ブライアおばさん   作:ちゅーに菌

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先に9割ぐらい書いてたんですが、よく考えたら、アーニャちゃんいるのにキス展開は不味いだろ――と黄昏パパ的に思ったので一度話を全消しして書き直しましていて遅れました申し訳ありません。


きす

 

 

 

 

「……ぅん………………すぅ…………」

 

(うふふ、良く寝てるわねぇ……)

 

 サヨ・ブライアは自身の腿をつねりつつ、アーニャ・フォージャーが彼女自身のベッドで寝息を立てている様子を朗らかな面持ちで眺めた。

 

 と言うのも今までユーリ・ブライアを歓迎していたアーニャであるが、先に仮眠していたとは言え、流石に小さな身体に長い夜更かしには耐えられず、座りながらうつらうつらと寝ているか起きているのかわからない状態になったため、こうして寝かし付けに来たのである。

 

(ア゛ッ――漏れる)

 

 そして、自身の腿をつねりながらアーニャの屈託のない純粋な寝顔を眺めていたサヨであったが、色々な意味で限界が来そうだったため、瞬時に一切の無音かつ衝撃を殺しながら自身の頭部を殴り付けた。

 

 その痛みにより己の思考を正気に戻すと、踵を返してアーニャの部屋から出て行き、小さく溜め息を吐く。

 

(さて……これで後は――酔っぱらい達(ヨルとユーリ)をどうするかだけねぇ……)

 

 子供に見せられない展開が続いているため、先にアーニャの方がダウンしたのは幸運であったとサヨは染々と考えつつ、アーニャの部屋を後にするのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いつものようにするだけさ、ヨル。さあ――」

 

(えっ? そりゃ、偽装のためには……でも……え?)

 

 ヨル・フォージャーは割りと絶体絶命であった。

 

 結婚して同棲から一年が経過しているというヨルとロイド・フォージャーもとい黄昏の設定にも関わらず、些細な様子から初々しい恋人のような反応を見せてしまった事がそもそもの始まりだ。

 

(キ、キス……!? キッス!? それって、えっと……。はっ、そうだ! 初めてのキスはレモン味だと何かで読んだことがあります! このマリネととても合いそうです!)

 

 それを不審に思ったユーリが、夫婦だという証拠を見せて貰うため、この場で二人のキスを求め、それが出来なければ役所に婚姻の撤回を訴える等と言い出した結果、先に覚悟を決めたロイドに迫られているのであった。

 

(はっ……落ち着くのですヨル! 気をしっかり持つのです! こう言うときはサヨちゃんが何か手助けを――)

 

「フッ……」

 

 ふと、ほぼ無意識にヨルが頼れる妹のサヨの方に視線を向けると、そこには半眼にニヒルな笑みを浮かべつつさっきまでアーニャが居た場所に腰掛け、ミニグラスに入ったブドウジュースを口に傾けているサヨの姿があった。

 

(サ、サヨちゃん!? なんですかその生暖かい顔は!? というか、それアーニャさんのコップでは!?)

 

 どうやら今回に限って、サヨは一ミリもヨルを助ける気はないらしい。むしろ、いいぞもっとやれ等と言わんばかりの態度である。

 

(そりゃ経験があると思われるサヨちゃんに比べたら私なんてその……。最後にしたのなんて、ホロ酔いでサヨちゃんに抱き着いたときに首とか顔とか唇とかにたくさんキスしたぐらいで……。た、たしかにキッスぐらい経験がないのは幾らなんでもおかしいと申しますか、私だって表面上はやっと落ち着いた訳ですし、むしろ当たり前にしている方が遥かに自然――)

 

「では……」

 

「ちょ……ちょっ、ちょっと待ってください!!」

 

 顔を寄せて迫るロイドから一旦離れたヨルは、ユーリの土産のワインを掴むと、その中身を一気に呷った。

 

(たしかに姉としていつもいつもサヨちゃんに頼るのはよくはありませんでした…………けれど、とてもシラフではできません!)

