気がついたら祟り神様(純粋)と一緒に呪術の世界にいた話 作:時長凜祢@二次創作主力垢
※最後の方にオリキャラが出てきます。
※オリキャラは瑠風に対してかなり重い感情持ちです。ヤンデレ一歩手前気味。
※この物語の主人公である瑠風は、私が別のサイトで書いているの一次創作から設定を最初から持ってきているため、このオリキャラはその設定繋がりの存在となります。
※オリ→オリ傾向強めですが、オリ→オリ←呪&鯖的な展開もこの先出る予定です。
以上を踏まえての閲覧を推奨いたします。
恵くんと一緒に廃村を駆け抜けること数十分。私たちは廃村の入口付近まで戻ることができた。
呪霊が湧いてくる気配はない。とりあえずは一安心だろうか。
「呪霊の巣窟だったな……」
「五条先生の話がマジなら、この廃村のどっかに特級呪物がある。となれば、呪霊のバーゲンセールみたいになるのは仕方ないことだと思うぞ。」
「特級呪物……確か、とんでもない呪い……呪力が宿ってるもののことを言うんだよね?」
「ああ。」
村の中に学校でもあったのか?と呟く恵くん。
あらゆる感情の受け皿となる場所になってるって原作でも言っていたし、もしかして、村の子供たちが通っていた学校でもあるのだろうか?
そんなところに“宿儺の指”があるとか、とんでもないな。
原作開始前の数ヶ月くらい前だから、時期的には変わらないだろうし、ここにある指の封印もだいぶ劣化していたのかな。
「“宿儺の指”は、呪物の呪いが強すぎるからな。もし、本当にここにあるのだとしたら、経年劣化で封印がかなり緩くなってるはずだ。となると、もはやそれは呪霊にとって力を底上げするための餌にしかならない。村で自然発生する呪霊も、その呪いを嗅ぎつけて外からやってくる呪霊も桁違いになるのは目に見えている。ま、それは廃村の奥の現状を見てたらわかるだろ。」
「うん。まるで真・格闘王の道をやらされてんのかってくらい連戦したね。」
「……急にカー○ィの話すんな。」
……恵くん、カー○ィ知ってるんだ。意外だった。
「こんなに無限湧きするとは思わなかったけど、封印が緩くなると、呪いを大量に呼び寄せるって本当だったんだ。」
「ああ、そうか。瑠風はこっちに来てから呪いとか呪物のことも知ったもんな。その割には呪霊を使役していたが。でも、やっぱり現実味がまだ湧いてなかったか。」
「否定はできないかな。」
恵くんと話しながら、廃村の入口付近で五条先生の帰還を待つ。
今のところ呪霊の気配は奥の方にしかないけど、念のためにサーヴァントや恵くんの玉犬たちは、呪いが現れないか警戒をしている。
……奥の方から戦闘音が聞こえてくるな。五条先生がしっかりと呪霊を祓ってるんだ。
ちょっと時間がかかってるのは、無限湧きスポットになっちゃってるからとかかな?
一撃で沈めていそうだけど。
そんなことを思いながら廃村を眺めていると、辺りに寒気が発生したことに気づく。
一番強い寒気を感じるのは……私の影!?
「「瑠風!?」」
「「マスター!!」」
慌てて寒気がする方へと目を向けると、同時に影の中から呪霊が現れた。
それは、明らかに二級ぐらいの力を持ち合わせている呪霊だった。
誰かの影に入り込むことにより、気配に気づかれることなく近づけるのだろうか?
影から浮上してくるまで、そこにいることがわからなかった。
─────……あ……ヤバいかも。
呪霊の手にあり鋭い爪。それが私めがけて振り下ろされる。
躱すための猶予はない。サーヴァントたちも間に合わない。動揺により、ゲイ・ボルクを構えるタイミングを見逃してしまっている。
この状態が指し示すことは……。
『低俗な呪い如きが、誰のもんに手を出そうとしてやがるんだ?消え失せろ。』
景色がゆっくりと動く中、不意に、脳内に響くような声が聞こえてくる。
それにハッとした瞬間、私に襲いかかって来ていた呪霊が一瞬にして消え去った。
まるで、無数の刃でも食らったのかと言いたくなるほどに、その身をバラバラに刻まれながら。
「え?」
突然のことに戸惑いの声をあげる。いったい、私の目の前では何が起きた?
