。のぼせたりはしないが、疲れも取れるためにわたしも風呂兼用としてたまに入っている。

 

 そしてこれが大目玉。スカウターだ。

 生体エネルギーの存在を認識してから計測を続けてきた集大成でもある。原作通りに、対象の戦闘力を測定する機能は勿論のこと、ザーボンがベジータにやっていたように、対象を追って位置と戦闘力を計測できるセット機能。同じスカウター同士の通信機能もある。

 しかし、戦闘力の値が原作と同じでは大した数値は出ないと踏み、そもそもの基準を上げ、戦闘力の値をさらに細分化した。

 よって、原作では1〜10くらいが何の特殊能力もない人類の平均的な戦闘力だったのに対し、こちらでは100くらいまである。よって、少し筋トレを続ける程度のことでも目に見えるほど上がったりする。

 当然、プローヒーローともなると数値は更に上がり、個性によってはかなりの数値を叩き出す者もいるだろう。個性も様々で、肉体強化はせずとも強力なものも多い。

 具体的な例を上げるなら轟焦凍の『半冷半熱』や爆豪勝己の『爆破』などだ。そういった個性の場合は個性因子を測定して出力に目安をつけて戦闘力に上乗せしている。よって、通常の状態から更に出力を上げた場合、ラディッツに対して行っていたように戦闘力の変動が起こるのだ。

 逆に『洗脳』『無重力』『抹消』のような物理的な破壊力を持たないものはスカウターで測れない。ドラゴンボールではギニュー特戦隊のグルト等だ。

 

 とはいえ、戦闘力を測るということが大切なのだ。原作を再現しすぎて振れ幅が小さくなるのでは元も子もない。

 あの名台詞がなくなるのは惜しいがこれも物語を目立たせるため。必要な犠牲というやつだ。

 

 実用段階まで進んでいるこれらは既に手を加える余地は残されていない。……少なくとも、今のところは。

 …というわけで、レッドリボン軍に所属している間に行うことをリストアップしておく。

 

・複製した地球外生命体の細胞を用いて異星人を造る

・記憶を弄ってから遥か遠い星に移住させ、「フリーザ軍」として働く役割を与える

・個性無しで変身型宇宙人を作成する

・お助け要素として自身の意識を移したクローン人間をヒーロー側へとつかせる

・気を扱ってドラゴンボールの技が実現可能か確認する

・精神と時の部屋をつくる

 

 …やることが多いな。

 中には時間が解決するものもあるが、後者二つなどわたしではどうしようもならない要素がある。が、わたしの野望のためには確認せねばならないことばかりだ。もしこれらが出来なければ、計画の難易度や過程に関わるのだから。

 

 さて、リストアップも終わったことだし正装に着替えるか。

 …何? 研究の手を止めわざわざ外出するなど大事な用事なのか。だと?

 

 当たり前ではないか。ゲボは今年で10歳。たった一人の息子の二分の一成人式だ。出席しないなど考えられるか!

 

「あなた、そろそろ時間に間に合わなくなりますよ〜」

「おっと、それはいかん。どれ、わたしの改造車でびゅんびゅんと飛ばしていこうではないか」

「…やっぱり私が運転しますね」

 

 …何故だ!?

 

 

 

 

―――そして更に時は過ぎ、12年後……

 

 

 

 

 光陰矢の如しとは言うが、ここまで早いとは思わなかった。

 息子もすっかり成人して今やRR軍の上級兵士だ。

 あれからわたしはRR軍の仕事は6号に委任し、徹底して作業や噂の吹聴に勤しんでいた。

 

 リストの一部は終わらせたし、宇宙人の意識も想像通りだ。

 変身型宇宙人は一部の異形型個性や『シェイプシフター』の個性を持つ兵士のプロセスからヒントを得、形にすることが出来た。彼らフリーザ軍はきっと今頃わたしの用意した異星人たちの星を襲撃して我が物としているところだろうか。

 

 

