ウマ娘逆転ダービー(仮)   作:グレート・G

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皆さまお久しぶりでございます。

グレート・Gです。

今回は、あべこべ要素が少ないかもしれません。

え、もとから少ない・・・・・・?

それはさておき、十五話を投稿させていただきます。

ご覧くださいませ。


第十五話 模擬レースと心構え

第十五話 模擬レースと心構え

 

年末のレースを終え、新年度を迎えたトレーナーとゴールデンノヴァ一行。

ゴールデンノヴァの面々は、雑誌や新聞の取材で忙しい。

そして、トレーナーもまた年始から早々走り回っていた。

そんな中で、彼は困ったときの相談役第一位ともいうべき彼女に、あいに来た・・・・・・はずだったのだが。

 

「やあやあ、モルモット君その資料は見えるところにおいてくれたまへ」

「タキオン、色々と終わっているな君の研究室は」

「はっはっはっ、この研究室を片付けるのも君の役目だろう」

「ちょっとは協力してください、貴方の私物でしょう」

「そうだー、オマエも手伝えタキオン!」

「いやあ、私は今レポートの作成で忙しいんだよ、カフェ、ポッケ」

 

そういうと、旧理科準備室の主であるアグネスタキオンは自作のノートPCに向き直る。

エアシャカールとの共同制作のそれは、市販のPCより機能性に特化したものだ。

タイピングの音を響かせつつ、アグネスタキオンはトレーナーに話しかける。

なお、トレーナーはマンハッタンカフェと一緒に、乱雑に置かれた研究資料や薬品サンプル等を片付けている。

何故、このような事になったのかは、凡そ1時間前に遡る。

 

 

―――――(一時間前の旧理科準備室)―――――

 

 

「いやあ、いくらモルモット君の頼みでも無理だねぇ」

「そうか、いや俺もダメ元だったからな」

「ウン、まあ君が藁にも縋る気持ちで私の所に来た事は分かるよ」

「ははは、まあ、な」

「それに私はドーピングの類は嫌いなんだ、萎えるだろうそういうのは」

「確かに、冷静に考えればその通りだ・・・・・・ツヨシが喜ぶわけがない」

「そうだろう、そうだろう」

 

トレーナーは苦笑しつつ、頭をガシガシとかいた。

そんな彼を珍妙なモノでも見るかのように、観察しているタキオン。

唇に人差し指を当てて、彼女は何事か考えたのちに、良い提案という風に口を開いた。

 

「プラシーボ効果って知っているかいモルモット君」

「ああ、思い込みの事か」

「そうさ、それをツヨシ君に試してもらうというのはどうだろう」

「ツヨシの体の病弱さは・・・・・・いわゆる病は気からというタイプだと?」

 

まあ、私は医者ではないから診断を下すことはできないがね、と前置きしてタキオンは続けた。

 

「彼女の病弱さ、これを緩和するために自分自身に催眠をかけてもらうのさ」

「催眠?」

「そう、鏡の前に立って『私の病弱の半分は気持ちから』『自分は健康になれる』というような暗示を自分にかける事で『自分は病弱である』という枷を外せるかもしれない」

「そううまくいくか?」

「さあねえ」

 

ただ、とタキオンは続けた。

 

「思い込みはダメな方向に作用すると思われがちだが、プラスの方面に作用することもある、やってみて損はないさ」

「他人事だと思ってからに・・・・・・」

「まあ、他人事だからねえ」

 

くっくっくっ、と笑い声をあげるタキオン。

とはいえ、プラシーボ効果については試してみる価値があるかもしれない。

トレーナーはそう思い直し、お礼を言って立ち去ろうとする。

しかし、そこで気が付いてしまったのだ。

 

(タキオン、この汚さはヤバいんじゃないか!?)

 

大量に積み重なった資料、段ボール箱に無造作に詰め込まれた論文、その他もろもろ。

かなり汚い、というか、雑すぎる。

トレーナーは、自分の事を棚に上げて、そう思った。

同時に、片付けた方がいいのではないかとも。

 

「ふぅん、今君が思ったことを当ててあげよう」

「・・・・・・ほう」

「雑、だろう」

「よくわかったな」

「そして、片付けた方がいいだろうとも」

「なぜわかる?」

「君の視線の動き、一瞬だが資料等に目をやったからねえ」

「・・・・・・うむ」

「ここで交換条件だ、君がこの部屋を片付けてくれるのならば、私はツヨシ君のプラシーボ効果に対するレポートを作成しよう」

「マジ?」

「マジさ」

 

ちなみに専門書に勝るとも劣らないよ、という言葉にトレーナーは顔を覆った。

ウマ娘の、それもアグネスタキオン謹製のレポートである、其の信ぴょう性は高い。

トレーナーは黙ってスーツの上着を脱ぎ、腕まくりをして資料を片付け始めたのである。

なお、片付け始めたちょうどその時、マンハッタンカフェとジャングルポケットが現れた。

二人はジャージ姿であり、タキオンを並走に引っ張り出そうとしに来たようだった。

 

―――――(現在)―――――

 

「すまないカフェ、ポッケ、君達にも手伝わせてしまって」

「いえ・・・・・・トレーナーさん、貴方が謝る必要はありません」

「そうそう、片付けられねえタキオンが悪いんだ」

 

いらない資料を段ボール箱に詰め、マジックで廃棄とかく。

その段ボールを2箱ほど持って、トレーナーはゴミ捨て場まで歩く。

その後ろから、マンハッタンカフェとジャングルポケットが4箱ずつ抱えて歩いてくる。

流石はウマ娘というべきか、それとも自身の非力を認めるべきか。

少しトレーナーは悩んだが、まあいいかと考えを改め直した。

ウマ娘はウマ娘、自分は自分である。

 

「さて、階段に気を付けないと・・・・・・うおっ!?」

「トレーナーさん!?」

「あっ、あぶねえ!!」

「へっ・・・・・・わぁっととと」

 

五段程度の階段とはいえ、思いっきりバランスを崩してしまい、焦るトレーナー。

前に倒れた段ボール箱を、前方にいた誰かが受け止める。

しかも器用に両手で一箱ずつというバランスの良さも見せつけて。

その彼女の名は。

 

「確か君は、ダンツフレームだったか」

「え、はい・・・・・・あ、もしかして貴方がゴールデンノヴァのトレーナーさんですか?」

「ああ、その通りだけど」

「タキオンちゃんがいつも言っていました、美味しい料理を作れるモルモット君がいるって」

「タキオン・・・・・・」

 

自分のタキオンからの評価に何とも言えないものを感じていると、ダンツフレームからの視線を感じ彼女と目を合わせる。

 

「その、何か?」

「ううん、タキオンちゃんのモルモットさんがいいひとそうでよかったなあと」

 

ダンツフレームは擬音をつけるならば「ふにゃっ」とした笑顔で嬉しそうに言った。

タキオンの友人として、彼女の事を心配していたのだろう。

彼女の笑顔からトレーナーが読み取れたのは、友人の友人がよい人で良かったという純粋な喜びだった。

 

(て、訂正しづらいな)

 

そんな笑顔で言われてしまうのだから、トレーナーとしても訂正ができない。

なので、取りあえず。

 