「瑠風!!」
混乱しなら目の前の現状を眺めていると、恵くんが私の名前を呼びながら走り寄って来た。
すぐに彼の方に目を向けてみれば、その表情にかなりの焦りが浮かんでいる。
「ごめん、ちょっと油断したみたい。」
「いや、俺が気付かなかったのも問題がある。悪かった。怪我はないか?」
「うん。なんとかね。」
私のことを気にかけてくれる恵くんを安心させるため、小さく笑いながら無傷であることを伝えれば、彼はホッとしたような表情を見せたあと、ある一点を見つめる。
彼の視線を追ってみれば、先程バラバラにされた呪霊の亡骸がそこにはあった。
「何が起こったんだ?瑠風に襲いかかったかと思えば、急にバラバラになったように見えたが……」
「……わからない。ただ、呪霊がバラバラになる前に、声を聞いたよ。」
「声?何も聞こえなかったぞ?」
「でも、確かに聞こえたんだ。“低俗な呪い如きが、誰のものに手を出そうとしてやがるんだ?消え失せろ”……って、どことなく殺意がマシマシで、どこか……懐かしく感じる声が。」
「………そうか。」
恵くんの質問に答えれば、彼は短く返事をしたのち、傍らにいた玉犬に、目名前にある呪霊の亡骸を喰らうように指示を出す。
それを聞いた玉犬たちは、すぐに呪霊に近寄って、その身体をバクバクと食らい始める。
「お疲れサマンサー。」
玉犬たちの餌なのかな……と無言で眺めていると、どこからともなく聞き慣れた声が聞こえて来た。
すぐに声の方へと目を向けてみると、そこには五条先生の姿がある。
「こっちの方に呪霊出て来たんじゃない?それなりに強めのやつ。恵なら倒せるレベルのね。」
「ええ。」
「狙いは私でしたけどね……。私の影に入り込んで潜んでたみたいです。それで、いきなりバッと出てきて襲って来ました。」
「……え、マジ?怪我はしなかった?」
「はい。なんとか。」
私の返答を聞いて、少しだけ五条先生が安堵したように息を吐く。しかし、何かに気付いたような反応を見せたのち、おもむろに彼は目隠しを外した。
「五条先生?」
急にイケメンフェイスを出さんでくださいとくだらないことを考えながらも、目隠しを外した先生に声をかける。
だが、彼は返事をすることなく、私のことをじっと見つめてくるばかり。
「五条先生。どうしたんですか?」
「ああ、うん。ちょっとね。」
首を傾げながら五条先生を見つめていると、無言で辺りを見渡したのち、再び私の方へと視線を戻す。
そして、何かわかったのか、小さく笑いながらなるほどね……と呟いた。
何がなるほどなんだろうか?全くもって理解ができない。
「瑠風。君、もしかして何かに助けられた感じ?呪霊や恵たちの呪力の残滓じゃない、全く別物の……しかも、呪いなんかよりも厄介で強大な力の残滓が辺りに散らばってるんだけど。」
「………確かに、助けられましたね。呪霊に襲われた瞬間、声が聞こえて来て、それで、一瞬にして呪霊がバラバラに刻まれました。」
五条先生の質問に答えると、彼はやっぱりね……と呟きながら、苦笑いをこぼした。
「なんとなく気付いてはいたけど、今回のこれで確信できた。瑠風を守ってる強大な力。それ、完全に神格を持った何かの力だね。いったい、何をやらかしたらそんな存在に好かれるんだか。」
五条先生から告げられた言葉にフリーズする。
は?私を守ってる力って、神様の力なわけ……?
「神格って……そんなことあり得るんですか?」
「実際に目の前にいるってことはあり得るってことだよ。だけど、滅多にない……というか、数千年に一度あるかないかの事象だ。これ、コントロールできるようになるのかわかんなくなって来た。まぁ、それでもある程度は使いこなしてもらわないといけないんだけどね。」
五条先生の言葉に無言になる。まさか、私みたいなのが神格に気に入られているなんて思わなかった。
でも……なんだろう……?何か、思い出せそうで思い出せないような……だけど、何かしらの留め金が外れかかっているような……そんな気がするような……?
よくわからないモヤモヤに苛まれながら、どんな神格が私に力を与えているのか考える五条先生と一緒に首を傾げる。
その際、僅かに海のような匂いが鼻腔を通り抜けた気がするけど、海は近くにないはずだし、気のせい……だよね?