 そして肝心の気だが、これは本当に誰でも用いることは出来るのだが、如何せんわたしにはセンスがなく、全力で気当たりをして木の葉を数枚落とせるかといったところだ。

 その点で言えば妻には気の才能があった。ドラゴンボールの様に生体レーダーに観測されないほどにまで気を抑え、個性の一切関わらない飛行やエネルギー放出攻撃。通称『気弾』や『気功波』をマスターしていた。未だ荒削りながらも生物の気を捉えることも出来ており、鍛錬を積めば積むほどメキメキとその実力を上げていった。彼女の個性も合わせれば最早スカウターでは計測もできないほどの力を手にしていた。

 …オールマイトですら測れる性能にしていた特注のスカウターでも、だ。

 

 正直、妻が全力で悪事を行えば伝説的なヴィランを過去のものとするくらい余裕な気がするのだが…。その気がないのは人類にとっては幸運だったな。

 

 一応、かめはめ波やギャリック砲などの技を始めとして、様々な技を扱えることは確認できたので最早不安はない。

 

 7年前から開発していた人造人間8号も原作通り優しい性格に育ってくれた。この存在は今年から北海道に立てる支部のリーダーとして務めるホワイト将軍や他の幹部にも伝わっている。

 因みにわたしが推薦した。

 

 総帥を除いた最高階級である将軍を派遣するにはそれなりの理由が必要だったが、オールマイトの存在とオールフォーワンの噂をすれば将軍含めた幹部多数が必要だと理解したらしい。

 あれでも将軍であるからにはそれなりの理由もある。正面戦闘では呆気なく倒されるだろうが中々有用な個性を持っていた。組織力と軍事力が個性にうまく噛み合っていたのだろうな。

 

 マッスルタワーは世界中のレッドリボン軍支部の中でも最も幹部の多い支部になっている。……色々と理由を説明していたら原作よりも多くの幹部が集まってしまった。まあ、オールマイトは支部には来ないのだがな。

 

 なんでそんなことを知っているのか、だと?

 それは当然、このわたしが――

 

 ピンポーン

 

 おっと、来客だ。

 

「はいはい」

「もうしわけありません。ここに天下着才(あました きさい)という名の博士がいらっしゃるとお聞きして訪れたのですが…」

「おお、いかにもわしが天下ですが」

 

 研究所の扉を開けると、そこには銀髪を肩で揃えた妙齢の女性が息を切らして立っていた。

 

「息子を…! 息子を救ってほしいんです…!」

「お、おちつきなさい。まずは何があったのか話してくださいな」

 

 一旦研究室まで招き、温かいコーヒーを出そうとして、この暑い夏の日に走ってきたのだからとスポーツドリンクを渡してやると冷静さを取り戻したらしく、再びわしに用件を懇願してきた。

 

 自身を―――轟冷と名乗って。

 

 

 

 あ、そうそう。答え合わせの続きだったな。

 正解は、わたしが姿と立場を変え別人として日本で活動しているからだ。日本に支部を立てるためと嘯いて各国にある支部の位置を記載した地図を物資の中に紛れ込ませたあとにその輸送機を撃墜したからだ。

 そして、それをヒーローに通報して回収させている。当然スパイ衛星で追尾させてな。

 

 今の私は日本でも名高い科学者にしてサポートアイテム制作会社CP(カプセルコーポレーション)社長、『天下着才』なのである。




表向き

天下着才

個性:『無個性』

備考:7年ほど前にサポートアイテム会社『CP(カプセルコーポレーション)』を設立。以後メキメキと日本トップレベルにまで成り上がらせた科学者。個性を一切使わないにも関わらず毎度現行の科学技術を上回る代物を世に出す天才。
 有名だが、人を雇わないことで有名であり、インタビューでは『のんびりとした暮らしをしながら開発という趣味をしたいから』という理由で会社を建てたことで度肝を抜かせた。

 代表作は『ホイポイカプセル』
 当時机上の空論として挙げられていた圧縮技術を更に高いレベルで開発した。これのせいで色んな業界が打撃を受け、特に物流業界が慌ただしかった。一応、個人で造るものだからということで全世界に広まる程ではないが、これを助かったと見るべきか、将来のためにと社員が転職する泥舟に乗ったかと捉えるかは彼ら次第である。

 他にも、個性関連の悩みなども解決している。

 見た目はブリーフ博士。

 名前ネタ『天下着才』

 天下 下着 天才 着才(鬼才)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。