深海から始まるヒーローアカデミア   作:リン・オルタナティブ

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この話は、本編19話での行動を凝縮してお送りします。

やっぱり外伝作るの楽しいなぁ^〜

...( ゚д゚)ハッ!ゆっくりしていってね!


#4 深海ノ姫、最高戦力デ戦闘ス

 鬼姫たちが広場に到着すると、既に脳無がイレイザーヘッドの腹を殴り、一撃で気絶させていた。どんだけパワーあるんだコイツ...と思いつつ、鬼姫はドレミー似の少女―――甘夢がヴィランの攻撃を掻い潜り、イレイザーヘッドを救出しているのを見ていた。

 鬼姫はというと、ガタキリバの少年―――宇覇と隠れながら脳無の対処について相談し合う。

 

「......煉黒でいいか?」

「それで構わないわ。...大方、聞きたい事は脳無...あの黒い男の事よ。...そのことね?」

「あぁ、聞きたいのはアレを誰が仕留めるか、だ。俺はまだまだパワー不足。ウヴァに頼らざるを得ないが、ウヴァとははぐれてしまった。......あそこに居たということは、異形型だろ?アレに勝てるパワーがあるなら頼みたい。俺はあの手男やるから」

 

 鬼姫の読みが当たった。宇覇からの相談は、脳無関連についてのことだったが、鬼姫自身の個性についても言及していたことを考えると、宇覇もかなり頭が回る方のようだ。

 

「(どっちかと言うと発動型で異形型になる複合型個性何だよねぇ...)わかったわ。気をつけてね?あいつは5指で触れられるとアウトな個性持ってるから。あと、何か刃物があると助かるわ」

 

 そんなことを言いつつ、鬼姫の脳内では深海棲艦に刃物を持っている奴がいなかったなぁ...と思っていた。実際、クジラもサメもダイオウイカも、全て低威力の魚雷か指揮棒による物理攻撃でしか仕留めたことがなかったのだ。刃物は前世で料理にて使った包丁以外初めて持つが、何事も挑戦の意思の元、鬼姫は頑張ることにした。

 

「分かった。......刃物ならこのカマキリソードを使ってくれ。切れ味は保証する」

「そうか。助かる。.....変身」

 

 宇覇が自身の片腕から外した一振りの緑色の剣―――カマキリソードを右手に握ると、鬼姫はトリガーとなる言葉を紡ぐ。

 マスク越しの口から声を発した直後、ヲ級の姿をとっていた自身の体が、変質していく。奇怪な帽子が黒い糸のようにほどけ、ヲ級の時より縮み、ビキニ姿へと変化した体を包み込むような形で黒いパーカーが生成される。狂戦士(バーサーカー)の如しマスク越しからでもわかる狂気を孕んだ笑みを浮かべるその顔を、パーカーに付属したフードを浅く被り、予め見えるよう配慮した。

 本体の変身が完了した後、縮んだ分の身長は新たな部位を形成していく。パーカーの裾から顔を覗かせるように完成したのは、太くて頑丈な尻尾。だが、尾白の尻尾とは違い、尻尾部分に沿うように分割された飛行甲板も備えられており、尻尾の先端はフサフサな体毛...な訳もなく、深海棲艦特有の艤装と頭のような意匠が施されていた。

 

 鬼姫が変身したその姿は、戦艦の皮をかぶった何かであり、誇張を抜いて尚“ぼくのかんがえたさいきょうのせんかん”、“超兵器”、“空を飛ばない宇宙戦艦ヤマト”などと揶揄され、数々の廃課金勢の提督をトラウマの渦へと叩き込んだ小さな悪魔―――(弩級重雷装航空巡洋)戦艦レ級だった。

 

「.....分身!」

 

キンッ!

    キンッ! 

        キンッ!

クワガタ!カマキリ!バッタ!

ガータガタガタキリッバ、ガタキリバ!!

 宇覇がブランチシェイドで分身し、死柄木へ斬りかかっていくのを見送りながら、自身もオールマイトの相手をする脳無の処理をするべく、行動を開始する。

 

 尻尾をしならせ、地面に叩きつけることで勢いをつけ、それと同時に―――発砲。発砲による反動で加速し、鬼姫は地面から少し浮いた状態で猛進する。視界の先でオールマイトが吐血しているのを見ると、活動時間が限界に近づいていることを察知し、歯噛みする。

 

「(もう活動時間が低下し始めているの...!?)」

 

 レ級の射程圏内まではいると、鬼姫はもう一度後方へ射撃し加速すると、オールマイトと脳無の間に滑り込ませる。目の前に脳無の拳が迫るが、焦らずにわざと人差し指だけで受け止めてみせる。

 

「む!貴様はさっきのヴィラン!?何故生徒と同行している!何故私を庇う!」

「オールマイト、話は後でね?まずはこのじゃじゃ馬をしっかり躾けないと......」

 

 鬼姫は背後にいるオールマイトの言葉に拳を止めながら答えると、一度脳無の拳を弾いてから、脳無の猛攻を捌き切るために目の前に神経を集中する。

 鬼姫の知っている限り、USJで襲いかかってくる脳無はパワー・スピードがそれこそオールマイトと互角な上、ショック吸収(ドレイン)や超回復も相まって難攻不落に見えるが、あくまでも打撃による()()()()に特化した個性であり、斬撃にはめっぽう弱いのだ。超回復も、ダメージを超過すれば再生速度は遅くなるらしい。

 

「はぁ......パワーだけは1級品ね。だけどそれ以外が終わってるわ。失敗作と評するべきかしら。でも、サンドバッグとしては及第点ね!」

 

 脳無の攻撃を掻い潜りつつ、片腕を掴むとカマキリソードで脳無の胴体を横一文字に真っ二つに切り裂くと、そのままグルグルとその場で回転し、最高速に達するとハンマー投げの要領で手を離し、脳無の上半身を開放する。

 

「よし......200メートルは行ったわね!」

 

 上半身は大きく弧を描きながら飛んでいき、やがてUSJの天井を突き破り、飛んでいったのだ。背後から途轍もない気迫が漂っているのを感じ取ると、鬼姫は清々しい程な笑顔で振り向く。そこには、拳を構えたオールマイトがいた。ご丁寧に、DETROIT SMASHの構えだと、鬼姫の脳内で判断されていた。

 

「あぁー!待って待って!私は雄英で暮らしたいだけだから!」

「.........へ?」

 

◇◆◇◆◇

 

「......あー、つまり君は捨て子何だね?」

「(正確には深海で生まれたから親もいないんだけどね).....まぁ、ソレでいいわ。兎にも角にも!私の家、用意しておいてね!」

 

 疑問を問いかけてきたオールマイトへ、ここまでの道のりをざっくりと説明した。勿論、転生者であることは伏せて、だ。更に強引ながら家を頼み込んだのだが、鬼姫は流石に些か不謹慎だったかなぁ、と思いつつ、雄英の教師陣の会話を遠目から眺めつつ、波乱のお引越しイベントが終了したのだった。




これにて、煉黒ちゃんの雄英高校移住計画、無事完了です!
こんな疎い駄文ですが、頑張りますので応援よろしくお願いします!
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