気がついたら祟り神様(純粋)と一緒に呪術の世界にいた話 作:時長凜祢@二次創作主力垢
「邪魔だ!!」
「マスター、こちらへ!!」
「るかるか!ジュナオルの側にいるのだ!どけどけー!!」
杉沢第三高校の廊下を移動しながら、片っ端から呪霊を片付けていく。
二級より上の呪霊は私じゃ一撃で倒せないから、そこら辺はオルタニキと太歳星君に任せて、手にしているゲイ・ボルグで襲ってくる二級より下の呪霊を貫いた。
「す……すご……!!」
「いったい、なんなんだこの子……。」
背後で庇っている佐々木さんと井口さんの2人が、驚いたような声を上げる。
次々と現れる呪霊を、あまり年が変わらない女が悉く潰しているからだろう。ほとんどは私のサーヴァントが始末しているんだけど。
『ちゅーるちゅーるちゅる』
そんなことを思っていたら、目の前に黒い柱のような姿を持つ目ん玉呪霊が姿を見せた。
これ、どう見てもアイツだよね……。恵君が玉犬に食わせたヤツ。
でかいけど……呪力はそこまで高くない……?となると三級とかそこら辺なんだろうか?
なんて考えながら、私は自身の身体能力を一時的に強化する瞬間強化を自身へと使用する。
マスタースキルを自分自身に使うってなんか変な感じではあるけど、こうすることで一時的に能力を飛躍的に上がるのであれば、使用するに越したことはない。
まぁ、これ使ったらしばらくクールタイム有するからしばらく使えなくなるんだけど!!
内心で文句を言いながら、廊下の床を強く蹴り上げる。
瞬間強化をかけたことにより、普段よりもかなりのスピードが出たような気がするけど、今はそんなものどうでもいい。
むしろ、能力が上がってることがよくわかるから、このわかりやすい能力の向上は助かるもんだ。
そんなことを思いながら、ちゅるちゅるうるさい呪霊との間合いを詰め、呪力がやけに集まっている場所目掛けてゲイ・ボルグを振るう。
「【
勢いよく踏み込み、そのまま呪霊の核と心臓目掛けて呪力を込めながら突き出し、そのまま核と心臓を貫き穿つ。
普段より威力が上がっているそれは、普段は呪霊を即死させることができない低威力だが、一時的な強化により威力も効力も上がっていたのか、その呪霊の心臓と核を破壊した。
断末魔を挙げながら、消えていく黒柱目玉呪霊。それを確認した私は、手にしていたゲイ・ボルグをクルクルと回して、その柄の部分を床に付ける。
「怪我はないね?」
「「ひゃ………ひゃい………。」
消滅した呪霊を確認した私は、すぐに背後にいる佐々木さんと井口さんに怪我の有無を問う。
2人はすぐに小さく頷いた。間抜けな声を漏らしながら。
「それならよし。急いで外に行こう。出てくる化け物は、全部私たちが倒すから。」
そんな2人を安心させるように小さく笑いながら声をかければ、2人は再び頷く。
それを確認した私は、すぐに前を向いて再び外に出るための道を走り抜ける。
前方はオルタニキと太歳星君が先行して行ってくれるから、問題はないだろう。
ジュナオも私の側にいてくれてるしね。いざと言う時は、ぷららやしてもらうか。
そんなことを考えながら、廊下を走っていると、不意に呪霊が近寄ってくる気配を感じ取る。
すかさず手にしていた朱槍を使うことで防御行動を行えば、同時に校舎の壁が破壊され、かなりの衝撃に襲われた。
「い゛!?」
その衝撃はあまりにも重たく、一瞬手が痺れる。しかも、ガードはできたけど、与えられた衝撃により私の体は軽々と吹っ飛ばされ、そのまま校舎の壁に背中から激突した。
かなり痛い。こんな痛み初めて食らったものだ。前の世界では暴力沙汰とはほぼ無縁だったし、こんな馬鹿力を持つ存在に殴り飛ばされることもなかったから。
「マスター!?」
「うわぁ!?るかるかぁ!?」
ジュナオと太歳星君から慌てたような声が発せられる。オルタニキからは舌打ちが聞こえた。
まあ、先行していた場所から後方から出て来たもんね。そりゃ驚くし舌打ちもするよな。
サーヴァントはマスターの剣であり盾。ダメージを与えられないように、同時に敵を倒すように行動を起こす存在だから、攻撃がマスターに飛ばないように守るのも役割だろうし。
「おい!!」
「大丈夫!?」
吹っ飛ばされた私の姿を見た佐々木さんと井口さんが、慌てて私に話しかけてくる。
