気がついたら祟り神様(純粋)と一緒に呪術の世界にいた話   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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07.五条悟からの勧誘

「なんで……コヤンスカヤとアビゲイルがいるの?」

 

 ピリピリとした雰囲気の中、五条先生と言葉を交わしているコヤンスカヤとアビゲイル。

 私は、この状況がよくわからず、混乱したように問いかける。

 すると、コヤンスカヤが私の方に目を向けては、口元に笑みを浮かべる。

 

「もちろん、(わたくし)とアビゲイルさんを、あなたが自身の身を守るために召喚したからですわ、マスター。(わたくし)たちはあなたのサーヴァントとして、顕現しておりますので。」

 

「私のサーヴァント……?なんで……」

 

「それに関しては詳しくお答えすることはできません。ですが、(わたくし)たちが呼ばれた理由は、あなたの体質と関わりがある……とだけ申しておきましょう。こちらに関しては、あなた自身で気づいていただかなくては意味がないので。」

 

「でも安心して、マスター。私たちは問答無用でマスターの味方だから。あなたを害する者が現れた時は、私と狐さんと太歳星君さんで全てを終わらせるわ。」

 

 穏やかな笑みを浮かべながらも、かなりの爆弾発言をしているアビゲイル。

 よく見ると額には鍵穴が。どうやら第二再臨状態でやってきたようだ。

 ……まぁ、この発言に関しては、あとで注意するとして、コヤンスカヤが口にした、二騎のサーヴァントがやってきた理由。

 詳しくは教えてもらえないみたいだけど、私の体質と関わりがある……と言う発言に、少しだけ眉を顰める。

 かなり重要なことを彼女は知ってるんだな……。

 できれば教えて欲しかったんだけど………。

 

「……話は終わったかな?」

 

 そんなことを考えていると、五条先生から声をかけられる。

 彼の方に目を向けてみれば、なんか目隠し取っていた。

 うわ、イケメン。

 ……じゃなくてなんで目隠し取ったんだあんた。

 

「ええ。(わたくし)たちの話は終わりました。」

 

「……なんで目につけてたそれを外したのだ?」

 

「うん?そこのコヤンスカヤ……だっけ?彼女が口にしたことが少し気になってね。ちょっと瑠風のことを視てみたんだよ。それでびっくり。瑠風。君ってばなんか厄介なものを引っ提げてるみたいだね?呪物……とは少し違うような気もするし、呪物と表現することもできる、特異物質。階級を当てはめるとしたら……特級……いわゆる、一番階級が高く、危険性が計り知れないくらいヤバイものが宿ってるみたいだよ。」

 

「え?」

 

 いつのまにか目隠しを外していた五条先生に、太歳星君が外した理由を問う。

 すると、五条先生はサラッと私の体の中に特級レベルの物質が入り込んでいると指摘してきた。

 その言葉に驚き目を丸くする。いったい、何が入り込んでいると言うのか……。

 

「……それって、るかるかに害がある奴か?」

 

「いいや?どうもそれは彼女の身を守るために機能してるみたいだからね。祝福のようなものだと僕は思うよ。でもね、祝福も時には呪いになることがあるんだよ。行き過ぎた祝福はまさにそれ。過保護なまでに発動するから、周りを無条件で傷つけることがある。」

 

「でも、るかるかが傷つくことはないんだろう?」

 

「それはもちろんその通り。むしろ、瑠風を守るために発動するから、彼女はいろんな攻撃を防いでしまう。少しだけ僕が持ってる術式に近いみたいだけど、性質としては結構タチが悪いんじゃないかな。僕の場合は意識して使用できるけど、瑠風の場合は無意識下で常に発動しているような感じ。他にもいくつか特殊な術式を持ち合わせている様子があるけど、これって言わない方がいいんでしょ?」

 