「その、段ボールを返してもらっていかな?」

「へっ、ああ、そうでした!」

 

どうぞ、と軽い段ボールを扱うように二段重ねにして、ダンツはトレーナーに中身の詰まった段ボールを返した。

ずしり、とした重みにたたらを踏みそうになるが、そこは彼女たちの手前我慢した。

トレーナーとて男、見栄があるのである。

 

「取りあえずよーダンツ」

「なぁに、ポッケちゃん?」

「トレーナーにモルモット呼びはないんじゃないか?」

「・・・・・・あっ」

「いや、気づいてなかったのかよ」

 

ジャングルポケットが呆れたように指摘し、ダンツフレームは顔を赤らめた。

その後、ごめんなさいと言って謝罪したが、トレーナーは別にいいと返した。

そして、トレーナーはふと気が付いた。

 

「君もジャージを着ているという事は、タキオンと並走する予定だったのか?」

「え? あはは、そうなんですけど、今日は無理そうかなぁ」

「すまん」

「どうしてトレーナーさんが謝るんですか?」

「何でも・・・・・・教え子さんの為に、タキオンさんのレポートが必要だそうで」

「そうなの、カフェちゃん?」

「はい・・・・・・お友達が教えてくれました」

(いたのか、あの場所に・・・・・・)

(おばけなんてないさおばけなんてうそさ)

 

カフェの一言に、ちょっとあおくなるトレーナー。

その後ろにいたジャングルポケットは、頭の中で童謡を歌って必死に恐怖を消していた。

そんなポッケの姿に、カフェは首を傾げ、ダンツはくすくすと笑った。

 

―――――(なんやかんやあって)―――――

 

「やあやあ、レポートは終わったよ・・・・・・それにしてもかなり奇麗になったねぇ」

「おかげさまでな、タキオン」

「タキオンさんの不要物を色々ときれいにする時間がたくさんとれました」

「あはは、私はつい、その、成り行きで」

「うんうん、持つべきものは友情だねぇ、ありがとうダンツ君」

「ちったあ皮肉を分かりやがれ」

「無駄ですよ、タキオンさんにその手の皮肉は通用しません」

「そして、私への評価が酷いねぇカフェ」

 

そんなに酷いことをした覚えはないのだけれど、というタキオン。

その瞬間きゅるる、という腹の音を聞いた彼女が時計を見ると、お昼であった。

 

「ふぅむ、今すぐ栄養補給が必要だ・・・・・・モルモット君はどこだい?」

「あのな、よそ様のトレーナーをモルモット扱いとか何考えてんだオマエは」

「先ほど用事があるからと言って、どこかへ行かれましたが」

「・・・・・・あれ、なんかおいしそうな匂いがする?」

 

ダンツの言葉に、3人も鼻をひくひくと動かして匂いを嗅ぐ。

タキオンやカフェの紅茶やコーヒーの匂いに交じり、食欲をそそるいい匂いがする。

具体的に言うと、しょうゆの焦げたあの匂いだ。

 

「これって・・・・・・醤油ですか?」

「ふぅむ、こんないい香りを漂わせるのはまあ、彼ぐらいだよねぇ」

「あー、アイツ昼飯作ってくれてるのか」

「へ、トレーナーさんが? どうして?」

「「「それがトレーナーだからです/だねぇ/な」」」

「へ、へぇ」

 

なお、彼女達が口をそろえて言った言葉は、トレーナーの受け売りである。

なんかこのトレーナー、自分の業務を勘違いしていないか、と思わないでもないダンツだった。

ただ、自分の友人たちが心の底からお昼ご飯を楽しみにしている為、思ったことを3秒で思考のごみ箱にシュートした。

自分だって成長期のウマ娘である、美味しいお昼が食べられるならそれに越したことはないのだから。

 

「やあ、途中で抜けてすまない・・・・・・ちょっとした軽食を作ってきたよ」

「うーむ、いい香りだねぇ」

「焼きおにぎり・・・・・・ですか」

「あー、腹減ったぁ」

「あの、私もいいんですか?」

「ああ、もちろん」

 

ウマ娘4人分の焼きおにぎりである、通常の人間からすれば「大きすぎ」でも、ウマ娘からすれば「軽食」程度になるという事は、トレーナーは経験上理解していた。

それでも焼きおにぎりは大人の拳3つ分ほどの大きさはあるのだが。

更にさらに、そのおにぎりはお盆に山盛りにもなっているのだが。

 

「それで、モルモット君どうだい、私のレポートは?」

 

大きな焼きおにぎりにかぶりつきながら、タキオンが言った。

トレーナーは鋭い目つきで、右から左へとレポートに目を通してゆく。

 

「参考になる、ありがとうタキオン」

「ふふふ、このくらいなんてことない・・・・・・ダンツ君、何も言わずに米粒をとるのはやめてくれないか」

「えー、でもタキオンちゃん絶対気が付かずにまた実験に戻るでしょう?」

「・・・・・・うむぅ」

「おお、珍しい、ダンツが勝った」

「まあ・・・・・・タキオンさんはそういうところ予測しやすいですから」

 

ポリポリと箸休めのニンジンの漬物を食べつつ、ジャングルポケットとマンハッタンカフェがタキオンとダンツのやり取りを見て笑う。

 

「つーか、この焼きおにぎりちょっとピリッとするのはなんでだ?」

「ああ、一味醤油だな」

「成程・・・・・・食欲増進にいいですね」

「そういう事、よくわかったなカフェ」

「ふふふ」

 

カフェは褒められてちょっとうれし気だ。

そんな二人のやり取りを見ながら、ポッケは残った一味醤油味の焼おにぎりにかぶりつくのであった。

 

―――――(食後、運動場にて)―――――

 

「ふぁぁぁ、なんだか眠くなってきたねぇ」

「食後の休憩はきちんとしたでしょう・・・・・・ふあぁぁぁ」

「おい、二人ともやめろこっちにも移るだろうが・・・・・・ふぁぁぁ」

「あははは、あふぁぁ・・・・・・私も移っちゃった」

 

2000mコースにて、タキオン、カフェ、ポッケ、ダンツの4人はいた。

更に、ゴールデンノヴァのトレーナーもいる。

何故彼が彼女達と一緒にいるのか、それは簡単な理由だった。

 

「しかしよお、アンタも律儀だな」

「そうか?」

「そうだよ、レポートのお礼なんて飯で十分だと思うんだけどな」

「別に、君らの練習を見るのは苦じゃないしな」

 

むしろ俺の方が勉強させてもらうと思うよ?

