大変遅くなりましたが、第5話を投稿させていただきます。
今回から、字数を少なくしたりと色々といじっていこうと思います。
もしかしたら、読みにくかったりするかもしれません。
それでも、生暖かい目で見守っていただけると幸いです。
あと、アーマードコアの新作が出ましたね。
レイヴンの時代が再来しますね、楽しみだなあ。
第五話 トレーナーの日常、上
PPPPPPPPPP
「うむ・・・・・・朝かぁ」
目覚ましの音で目を覚ます。
朝の5時ぴったりに起きることができるようになったのは、トレーナーとしていい事のはずだ。
さあ、担当ウマ娘達のためにも今日も一日頑張ろう。
そんなことを考えつつ、ぬくもりを持った布団の誘惑を断ち切る。
二度寝してえ、そんなことを思いつつ布団をたたんで未練を断捨離。
「ふぁぁぁぁ」
最後の未練をあくびと共に放出しつつ、俺はカーテンを開けた。
「いい朝日だ・・・・・・感動的だな」
変な言葉が口から流れ出る、いつものことだ。
この年齢ではなかなか住めない1LDKのなかなか高級なアパートに住む俺は、
トレセン学園に所属しているトレーナーである。
さて、俺の朝のルーティーンは・・・・・・まず裸になります。
そして、そのままシャワーに直行し冷水を体に浴びて体調を整えることから始まる。
俺は、子供のころから朝一番に冷水を浴びるという「冷水健康法」を続けている。
風呂場の前、洗面台で全裸になるためにパジャマに手をかける。
パジャマには様々な注意書きがプリントしてある、ちょっと恥ずかしいタイプだ。
少なくとも、俺の年齢で着るには恥ずかしい。
ただ、これは、その、理事長からの指示だったりする。
理事長曰く『命令! いついかなる時でも、そこに書いてあることを忘れるべからず!!』とのことだが。
(ちょっと過激表現過ぎないか?)
パジャマを裏返し、注意書きに目を通す。
《ウマぴょい厳禁》《気をつけろあの娘の笑顔に潜む影》《鍵は2重3重に!》・・・・・・
いや、その、理事長。
(自分の所の生徒を信用してなさすぎでは?)
というか、あの子たちと触れ合って常々感じるのが、
本当彼女たちはレースにストイックだということだ。
注意書きに書かれるようなことは、まるで起こったことはない。
実家の両親も、ウマ娘と同室にいる場合は本当に注意するようにと何度も念を押していたが・・・・・・。
(彼女たちが一体何をたくらむというのか?)
着任してから時間がたったが、その、年齢制限引っ掛かり気味なことは一切起こったことがない。
むしろ、各種媒体で描かれていた練習がぬるく感じるぐらい、彼女たちはストイックにレースと向き合っている。
(フジキセキなんか、特にすごく気合が入っていたなあ)
リギルに所属している彼女には、会う機会がなかなかないし、
会っても呼び出しや生徒会の手伝いで離れて行ってしまう。
その裏では後輩たちの面倒を見ていたり、過激なファンからの過激な贈り物を
文字通り粉砕していたりと、陰に日向に毎日頑張っている。
「見習わなきゃなあ」
全裸になりながら、ふとつぶやく。
あの子たちを教える立場になったが、実際は俺の方が教えられてばかり。
座学研修や地方での実地研修、樫本先生のレグルスでの本番さながらの実習、
どれをとっても大変学びのある内容ではあった。
だが、自分で担当すると本当に難しい。
(だけど、あの娘たちが成長してゆくのを見るのが、とても楽しい)
もしかしたら、ゲームの中のトレーナー達もこういう気分で毎日ヒントを得ているのだろうか?