「ええ。こればかりはマスターご自身で自覚し、認識していただかなくてはなりません。もちろん、誰かに教えてもらうと言うのも一つの手であることは理解しておりますが、術式を使うならば、外部から言われて認識するよりは、マスターご自身で自覚し、認識する方がよほどマシかと思われます。なんせ、彼女の主な力となりうるであろうもの……この世界で言う術式と称すことができる力は、人の身である者が扱っていいものではございませんので。」

 

「……うん、なんか聞き捨てならないような言葉が聞こえてきたような気がするけど、今は指摘しないでおくよ。で、話を戻すけど、瑠風が宿してるそれは、瑠風を守るために機能してる。だから、瑠風が傷つくことはまずないんだけど、その反面、瑠風以外の存在は傷つけ、最悪命を奪うような効能を発揮しちゃうみたいなんだよね。まぁ、敵意に反応するみたいだから、敵意さえ向けなければ被害はまずあり得ない。でも、ただの喧嘩だけでそれが発動してしまう恐れがあるから。コントロールはそれなりにできた方がいいと思うんだ。それに、コントロールすることができるようになれば、自分から外敵を排除できるようになるかもしれない。」

 

 私の中にある強力な力。私の身を守るためだけに発動している何かしらの祝福。

 それは時に無意識のうちに人を攻撃し、最悪の場合、相手が命を落とすことがある。

 その話を聞いて、私は少しゾッとした。

 自身がどれだけヤバイ状態だったのか、五条先生の指摘により気づく。

 つまり、私はくだらないことだけでも人を殺めてしまう可能性があったわけだ。

 身を守るために与えられた祝福……でも、その理屈なら確かに呪いとも捉えることができる。

 いったい、誰がそんな祝福を私にかけたのだろう。

 おそらく、過去の私が出会った何かなんだろうけど、夢で見た太歳星君と出会った過去までしか記憶にない。

 過去、太歳星君以外の何かと出会ったのは確かだと思う。

 その先だけ、まるで靄がかかったかのように思い出せないから。

 

「……私自身が得たわけではなく、外部からかけられたと思われるこの力は、コントロールすることができるんですか?」

 

「もちろん。確かにそれは外部にかけられた祝福だけど、自分の意思で発動させるさせないのオンオフの切替えも、その力を逆に利用して戦うための糧にすることも可能な力みたいだからね。多分、かけた張本人は、君自身にできれば戦ってほしくないし、そのまま守られる存在でいて欲しいと望んでいるんだろうけど、いざと言う時は力を使って闘うことも必要だと考えていたんだろうね。じゃなきゃそんな選択肢を用意することなく、守るためだけのものへと変えているはずだよ。」

 

 その説明を聞いて、私は少しだけ考え込む。

 予想通りの結果になりそうではあるけど、これは、私だけじゃなく、周りのみんなのことも守るために必要であるはずだ。

 まぁ……元から見つかったらどうするかなんて、すでに決めているようなものだったんだけど。

 

「私、この力をコントロールできるようになりたいです。それに、どうやら私は、幼い時の記憶をいくつかどこかへと落としてきてしまったみたいですから、それを見つけるためにも行動をとった方がいいと思うし。」

 

 静かに口を開き、自分の意思を五条先生に伝えれば、彼は小さく笑ったあと、手にしていた目隠しを再び装着し始める。

 やっぱり疲れるんだな、それ……なんてことを考えながらも、五条先生を見つめていれば、彼は明るい口調で言葉を紡いだ。

 

「よし!じゃあ君は高専行きね。その力をコントロールするためには、相応の技術を学べる場所に行かなきゃ意味がないし。行き過ぎてもはや呪いレベルになってる過保護なその力を使いこなせるようになるまでいろいろ教えてあげるよ。」

 

 その言葉に小さく頷けば、五条先生は満足げに笑い、優しく頭を撫でてきた。

 ワオ、イケメンに頭撫でられちゃったよびっくり。

 

「……ところで……私、入学する高校決まっちゃってるんですけど、どうしたらいいです?」

 

「ん?ああそこら辺は安心して。こっちが必要な手続きを済ませるし、君の親もちゃんと言いくるめて高専に通えるようにしとくから。ってことで、三人目の高専新入生だよ、おめでとう!」