そう言ってトレーニングのための物品を並べ始める。

その間に、彼女たちは体をほぐし、軽く2000mを2周してきた。

 

(やはり、軽いランニングで4000m走れる彼女たちはすごいよなぁ)

「やあやあ、モルモット君、それじゃあ練習を始めようじゃないか」

「ん、そうだな」

「気になっていたんですが、その箱は一体?」

 

黒塗りの段ボール箱を抱えていたトレーナーに対して、恐る恐るという風にダンツが聞く。

それに対して、トレーナーはうむ、と頷くと段ボールを置いて中身を取り出した。

 

「これは・・・・・・?」

「ふぅん、いい出来だねえ」

「タキオンちゃん知ってるの?」

「ああ、これは私が監修したうえで作った「心肺強化マスク」さ」

「心肺強化・・・・・・またやべーもの作ったんじゃないだろうな?」

「心外だねえ・・・・・・」

 

段ボールの中から出てきたのは、映画やゲームの中で見たことのあるガスマスクだ。

形状としては、イスラエル製のガスマスクに非常に近い形をしている。

箱の中には2つしかガスマスクは入っておらず、残りは梱包材だった。

 

「勿論、タダのガスマスクじゃないのは名前からしてもわかるだろ?」

「心肺強化・・・・・・スタミナの強化という事でしょうか?」

「ご名答、流石だなカフェ」

 

トレーナーに褒められてカフェがちょっとうれしそうである。

彼女の髪色と同じ、漆黒の耳が、嬉しそうにパタパタと動いた。

 

「うふふ・・・・・・」

「ちぇっ」

「いやあ、私も監修したとはいえこれはいいねえ」

「あはは、ポッケちゃん、タキオンちゃん・・・・・・」

 

カフェばかり褒められていて面白くないジャングルポケット、自分の監修がいかんなく発揮されたガスマスクに目を輝かせるアグネスタキオン、そんな二人を後目に嬉しそうに耳と尻尾をパタパタ動かすマンハッタンカフェ。

そんな我が道を行く3人を、ダンツフレームは何とも言えない笑いで見ていた。

 

「さて、着用してみてくれないかタキオン?」

「私がかい?」

「すまん、この中で使い方を知っているのは俺と君だろう?」

「おいおい、流石にそれはないんじゃねえの?」

「うむ、俺の言葉が悪かったよポッケ・・・・・・設計者として、設計した機器の機能は知っておくべきじゃないかタキオン?」

「成程、一理あるねえ」

「私は・・・・・・どうしましょうか?」

「それじゃあ、タキオンの次に使ってみてくれ」

「解りました」

 

むくれたジャングルポケットをなだめつつ、トレーナーが言う。

そんな彼に同意すると、手慣れたようにタキオンがマスクを着用した。

マスクを着用したタキオンは、どこかスリラー映画から出てきたマッドを連想させた。

 

『いやあ、蒸し暑いねぇ』

「すまない、まだ試作品である以上はな・・・・・・本当は俺が付けて走れればいいんだが」

『君はウマ娘じゃないだろうに・・・・・・いや待てよ、今度の実験のテーマはそれでいくか?』

「それはまた今度で頼む、それじゃあ始めてくれ」

『ふむぅ、それじゃあメモリを500mに設定するよ』

 

そういうと、タキオンはガスマスクのフィルター部分を時計回りに回した。

そこには100から2000までのメモリが刻まれている。

タキオンは、その言葉通り500のメモリにフィルターをセットした。

手慣れた手つきでタキオンはジャングルポケットにも同様にマスクを着用させる。

 

『お、おい、俺が付けるのかよ!?』

『ふふふ、私の傍にいた君が悪いのだよ』

『お前はどこかの悪役か!』

『はっはっはっはっ、マッドタキオンとでも呼んでくれたまえ』

 

そんな風にじゃれ合いつつ、彼女達は位置につく。

並走相手はもちろんジャングルポケットであり、走る距離は練習用の2000メートルコース。

 

「それじゃあ改めて説明するが、今回はこの一周でいいから走ってみてほしい」

『全力でやっていいのか?』

「ああ、ポッケもタキオンも全力で走ってほしい、そのうえでマスクを着用した感想を聞かせてほしいんだ」

『ふぅん、取りあえず今言えるのはちょっと蒸れるねえこのマスクは』

「成程、通気性は要注意だな」

 

夏場に倒れるようなこともないようにしないと、とトレーナーは手元のチェック用紙に何事かをかき込んでゆく。

そして、書き終わるとダンツフレームを見て言った。

 

「それじゃあダンツ、始めてくれないか」

「あ、はい・・・・・・それじゃあ、位置について、よーい、スタート!」

 

ダンツフレームがてを下げた瞬間、タキオンとジャングルポケットが良いスタートダッシュを見せて飛び出した。

タキオンはいつもの先行、ジャングルポケットは差しである。

 

(マスクをつけているとは思えないほどスムーズに走るな)

 

トレーナーは感心しているが、同じウマ娘だからか、カフェもダンツも二人の様子がおかしいことに気が付いたようだった。

 

「トレーナーさん、タキオンちゃんとポッケちゃんが、なんというか、その」

「やはり止めた方がいいか?」

「ああ、いえ、そういう事ではなくてなんだか・・・・・・」

「なんだか・・・・・・二人ともいつもよりペースが遅いような気がしています」

 

言葉に出したいけれど、どう形容すればいいのか分からないダンツに変わり、カフェが彼女の言葉を代弁する。

手元のストップウォッチをトレーナーが見ると、確かに普段より2秒ほど遅い。

しかし、走っている彼女たちが不真面目に走っているのかというと、そうでもない。

 

『くぅぅぅぅっ』

『ぜっ、ぜっ、ぜっ、ぜっ』

 

額に汗を浮かべ、歯を食いしばりながらも何とか自分のペースで走ろうとしていた。

そして。

 

「ゴール・・・・・・お二人とも、大丈夫ですか?」

『あちぃ、ダンツ、これ外してくれぇぇ』

『ふふふ、直ちにレポートを書きたい気分だが、それ以上に暑いねぇ・・・・・・』

「タキオン、今外すから待ってなさい・・・・・・ダンツ、ポッケの方を頼む」

「はいっ」

 

汗で蒸れるタキオンとポッケのマスクを外すと、マスクに籠った熱気がむわっと外にあふれ出た。

それを見たトレーナーは、心底すまなそうに言った。

 

「・・・・・・すまん、今回のこれは走らせる以前の代物だった」

「ぜぇっ、ぜぇっ、おう、オレも、そう、思うぜ」

「はっ、はっ、はっ、通気性が犠牲になり過ぎて、感想が、出てこないねえ」

「二人ともすごい汗だよ!?」

「お二人とも、スポーツドリンクをどうぞ」

「サンキュー、カフェ」

「いやぁ、ありがたい、ねぇ」

 

カフェから渡されたスポーツドリンクを、ひったくるようにして受け取った二人は、そのまま一息に飲み干してしまった。

 

「うひー、あっちぃ」

「熱がこもりすぎ、通気性悪すぎ、うーんこれを練習に使うのはどうかと思うねえ」

「ああ、メーカーの方に今回の事をきっちりと説明したうえで突き返しておくよ」

 

そういうと、彼はマスクを回収して梱包し、段ボール箱に放り込んだ。

勿論、マスクと一緒に今回のダメ出しをかいたレポート用紙(A4五枚)を同封するのも忘れない。

 

「さて、そろそろ来るはずなんだが・・・・・・」

「ほう、何が来るんだいモルモット君」

「手伝ってくれた君らへのお礼もかねてね」

「「「「お礼?」」」」

 

はて、と言う風に四人全員が首を傾げたときだった。

 

「やあ、今回は私が一番乗りかな?」

「ああ、そのよ「フジ先輩!」うだなあ」

「こらポッケ、ひとの言葉を遮らない」

「あ、いや、その、すんません」

 

