内惑星艦隊の奮闘   作:島田愛里寿

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旭日提督さんとコラボしました!

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第六十一話 救出前編

謎の敵により窮地に陥っているイスカンダルに急ぎ向かうために土星圏奪還に総力を傾けようとしていたアマテラスに二つの謎の通信が入った。片方は防衛軍の物だが、もう片方は時空管理局の物であった、そのためアマテラスはアナンケ級<ユリシーズ>マゼラン級<ガングート>プランツ級護衛艦<晴風>伊吹級防空重巡<鞍馬>とともに時空管理局の信号の発信地点に急行していった。

 

ここで時系列を少し戻す。

 

土星圏タイタン近辺

 

次元震の影響で通常空間へ浮上した管理局の巡航艦、テリオス。

 

時空管理局 次元巡航艦 テリオス ブリッジ

 

「通常空間を確認!!」

 

「現在地を確認せよ」

 

「そ、それが‥‥」

 

 

艦長が現状を確認する様にオペレーターに命ずる。

 

すると、オペレーターが気まずそうに口よどむ。

 

「どうした?」

 

「次元震の余震の影響か、機器が上手く作動しません」

 

機器を操作していたオペレーターが次元震の影響で機械が故障した事を報告する。

 

「なんだと!?すぐに修理にかかれ!」

 

「はっはい!」

 

慌てて応急修理に取り掛かるオペレーターを見つつフェイトはふと前方にある艦橋窓の外を見たところ驚愕した。

 

「あ、あれって土星!?」

 

フェイトは地球での生活経験が幼少期(プレシア事件後)にあり、その時に日本の小中学校に通っていたのである程度の太陽系についての知見を持っていたためすぐに土星だと判別できたのだ。

 

そうしてフェイトが驚愕していると。

 

「艦長。機器の応急修理は終了しましたが、やはり帰還後にドックに入渠して技師に見てもらわないことには万全とは言えませんね」

 

応急修理を終えたオペレーターがある程度の使用はできると艦長に報告した。

 

「そうか、使えるならいい。現在位置の特定を急げ」

 

「はい」

 

そうしてオペレーターが現在位置の特定を行おうとしていたとき・・・

 

「艦長!後方に複数の艦船反応!本艦に高速で接近してきます!」

 

テリオスのレーダーが此方に高速接近する船影を捉えたのだ。

 

「なに!接近してくる艦船に所属と目的を問いただせ!総員警戒配置だ。急げっ!」

 

「「了解!!」」

 

艦の操舵を預かる操舵士と説いただす担当の通信士は緊張しつつもすぐに命令を実行した。

 

艦橋に居合わせていたフェイトの顔にも緊張の色が窺える。

 

「接近中の艦船、此方の呼びかけに応じません!」

 

「対象艦の映像が出ます!」

 

そうしてようやく通信を送ったものの返答がないと通信士が報告したタイミングで観測士から対象の艦の映像をとらえたと報告が入り、すぐに艦長はモニターに表示させたところ・・・

 

「あ、あれはっ!?」

 

「宇宙‥戦艦!?」

 

ブリッジの全員が愕然とした。

 

その中でもフェイトは見慣れた艦影があるのを見つけた。

 

それは以前、義兄のクロノと共にテレザートで見たあのミサイル搭載艦だった。

 

「なんで‥‥なんで、プレオを破壊した艦がこんな所に‥‥?」

 

フェイトが小さく呟くがその声は誰の耳にも入らなかった。

 

「大型艦は推定で全長300m以上。中型艦も約200m以上。そして小型艦でも180m以上と推定されます。いずれも巡航速度が速く、このままでは追いつかれます!」

 

観測員が推定データを読み上げる。

 

艦長は苦渋の表情を浮かべながら、今出来ることを指示する。

 

「総員戦闘配置!全砲門スタンバイ!だが本艦では真っ向から立ち向かうには不利だと判断する!本部に緊急電を送りつつ全速で離脱行動を取れ!」

 

「はい!」

 

(アインスが追いかけられていると判断したのはこのタイミングであった)

 

 

ちなみにテリオスを発見して追いかけているのはゴストーク級ミサイル戦艦一隻とククルカン級襲撃型駆逐艦二隻まではアマテラスにいるアインスが識別した通りだったが、アインスはある一隻の中型艦をデブリと間違えていたのだ。

