サイレント・ナイツ ―無名のヒーロー達―   作:趣味全開人生

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レイヴンズ本部がある神奈川を攻略すべく東海地方を東進する特戦軍。


東北地方や上越地方での反乱に多くの兵力を割いてしまったレイヴンズは、一騎当千の戦力として精鋭のパワードスーツ部隊を投入し特戦軍を迎え撃つ。

そして『星の民』のテクノロジーで圧倒的な性能を誇るパワードスーツ、エクセリオンとそれを纏う志穂は窮地に追い込まれていた!



ファイル029『亀裂』

 

 

「囲まれた――――!!」

 

 

レイヴンズのパワードスーツ部隊は性能の不利を数と戦術で補い、エクセリオン――――志穂を追い詰めていた。

 

 

遠距離からレールガンで狙撃してくる『ナイト』――――エーリヒ・ラウ少尉。

 

 

光学迷彩で透明になり近距離から不意打ちを仕掛けてくる『アサシン』――――リーズ・ロランス少尉。

 

 

 

――――そして高機動装備の『ミラー』で素早く動き回りながら絶え間なく射撃してくる神無月 光少尉。

 

 

 

この3機に囲まれた志穂はひたすら回避に徹するしかなくなった――――

 

 

 

 

ヴェガがその手に持った光の剣でパワードスーツの1体を真っ二つに両断し、鮮血が噴き出す。

 

 

「九鬼さん――――!っ、こいつら邪魔を!!」

 

 

ヴェガが剣を振るう度に悲鳴が響き鮮血が舞い上がるが、それでもなおヴェガを阻む壁は厚かった。

 

 

 

 

志穂が肩で息しながら敵の攻撃をかわしていく。

 

 

「――――!!」

 

 

突如として光学迷彩を解除したアサシンに気を取られ視界が狭まる――――そのまま攻撃をかわした志穂に殺気が迫る。

 

そして振り下ろされた大剣を刀で受け止めるエクセリオン。

 

 

 

「――――!」

 

いつの間にか高機動装備から近接戦闘装備に切り替えたミラーが目の前にいた。

 

 

(もしかしてドローンで装備を運ばせて戦場で換装を!?)

 

 

そんな事を考えながら目の前の敵を凝視する――――その瞬間、後ろから殺気を感じる。

 

 

 

光学迷彩で透明になったアサシンがビームライフルを構える――――いくら出力が劣るバッテリー式とはいえ最大出力を至近距離で喰らえばエクセリオンの装甲でも防ぎきれない――――!!

 

 

その瞬間、生存本能が志穂を覚醒させた。

 

 

 

刀を手放して斜め後ろへと跳躍、太もも部分のホルスターに固定されていたビームライフルを素早く抜いてミラーを撃ち抜く。

 

 

「――――がっ!?」

 

胸を撃ち抜かれた光が最期に頭に思い浮かべたのは姪の勇希(ゆうき)の笑顔だった――――直後、ミラーの爆発と共にその身体は四散するのだった。

 

 

 

 

「うわああああああ!!」

 

恐怖を覚えたリーズがエクセリオン目掛けてビームを放つ――――が、武器を捨てて素早く姿勢を低くした相手の頭上を虚しく通過するだけだった。

 

 

そして相手が先ほど光と切り結んでいた刀を拾ったかと思うと、それがリーズの胸を貫いた。

 

 

 

「あ――――が、がっ」

 

吐血し、ヘルメット内部のスクリーンが血で汚れる。

 

 

破損したバッテリーが暴走して凄まじい熱を放ち、リーズの身体を灼く――――身体が完全に炭化する直前に思い浮かんだのは児童養護施設の子供達と過ごしたひとときであった。

 

 

爆発四散するアサシン――――その様子にレイヴンズのパワードスーツ部隊が恐怖し背を向けて退却していく。

 

 

 

そして志穂は――――スタードライブが生成する粒子を介して光とリーズの最期の思考を読み取ってしまっていた。

 

 

――――既に限界に近かった精神に亀裂が入り、そのまま志穂は倒れた――――

 

 

 







~次回予告~


ファイル030『大好きなあなたの温もり』


特戦軍が東海地方での戦闘を制したその時。

リンダとマーカスは穏やかなひとときを過ごしていた。

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