そこに現れたのは、勝負服を身にまとったフジキセキその人だ。

舞台俳優を思わせる優雅な動作で、運動場におりてきた。

 

「ありがとう、フジ・・・・・・急な呼び出しですまんな」

「いやいや、君の頼みとあればすぐにでも駆けつけるさ」

「そう言ってくれると本当に助かる、今日はよろしく頼む」

「ああ、よろしく」

 

そう言ってフジキセキと軽い握手をするトレーナー。

その際、ほんのちょっとフジの頬が赤くなったが、トレーナーは気が付いていないようだ。

そして、フジが名残惜しそうに彼の手を離した時だ。

ちょっと大きめのおしゃべりと共に、ゴールデンノヴァの面々が現れた。

 

「あーっ、フジ先輩が先にきてる!?」

「もうっ、勝負服着用なんてことにならなければ遅れなかったのにっ!」

「はいはいキング、過ぎたことは気にしない~」

「おー、ほかにも何人かいますネー」

「あの娘達が私たちの並走相手・・・・・・ではないですね」

「勝負服を着てないし、お手伝いかな・・・・・・けほ」

 

スペシャルウィークの第一声ののち、ゴールデンノヴァの面々がガヤガヤと姦しくやってきた。

どうやら全員で着替えていたらしいのだが・・・・・・。

そんな彼女達を見て、フジキセキは少し目を細めた。

勝負服を着て、やれ雑誌の件、新聞の件とお互いに言い合っている。

ワイワイと「仲良くしている」彼女たちに困ったように手を振りつつ、トレーナーはタキオンたちに向き直る。

 

「君らはまだ勝負服を貰っていないからあれだが、これから模擬レースをするんだ」

「ほう、これは実験のしがいがありそうだねえ」

「その通り、という事でタキオン記録係頼む」

「むぅ、私は個人的にだねえ」

「データは君にもあげるから、頼むよ」

「はぁ・・・・・・君が私たちに付き合ってくれていたのはこういう事があるからだったのか」

「はは、ちょっと意地が悪くてすまんな」

 

そういうと、トレーナーは記録機材一式を持ってコースに走り出す。

機材の準備をする彼を見ていたタキオンは、やれやれという風に肩をすくめると、残りの三人に向き直った。

 

「さあ、私たちは模擬レースの準備だ・・・・・・カフェ、ポッケ、ダンツ君、よろしく頼むよ」

「さて、それでは私はゲートを持ってきましょうか」

「それじゃあ私はコースを均しておこうかな・・・・・・ポッケちゃん、手伝って」

「おう、それじゃあトンボ取ってくるか、ついでにテントも持ってこよう」

 

三人もそれぞれが自分のやることへ動き出した。

 

――――(トレーナー)――――

 

数十分かけて所々にあった穴を塞ぎ、地ならしの為にトンボをかけてコースの修正はほぼ完了した。

念のための救護テントも作成し、不測の事態にも備えてある。

芝とダートが7対3くらいのこの練習用コースは、今度芝の全面張替が行われる。

だからこそ、こうして俺のような新人が簡単に利用予約をすることができたわけだ。

タキオンたちをだますような形で使ったことについては、すまないと思う。

そう言って謝ったら、彼女たち曰く『だったら私達のトレーナーになってくれ』ときたもんだからまいった。

勿論、黄金世代のあと、俺はトレーナーとして新しい子達を担当することになるのだが、そればっかりは理事長に言ってくれと、つい言ってしまった。

なんか怪しげに目を輝かせていた四人が少し怖かったが、まあいい。

 

「しかし、君達が来てくれるとは思わなかったよ」

「いやいや、ドリームトロフィーリーグは結構暇なんだよね」

「そうね、私は今度のレースの最終調整も兼ねてかしら」

 

そういいつつストレッチをしているのは、俺の担当している「メジロパーマー」と「アドマイヤベガ」の二人だ。

二人とも超一流のウマ娘だし。今回の趣旨にはあう。

そして俺は、集中力を高めている2人の邪魔をしないように、そして、今回の模擬レースに勝負服で参加してくれた彼女達にお礼を言うために、近づいていった。

 

「やあ、フジ以外にも参加してくれるなんて、思ってもみなかった」

「ははは、生きのいいルーキーとタイマン張れるんだ、こっちから参加させてもらうさ」

 

そう言って笑うのは、褐色の肌に日焼けの跡が眩しい「女傑」ヒシアマゾン。

フジキセキと同じ寮長という立場で忙しいにもかかわらず、俺の願いの為にこのレースに参加してくれるという。

本当にありがたい限りだ。

そして、もう一人。

 

「まさか、貴女が参加してくれるとは思わなかった・・・・・・なんとお礼を言ったらいいかわからないが、礼を言わせてほしい」

「ふん、別に礼には及ばない、ただ、あの時のルーキーがどの程度できるようになったのかを調べたくなった、ただそれだけだ」

「それでもさ、ナリタブライアン」

 

そう、ナリタブライアン。

生徒会所属にして、3冠ウマ娘の一人。

圧倒的な・・・・・・いや破壊的な走力を持ち、3冠をつかみ取った「シャドウロールの怪物」が、今回の模擬レースに参加してくれるというのだ。

これは、俺にとって願ったりかなったりである。

彼女のみなぎる闘志を真っ向から受けることは、数十回のレース経験を積むことに相当する。

今日というこの日を、俺は三女神に感謝しよう。

更に、全員勝負服を着用ということで、見栄えも豪華だ。

いや・・・・・・自分でやっておいてなんだがとんでもないメンツが揃ったもんだ。

スペシャルウィーク、グラスワンダー、エルコンドルパサー、セイウンスカイ、キングヘイロー、メジロパーマー、アドマイヤベガ、ヒシアマゾン、フジキセキ、ナリタブライアン。

こんなレースは初めてだ、本当に。

 

「ふおおお、フジせんぱーい!!」

「ふぅん、まさか三冠ウマ娘が来るとはねぇ・・・・・・さて、録画を始めようか」

「下手なG1よりも・・・・・・すごいレースな気がするのは気のせいでしょうか?」

「カフェちゃん、多分それは気のせいじゃないと思うよ」

 

フジキセキに声援を送るポッケ、PCの録画機能を使ってレースを記録しようとするタキオン、そして俺のコネに驚くカフェとダンツ。

ウン、実に愛らしい・・・・・・じゃねえ。

まあ、オレもこんなに集まるとは思わなかったんだよなあ。

見ればなんと、今回の騒動を聞きつけた野次馬達が続々と駆け付けている。

シンボリルドルフ、シリウスシンボリ、エアグルーヴ、ミスターシービー、マルゼンスキー、メジロマックイーン、メジロライアン、ゴールドシップまでいる。

それどころか、チームレグルスも来ている。

チームスピカにチームリギルの残りの面々もいる、観客すら豪華とはこのことだろう。

というか、理事長とたづなさん何やっているんですか・・・・・・あ、扇子に『実況!!』と書かれているのが見える。

 

「うう、出たかったなあこのレース・・・・・・けほっ」

「ツヨシ、寮で寝ていてもいいんだぞ?」

「そうはいきませんよ、参加できない分こうやって見学しておきたいですから」

「そうか・・・・・・だが、無理は禁物だからな」

「はいっ!」

 

元気よく返事をするツヨシだが、そのおでこには冷えピタが貼られている。

彼女も勝負服を着ているが、今回はお休みだ。

彼女曰く「いつもの微熱」らしいが・・・・・・心配だ。

いや、心配し過ぎもよくない・・・・・・のか?