背中を思い切り壁に打ちつけた以外は特に何もなかったから、問題ないことを知らせるように手を挙げ、すぐに立ち上がる。
背中にジンとした痛みはあるけど、骨などがイってる様子がない。咄嗟のガード、および咄嗟の防御力強化で被害を軽微にしたおかげだろう。
少しだけ安堵しながら、視線を前に向ける。そこにいたのは、ラグビー場にいた二級相当の呪霊だった。
「やっぱりお前がくるんかい……」
思わず苦笑いをこぼしてしまう。でも、原作通りの呪霊が来てくれたことはある意味助かるものだ。
二級相当の呪霊なら、私は無理でも、サーヴァントたちがなんとかできる。
「セイ。やる気は?」
「十分だぞ〜!」
「オーケイ。じゃあ、呪力を回す。頼んだよ、私のアルターエゴ!!」
「よーし、やるやるやるぞー!!るかるかをぶっ飛ばした恨みを倍返しなのだ!!」
「ジュナオとオルタニキは先にそこの2人を連れて離脱。キミらの火力と機動力なら、ある程度呪霊を片付けたこの校舎内を突破することができるだろう?場合によっては、セイに宝具を使わせるつもりだし、その影響範囲からは出て欲しいんだけど……」
「わかりました。移動する際も、呪霊は片っ端から片付けていきますね。」
「……お前のところの方が、退屈しなさそうなんだがな。まぁいい。向こうじゃよく使ってくれたが、こっちでのメインはそいつなんだろ?なら、その指示には従ってやる。」
目の前の二級相当の呪霊と向き合いながら、オルタニキとジュナオの2人に指示を出す。
指を私が保有している以上、呪霊はオルタニキたちと一緒にいる佐々木さんや井口さんに目を向けることはないだろうし、嫌な予感がある以上、早めに離脱をさせた方がいい。
私の指示を聞いたオルタ化コンビは、ジュナオが佐々木さんを横抱きにし、オルタニキが井口さんを俵担ぎにする形で持ち上げ、その場からさっさと離れていく。
一瞬、ジュナオに横抱きされた佐々木さんが小さい悲鳴……と言うより、照れも混ざったような短い悲鳴をあげたような気がしたけど、気のせいかな?
まあ、ジュナオってイケメンだもんね。神に近いジュナオじゃなく、人に近い方のジュナオだから、感情表現も豊かだし、穏やかな好青年にしか見えないから。
めちゃくちゃ馬鹿力を叩き出すバーサーカーだなんて言っても嘘でしょってくらい優しいし。
そんな感想を脳裏に描きながらも、私は太歳星君と一緒に目の前の呪霊と向き直る。
よく見ると太歳星君、おっきい方の太歳星君になってるや。
「よし、立ち去ったな。んじゃ、さっさと終わらしますかね。セイ。呪力を回す。ステータスもスキルを使ってなるべくあげるから、ささっと済ませようか。」
「うん……わかった。」
いつの間に変化したんだろうと思いながら、呪力とスキルによるサポートを太歳星君へと施す。
一時的な能力の向上であれば、呪力が尽きるまで使えるのは本当ありがたい。
クールタイムがなければもっとマシなんだけど、流石にそれはバランスブレイカーすぎるのかな……。ただでさえサーヴァントとか言うチート級の存在を使役できるわけだし。
恨むはバランス調整か……と溜息を吐きながらも、太歳星君に攻撃力アップと三色コマンドアップを行い、太歳星君と呪霊の戦闘に巻き込まれないようにと後方へ下がる。
それを合図に太歳星君は床を蹴り上げ、目の前にいる二級相当呪霊へと飛びかかった。
これを倒せば、よほどのことがない限りミッションコンプリート……だけど……なんでだろう……。
嫌な予感は消えそうにない。
瑠風
杉沢第三高校から脱出するためにサーヴァントを使役しながら突き進むマスター。
原作通りの呪霊が立ち塞がったことに安堵しながら、突破すれば被害はほとんどないと考えているが、嫌な予感が抜けないことに、表情を曇らせる。
太歳星君
瑠風と一緒に校舎内での戦闘のために残ったアルターエゴ。戦闘時はもっぱら本来の大きい方の太歳星君になりがち。
瑠夏が表情を曇らせていることに気づいているので、警戒は怠らない。
オルタニキ&ジュナオ
機動力と火力面でかなり優秀なWバーサーカー。
その能力の高さから、瑠風の判断により、一般人脱出の方に回された。
オルタニキは不満気にしている。
佐々木&井口
瑠風の起点により、呪霊の被害を受けることなく脱出に専念できた一般人二人組。
井口はオルタニキが軽々と自身を持ち上げたことに驚き、佐々木はジュナオの横抱きに軽くときめいた。