࿐·˖✶࿐·˖✶࿐·˖✶࿐·˖✶࿐·˖✶࿐·˖✶࿐·˖✶
瑠風が不思議な力に首を傾げる中、濤声の中でその気配を感じながら、静かに目を閉じる者がいた。
それがいるのは現実から離れた世界。目で見ることは叶わずとも、少女の魂に刻まれた一つの海原。
その姿はいわゆる青年だった。黒にも見える濃紺の髪を、海原を走る潮風が揺らす。
しかし、その青年は不意に感じた何者かの視線に意識を向ける。
閉じられていた瞼を開き、海原と同じ蒼の瞳を虚空へと動かし、彼は小さく笑みを浮かべた。
「へぇ……なかなか面白ぇ眼を持ってるガキがいるじゃねぇか。完全とはいかないようだが、俺のことが見えてやがる。」
吐き捨てるように呟かれた言葉。声音はどこか穏やかで、心の底から楽しんでいるようなものだった。
だが、青年が纏う気配は一瞬にして降下して、寒気を催すものへと変わる。
「誰の許しを得て俺を見てやがるんだか。力を持ってるだけのただの人間如きが、無断で見ていいと思ってんのか?」
軽い殺気と怒気を含んだ声音が、海原の濤声に消えていく。
だが、青年は背後から聞こえて来た女の声を耳にするなり、その殺気をすぐに霧散させる。
青年が声の方へと歩いてみれば、そこに黒髪の少女が横たわっており、胎児のように丸まって眠っていた。
「……最近、こいつ寝返りを良くするようになったな。ちらほらと声も聞こえてくるし、そろそろ俺を思い出す頃か?」
眠る少女の頬に手を伸ばし、無防備にさらされている頬に触れる。
先程までの怒りを纏っていた彼はどこへやら。その手つきは壊物に触れるかの如き柔らかなものだった。
「……ったく。思い出さねぇ方が幸せだろうに。俺を思い出しちまったら、お前、また俺から逃げられなくなるぜ?それでもいいのかよ。」
呆れたような声で青年は言葉を紡ぐ。しかし、その言葉と感情とは裏腹に、青年の表情には早く俺を思い出せと言う欲が見え隠れしていた。
海原のような蒼の瞳には、涼しげな色とは真逆の熱が宿っており、妖しい光がゆらめいている。
「……せっかく来世では好きなように生かしてやろうと思ったのによ。思い出したりなんかしたら、またお前は俺の水牢の中に逆戻りだぞ。人間との恋愛なんざ不可能で、結ばれることも許されない、自由とは程遠い生き方になる。それでもお前はいいってのか?」
ポツリポツリと呟きながら、青年は鼻で笑い飛ばす。
それが嫌なら思い出すな。忘れていれば力に制限はかかってしまうが、人として最期まで走り抜ける道を選ぶことができるようになるのだから。思い出すなら覚悟を持てと、音にすることはない忠告をのせて。
だが、その忠告とは裏腹に、青年はさっさと思い出せと言う感情を荒波のように激らせる。
そうすれば、自分という海神の檻に、再び閉じ込めることができるのだから。
「まぁ、もうしばらくはこの力は機能するし、こっちの力が効いている間にゆっくりと考えるといいさ。記憶に触れるも触れないも、全てお前の意思一つで決められる。だが、触れるという道を選んだ瞬間、お前は再び俺の手中へと収まることになるぜ?まぁ、俺自身はそっちの方がいいけどな。……さぁ、どれくらいの期間、お前は俺の海から逃げられるかな。」
“逃がすつもりも毛頭もないが”……そんな呟きを最後に残し、青年は目の前で眠る少女の魂に口付ける。
その姿を知るのは、この領域に響き渡る穏やかな濤声と、口付けをした当本人のみである。
瑠風
影に紛れて襲ってくる呪霊の罠にハマったが、爪が体を引き裂く前に、目の前で一瞬にして切り刻まれた呪霊にポカン。
彼女を守らんと力を与えたなんらかの神格のせいだったようだが、靄がかかったように思い出せない。
ただ一つ、どこか懐かしい濤声と、広い海原の匂いがしたことは理解できたし、落ち着く誰かの声が聞こえたのは確かだった。
恵
影に潜り込み人を襲う呪霊に瑠風が襲われて焦ったが、一瞬にしてその呪霊が消えてしまったためポカン。
五条から聞かされた何かしらの神格が瑠風を守っているという言葉を聞いてますますポカンとした。
五条先生
瑠風と恵側に呪霊が一体出て来たことに気付いていたが、恵なら倒せるレベルだからと特級相手の方を優先し、無事“宿儺の指”の内の一本も回収して瑠風たちに合流した。
薄々気付いてはいたが、合流した先であたりに残された呪霊の呪力の残滓でもなければ呪術師の呪力の残滓でもない、厄介な力の残滓を視たことにより、瑠風に強大な神格を持つ何者かが憑いていることに確信を持つ。
六眼にて改めて瑠風を見た際、瑠風の内側にいる神格から睨まれたことには気付いており、結構冷や汗をかいていた。
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瑠風を守り、深く愛している存在であり、彼が過ごす領域にある海が示す通り、海にまつわる神格を持つ青年。
かつては自身の大切な愛し子である瑠風に、自分以外の存在との恋愛など許さなかったし独占していた。
魂に刻まれた過去の記憶を封じている張本人で、記憶を封じた理由は、そうすることで自分という神格からの支配を一時的に外し、彼女に自由という権利を与えるための気遣いだったのだが、この術が解けた場合、瑠風の魂は再び自身という水牢へと閉じ込められ、自由を奪うという縛りを使っているため、彼女が彼を思い出した時、彼女の魂の自由は完全に封じられ、この神格以外の存在に対して恋慕を向けることができなくなる。
しかし、絶対に向けることができなくなるわけではないと言う話があるとかないとか。