取りあえず、ツヨシに何かあったときの為に、必要最低限の救急用品を入れたバックを持ってきてある。

準備万端、ツヨシが出走できないのは残念だが、それでも、このレースを見ることにだって十分意義がある。

俺はツヨシにゲート開閉のスイッチを任せると、と俺はフラッグを手に台に上がる。

少し高い台の上から見る景色は・・・・・・すごく生徒たちが集まってくる景色だった。

練習場の土手にはほとんどがウマ娘で埋まっており、屋台まで出ている・・・・・・いや、誰が許可出したんだ?

 

「ごほん・・・・・・今日は此方の誘いに応じてくれてありがとう、まず礼を言わせてくれ」

 

そう言ってまずは参加してくれたみんなに頭を下げる。

そんな俺に、フジは気にするなと笑い、ヒシアマも手をひらひらとさせている。

ただ、ブライアンだけは瞑想するように目を閉じて、ゲートが開くのを待っている。

パーマーはいい笑顔で笑っているし、ベガは俺の言葉にやれやれと首を振った。

 

「そして、ゴールデンノヴァ諸君、今回のレースでぜひ、一流のプレッシャーを感じてほしい」

「「「「「・・・・・・」」」」」

 

再確認のようにして、俺はゴールデンノヴァの娘達にいう。

彼女たちは、言われるまでもなく全員真剣な顔で、勝負に入ろうとしている。

 

(これ以上はさすがに気が散るか)

 

俺自身、このレースにはちょっとワクワクしている所がある。

指揮者のようにフラッグを高く掲げる。

全員が、スタートの体制をとった。

練習とは思えない、ピリピリとした緊迫感が俺の肌を刺す。

フラッグを振った瞬間、ツヨシがスイッチを--押した。

 

―――――――――――

 

トレセン学園 練習用コース

2000m 晴れ 良馬場

 

ゲートが開いた瞬間、彼女達が飛び出す。

その中でも、まるで引き絞られた矢のように飛び出した二人のウマ娘がいる。

メジロパーマーとセイウンスカイだ。

 

『さあ、メジロパーマーとセイウンスカイが飛び出しました!』

『うむっ、二人とも逃げゆえに飛び出すことは想定していたっ、しかしっ、とてもスムーズなスタートダッシュである!』

『その後ろ、先行策でエルコンドルパサー、フジキセキ、スペシャルウィークが続きます』

『力を十分感じさせるスタートダッシュだっ、位置取りも十分と言える!』

『その後ろ2バ身離れてグラスワンダーとキングヘイロー、ナリタブライアンが続いています』

『うむ、差しのお手本のような位置取りだなっ!』

『そして最後方にはヒシアマゾンとアドマイヤベガがいます』

『追い込みの二人からすれば定位置っ! 何ら問題はないっ!』

 

―――――(先頭)―――――

 

草を踏み潰し、地面をえぐり取るような、そんな走りで全員がほぼ一塊となって走る。

メジロパーマーとセイウンスカイは矢のように早く先頭を行く。

 

(これは、すごいプレッシャーだね・・・・・・っ!)

 

メジロパーマーにほぼ並走に近い距離で走られつつ、セイウンスカイは内心で舌を巻いた。

メジロパーマーはいつものノリとはまた違う、真剣な競技人として彼女の隣を走っている。

800mを過ぎ、中盤に入ろうというのに、メジロパーマーには焦りの色もない。

練習試合だから、と言ってしまえばそうだろうが、しかし。

 

(腹立つなあ、その余裕!!)

 

それでも、涼しい顔をして走るメジロパーマーに、セイウンスカイはいらだちすら感じていた。

自分と同じ走りなのに、なんでそんなに余裕があるのか。

自分と同じ走りなのに、なぜそんなにも冷静でいられるのか。

ぐん、と更に地面を踏みこんで加速するセイウンスカイ。

しかし、その彼女の加速にパーマーは平然とついてくる。

 

(経験の差ってやつ?)

 

負けず嫌いか、レースにおける焦りか、その両方か。

セイウンスカイは、自分のペース以上を出して走りつつあった。

そして、今の彼女にはそれを顧みる余裕がまるでなかった。

 

(うーん、セイウンスカイは、これはゴールする前にばてるかもしれないね)

 

メジロパーマーがそう思ってしまうほどには。

 

―――――(先行組)―――――

 

フジキセキは冷静だった。

冷静に彼女は現状を分析している。

そして思う。

 

(やっぱり今回のレースは無謀だったんじゃないかなあ)

 

微笑みの仮面の下で、彼女は後輩二人をみやる。

二人とも真剣だ、真剣に走っている。

エルコンドルパサーの真剣な瞳は、いつもの彼女の陽気さを完全に消し去っている。

正に、獲物をしとめる猛禽類のような、鋭い目だ。

スペシャルウィークの真剣な走りっぷりは、後輩たちにとてもいい見本となる。

正に、諦めないことを体現したような走り方だと、フジキセキは思う。

 

(こう考えること、こう感じることが完全に余裕なんだよなぁ)

 

そう、今のフジキセキには冷静に周囲を観察し、評価するほどの余裕があった。

ゴールデンノヴァには悪いが、どうしても彼女たちに全力を出せるほど、フジキセキは非情になり切れなかったのだ。

 

(とはいえ、それは彼との約束を破ることになる)

 

走りつつ考える。

そこまでの余裕があるのだ、今の彼女には。

 

(さて、どこで仕掛けようか)

 

彼女は、考え続けている。

 

―――――(差し組)―――――

 

(ふん、ルーキー達の走り、悪くはないが・・・・・・何故オレを呼んだのか分かった)

 

キングヘイローが頭を上げた独特のスタイルの走りで横をすり抜けてゆく。

グラスワンダーは自分の1バ身半前を走っている。

そしてナリタブライアンは、後ろから数えて3番目という普段の彼女なら決してないであろう位置で、様子をうかがっていた。

いや、彼女からすれば様子をうかがうなどという小細工をしなくても、なんなら最初の400mで勝負を決めることさえできた。

しかし、それをしなかったのは、単にトレーナーとの約束を彼女が律儀に守っているからである。

 

(磨けば光り、叩けば伸びる、か)

 

トレーナーは言っていた、彼女たちは今、伸び盛りであると。

トレーナーは嘆いていた、しかし、同期を1チームに集めてしまったせいで「なれ」が生じていると。

そしてそれは、彼女たち自身も気が付いていないと。

トレーナーは頭を下げた、だからこそ彼女たちに「本物」を見せてやる必要があるのだと。

自分たちが挑む「強者」を見せる必要があるのだと。

 

(ふん、恵まれた環境で腑抜けやがって)

 

走りにどこか、そう、どこか「ハングリーさ」がない事は、400m時点で解っていた。

彼女の中でその直感は、この800を過ぎた時点で、確信へと変わったのだ。

こいつらは、気が付かないうちに仲良しごっこをし始めている、と。

仲がいい事は悪い事ではない、空中分解するよりはいい。

しかし、競技の面でなれ合いは不要だ、ナリタブライアンはそう考える。

 