 

 ちなみに所謂イッキ飲みをしたが、ヨルが酔うまでのキャパシティは、精々400~500ml程度なので、とても酒に弱く実にコスパのいい女である。

 

「ひっく……お待たせしました……」

 

「え……はい」

 

 酒を飲まないように念押ししていたにも関わらず、それを忘れてかそれでもか、酒をかっ食らった様子にロイドは面食らい、ヨルの酒の弱さと酔い方を粗方知っているためか、彼女に耳打ちする。

 

『あの……イヤでしたら無理はしなくても……何か別の手を』

 

『いえこれは私のためでもあるのでがんばります。たまにはサヨちゃんにいいところを見せるのです』

 

「何をゴニョゴニョやっているんだ!?」

 

「いいぞ、もっとやれ。ひゅーひゅー」

 

(む――口笛吹けてない姉貴は可愛いなぁ……)

 

 ちなみにブドウジュースしか飲んでいない今日のサヨは無論、シラフであり、それどころかこれまでも少なくともフォージャー家にいる間は一度もアルコールを摂取していない。

 

「出来るか出来ないのか!? 本物の夫婦だと証明してみせ――」

 

 その言葉の途中で、ユーリの頬をフォークが掠め、それが彼の背後の壁に突き立ち、遅れて彼の頬が切れて細く血が流れる。

 

「お……あ……?」

 

「黙ってなさいユーリ。今からわらしたちのラブラブをみせつけてやるのれす」

 

「壁に穴空けてんじゃないわよ」

 

 至極真っ当な事を言うサヨであるが、既に言動と行動に酔いが回っているヨルにそれが届くことは無かった。

 

(それにしてもどうしてユーリはいつも自分から傷付きに行くのかしら……?)

 

 こうなるとどうにもならない事を知っているサヨは小さく肩を竦めると、まだ残っているロイドが作ったマリネの皿を持ち、キッチンへと避難する。

 

「いきますわよダーリン。ほら目を閉じなさい」

 

「ヨ、ヨル……さん……?」

 

「ね……姉さん……!!」

 

(マリネおいしい)

 

 ヨルからロイドにもたれ掛かり、髪を掻き上げて顔を赤くしながら彼の顔へと徐々に迫る様子を横目にサヨはマリネに舌鼓を打つ。

 

(見た目もさることながら味も良いわねぇ。ちゃんと手が込んでいる事がマリネ液から伝わるわ。最低限レモン汁と塩胡椒ぐらいでも一般的な家庭のスモークサーモンのマリネとは言えるけれど、このマリネ液はオリーブオイル・白ワインビネガー・砂糖・塩・黒胡椒に風味付けはバジルだけかしら? 後で聞いてみま――)

 

 

「ダメだ姉さんんんん!! やっぱりボクの目の前で他の男とキスなんて断じて許――」

 

(あああ、やっぱり恥ずかしくて――)

 

「ダメぇ――――――――!」

 

 

 スモークサーモンのマリネの方にサヨが意識を向けていると、凡そ人体から出たとは思えないような異音がリビングから響き、そちらに目を向けた。

 

 そこでは、結局キスは出来なかったヨルが照れ隠しでビンタを放ち、それが止めようとしたユーリに命中していたのである。

 

(姉さんったらこれまでよく日常生活で、堅気の人間を殺さないで生きて来れたモノよね)

 

 大の大人であるユーリが、ダメージが3桁超えた辺りで場外に吹き飛ばされたスマブラのキャラクターのように、空中を錐揉み回転して反対側の壁へ頭から衝突する様を眺め、サヨはそんな事を考えていた。

 

 ヨルとサヨの姉妹とひとつ屋根の下で暮らすという特殊な訓練を受けたユーリだから何とかなっているだけで、当たり前だが、常人に今のビンタが放たれれば胴体から首だけ千切れ飛ぶレベルの威力なのは想像に難しくないだろう。