 

それがラスコー級突撃型巡洋艦である。

 

ガトランティス軍でも最新鋭艦の部類に入り、高速性能が高く防空能力も高いが装甲は貧弱な艦である。残党軍の虎の子の艦の一艦であり、この土星圏での戦いに動員すべく第十一番惑星占領軍から艦隊とともに急行してきたところでテリオスを発見したのである。

 

 

 

ブリッジが騒然としている中、フェイトはディスプレイに映る艦船を睨みつけていた。

 

(あれは間違いなく、プレオを破壊し、私たちがテレザートで見た艦と同型の艦‥‥)

 

そして、以前自分たちが見た艦影と今、目の前に映っている艦が同型だと言う確信を得ると、

 

「艦長、あの艦船ですが、以前プレオを破壊し、クラウディアがテレザートで遭遇した、ミサイル艦隊と同じ勢力のものだと思います」

 

艦長がフェイトの方に振り返り、質問する。

 

「その話は私も聞いています。だとすれば、一連の次元航行艦事件の犯人と言うことですか?」

 

「その可能性は十分考えられます」

 

フェイトの話を聞き、艦長はしばし考えた後、決断した。

 

「反転だ。艦首を接近してくる艦船に向けよ!アルカンシェルの発射準備をしろ!!」

 

接近する艦船が敵対行動をとる可能性が高いならば、相応の対応をとるしかない。

 

次元震で緊急転移は使えない。

 

何としても自力で活路を切り開くしかないのだ。

 

しかし、その決断は、あまりにも遅すぎた。

 

「不明艦発砲!」

 

「障壁展開!全員、何かに掴まれ!」

 

ブリッジにいたフェイトも手近な物をしっかり掴んだが、一瞬後に襲ってきた衝撃は皆の予想を上回るものだった。

 

直撃らしく、全員が吹き飛ばされた。

 

「被害状況報告!」

 

頭から血を流しながら席に戻った艦長が被害状況を把握しようとした。

 

「アルカンシェル全壊!艦首部、大破しました!!」

 

「アルカンシェル使用不能!!」

 

もたらされた報告は悲観的なものだった。

 

防御障壁を簡単に破られて直撃弾を浴び、最大の武装だった魔導砲『アルカンシェル』は敵の先制攻撃で破壊され、艦の前半分は機能を失っていた。

 

(というかそもそもアルカンシェルではガトランティス艦はもとよりガミラス艦や防衛軍のレパント級すら撃沈は難しいと思うので無事でも役に立たないと思うのだが)

 

「敵艦左右に展開しつつ接近!包囲されますっ!」

 

そうして被害の確認をしていた矢先、ガトランティス艦がテリオスを包囲しようと散開してきたのだ。

 

これは最悪の事態であった。そもそも時空管理局の次元航行艦は各次元世界の治安維持とパトロール用に建造されており、砲撃戦などは想定されていないのだ。たまに次元犯罪者が駆る艦艇との戦闘は起きるが相手は大した装備は積んでいないし、積んでいても同等かそれ以下であったため問題になっていなかったのだ。

 

(JS事件の際に出現した聖王のゆりかごの撃沈の際にはアルカンシェルは十分に役立っていたが、あれは砲撃演習レベルの物なのでここでは論外とさせてもらう)

 

しかし、ここ最近の度重なる次元航行艦行方不明やテレザート宙域での対艦戦闘を目撃したクロノや、クロノの意見に賛同した局員らは対艦戦闘用に特化した艦艇の必要性を訴える者も出始めていたが、未だにJS事件に伴う時空管理局内部の混乱で管理局は新型艦船の建造に遅延が起きていたためこの議題は放置されていたのだ。

 

 

艦体前半部を大破したテリオスは火煙を噴き出しながらも、左右に障壁を展開して被害の拡大を防ごうとした。

 

フェイトが最も恐れたのはプレオを破壊したあの超大型ミサイルだった。

 

しかし、敵はそのミサイルを使用せずに、ビーム砲を物凄い連射速度で撃って来た。

 