(私は手加減等しない、実力差があろうとな)

 

丹田に気を練り、息を思いっきり吸い込む。

彼女の持つ「固有」とでもいうべき技。

それを爆発させるためだ。

 

(覚悟しろルーキーども)

 

今、ナリタブライアンが地面を踏み砕いた。

 

―――――(追い込み組)―――――

 

追い込み組である、アドマイヤベガとヒシアマゾンの二人からすれば、ゴールデンノヴァに起きている事を察することは容易であった。

アドマイヤベガは持ち前の観察力で、ヒシアマゾンはその野性的な直感で、何かがこのチームに起きているという事を感じ取っていた。

 

(それにしても、彼も災難ね)

 

アドマイヤベガは思う。

自分のレースにかまけて、チーム状況に気を配らなかった自分もどうかとは思う。

しかし、そんな自分だからこそ、何か、言いようのない緩みを感じ取ることができた。

 

(まあ、私はあの子達と別のチームだからこそ、というのもあるけれど)

 

テイエムオペラオー、メイショウドトウ、ナリタトップロード、自分のライバル。

そのライバルたちは、別のチームで頑張っている。

ただ、自分の居るゴールデンノヴァは、そういう意味ではとてももったいない。

競い合う仲間が一か所に集まった結果、ちょっと緩みが生じている。

 

(だからこそ、外からの大きな刺激が必要という訳ね)

 

アドマイヤベガは、自分の役割をこのレースで理解した。

いや、レース前から感じ取っていたが、それが形になったというところか。

トレーナーの考えを、アドマイヤベガは正確に感じ取っていたのだ。

 

(ふふ、アイツも大変だねえ)

 

ヒシアマゾンは内心そう思いつつスピードを上げた。

1200を超え、ここが仕掛けどころだと彼女は確信したからだ。

彼女のカンは、この問題は彼の力ではどうにもならないことを告げている。

そして、彼女達ゴールデンノヴァの面々もまた、この問題に対処のしようがない事も。

無意識の緩みとは、それほど恐ろしいものなのだ。

 

(チームとしてはいいチームだが、競技という面ではいけないからねえ)

 

競技者として、その道の先輩として、彼女達に「走るとは」という事を見せつけねばならなかった。

仲のいい友人は、しかし、最大のライバルであることを彼女たちに思い出してもらわなければならない。

そうしなければ。

 

(負けていったやつらが浮かばれないだろう)

 

彼女が面倒を見ているのは何も「勝者」だけではない。

レースで負けてしまったいわば「敗者」もいる。

そして、負けてしまったウマ娘達は、悔し涙を流しつつも立ち上がり、そして勝者に追いつこうとまた努力を重ねる。

そんな姿を見てきた、だからこそ。

 

(シビアになりな、お前たち!)

 

無意識のうちにたるみつつあるゴールデンノヴァに、寮長として活を入れなければならなかった。

 

―――――(トレーナー)―――――

 

最終直線に入る、そのギリギリのところで。

メジロパーマーが「二段階の加速」をしてセイウンスカイを突き放す。

加速する寸前、トレーナーの目には笑いながら様々な障害物を乗り越えてゆく彼女が見えた。

フジキセキがエルコンドルパサーとスペシャルウィークを抜き去り、パーマーに迫る。

まるで彼女の舞台のように、スポットライトが花道を照らすように、その様は正に美しく見るものすべてを引き付ける。

ナリタブライアンが、地面を砕くような猛烈な加速と追い上げを見せる。

その様は正に、ウマ娘ではなく黒い猛獣のような力強さで、瞬く間にキングヘイローとグラスワンダーを追い越した。

突き放された5人を、更に後方からすばらしい速さでアドマイヤベガが追い越してゆく。

態勢を低くし、加速するその姿は正に青い彗星そのものだ。

そしてそれに張り合うように、豪脚で大地を振るわせ、ヒシアマゾンが差を詰める。

ブライアン同様に肉食獣を思わせるその走りは、まるで岩石すら破壊するほどのパワーを感じさせる。

 

(これで、彼女たちに活が入ればいいのだが)

 

トレーナーは内心でそう思った。

 

―――――(少し前)―――――

 

新年のあいさつの際、トレーナーは彼女達に違和感を覚えた。

自分の教え子から感じる違和感を、彼は言葉にできなかった。

しかし、グラスワンダーのケガが治ったばかりでもあったため、違和感の追及を後回しにした。

それがいけなかったのは、少したってから。

 

『それは、緩みというものです』

 

自らの先生である、樫本理子に自分の感じた違和感を打ち明けたとき、真っ先に帰ってきたのはそれであった。

最優秀のトレーナーである彼女は、彼の話を聞いただけでその違和感の正体に気が付いたのだ。

 

『緩み、しかし彼女たちは練習に手を抜いてはいませんよ?』

『一度レグルスとリギルの合同練習を見に来なさい』

『では日程を・・・・・・』

『ただし、貴方一人で』

『? わかりました』

 

そして、彼は再度、自分の師匠がどれほど優れたトレーナーなのかを知った。

チームレグルスとチームリギルの練習には「熱」があった、爆発的なエネルギーがあった。

しかし。

 

(チームゴールデンノヴァには、何故爆発的な熱量がないんだ?)

 

その熱量は、チームの緩みをトレーナーに自覚させるとともに、疑問にぶち当たらせた。

そして、その答えは案外近くに転がっていたのである。

 

『やあ、トレーナー君』

『これは・・・・・・シンボリルドルフ会長、どうも今日は見学の許可をいただきまして、ありがとうございます』

『ははは、別にいいさ・・・・・・それで、どうだねリギルは』

 

その視線の先には、リギルのメンバーがレグルスメンバーと汗を流している。

金色の暴君と呼ばれる「オルフェーヴル」と演出家「ミスターシービー」が。

貴婦人「ジェンティルドンナ」とシャドウロールの怪物「ナリタブライアン」が。

怪物「マルゼンスキー」と大雨の無敵「タイキシャトル」と張り合うのは無敗の女王「デアリングタクト」だ。

遠くには9冠「アーモンドアイ」と3冠「コントレイル」が並走をしているのが見える。

それらをまとめ上げているのが、ここにいる会長こと「シンボリルドルフ」なのだろう。

そして、リギルのそうそうたるメンバーから少しでも何かを得ようと、レグルスのメンバーは全員が必死で食らいついている。

 

『すごいですね、その熱量と言い爆発的なエネルギーと言い』

『ふふ、それは相手が最優のレグルスだから、という事もあるのだよ』

『しかし、これだけのメンバーならば、その、油断等もしそうな気がしますが』

『それはないよ、トレーナー君』

『何故です?』

『私たちはチームであり、もしかしたら友人かもしれない、しかし』

 

ここで、シンボリルドルフは言葉を切る。

そして、オレの目を見る。

ルドルフの美麗な顔を直視してしまい、少しどきどきとした。

だが、ルドルフの言葉にそんな気持ちは吹き飛ばされる。

 

『なれ合いだけはしない、そう決めている』

『っ!?』

 

自分の考えを見透かされたようで、今度こそ自分は息が出来なくなった。

それでも、俺はこの続きを聞かなくてはならない。

そう思い、ルドルフに続きを促した。

 