 

「……喜んでいいのかな?」

 

「……そうですねぇ……ご自身の気持ちに素直になればよろしいかと。まぁ、あまり喜ばしくないような気もいたしますが。」

 

「……ワガハイ、なんかコイツ嫌い。」

 

「え〜……?ひどくない?」

 

「基本的に、私たちはマスターから離れたくないんですもの。私たちに手を出さないと言ってはいるけど、それでも私たちの繋がりを切ることができるような力を持ってる存在には、あまりいい気持ちは抱かないわ。」

 

「アビゲイルさんは……まぁ、呪いというよりは、彼の外来の方々のうちの一柱の巫女……依代のようなものですから、あからさまに気分が悪くなると言った状況には陥ることはなさそうですが、(わたくし)や太歳神は怨嗟や負の感情と言ったものから生まれた呪いのようなものですので、呪いを祓う方に対して本能的に嫌悪感を抱くもの。マスターがそちらに行くというのであれば同行いたしますけど、あくまで(わたくし)はマスターのサーヴァントですので、決してそちら側の味方になるわけでもなく、あなた方の指示に従うわけでもない……と言うことだけはお忘れなきよう。」

 

 そんなくだらないことを考えていると、太歳星君とアビゲイルが左右から私の体に抱きつき、五条先生にジト目を向ける。

 そして、コヤンスカヤは堂々とした相変わらずの立ち振る舞いで、太歳星君の嫌い発言にひどいと返しながら笑う五条先生に対し、自分たちがどのような存在であり、自分たちはあくまで私と言う人間にしか従うつもりがないと告げる。

 

「だろうね。君らはあくまで瑠風と主従契約を結んでる存在であり、彼女の内側にある力より生まれた呪力の塊のようなものだもん。まぁ、でも、それくらいは問題ないよ。周りに被害が出ないなら、自由に過ごしてもいいから。」

 

 三騎からの視線を浴びても、余裕が崩れない五条先生には流石と言う言葉しか返せない。

 ……何はともあれ、私も呪術高専に通うことが決定した。

 これで……少しは人を助けることができるようになるかな。

 

 

 

 




 瑠風
 特級レベルのヤバイものを宿してやって来た異世界からの訪問者。
 どうやら呪物とは違うが、呪物とも取れる物質のようで、力の操作方法を理解すれば、その力を上手く使って呪霊を殲滅することも可能らしい。
 なお、操作方法を理解してなければ、彼女に対する敵意にカウターとして自動的に発動し、くだらない喧嘩をしてるだけでも敵意判定が発動、そのまま命を奪う可能性もあるようだ。

 太歳星君
 今回あんまり話してないけどずっと瑠風の側にいた祟り神様。
 瑠風に敵意を向ける奴絶対祟るマンなため、彼女に敵意を向けた場合、自身の一族が祟られるということを忘れてはいけない。
 五条 悟はなんか嫌い。

 闇のコヤンスカヤ
 なんか話の進行役になっちゃってたフォーリナーのサーヴァント。
 瑠風の見方はするが、その他大勢には味方する気はありません。
 ですので、(わたくし)にマスター以外の方は命令しないでいただけます?とは彼女談。

 アビゲイル
 瑠風の敵は絶対に倒します精神のフォーリナーのサーヴァント。
 瑠風とは絶対に離れたくないので、引き離そうとしたらお父様から力を借りちゃうのでご注意を。
 太歳星君やコヤンスカヤのようなあからさまな嫌悪はないが、五条 悟に対してはあまりいい気分は抱いていない様子。

 五条先生
 ずるっと出てきた呪力と同じようで違う力により顕現していると思わしき三騎に対して、実は結構寒気を抱いていたりいなかったり。
 瑠風を高専に引き抜けてご満悦。
 六眼により、瑠風の術式や彼女が宿してる力を確認してみたら、執着とも取れるような祝福と、強大な力に守られていることがわかり、内心冷や汗をかいていた。
 祝福も行き過ぎたら呪いだよ。

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