だからこそ、怪しい薬や実験、はたまた無人島遭難なんかも平気でこなすんだろう。
(いや、考え過ぎか)
少なくとも、俺は彼らのようにぶっ飛んでないし、うん。
そう思いながら、俺は冷水のシャワーを浴びた。
冷たい水が、体を流れてゆくと思考が冴えてくる。
水を止め、バスタオルを取り、体をふくと完全に意識が覚醒した。
と同時に、鏡に自分の体が映る。
(フーム、ちょっとジム借りようかな)
体が少し、なまっている気がする。
全身から滴り落ちる水滴、映る筋肉。
どうも、鈍っているような、張りのないような。
試しに軽くシャドーをしてみる。
(うむぅ、鈍い)
体の動きが明らかに鈍くなっていた。
拳で落ちてきた水滴を打つのだが、10滴程を打ち抜いたあたりで息が切れる。
トレーナーズスクールにいた教官曰く『最低でも水滴を50回打ち抜けるように』
と訓練を付けていただいたのを思い出す。
ただ、割と密着気味だったのには参った。
男として、割と切実にまずい状況だった・・・・・・思考が脱線してしまったな。
(まあ、あとで考えようか)
シャワーを浴び終わると、学園から支給された男性用コロンを付ける。
たづなさんからは、絶対毎日つけてくださいねと言われている。(注1)
確かに、女子高生と接するにあたって男臭いのは嫌われるだろうし、
そこは女心を理解できていない俺の落ち度だ。
(今度ケーキでも買ってお礼をしておこう)
切れた場合は無料でコロンも購入してくれるということで、至れり尽くせりだ。
理事長たちの好意に、俺はますますあの娘達を勝利の栄光に輝かせなければと思う。
そう思いつつ、俺は朝食の用意と並行してお弁当も用意する。
学食を使用していいとも言われてはいるが、トレーナー業務をしていると、
デスクから動きたくなくなるのが常なのだ。
そのせいで体が鈍りだしている、と常々思う。
「タンパク質を中心に、野菜は・・・・・・作り置きのポテトサラダにコールスロー」
「ピクルスも・・・・・つかり具合がちょうどいいな・・・・・・」
「メインは米粉のパンを使ったサンドイッチか・・・・・・なかなかいい」
「こうなったら汁物も欲しくなるな・・・・・・とは言え、こればかりはスープの素を使うか」
淡々と、独り言をつぶやきつつ、迅速に。
俺の目の前には、大きなバスケット3個分のサンドイッチ弁当が出来上がった。
残りの具材をフランスパン風のバゲットに挟み込み、あの子への軽食として包む。
「少し作りすぎたかな・・・・・・まあいいか」
バスケットを前に、少しやり過ぎたと思った。
まあ、いいだろう。
さて、俺が今いるリビングはテーブルとイスに棚と、シンプルで使いやすい。
それに反して、ゲームをするための大型TVやゲーミングパソコンなどがある私室は、すごくあれだ。
(あの子たちには見せられんなこれは・・・・・・)
そんなことを考えつつ、俺は下着姿で自分の朝食の準備をする。
なお、こんな健康法のおかげかどうかわからないが、風邪は引きにくい。
濃い目のコーヒーを準備しつつ、前日に準備していたスーツに着替える。
朝食はトースト2枚とベーコンエッグにバナナヨーグルトというシンプルなもの。
こいつを眠気と共にコーヒーで流し込めば、準備完了。
もろもろの準備を終えると、出勤時間だ。
「行ってきます」
俺は玄関に飾ってあるゴールデンノヴァの集合写真にそう言った。
――――――(トレセン学園正門前)――――――
おはよう、と彼は正門前で仁王立ちしているバンブーメモリーに声をかけた。
「おおお、おはようございまっす!」
「そんなにどもらなくてもいいと思うんだけどな」
「いや、その、そうっすね・・・・・・すー、はー、おはようございまっす!!」
「あはは、この挨拶を聞かないと気合が入らないよ」
「恐縮っす・・・・・・」
朝の出勤において、彼の目の前には一人のウマ娘がいた。
彼女の名はバンブーメモリー。
風紀委員をしている熱血根性ウマ娘である。
彼がトレセン学園に到着すると、きまって挨拶をしてくれるウマ娘だ。
朝一番で気合の入った挨拶を受けると、気持ちが引き締まると彼はかなり好意的だ。
(ただまあ、早くないバンブーさん?)
