東方異譚録〜万の神人紡ぐ糸〜   作:金柑太郎

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 こんにちは~。やっと受験が終わり、執筆を始める事ができました。最近は慣れない電車通学で、学校につく前にヘトヘトになってしまいます。早く慣れるといいなぁ〜


序章 現代
一話 月夜の一匹狼


「ぐはぁ!?」

 

真紅の液体が飛び散り路地裏のコンクリートをどす黒く染める。チャリーンと落下音がし、続いてドサっと人が倒れる音がする。

 

「おま‥え誰や‥。」

 

 すでにもう虫の息であろうヤクザ風な、がっしりとした体型の男が何がなんだかわからないというような表情をして刺された方向に視線を向ける。

 

「名乗る程のものじゃねぇよ。」

 

 犯人はひどく落ち着いていて冷徹な表情で男を見つめている。その目はまるで物を見るような目だった。

 

「殺し‥てや‥る。」

 憎しみを込められた視線をぶつけられても犯人は表情を変えない。

 

「死んだら殺せないだろ。」

 

 そう返すと落ちたナイフを手に取ろうとする男の手を革靴で踏みにじった。そしてナイフを拾ってカバンにしまうと、さり際にこう告げる。

 

「一つだけ教えてやるよ。冥土の土産だ。」

 

             「世の中、因果応報だよ。」

 

 そして犯人はベージュ色のコートをひるがえし、夜の繁華街へと姿を消していった。

 冷たくなった男の死体を残して。

 

 

 

 

 

 

 

 

「は〜あ。」

 

 長くそして重い溜息が人気のない公園に響く。

 

 今日は金曜日、西日がまぶしくなってくる頃合いだ。普段この公園は子育て真っ只中の母親達が子供を家に連れ帰って誰もいなくなり、シンと静まり返っているため、女の霊がでると噂になるくらいの不気味さである。

 しかし、この日の公園は違っていた。

 

「ブラック企業なんて消えちまえ!!」

 

 そんな叫び声が聞こえてくるのだから。酔っているのか目は虚ろで足取りはフラフラ情緒も安定していないようだ。

 自分で言うのもなんだが、別の意味での不気味さが充満している。

 親が単身赴任で一人っ子、貧しかったため大学に行けず、なんとか働き口は見つかったものの、まさかのとんだブラック企業。お先真っ暗ーズの一員だ。

 

 自分の不運を嘆いていると、ふと、「このまま俺は社畜で人生を終えるのか。」と不安が生じた。

 

「俺は会社の犬でおわりたくねぇ!!」

 

 そう叫ぶと、つい木でできた子供用の遊具に八つ当たりをしてしまう。殴りつけ蹴飛ばす。メキメキと音をたてた遊具が無惨にも地面に横たえようとしていた。つい誰もいないことをいいことに叫んでしまった。

 俺は小学生の頃から中学生まで親に無理を言って柔道や空手を習わせてもらっていた。あの頃は若かったな〜。本棚にはずらりとライトノベルが並んでいたのを覚えている。今は売ってしまってなく、変わりに本棚には自己啓発本がずらりと並んでいる。

 そして両武道の先生が二人ともいった言葉、それは

 

「無闇に武を奮うな。武道とは心が成就して初めてなるものだ。」

 

 俺も堕ちたもんだねぇ。

 一人感傷に浸っていると、我に返る。

 

「やっちまった〜!!(泣)」

 

このままだと俺は、「おさき真っ暗ーず」どころか「鉄枷真っ暗ーず」いや「汚物真っ暗ーず」になってしまう。

 どうしようかと一生懸命に思案するが良策は思いつかない。考えれば考える程ぐしゃぐしゃに思考の糸が絡まっていき、底なし沼にはまっていくような気がする。そして青い服と帽子を被った沼の主のスッポンが俺の耳元で囁くんだ、

 

「ジェイルへようこそ。」と。

 