 

「わかったよ姉さん……二人のキスを止めようとしたボクをここまで拒絶するなんて、よっぽどソイツとイチャイチャしたかったんだね……!」

 

 仮にヨルかサヨが放った全力の一撃でも、一度ぐらいならばクリーンヒットしても生きているであろうユーリは、直ぐに立ち上がると涙ながらにそんな事を言った。

 

「試そうとしたボクが愚かだったよ……。寧ろ試されていたのはボクの気持ちの方だったようだ……!」

 

「……? ……?」

 

「あの……それより流血が……」

 

「姉でもつけとけば治るわよ」

 

(コイツは何を言っているんだ……)

 

 よく分からない事を言いつつ、キッチンに避難していたサヨは、ユーリの横に戻り彼の頭をペットでも可愛がるように何度も軽く撫でる。

 

 そんなわけはないと考え、救急箱を取りに行こうとしたロイドは他ならぬユーリに呼び止められた。

 

「ロイド・フォージャー! ひとまず姉さんの唇は貴様に預ける」

 

「ちょ……!? もうっ、何を言っているんですか!!」

 

 その発言に顔を赤くしたヨルは、片手で赤らんだ頬に触れながらもう片方の腕を振りかぶり、照れ隠しの一撃が放たれ――。

 

 

「ダメよ、姉さん」

 

 

 同じくユーリを庇うように振るわれたサヨの片腕と衝突し、明らかに人体から出ている音ではない轟音とロイドが細かな大気の震えを感じる程の凄まじい衝撃と僅かな風が生まれ、互いの一撃が相殺された。

 

(………………なんだ今の……?)

 

 人間に対する物理法則(漫画ジャンル)が違うとしか思えない光景にロイドは唖然とし、それを引き起こした姉妹は互いに表情ひとつ変わっていないため、彼女らにとっては日常的なものだという事実を脳が理解するのを拒否する。

 

「既に私の弱攻撃二回受けてるから、姉さんの強攻撃二回なんて受けたら最悪死ぬわ」

 

(ブライア家ではこれが普通なのか……?)

 

 ロイドは自身がとんでもない家系に手を出してしまったのではないかと考えるが、それはあまりにも遅くまた後の祭りであろう。

 

「今日のところはカンベンしてやる。だが、しかし……次こそ姉さんをたぶらかしてるという証拠を見つけてやるか――うぉ……」

 

「大丈夫ですか、ユーリっ! あわっ……」

 

 ロイドへの言葉の途中でダメージが蓄積し過ぎたユーリはフラフラとふらついており、それを支えようと駆け寄ったヨルは酒が回っているせいで、ユラユラと足元が覚束無い様子である。

 

 しかし、姉弟が確かに偽りでない家族としてそこにあり、

 

 

 ユーリとヨルの二人はそのまま崩れ落ちそうになり、それを見兼ねたロイドとサヨがそれぞれの両サイドを押さえて支えて見せた。

 

「ふふっ……」

 

 その時、ふとロイドの目に入ったサヨの表情が優しげで見守るような笑みを浮かべており、自身もいつの間にか似たような表情をしている事に気付かされる。

 

「くっ、何をニヤケている!? そんなにボクの醜態が面白いか!?」

 

「ああ、いや……素敵な姉弟(きょうだい)だなと思って。ずっと三人で支え合ってきたんですね」

 

 そう言うとロイドは朗らかな様子で更に言葉を続けた。

 

「ユーリくん今までヨルさんを守ってくれてありがとう。色々と大変なこともあったでしょう。これからはボクも精一杯彼女を支えるので、皆で一緒にヨルさんを幸せにしましょう!」

 

「――――――」

 

(パーフェクトコミュニケーションよねぇ。実際、ユーリ的にもロイドお兄ちゃん以上の姉さんのお相手はこの世にほぼ居ないでしょう)

 