天候は晴れ、そして現在朝の6時半、トレーナー業をする人間からすれば基本的な『朝』だが、
健全な学生諸君ならば少なくともまだベッドの中で睡魔と一緒に過ごしているだろう。
(風紀委員だからかな・・・・・・気合入ってるなあ、俺も頑張らないと)
まだまだ生徒の数が少ない校門前にて、少しバンブーメモリーの横顔を見つめる。
最近は温かいとはいえ、ちょっと今朝は肌寒い。
だが、彼女の顔は少し赤く。
もしかしたら朝練の帰りで、始業のベルが鳴るまでここにいるつもりかもしれない。
トレーナーは、そんな彼女を見て思いついた。
(ちょっと手伝ってみようか)
トレーナー業務は朝の7時から始まる、しかし、事前準備は前日に済ませてある。
本日の予定は基礎練習だし午前中は学園のウマ娘達は、自分の担当含めて学業をしている。
(それがいいな、うん、学園のウマ娘諸君と、交流でもしておこうか)
何かヒントを思いつくかもしれないしね、と彼は一人納得する。
そして、バンブーメモリーに話しかけることにした。
「それにしても、バンブーメモリーさん」
「はい?」
「今日もこれから始業までここに立つつもりですか?」
「あー、まあそうっすね、なんだかんだ遅刻とか多いし」
「ほう、遅刻・・・・・・でもまあ、学生と遅刻はイコールみたいなところもあるのでは?」
「いやいや違うっすよ、きちんとした行動はきちんとした結果につながるんで」
「なるほど、金言ですね」
「あはは、暑苦しいとかむさくるしいとか、よく言われるんすよね・・・・・・同室のやつに」
「同室・・・・・・たしか、シチーさんですか?」
「ええ、脚のケガとかでモデルの仕事も休んでいた時に、色々と話すことがあったんで」
「あの子、割とわがままでしょう・・・・・・よくついていけていますね」
「まあ、わがままを受け止めるのもルームメイトの役割みたいな感じなんすかねぇ」
笑いながら、まったく仕方ないなあという風に話す彼女を見て、彼は思う。
(人間出来てるなぁ、彼女)
会話を続けながら、そう思う。
彼女の同室はゴールドシチー。
その美しい見た目とは裏腹に、ストイックでレースにかける情熱は誰にも負けない、そんな子だ。
ストイックなところは我の強さにもつながり、我儘というよりひねくれた部分があるように思う。
もちろん、彼にとってはそんな面倒くさい部分も大変かわいらしく、頭をなで繰り回してあげたいくらいなのだが・・・・・・と彼は(そして全国のシチートレーナー諸君も)そう思っている。
とはいえ、当たりが強いと感じてしまう人もいる。
要するに彼女の素の部分、苛烈で強く勝利を求める棘のある部分を
受け入れられるか否かというのが、彼女とうまくやるコツ。
シチーのようなタイプとコミュニケーションをとる方法として樫本の下でそのように学んでいた。
だからこそ、バンブーメモリーはなんでうまくやれているのかと少し疑問だったのだ。
真面目だからこそ、シチーと衝突しそうな気がする、そう思っていたのだ。
(真面目だけど、おおらかなところもあるからこそ、上手にやれていると)
バンブーメモリーは真面目だ。
それは、朝早くからこの場所で、風紀委員として声掛け運動をしていることからもわかる。
そして、彼女は誰にでも優しい。
頼まれても嫌とは言わず、進んで風紀委員という面倒ごとを引き受けるような彼女だ。
しかし、彼女の所属する風紀委員は強引とか高圧的などという噂は全く聞かない。
それどころか、バンブーメモリーはそれが問題のある生徒でも、頭ごなしに取り締まらない。
理由をきちんと聞いてから、間違っていれば取り締まり、共感できるようならば口添えするというような事をよく聞く。
即ち、バンブーメモリーは熱血でありつつおおらかで、相手に先入観をあまり持たないやさしさを持っている。
「(そういえば彼女、先生方からの信任も厚かったっけ)」
「ほわっ!?」
驀進系委員長がやる気空回りで迷惑をかけることがあるのに対して、