これはこの艦隊を率いている司令官が、現状では補給が見込めないミサイルを大事な決戦の前に無駄な消費を防ぐ為に攻撃に関してはミサイルは極力使用するなと命令していた為であった。

 

「障壁展開しました!」

 

「敵艦さらに発砲!」

 

次の攻撃は先程よりも距離が近い分、貫通力は十分以上にあった。

 

しかも敵はそのビーム砲は物凄い連射速度で撃ち込んでくる。

 

管理局の艦の障壁はその連射速度に耐え切れなかった。

 

それ故に、折角張った障壁も何の意味もなさず、先程とは比較にならない凄まじい衝撃と爆発がブリッジを襲い、クルーは全員が吹き飛ばされ、薙ぎ倒された。

 

「フェイトさん!!」

 

フェイトが意識を失う前、自分の名を呼び、自分に覆いかぶさろうとしたオペレーターの姿が目に映った。

 

 

「う、くぅ」

 

少し時間がたち、フェイトは意識を取り戻した。

 

(意識はある‥‥目も耳も大丈夫‥‥身体の痛みもそこまでは重傷じゃない‥‥大丈夫みたいだ‥‥)

 

そうして自分が無事であることを確認したフェイトは自分を守ろうと覆いかぶさろうとしてきた女性オペレーターのことを思い出した。

 

「だ、大丈夫!?」

 

幸いその女性オペレーターは彼女の足元にいた。

 

幸い意識はないものの深手を負っているようではないようで命にかかわるような傷はなかった。

 

「よ、よかった」

 

そして周りを見渡したフェイトは絶句した。

フェイトの周囲‥テリオスのブリッジは原形を留めぬまでに破壊つくされ、あちこちから煙や火花が飛び散っているブリッジの姿があった。

 

そしてその周囲には手足が変な方向に曲がったり、身体の彼方此方が千切れて息絶えているブリッジクルーの姿があった。

 

「フェイトさん!」

 

背後からの声に振り向くと、バリアジャケットを展開したティアナが煤まみれの姿で此方に駆け寄って来た。

 

彼女の手足にもかすり傷があり、小さな出血が見られる。

 

「ティアナ?」

 

唖然としていたフェイトはティアナの声で我に返る。

 

「フェイトさん、怪我は!?」

 

「私はなんとか‥ティアナは‥‥?」

 

「私も大丈夫です。ここで動けるのはどうやら私たちだけのようですね‥‥」

 

「ううん。この子も何とか大丈夫そうだよ」

 

「そ、そうですか。よかった」

 

もう一人生存者がいたことにはティアナも安堵した様子だ。

 

「ティアナ、他に生存者がいないか、すぐ確かめて。ここは私が引き受けるから」

 

「は、はい!!」

 

ティアナは急いで生存者を探しに出た。

 

へたり込みたいのはフェイトも同じだった。

 

何が、管理局の将来を担うエースだ。

 

ついさっきまで話していた同僚が死に、今も自分を含めて部下のティアナも危険な状態である事は変わりない。

 

(私は何もできない‥‥)

 

(私は無力だ‥‥)

 

そんな中また着弾したのか、艦全体が突き上げるような衝撃に襲われる。

 

ティアナどころか自らの命の危機なのだが、フェイトには何もかもが他人事のように思えた。

 

 

一方、艦内に他の生存者を探しに行ったティアナは‥‥

 

「どうして‥‥どうして、こんな‥‥こんな事にっ!」

 

瓦礫を避けながら他の生存者を探し求めているが、ことごとく息絶えているか、心肺停止状態になっている。

 

生存者を探す為、艦内を走っているティアナは涙を流す。

 

つい先刻まで談笑していたクルーが、もう物言わぬ骸と化している。

 

これ程大量の死に直面したのは初めてだ。

 

できるなら全員助けたかった。

 

しかし、最早叶わない。

 

せめて、まだ生きていると思われる者だけでもと蘇生措置を施すが、息を吹き返す様子はない。

 

諦めきれない。

 

へたり込みたい。

 

泣きわめきたい気持ちを必死に抑え、手遅れだったクルーの蘇生を諦め、ティアナは艦内を駆けずり回り、生存者を探すが、結局他の生存者は見つからず、フェイトのいるブリッジへと戻る事にした。

 