 サヨは目を細めつつ、ワシワシとユーリの頭を撫でる。

 

 サヨの行動に照れたのか、ロイドの言葉に彼なりの折り合いを付けたのか、ユーリはその場から飛び退くように離れた。

 

「だっ、誰が貴様の手など借りるか! もういい帰る!」

 

「また、いつでも遊びに来て下さい」

 

「い……言われなくてもまた来るさ! 次こそは貴様が姉さんをたぶらかしているという証拠を見付けてやるからな!」

 

「たっ……たぶらかされてませんっ!」

 

「いいか、ロイド・フォージャー!」

 

 荷物をまとめて玄関へ繋がる廊下の中腹に立ったユーリは、振り返ってロイドを恨みがましく見つめる。

 

 その時、何故かユーリと同じく荷物を既にまとめているサヨは、ユーリに悟られること無く気配を消しながら彼の真横へと移動していた。

 

「少しでも姉さんを泣かすような真似をしたらこのボクが貴様を処……えっと、あれだ……なんだ……兎に角、覚えて――」

 

「怪我人が走るな」

 

「――ふごぉ!?」

 

 ユーリが悪役の捨て台詞のような言葉を言い放ち、フォージャー家を去ろうと走り出した瞬間に、その首根っこを掴んで無理矢理停止させる。

 

 そして、軽々とユーリを片方の肩に担いだサヨは、ロイドに向き合う。

 

「ロイド兄さん。食器洗いとか任せて悪いけれど、そろそろ私も帰るわね。この愚弟は序でに私の車(サヨカー)で送っておくわ。道端で行き倒れられても困るし」

 

「ええ、いつでもどうぞ」

 

「チャオー」

 

「姉貴離し――」

 

 それだけ言い残し、サヨとユーリはフォージャー家から去っていったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ……」

 

 サヨが所有する銀のスポーツカーの助手席に乗せられているユーリは、道路の凸凹を踏んで少し車体が揺れた拍子に声を上げた。

 

 その光景を横目に眺めながら車を走らせているサヨは小さく溜め息を吐く。

 

「言わんこっちゃないわねぇ……。酔ってる姉さんは力加減を知らないし、普段も加減出来てるか微妙なのに煽っちゃダメでしょう?」

 

「はは……。そう言う姉貴も昔はスゴかったじゃないか。木を蹴って揺らして木の実を落とそうとして木をへし折ったり、背中を流そうとしてボクの背中を真っ赤にしたりさ」

 

「………………若気の至りよ」

 

 ブライア姉妹の怪力エピソードを若気の至りと言ってしまう事は、何か間違っていると思われるが、既に思い出のひとつになっている二人にとっては関係の無い事だった。

 

「私は怪物みたいなもの。ギリギリ社会では暮らせない化け物が、どうにか人間のフリをしているに過ぎないのよ」

 

「そんなことない。姉貴たちはいつだってボクのヒーローで天使だよ」

 

「調子の良いこと言っちゃって……。そういう余裕な態度をロイド兄さんにも見せるべきではなくて?」

 

「嫌だよあんな奴……」

 

「口ではそんな事を言っているけど、彼以上の存在を求めるのは酷だって事は、ユーリもわかっているのでしょう?」

 

「………………」

 

 その言葉にユーリは何も答えず、ばつが悪そうに窓の外を眺めるばかりだったが、その沈黙こそが答えであろう。

 

 それから暫く無言の間が続いたが、何か思い詰めたような様子でユーリの方からポツリと口を開いた。

 

「ひとまずは姉さんは幸せになった……とする……。けれど姉貴はどうなの?」

 

「…………十分幸せよ、私は。ユーリは独り立ちしたし、姉さんはやっと幸せになれる場所を見付けた。それ以上の幸福を求めるなんて欲張りよ」

 

「姉貴はいつもそうだ……。ボクとか、姉さんとか……沢山の子供とか、いつも誰かのためにしか生きてない」

 