バンブーメモリーはあまりそういったことを聞かない。
気合の声が大きすぎるという苦情が少しあるくらいか。
彼の記憶の中にある知識でも、オグリキャップに憧れたり、ライバル認定する人数が多かったり、
お化けを気合で退けたり、そういう可愛らしいところが沢山ある。
「(本当に、本当にこの子はもう)」
「あー、その?」
バンブーメモリーへの評価は、彼の眼から見れば、今時珍しすぎる、いい子という認識なのだ。
ウマ娘自体彼の視線から見れば、基本的にすごくいい子達ではあるが、
バンブーメモリーは輪をかけていい子な気がしてならないのだ。
「(とはいえ、あまり熱血し過ぎても疲れるんじゃないかなぁ)」
「ええっと、っすね?」
彼からしてみれば、燃焼しきって真っ白にならないか心配でしょうがない。
息抜きはできているのだろうか、きちんと休日は遊べているんだろうか。
熱血の裏でいらぬ苦労を背負い込んでいたりしないだろうか?
どうしてもそう考えてしまうのだ。
「マジで危なくなったら俺だけじゃなくて、周囲をきちんと頼るんだよ?」
「その、トレーナーさん?」
「うん、なんだい?」
「途中から声がものすげえ漏れてました」
「・・・・・・マジ?」
「はいっす・・・・・・あと、心配してくれてありがとうございますっす」
「おおう、もう」
彼は思う、何、この恥ずかしさ。
バンブーメモリーが少し照れ気味に、お礼の言葉を言ってくれる。
それがまた、トレーナーを気恥ずかしくさせるのだ。
そんなテレ顔を直視してしまったトレーナーは、つい口から一言漏れてしまった。
「かわいい」
「かっ!?」
「あぁ、その、失礼」
「あはは、かっこいいとか、凛々しいとかは言われるんすけど、その、驚いたっす」
頬を染め、耳をピンと立てながら気恥ずかしそうに頭をかくバンブーメモリー。
トレーナーもトレーナーで、ううむ、実に、その、なんだ、反応に困ると空を見る。
ちょっとした、気まずさの混じった時間が流れる。
ただ、いたたまれなさからくる空気ではなく、どこか気恥ずかしさが勝つ空気だ。
そしてトレーナーは逃れるように、ちらり、と腕時計を見る。
どうやら、結構な時間が立っていたようだった。
そして、バンブーメモリーも何かに気が付いたようだった。
そわそわとどこかを気にしつつ、彼に問いかけた。
「あ、トレーナーさん、そろそろ時間じゃないっすか?」
「あ、ああ、そうだね・・・・・・すまない、邪魔をしたようで」
「いえいえ、なんというか、その、いい時間つぶしになったっす」
ははは、とお互い笑い合いつつ、それじゃあと言いながら分かれる。
しかし、校舎に入ったはずのトレーナーが何を考えたのか引き返してきた。
手には鮮やかな緑色のハンカチとお茶のペットボトルが2本。
「何かあったっすっか?」
「いや、朝から仕事熱心な君達に、少し差し入れをとね」
「?」
不思議そうに首をかしげるバンブーメモリーに対して、彼は包を差し出した。
そして、彼女の耳に口を近づけて何事か話しかける。
バンブーメモリーからすれば、いきなりのことで戸惑い、驚き、尻尾まで逆立ってしまった。
しかし、彼の口から語られた言葉で何か納得したようで。
「わかりました、それじゃあ改めて行ってらっしゃいっす」
「ああ、ありがとう」
行ってきます、と彼は自分のトレーナールームに今度こそ駆けていったのである。
――――――(バンブーメモリー)――――――――
いやはや、フジキセキ寮長に聞いてはいたけど、なんというかアタシ達ウマ娘にすごい、
こう、距離感の近い男の人っすね・・・・・・大丈夫なんすかねえ、色々と。
そう思いつつ、アタシは手の中にある包と2本のお茶のペットボトルを見る。
そして、近くの茂みに向かって話しかけた。
「あー、シチー、そんなところで何しているんすか?」
「ッツ!?」
「あーほら、髪とか制服に葉っぱめちゃくちゃついているっすよ」
