テロ活動を活発化させたレイヴンズ残党。
イルヴァは二度と戻らないことを望んでいた戦場へと帰還する。
――――レイヴンズ残党・移動拠点
洋上を航行する強襲揚陸艦。
その艦内でパワードスーツ部隊が出撃準備を進め、格納庫が騒がしくなる。
「バッテリーセット、完了しました」
「武装一式、装備しました」
準備を終えた兵士が誘導員の指示に従って飛行甲板に移動し、次々と飛び立っていくのを見守る警備兵。
そして部隊があらかた出撃したのと時を同じくして、他のものとは違う漆黒のパワードスーツを装着した兵士が甲板に現れ、兵士達が敬礼して見送る。
「鳴神 修(なるかみ おさむ)、リンクス…出撃する!」
若い声と共にパワードスーツ『リンクス』の推進器からエネルギーが放出され、そのまま夕焼け空へと飛び立っていく。
――――――――――――――――
オーストラリア・防空指揮センター
レーダー画面を見つめていたオペレーターが画面上に反応を見つける。
「レーダーに反応!提出された飛行計画に該当するものなし、加えてこの反応はパワードスーツと思われます!」
「周辺基地に連絡!防空戦闘用意だ!」
――――――――――――――――
――――海岸沿いの基地のひとつ
パワードスーツを装備した国連軍兵士がビーム式のライフルを構え、上空に向かって連射する――――が、相手側のレイヴンズ兵達はそれを難なくかわしていく。
「反撃が来るぞ!」
上空からビームの雨が降り、逃げ遅れた国連兵がそれをモロに喰らって爆発した。
「ここで止めろ!この基地を突破されて市街地まで辿り着かれたらおしまいだ!」
指揮官が檄を飛ばしながら対空砲を指揮して上空のレイヴンズ兵を数機ほど撃墜する。
――――――――――――――――
防衛ラインを指揮する指揮所のモニターが異変を捉えたのは、戦闘が始まってから5分後のことだった。
国連側のパワードスーツの反応が次々と消え、国連兵の悲鳴が無線越しに響いてくる。
「――――強力なパワードスーツが出現した模様!各員注意されたし!」
オペレーターが指示を飛ばすなか、指揮所を預かる指揮官は「ある基地」に通信を繋いでいた。
「――――エクセリオンの出撃を要請します!」
――――――――――――――――
レイヴンズ側の新型パワードスーツ『リンクス』が山猫の如き俊敏な動きで攻撃をかわしながら2丁の拳銃を構え、そこから放たれるビームがパワードスーツを纏った国連兵を正確に貫く。
銃弾やビームが自身に向かって雨あられのように降り注ぐなか、1つの掠り傷もなく逆にこちらからの攻撃は1発も外していない――――薬物の効能がもたらした驚異的な戦いぶりに修自身も舌を巻いていた。
(これなら奴らを皆殺しにできる――――!)
そのまま生き残った国連兵に襲い掛かろうとしたその時。
足元に着弾するビーム――――上空を見ると夕陽の光を反射する純白の装甲に覆われたパワードスーツがこちらを睨んでいた。
「――――もうこれ以上好きにはさせない!」
エクセリオン――――イルヴァが薙刀を構える。
――――続く
~次回予告~
ファイル036『もう二度と帰ってこない人』
レイヴンズ残党が投入した新型パワードスーツ『リンクス』。
その着用者は強い憎しみを胸に秘めていた。
【人物紹介】
・鳴神 修(なるかみ おさむ)
人種…アジア系(日系)
性別…男性
年齢…21
《解説》
レイヴンズ残党が有するパワードスーツ『リンクス』の着用者。
正式な軍人ではないが、とある理由によって残党軍に志願しており寿命を大きく削る危険な薬物強化を受けている。