 そう言うとユーリは寂しげで何かを恨むような表情でサヨを見つめ、絞り出すように言葉を吐く。

 

「もっとボクに力があったなら姉貴が()フィ()――」

 

「ユーリ、言っちゃダメ」

 

 彼のその思いは、サヨの言葉と唇へ伸ばされた人差し指によって遮られる。

 

 ユーリ・ブライアの裏の職業は秘密警察。それならば何処まで知っているのかは兎も角、サヨ・ブライアの仕事と立場を知らないわけがないだろう。彼女の仕事は後ろ暗く潰しの効かない仕事だ。

 

「……一体、何の事かわからないけれど、私はなるべくして今の場所に居るのよ。他でもない私の意思で勝手にね。だからいつか法の下に裁かれるのなら、何も知らない立派な家族の手柄になりたいわ」

 

「――――っ!」

 

 サヨの意思を聞いたユーリは目を見開き唇を強く噛み締める。そして、また絞り出すように言葉を吐く。

 

「そんなこと……ボクが出来るわけないだろ……! 姉貴は……人が悪い」

 

「うん、知ってる」

 

 そんなユーリを見たサヨはカラカラと笑う。それはまるで悪戯に成功した子供のように屈託の無い笑みだった。

 

「大体、力なんてあっても倫理観と理性のタガが外れるだけよ。法治国家の下に私刑なんて絶対にやっちゃいけないわ。例え何も……誰も助けてくれなくてもね。ヒーローは子供の中にしか居ないのよ」

 

 そんな様子のサヨを目の当たりにしたユーリは会話を止めると、ここではない何処か遠くを見つめるように窓から見える街並みを眺め、夜間にも関わらず家族連れが少なくない様子を目する。

 

 そして、ふとフォージャー家に居た頭にリボンを付けたピンクブロンドの髪色をした少女を思い出し、それに釣られるように口を開く。

 

「ちょうど、あのアーニャって子と同じぐらいだよね……」

 

「………………」

 

 その呟きにサヨは笑みを崩して押し黙る。そして、彼女にしては珍しく動揺したように視線をさ迷わせた。

 

「せめてあの()には会ってやったらいいんじゃないか……?」

 

 それを聞いたサヨは暫く何も言わず、何度も躊躇するように唇を震わせる。

 

 そして、ほんの少しだけ目線を下げ、漏らすように小さく溜め息を吐き、何かを嗤うように薄く笑みを浮かべながら口を開く。

 

 

 

「私なんかに……()()の資格はないわ」

 

 

 

 ふと、フロントガラス越しにサヨが眺めた夜空はしっとりと暗く、街中の人工の光に照らされ、星の無いそれはまだ夜明けにはほど遠く思えた。

 

 

 

 

 






※あらかじめ言っておきますが、この作品は基本的にはハートフルストーリーかつギャグ路線でパッピーエンドな予定です。


~ QAコーナー ~

Q:ブライアおばさんの話だからアーニャちゃんの学校での様子はやらないの?

A:サヨちゃん(27歳)由来のオリキャラを1名加えて学校の様子はやります。


Q:サヨちゃんの過去編やるとしたら滅茶苦茶ヤバそうなんだけど……?

A:原作再現



~スパイアイテム紹介(スパイとは言っていない)~

サヨカー
 アストンマーティン・DB5っぽい銀のスポーツカー。お金の使い途があまり無いサヨが、最新の戦車が買えるような金額を投じて特注したハイパー改造車。
 機関銃・可変ナンバープレート・スピンナー・せり出し式防弾装甲・煙幕・インジェクトシート・無線電話・武器格納庫・エアコン・4ドア・自爆装置などの各種装備がみっちり積まれている。
 このサヨカーのダッシュボードの収納には子供用のお菓子が常にストックされており、孤児院の裏手や人気の無い通学路でたまに見掛ける。車両自体が特にスパイ目的で使用された事はない。



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