「あ、いいから、場所だけ教えてくれるだけでいいからっ!」
茂みががさりと揺れて、その中から葉っぱにまみれたシチーが出てきたっす。
さっき話している最中に、シチーの耳が茂みの中から出ているのが見えていたので、
まあ、聞き耳を立てているんだろうなとは思っていたっすが。
(わかりやすすぎっすよ、シチー)
ばつの悪そうな顔をして、葉っぱを落とすシチーを見る。
今、シチーは樫本チーフ率いる「チームレグルス」の「リハビリテーションチーム」に短期移籍しているっす。
シチーは、ジュニア期・クラシック期に仕事とレースの両立で無理しちまったせいで、
年末に足を疲労骨折したっす。
人間ならただの骨折で済むっすが、アタシ達ウマ娘にとって骨折は一大事。
精密検査を受けて、ほぼシニア期を棒に振る形になったっす。
まあ、その、仕事としてやっていたモデルも休業して、治療に専念したんすけど・・・・・・。
その際に、色々あって荒んだっす、ものの見事に。
で、その時にさっきのトレーナーに出会い、まあ、色々あってその、惚れたのかな、多分。
(アタシは知っている、シチーのウマホのカバー裏に二人で撮ったプリクラ写真が貼ってるのを)
好きでもないやつにそんなことしないっすからね。
さて、それじゃあこいつをいただきましょうか。
「ほら、シチー」
「? 何よ、これ」
「トレーナーさんからの差し入れっす、あと朝早く起きてえらいと伝言っすよ」
「なっ、何よ、もうっ、人の事子ども扱いしてッ!!」
おー、おー、言葉と顔がこれほど不一致なのも珍しいっすね。
ものすごい顔がにやけているっす。
人の恋路に口を出したらウマ娘に蹴られて死んじまうっすから、これ以上は言わないっす。
シチーに包の片方を渡し、あたしも包を開けるっす。
中から出てきたのは、固焼きオムレツとベーコンを挟んだサンドイッチ。
フランスパン風のバゲットに挟まれたそれは、すごくいい匂いがするっす。
「あむっ」
「はむっ」
二人で校門の影でかぶりつくっす。
まあ、風紀委員が立ち食いなんて、ほかの子に見られたら問題っすからね。
「おお、ウマいっ!」
「ほんとに腹立つぐらいおいしい・・・・・・」
バゲットとベーコンはカリカリ、固焼きのオムレツはその分食べ応えがあってよし。
レタスとオニオンは、水気をふき取っているのか、水っぽさのないシャキシャキっす。
更に、ピリリとした粒マスタードと溶かしたバターの風味が最高に美味しいっす。
タンパク質とカロリーが、一口ごとに空腹の体に染みわたっていくのがわかるっす。
シチーも眉間にしわ寄せながら、むしゃむしゃ食べているっす。
モデルやっていた時は、カロリー高めの朝食食べてなかったみたいだからしょうがないっすね。
ケガをした理由も、実際栄養不足からくる骨の強度低下だったみたいだし。
「ごくごくごく、ぷは」
「こくこく、ふう」
お茶を一息で飲み干して、朝食終了っす。
ほんの数分で食べ終わってしまったっす。
まあ、それぐらい夢中になれるおいしさという事っすね。
「シチー」
「何よ、隠れてた理由でも聞きたいの?」
「いや、そこは見当がつくしいいっす」
「それじゃあ、何?」
「道は険しいっすよ?」
「・・・・・・応援として受け取っておくわ」
「うっす」
それじゃあ、と言ってシチーも校舎に入って行ったっす。
さて、そろそろ寝坊寸前の連中が駆け込んでくる時間っすからね。
「風紀委員、バンブーメモリー今日も張り切っていくっすよ!」
取りあえず、朝食のお礼はどうしようかなあ。
しかし、一目見ただけで空腹かどうかわかるかなんて、トレーナーってすごいっすね。
(注1)
男性を守るためのコロンであり、男性フェロモンを抑える効果のあるコロン。
生徒の中には異様に鼻が利く生徒がいるため、それらの対策に導入された。
=====(おまけ)=====
トレーナーは『ウマ娘への目星』を使った。
1D100=1 クリティカル!!
