戦闘音が聞こえて艦娘に会える!とウキウキしていた私を今すぐにぶん殴ってやりたい。
私が駆けつけたときにはもう第六駆逐隊は満身創痍だった。
響は轟沈寸前だった。
それでも大破状態の暁を必死に守ろうとしていた。
そしてリ級の砲撃を受けて沈んでいった。
暁達は泣き叫び、沈んでいく響に必死に手を伸ばしていた。
リ級達はそれを嘲笑うように砲口を暁達に向けた。
その光景を見た私はやっと気づいた。
ここはゲームじゃない。現実だ。戦争をしているんだと。命の奪い合いをしているんだと。
私はすぐに艦載機を発艦させ暁達を沈めようとするリ級3匹を攻撃して注意を引き、砲撃を開始した。リ級ごときが私の砲撃に耐えられる筈がなく、一瞬で沈んでいった。
私が近づくと、一瞬希望のある瞳で此方を見て、一瞬で絶望の瞳に変わった。だけど暁は違った。
電と雷を守ろうと私の前に立ちはだかった。
「い、電と雷に手を出さないでッ!!」
顔を涙と鼻水、そして血でぐしゃぐしゃにしながら、ガタガタと震えながらも妹達を守ろうとした。皆ひどい有り様で、いつ沈んでも可笑しくない。
私は持ち運んでいたあの泉の水が入ったペットボトルをすぐに暁にぶっかけた。
「な、なによこれ!……!き、傷が!お、お願い!これを私達にちょうだい!!」
「これを早く電と雷にかけて、残りは分けて飲んで!」
私は残りの水を暁に押し付けて海に潜り、響を探した。
普通なら轟沈したらもう、救えない。だけど、私は潜れる!
「ッ!いた!響!!」
響は意識を失っていた。でも、心臓は動いてる!
これならまだ間に合う!
でもすぐにあの泉につれていかなきゃ間違いなく死ぬ!
響抱き抱えて海面に上がると、暁達は響抱えた私を見て三人で懇願してきた。
「お願い!響助けて!(よ!)(下さい!)」
「わかってる!時間がないから私に早く捕まって!絶対に離さないで!!」
三人の股の下に尻尾を通して私の方に寄せて私にしがみつかせる。そしてあの島に全速力で向かった。
「やはくッ!ハヤク!モット!モット!!」
これまで無い程に全力で海の上を走り、数分でついてしまった。
既に私も疲労で倒れそうになっていたが、関係ない。響の方が死にかけているんだ。
駆け足で泉に向かい、四人と共に泉に入ったところで私の意識は途切れた。
ーーー
ゆさゆさと揺すられて私は目を覚ました。
ナンかあったかいなぁ……
「あ、あの!」
「んあァ?」
声がした方を見ると、響の顔が目の前にあった。
そうだ、昨日、リ級から……良かった……生きてた……
響生きてたことを嬉しく思い、ギュッと抱き締めると、響は驚いたような声を出した。
「はぁ……良かった……」
「ちょ、苦しいよ……そ、そろそろ離してくれると助かるんだが……」
「あ、そ、そうだったな」
今までずっと抱き締めていたらしい。アッヌクモリガ……
「暁達に聞いたよ。本当に……本当に助けてくれてありがとう。あなたのおかげで私はまた姉妹と共に戦うことができる」
響は深々とお辞儀をした。確かに助けたけど、お礼を言われるのはむず痒いというかなんと言うか………それより私は今レ級な訳で、深海棲艦なんだけど……
「私が怖く無いの?」
「命の恩人を怖がるのは失礼だからね、それに可愛い寝顔だったよ?」
ニコッと微笑む響
ア"ッスゥゥゥ……尊い……
「そ、そんなことより響、暁達は?」
「あぁ、回りを探検してくるって言ってどこかに行ってしまったよ。それより…なんで私達の名前をしってるんだい?」
「私は元は人間だよ。人間は嫌いだけどね」
「は?」
特に隠す必要は無いから事実を言うと響が固まってしまった。
驚くのは解るけど……そんなに?