『私たちは競技者で、同時に勝者に分類される』

『・・・・・・』

『その世界で頂点をつかんだ、と言い換えることもできるだろう』

『・・・・・・はい』

『だけどねトレーナー君、そんな私達がなれ合いを演じたら・・・・・・負けた子達はどう思うだろうか』

『・・・・・・』

『そうだね、ちょっと例を挙げてみよう』

 

そういうと、ルドルフはジェンティルドンナを見る。

つられて俺も、彼女を見た。

 

『彼女にはヴィルシーナという存在がいる』

『ええ、彼女も3冠をとってもおかしくない逸材でした』

『そうだ、だがジェンティルドンナに敗れた』

『そう・・・・・・ですね』

『もしジェンティルドンナがなれ合いをするような娘だったら、果たしてヴィルシーナは敗北から立ち上がれただろうか?』

『それは・・・・・・』

 

言われて、ふと考える。

ジェンティルドンナは、なれ合いをしない。

その力でもって、自分こそが一位という強烈な自負心を支えている。

そんなジェンティルドンナだからこそ、ヴィルシーナは敗北から立ち直れたんではないか。

その強力な存在に追いつこうと、努力を重ねることができたのではないか。

 

『成程・・・・・・超えるべき壁であり、好敵手という事ですか』

『ああ、その通りだ』

 

そう言って、彼女はどこからか雑誌を取り出した。

それは、「ゴールデンノヴァ」が映っているトゥインクルシリーズ専門の雑誌だった。

 

『私たちは、いや、私達だけでなくレグルスもだが、隣にいるものはライバルであり、友人であるという無意識の共通認識でやってきた』

『・・・・・・』

『時に超えるべき壁となり、時には手を差し伸べ、時には相談に乗ったこともある』

『・・・・・・』

『そう考えると、ゴールデンノヴァは・・・・・・仲が良すぎるように見える』

『そう・・・・・・ですね、それは俺も思います』

『そして残念ながら、外からの刺激も少ない』

 

この雑誌の言う通りね、といってルドルフは笑った。

雑誌のページの一部には、有識者の言葉としてこう書かれていた。

 

《仲の良さが命取りにならないか、ゴールデンノヴァへの心配事はそこに尽きる》

《仲が良いせいで共倒れになる可能性も、無視はできないものだ》

《ライバルは身内、というのは競技者としては致命的ではないか》

 

何とも耳が痛い、俺はそう思った。

だが、事実だ。

事実は変えようがない、しかし、未来は変えられる。

俺は、合同練習を見ていて、とある考えが思い浮かんでいた。

 

『どうやら、活を入れる方法を考えているみたいだね?』

『はい、会長のおかげです』

『それは良かった、それで、私も一枚かもうか?』

『ありがとうございます、ではですね』

 

そう言って俺は、ルドルフ会長と共に、今日というレースを計画した。

出来るだけ、一流のウマ娘に集まってもらおうと駆けずり回った。

パーマーとベガにも頭を下げて頼み込んだのだ。

 

――――――(当日)――――――

 

「俺の考えは間違っていなかった・・・・・・そう思うよ」

「その、トレーナーの言葉の意味は分かりませんが」

 

そう言ってツルマルツヨシは言葉を区切る。

目はレースに釘付けで、咳をすることも忘れているような状態だった。

 

「私は・・・・・・やっぱりあの場所に立ちたい、そう思います」

「そうか・・・・・・それは友人としてかい?」

「いえ、同じ競技を戦う競技者として、です」

「ははっ、そうか」

 

ツルマルツヨシの言葉に、トレーナーは自分の考えが上手くいったことを悟る。

外で見ている彼女がこれならば、内で競技をしている彼女たちはどうか。

 

息を切らさず談笑しているベテラン組と比較し、今年からクラシックに入ったゴールデンノヴァの面々は、息も絶え絶えという形であった。

意地で立っているのがやっと、という感じである。

しかし。

 

「ふぅー、ふぅー、はっ、はっ、はっ」

「いやはや、これが先輩の実力デースか」

「逃げで負けると、悔しいねホント」

「これが、一流の走り・・・・・・!」

「負ける事で得るものもある、正に、今日が、その時!」

 

目はギラついている。

その目は、正に戦うものの目をしている。

俺がトレーナーとして、いくら彼女達を愛し、慈しみ、その力になろうとしても、ライバルというものになることはできない。

いくら俺が鍛えても、ウマ娘にはかなわない、彼女たちの「壁」になることはできない。

競技者としての刺激を与えてやることができない。

だからこその、カンフル剤として、彼女達「一流」のウマ娘との模擬レースをくんだのだ。

そして、その目論見はうまくいった。

ゴールデンノヴァは、自分たちがどういう世界に足を踏み入れたのかを知った。

自分たちがどういう風にならなければならないのかを、肌身で感じた。

正に「ウマ娘ならば走りで語れ」という言葉通り、言葉にならない言葉をゴールデンノヴァは受け取ったのだ。

 

「さて、俺が一言かけるべきか・・・・・・おや?」

 

総括の為に、俺はゴールデンノヴァに今日の事を説明しようとした。

その時、ナリタブライアンが彼女たちに近づいていく。

踏み出そうとした俺と、一瞬だが目が合う。

その目は『私に任せろ』と言っているようで。

だから、俺は彼女に任せることにした。

 

「どうやら目は覚めたようだな」

「ブライアン先輩」

 

近づいてくるブライアンが、唐突に話しかける。

普段はあまり話さない先輩に急に話しかけられて、キングヘイローだけが唯一反応した。

他の面々は、ちょっと驚いた顔をしている。

 

「お前たちがたるんでいるようだ、と匿名で相談があってな」

「「「「「・・・・・・」」」」」

 

ブライアンの言葉に、ジトッとした目で俺を見るゴールデンノヴァの面々。

そこはちょっと気を使ってほしかったなあブライアン。

 

「私からお前たちに言えることは一つしかない」

 

そういうと、ブライアンは全員の目をそれぞれ見ていく。

全員が、彼女の視線から目を背けることなく見返した。

そんな彼女たちに、ニヤリとブライアンは笑うと口を開く。

 

「ぬるま湯にはつかるな」

「「「「「っ!!」」」」」

「仲良しごっこは勝負服を着ている以上、決してするな」

「「「「「・・・・・・」」」」」

「負けたことが恥ずかしいと言われるようなウマ娘になるな、負けたことを誇らしいと言われるようなウマ娘になれ」

 

レースにかかわる競技人としてそれを忘れるな、ブライアンはそういうと踵を返してロッカールームへ向かった。

 

「やれやれ、ブライアンに全部持っていかれてしまったな」

「「「「「トレーナー」」」」」」

「本当は俺が言うはずだったんだが・・・・・・」

「トレーナーも、エルたちが緩んでると思っていたんデースか?」

「うん、君達には悪いけどね」

 

勝負服を着て集合するとき、彼女たちは一緒に出てきた。

それ自体は悪い事じゃない。

だが、勝負服を着てくる以上、集中してしかるべきだと思う。

 