ブリッジに戻る途中、通信室の通信機が反応をしていた。

 

通信室で息絶えている通信士はテリオスが襲われた直後に救難信号を送り、その後、通信士が息絶えても自動で救難信号は送られていた。

 

「これはっ!?」

 

そしてその通信は何処かに受信されており、何者が此方に通信を送っている様子だった。

 

ブリッジの通信機能は既に破壊されていたが、もう一つの通信機能はまだ生きている。

 

救援が来てくれたのかもしれない。

 

ティアナはフェイトにこの事を知らせようと急いでブリッジへと駆け戻った。

 

「フェイトさん!」

 

ティアナの叫ぶような声に、フェイトは我に返った。

 

「ティアナ、生存者はいたの?」

 

「いえ、私が見た限りでは残念ながら‥‥」

 

「そう‥‥」

 

フェイトは残念そうに顔を伏せる。

 

「それより、此方が発信した自動救難信号に対する応答があります!」

 

まさか、こんなところを航行している宇宙艦船が他にいるというのか?

 

もしかして管理局が‥‥友軍が、味方が来てくれたのだろうか?

 

それとも偶然この周辺を哨戒していたのだろうか?

 

どちらにせよ、このままでは死を待つだけだ。

 

一途の望みをかけて、フェイトはティアナと共にオペレーターを担ぎ上げながら床の残骸を避けながら通信室に向かった。

 

あれだけの攻撃を受けたにも関わらず、通信室の通信装置は奇跡的に動作していた。

 

しかし、通信士のクルーはコンソールに突っ伏すように息絶えており、フェイトはクルーを座席からおろし、胸の上で手を組ませた。

 

フェイトはしばし瞑目して頭を垂れてから、通信機に向かった。

 

通信機からは多少のノイズがあるが、明瞭な女性の声が聞こえてくる。

 

『こちら、地球防衛軍所属、宇宙戦艦アマテラス。貴艦からの救難信号を受けた。応答は可能でしょうか?可能ならば返答をされたし、繰り返す――』

 

その声はかつてきいたことのある声であったが今のフェイトにはそれが誰だったのかを思い出す余裕はなかった。

 

 

 

ここで時間軸を戻し、少し進める。

 

アマテラスは、ユリシーズ・ガングート・晴風・鞍馬を引き連れてテリオスが自動発信していたSOSの発信地点に向かっていたがさすがにこのままでは対象の艦が沈んでしまうと束が判断し、アマテラス航空隊に出撃命令を出した。

 

そうして山本玲以下アマテラス航空隊は全機出撃し、目標艦に向かっていった。

 

 

「司令!管理局艦から応答がありました。音声信号です!」

 

「今すぐ繋いで!」

 

そこに時空管理局艦との通信を試みていたギンガから通信がつながったと報告が入った。

 

『こちら、時空管理局所属、次元航行艦、テリオス。所属不明の数隻の艦船の攻撃を受け、艦は大破し、航行不能状態です。救助をお願いします!!』

 

管理局の艦からの応答は意外に若い女性の声だった。

 

声を聞く限り、緊迫してはいるが、まだパニックに陥らず、落ち着いていられるようだ。

 

「了解。現在そちらの現場に最大船速で急行しています」

 

ギンガはこの女性の声を聞き、「まさかっ」と思いつつもそれを表に出さず、忠実に職務を全うした。

 

「全艦、機関全速!!」

 

「了解!全艦最大船速!!」

 

そのころテリオス艦内では、フェイトは困惑していた。

 

[地球防衛軍]?

 

そんな組織は第97管理外世界である[地球]にはそんな組織はない。

 

と言うよりも、宇宙戦艦を建造できる技術力さえ無い‥‥。

 

「フ、フェイトさん?どうしたんですか?」

 

そんな疑問に頭を抱えていたフェイトにティアナが声をかけたことで何とかフェイトは現実に思考を戻した。

 

とにかく助かる方にかけてみるべく通信に答える為に通信機に向かった。




次回 救出後編

再びリリカル世界のキャラを地球側につかせる予定なのですが誰がいいですか?戦闘機人らは確定しているのですが‥‥

  • Dr.スカリエッティ
  • エルトリア組
  • アインハルト&ヴィヴィオ友御一行様
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