「ま、まってくれ、あなたは深海棲艦だろ?」
「いえす」
「けど元人間?」
「………そんなに疑われると自分でもわからなくなってくるよ……」
「す、すまない……」
う~ん……確かに……いや違うね。この体元人間じゃないわ。私は人間だった記憶を持ってる深海棲艦だね。
「少し訂正しよう。私は人間だった記憶を持っているんだ」
「そ、そうか…それで、その鎖とかは……」
「あぁ、私が起きた時は海底に繋がれててね。どうも引きちぎれなくて、砲撃で壊したんだよ」
「れ、レ級の力でも……いったいどんな素材なんだろうね?」
「さぁね」
そして、響と暫く談笑してると足音が近づいてきた。どうやら暁達が帰ってきたみたいだね。
さて、そろそろ皆には鎮守府へ帰って貰おうかな……別に寂しくないよ?
「あ、レ級さん!おはよう!響の命を助けてくれてありがと!」
「はい、どういたしまして、さて皆揃ったことだしそろそろお別れだよ」
私がそう言うと暁がほっぺを膨らませてまだお話をしたいと駄々をこね始めた。
「……鎮守府ではきっと君たちが突然失踪したことになってるんだよ?早く帰ってあげないと君達の提督が大泣きしてしまうよ?」
「う……それもそうね……あ、なら!あなたも来て!それならお礼もできるわ!!」
う、う~ん………暁は私が深海棲艦だということをもっと意識してほしいんだけど……
「暁ちゃん、それは難しいと思うのです……レ級さんは電達を助けてくれましたが……それでも深海棲艦なのです。電達が一緒でも鎮守府に近づけばきっと攻撃されちゃうのです……」
お、電はちゃんとわかってるみたいだね。にしても近づいただけで攻撃か、しっかりと警備が働いてる証拠だね。
「そう言うことだよ暁、それと私に助けられたこととこの島のことは秘密にして欲しい」
「なんで?」
「私の事が大本宮にバレれば間違いなく追われるし、この泉があるって知られたら住む場所も無くなってしまう……逃亡生活は疲れるからね」
もう私はこの泉じゃないと眠れそうに無いんだ……!!それに……
「私は艦娘は好きだけど人間は嫌いなんだ。流石に殺したりはしないけど……ちょっかいを出してきたら容赦はしない」
私が目を細めると暁達は悲しそうな顔をしてしまった。
「さ、せめて鎮守府近くまでは送っていってあげるから行こうか」
暁達と鎮守府に向かっている間、普段なにをしてるかとかどうやって補給をしているかとかを聞かれた。
深海棲艦から奪って、イ級を食べてるといったらやけに暁が食いついてきた。マグロの味がするって言ったら長門さんに頼んで捕まえて貰う!なんて言い出して……長門が
「もうそろそろ私達の鎮守府だよ」
「ん、そっか、じゃぁここまでだ。……今回は私が助けられたけど、次はわからない。というか期待しちゃ駄目だよ。私は何処にでも駆けつけるヒーローじゃないんだから、それと、ほら」
「おっと」
「ひゃぁ!?」
「はわわわ!?」
「きゃ!?」
泉の水が入った1リットルペットボトルを尻尾から取り出し、一人一本ずつ投げ渡した。
「私の泉の水だよ。明石さんに解析して貰うなり好きに使うと良いよ。ばいば〜い」
「あ、ちょっとぉ!?」
私は返事を待たずに海に潜り島に向かう。まだ名残惜しいけど……深海棲艦と仲良く一緒に居ました。なんてバレたら暁達が危険だからね。
響助けてから早くも数ヶ月。時間の流れは早いね。
あれから私の生活はあんまり変わってない。
適当に海を巡回して
適当に深海棲艦を倒して物資を奪って
たまに艦娘を助けて
イ級を食べて泉で寝る。
ただそれだけ。それだけだった筈なのに……
「おはようっぽい白蛇さん!今日も遊びに来たっぽい!」
「だ、駄目だよ夕立こんな朝早くに……あ、白蛇さんお、おはようございます…これ、暁達からの手紙です」
「……おぁよ……せんきゅ……」
何か時雨と夕立が遊びに来るようになった。
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