トレーナーはバンブーメモリーが「朝食を忘れて空腹」であることに気が付いた!
トレーナーは『聞き耳』を使った。
1D100=1 クリティカル!!
トレーナーは茂みの中でゴールドシチーが聞き耳を立てていることに気が付いた!
更に、彼女のお腹が鳴ったことにも気が付いた!
トレーナーはお茶とサンドイッチを渡した!
バンブーメモリーとゴールドシチーの体力が50回復した!
トレーナーは軽食が「サンドイッチ」から「プロテインバー」にランクダウンした。
バンブーメモリーの好感度が10上がった。
ゴールドシチーの好感度が20上がった。
=====(おまけ2)=====
風紀委員、それは学園を守る最前線につく者たち。
今日は、その風紀員の仕事の一端をご覧いただこう。
なお、プライバシーに考慮し音声は加工させていただいております。
はいそこの君、何してるっすかぁ~?
いや、そこのアンタすよ。
【あ、えと、その、カレ・・・・・・私ですか?】
そうです、ちょっとカバンの中身見せてもらってもいいですか?
【えと・・・・・・はい】
おや、このホラーDVDは一体何ですかね?
友達の龍王に借りていたホラーDVDを返しに、それはいいっすね。
それじゃあ、なんでちょっとこっちの方を見ずに話すんすかねぇ~?
ちょっと詰所まで来ていただいてよろしいでしょうか?
ああ、それと後ろにいる万能勇者、こっちに来るっす。
【ひょわっ!? わわわわ私は何もしておりませんですよ!?】
その手提げの中身、見せてもらっていいすっすかね?
【え、あ、いや、そのそれだけは・・・・・・本当に、後生ですからぁ!!】
おやおやぁ~、なんでこんな『ウス=異本』が何冊も入っているんすかねぇ~?
【そのー、あのー、今度のウマケットの打ち合わせに、ハイ】
しかもこれ、全部R指定の新刊本っしょ、なんで?
【それは・・・・・・ごにょごにょ】
こっち見て話してくれないと聞こえないっす、詰所でお話聞いてもいいすか?
ふーん、このDVDケース2重底になっているっすね・・・・・・ほーん、メモリーカード?
中身を見せてもらってもいいっすかね。
【え、まままままままって、それはダメ、お願い、ダメっ】
え、ダメ、なんで?
【それは・・・・・・うう】
はい、没収っす。
で、これを渡すのは誰ですか?
【どりゃあっ、逃げますよカレンさん!】
【う、うん!】
うおっ、煙玉っ!?
