島全体が軍事基地化されレイヴンズの一大拠点となった沖縄。
そこを舞台にレイヴンズが罠を仕掛けていると承知で、逆にレイヴンズの力を一気に削ぐべくかつては『平和の島』と呼ばれた地へと攻め込む特戦軍。
一時は優勢に立った特戦軍だったが、レイヴンズが量産型パワードスーツ部隊を投入。戦車を始めとする貴重な戦力が次々と撃破され――――!?
――――――――レイヴンズのパワードスーツ部隊出現の報から24時間後
オーストラリア・某コミュニティー地区・病院
緊急冷凍カプセルが運び込まれ、医師が慌ただしく動く。
「緊急オペだ!患者の情報をこちらに!」
「データ、送りました!」
手術室のモニターに顔写真と血液型、病歴等が表示される。そして氏名欄には『マーカス・サイモン』とあった――――
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《沖縄攻略作戦における証言ファイル0031》
証言者:エドワード・ハラダ少尉
量産型パワードスーツ部隊は戦車すら容易く破壊可能なプラズマを発射するライフルを標準装備しており、特戦軍側の戦車部隊をはじめとする機甲戦力を僅か数分で壊滅させた。このライフルの他にも同じくプラズマを使用した、仮称『プラズマセーバー』も装備。
また、ライフルと同じく標準装備であるシールドは特殊な合金で作られており、戦車砲の直撃に耐えうる防御力を有している。
ただパワードスーツそのものの装甲は、おそらく緊急で生産された関係で省かれていたのか本来なら効かない筈の小銃弾でも貫通可能だった。我が方の兵士が善戦できたのは、それが一番大きいと思われる。
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《沖縄攻略作戦における証言ファイル0015》
証言者:マーカス・サイモン軍曹
パワードスーツを着用したレイヴンズの兵士達は容赦なかった。私の部下のひとりが右腕をプラズマセーバーで切り落とされるや否や、周囲から更に2人の兵士が現れて彼を取り囲んだ――――そして3方向から彼を串刺しにしたのだ。
我々に対する強い憎悪を感じた――――
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《沖縄攻略作戦における証言ファイル0047》
証言者:ラルフ・フォルツ大尉
どうにか電磁パルス発生器の起動には成功したが、その代償として発生器の投下地点を守っていた兵士達の8割超は戦死した。
生存者もほどんどがパワードスーツ部隊のプラズマ兵器による攻撃を生身で受けて四肢のいずれかが欠損、あるいは身体に攻撃を受けて皮膚や骨、内臓が溶け落ちるなどの重傷を負っている。
それでも発生器の起動でパワードスーツ部隊を含むレイヴンズ側の兵器は電子機器を破壊されて行動不能に陥り――――ようやく終わった、と思った。
――――終わった、筈だった――――
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――――時は電磁パルス発生器起動直後に遡る
石像のように固まって動かないパワードスーツ――――その1体を、特戦軍の兵士が憎悪のこもった眼差しで睨んだかと思うと小銃を向け引き金を引いた――――
パワードスーツの身体に穴が開き、そこから大量の血が溢れる。
更に別のパワードスーツを他の兵士が蹴り倒し、小銃でその身体を撃ち抜く。
『いいザマだな、カラス共の猿真似オモチャが!ハハハハハ!!!』
鉄屑同然になった戦車から降りて両腕を上げる戦車兵。
だが、特戦軍の兵士は憎悪の眼差しと共に銃口を向ける――――
「お前達に殺されたアイラの仇だ!!」
やめてくれ――――そう叫ぶ戦車兵だったが、次の瞬間には銃弾に貫かれ絶命した。
野戦病院に突入した特戦軍に怯えながら、負傷した腕をアームサスペンダーで吊るした者や松葉杖で立つのがやっとな者が腕を上げて無抵抗の意思を示す。
そんな彼らに向けて特戦軍の兵士が放ったのは無情な言葉だった――――
「カラス共の捕虜なんて要るかよ!!」
――――――――銃声と共に悲鳴が響く。
レイヴンズに対する憎悪を爆発させた特戦軍の兵士達は抵抗する手段を失い丸腰になった敵兵に対して一方的な虐殺を繰り広げた。
この虐殺によって沖縄に駐留していたレイヴンズ将兵の8割超が生命を落としたのだった――――
――――虐殺される兵士達の絶叫を感知し、苦しむ志穂。
「や、止めて……!!何で!?もう戦う意思もない相手を一方的に!!」
耳を塞ぐ――――だが、それでも悲鳴は鳴り止まない――――
虐殺の島に志穂の絶叫がこだまする――――――――
~次回予告~
ファイル026『幸せな歌』
沖縄での大虐殺から一週間後――――
何も知らないリンダはライブの準備を進めるものの、入院したマーカスが気掛かりで今一つ浮かない気分だった。
そんな時、ライブ以外で初めて自分のファンであるイルヴァ・サッソと出会う。