「だが、君達はレースに集中するどころか結構なおしゃべりをして現れた」

「「「「「・・・・・・」」」」」

「それが悪いわけじゃないが、レース本番に君達は仲間内でおしゃべりするかい?」

「それは、しないと思います、相手への失礼に・・・・・・あっ」

 

グラスワンダーはそこまで言って気が付いたようだ。

いや、全員が目からうろこが落ちたと言わんばかりの表情をしている。

自分たちは、この「レース」に挑む前にどういう風だったか。

レース前に集中せず、ゲートの中でようやく集中しようとする。

そんな自分たちを、彼女たちは思い返しているのだろう。

 

「まだまだ長い競技人生として、舞い上がってしまう事もあるかもしれない」

「「「「「・・・・・・」」」」」

「だけど、忘れないでほしい、その勝負服を着ている以上はもうプロなんだ」

「「「「「・・・・・・はい」」」」」

「だから、舞い上がるのは今日で終わりにしてほしいかな」

「「「「「はいっ!!」」」」」

 

最後は元気よく、全員がそろって返事をしてくれた。

プロになった以上、レースの際はプロとして行動してほしいと思う。

勿論、彼女たちは青春真っただ中の学生だし、過度に縛るのは良くないとは思う。

そう言った匙加減やかじ取りは、本来トレーナーである俺の役割だ。

今回はブライアンたちに協力してもらったが、次は俺自身の力で何とかして見せよう。

まあ、本音を言えば次がないのが一番いいのだが。

 

「俺にとっても、今回の事はいい教訓になった」

 

視界の端に、ツルちゃんが両手にスポーツドリンクを抱えて小走りで来るのを収めつつ、俺は思う。

速いうちに緩みを矯正できてよかったと。

そう思いつつ、俺の体はできる限り最速でツルちゃんの下に駆けだしていた。

 

「みんなー、スポドリ持ってきた・・・・・・あっ!?」

「言わんこっちゃない」

 

ツルちゃんは足の下にあった石ころに気が付かず、こけた。

転ぶ瞬間に、彼女を抱えられてよかった。

緊張で固まっているツルちゃんをお姫様抱っこしつつ、思う。

というか、ツルちゃんの顔がどんどん赤くなっているような・・・・・・?

 

―――――(レースが終わって片付け中)―――――

 

「いやあ、すごいレースだったねえ・・・・・・ただ、全力ではなかったねえ」

「全力じゃない?」

 

ワタシも抱き着きマース、と言ってエルコンドルパサーに腰にタックルをくらっているトレーナーを横目で見つつ、タキオンは今日のレースについて言う。

 

「見るものが・・・・・・あったと思いますが?」

「そうだよ、その言葉はひどいと思うよタキオンちゃん」

 

カフェとダンツもタキオンを非難する。

しかし、そんな非難もどこ吹く風と、タキオンは知らん顔だ。

そんな彼女の真意を問いただそうとポッケがタキオンに近づこうとしたときだ。

 

「やあ、レースの記録映像は私もみたいからコピーしてもらってもいいかな?」

「フジ先輩!!」

「ああそうだねえ、アタシも貰おうかな」

「ヒシアマ寮長さん」

 

フジキセキとヒシアマゾンの寮長コンビが、彼女たちに話しかけてきた。

そんな二人に、ポッケとダンツが反応する。

 

「というか、なんでそんなにアンタたち雰囲気悪くなっているんだい?」

「ヒシアマ寮長・・・・・・いえ、タキオンさんが」

「タキオンがどうしたのさ?」

「今回のレースは全力ではなかった、と」

「あー、確かにそうかもしれないねえ」

「「「えっ!?」」」

 

ヒシアマゾンの言葉に、驚く三人。

それに対して、アグネスタキオンはほら見たまえ、と言わんばかりのどや顔だ。

ヒシアマゾンがソックス部分をめくると、重りが付いていた。

 

「これは・・・・・・斤量・・・・・・ですか?」

「そういう事さね、この斤量は全力を出さないようにするためのものさ」

「全力を出さない為?」

「ふぅん、全力を出して何かあったら大変だからねえ」

「おいおい、全力勝負でこそ燃えるってもんだろう」

 

タキオンの言葉に、ポッケはちょっとむくれている。

フジキセキはそんな彼女に対して、笑う。

 

「タキオンが言うとおり、全力を出さない為ということ以外にも、ハンディキャップとしての意味もあるんだ」

「「「ハンディキャップ?」」」

「ああ、そういう事か」

 

タキオン以外は首を傾げ、タキオンは納得がいったという風に頷いた。

それに対し、タキオンは小さな子供に言い聞かせるように言った。

考えてもみたまえ、とタキオンは切り出す。

 

「彼女たちは注目のルーキーとはいえ、まだまだクラシックに入りたてだ」

「まあ、そりゃそうだ」

「そんな彼女たちに対して、もしドリームトロフィーリーグに行った先輩方が全力勝負なんてしたらどうなる?」

「そりゃあ勝負になんて・・・・・・あ、だからか」

「そういう事さ、全力ではなく本気の勝負だからこそ、こんな斤量を自分にかしたんじゃないかな?」

 

どうだいフジ君、私の推理は。

そうタキオンが視線でいう。

そんな彼女に、フジキセキは笑って肯定した。

 

「まあ、その通りだよ・・・・・・彼から、競技人としての「本気」を見せてあげてほしいと言われてしまってね」

 

全力ではなく本気の所に意味があるんだ、とフジキセキは笑う。

今回の目的はレースで勝つことじゃなくて、競技人としての本気を見せることだったからね、とフジキセキは続ける。

 

「はえー、勉強になります」

「成程・・・・・・本気を魅せる、ですか」

「フジ先輩、オレもデビューしたら本気で走ってもらえますか!?」

「ふぅん、まあ、走る者としての本気という事なら、この映像に資料的価値はあるねえ」

 

四者四様の反応を示す後輩たちに、フジキセキとヒシアマゾンは笑った。

そして、そんな彼女たちの視線の先には、なぜかメジロパーマーとアドマイヤベガを俵抱きして突っ走るトレーナーの姿があった。

どうやら彼は、また愉快な出来事を巻き起こしたらしい。

 

「ふふ、本当にこの学園は飽きがこないね、アマさん」

「そうだねえ、確かにアイツが来てから更に騒がしくなったよ」

 

そう言うと、二人そろって大きく伸びをした。

 

「それじゃあ、後片付けをお願いね」

「悪いんだけど、後を頼むよ」

「ウィッス!!」

「うえぇ、めんどくさいねえ」

「タキオンさん・・・・・・逃がしませんよ」

「あはは、さ、皆も手伝ってくれてるし、がんばろ?」

 

終わり

 

 

 

次回予告

 

 

「そういえば、エルすごく気になることがあるんです」

「何でしょう?」

「いや、パーマー先輩とベガ先輩はどうしてトレーナーさんと出会ったんでしょう?」

「・・・・・・そういえば、聞いていないですね」

 

次回、パーマーとベガ、二人との馴れ初め

 




ジェンティルドンナの実装おめでとうございます。

更に、スティルインラブのサポカも実装という事で、

三冠がたくさん来ておりますね。

さて、次回予告もさせていただきました、

メジロパーマーとアドマイヤベガとの出会い、

出来る限り早く投稿させていただきますので、

皆さまどうか、お付き合いくださいませ。
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