ゴホっ、なるほど・・・・・・。
『こちら風紀委員リーダーのバンブーメモリー、ホシがわれた、総員突入準備』
『『『『了解!』』』』
――――――(どこかの空き教室)――――――
そこには、異常な雰囲気が漂っていた。
皆が皆、頭に黒い頭巾のようなものをかぶっており、そして、部屋はすべて黒幕で覆われている。
机は一つだけであり、その机の上にはなんと・・・・・・
『男性トレーナーの際どい写真及びDVDの違法な奴』とか『男性トレーナー×ウマ娘の薄くて違法な本』とかそういうのが山になっていた。
そう、ここは学園指定注意団体「三つ葉異界」の集会場だった。
常に空き教室を転々とし、また、陰の会員証の発行や欺瞞情報の流布等、様々な遅延工作によって、風紀委員の眼を欺いてきた団体だ。
彼女たちは、生徒会側からも注意団体としてマークされている。
即ち「彼とウマぴょい(隠語)に走る可能性がある」との事。
そんなことになったら一大事、まさにトレセンの沽券にかかわる問題だった。
そのために、バンブー率いる風紀委員がマークして、せん滅するための網を張っていたのである。
「さあ、同志諸君、今日も渡し合いを行おうじゃないか」
「「「「賛成、賛成、賛成!!」」」」
黒頭巾の一人がそう言った、そして同意の声が上がったその時。
「「ドぼ先生!!」」
「何よ!?」
「風紀委員が踏み込んでくる!」
「全員、撤収用意!!」
万能勇者「アグネスデジタル」と閃光乙女「カレンチャン」が猛スピードで転がり込んできた。
そして、ドぼ先生ことメジロドーベルが叫んだその瞬間。
「御用改めっす、神妙にお縄を頂戴するように!」
バンブー率いる風紀委員が踏み込んできたのは同時だった。
その後、まさに池田屋事件のように凄まじい捕り物が行われ、とうとう「三つ葉異界」の面々は御用となったのである。
バンブー以下風紀委員により、三つ葉異界メンバーは地下の強制勉強所通称「地下牢」に送られて、72時間の勉強付け合宿となった。
なお、これにより「どぼめじろう先生」は参加するはずだったイベントに参加できなかった。
地下牢には、彼女の「なんでよーっ!!」という叫びが響いたとか響かなかったとか。
そして、三つ葉異界の顧客リストを入手したバンブー達風紀委員の来年度予算は、大幅にアップしたのである。
「やあ、バンブーメモリー、今日もありがとう」
「まあ、風紀を守るのがアタシの仕事っすからね」
「寮長という立場上、表立って動けないからさ」
「それじゃあ、勉強合宿の方はよろしくお願いしますフジキセキ先輩」
「うん、任されたよ」
こうして、学園の醜聞は未然に防ぐことができた。
がんばれ、風紀委員、学園の存続は君たちにかかっているといっても過言ではないぞ!
―――VTR作成、秋山やよい学園長―――
―――編集及びナレーター 駿川たづな―――
====(おまけその2)====
(学園の秘密 その1)
風紀活動の取り締まり対象に、新しく「黄金新星のトレーナー」に関するものが増えた。
男に飢えている女子高ウマ娘達にとって、彼は「超優良」である。
ウマ娘と聞いても偏見や嫌な顔などしないどころか、優しく、自分を全肯定してくれて、
困ったときは全力で助けてくれて、迷ったときは自分と一緒に考えてくれて、
そのくせ重大な決断や判断は決して口を出さずに見守ってくれるのだ、そりゃあ目の色が変わる。
そして、バンブーメモリーと風紀委員は共に取り締まりを強化しているのである。
以下、取り締まったブツ。
・隠し撮り写真(容疑者多数)
・隠し撮り動画(容疑者多数)
・合成音声ソフト「彼が耳元でささやいてくれるシリーズ、ドS編」
・人工音声による再現ソフト「貴女だけのトレーナー君 バージョン2.5」
・彼をモデルとした純愛だけどアウトな同人誌「ウマ娘×彼」「彼×ウマ娘」
・彼をモデルとしたアングラ同人「彼を××××して自分しか見えなくする合同」
エトセトラ。
無論、これらが氷山の一角であることは言うまでもない。
感想はすごく励みになっております。
本当はすべてに返信したいのですが・・・・・・。
ですが、この場を借りて、見ていただいている皆様と
感想をくれた皆様にお礼をさせていただきます。
読んでくださり、感想を下さり、本当にありがとうございます。
お礼として、皆さんのご自宅に1分の1スケールのナインボールを
発送したんで、よかったら戦ってください。