 瞬間、ビィンッと音を立てて俺のなにかが弾け飛んだ気がした。脱力感を感じ、

 

「もういいや‥‥。」

 

 そんな諦めに満ちた言葉が口からボロボロこぼれ落ちる。それと同時に、言葉とは違うしょっぱい雫が目からこぼれ落ち、頬をつたい地面にシミを作る。

 それからはしばらく静寂がしばらく続き、公園はいつもの落ち着きを取り戻そうとしていた。

 

「星が綺麗だな。」

 

 ポロリと呟く。残念ながら学がないため星座などのその他もろもろの知識は無い。しかしそれでも素直に美しいと感じることができた。いや、無かったからこそ余計なことを考えずに直感的に美しいと感じることができたのかもしれない。

 空を見上げると傾きかけていた太陽はもうとっくのとうに姿を隠し、餅つきをしているウサギさんが俺を蔑んでいる。「負け犬」と。

 そのまま視線を落とすと、ふとブランコが目に入り童心を思いだした。年齢は定かではないが俺が小さい時母さんにブランコに乗っている自分の背中を押してもらってたっけ。温かい思い出が蘇る。

 でもそんな優しかった母さんはもういない。

 よたよたと歩を進めドカリとブランコに腰掛ける。あの頃とは違いもう社会人、膝が腰より高い位置にありとても不格好で漕ぎづらいが弾みをつけ、ギィと音を立てて漕ぎ出す。

 前よりも成長して筋肉がついているからか、思ったよりも速くブランコの振りが大きくなっていく。

 ついに振りが頂上に達し二、三回たった所で、

 

「あっ。」

 

 手がズルリと滑り、宙に放り出される。振りが最高にに達したブランコはそこそこ筋肉質な体をいとも簡単に持ち上げた。

 風景がスローモーションのように見えた気がする。

 

「ははっ、飛ぶのってこんなに気持ちいいんだ。」

 

 頬を撫でる風が心地良い。そう感じた瞬間、ガーンと鈍い衝撃と痛みを頭に感じ視界が真っ黒に染まる。すでに意識は遠ざかり体は眠りへと向かっている。

 

 今宵一人の青年が地に沈んだ。

 

 

 

 

 

 

 

「うぅん。」

チヨチヨと鳥の鳴き声が聞こえる。鳥の鳴き声で目覚めるとはこのことかと、ボーっとしながらメルヘンチックなことを考えていると、徐々に頭が覚醒してくる。気づくとそこは異世界だったなんてことはなく昨日どうりの公園だった。敷いて変わった所といえば昨日壊しかけた遊具が、風のせいか完全に死体になっていることぐらいだ。

 

「はっ!」

 

 こんなことをしている場合ではない。昨日はお酒が入っていたためだいぶおかしな行動をしてしまったらしい。酒は飲んでも呑まれるな。こういうことなんだなぁ〜。

 って早く家に逃げないと。

 両手を地につき力を込めて立ち上がろうとすると、ズキっと頭が痛む。二日酔いのせいだろうか?そう思うとなんだか急に吐き気が込み上げてくる。

 

「うぉぇ。」

 

 中身は出なかったが酸っぱい胃酸が口に残り嫌な感じになる。

 

「ちっ。」

 

 盛大に舌打ちをすると力の入らない体を根性でどうにか起こし立ち上がる。脳裏にべったりとまとわりつくトラウマをふりはらうかのように首を振りパンパンと自分の頬を叩く。

 これでよかったんだよな。

 

「母さん‥‥‥。」

 

 幸い青服青帽子の公務員は来ていないようだ。夜の間は公園に誰も来なかったらしい。もしかしたら不審者扱いされて避けられただけかもしれないが。

 このあたりは公共施設がなく住宅街のど真ん中のため、見た限り防犯カメラは無さそうだった。

 

「準備は整った。」

 

「逃〜げるんだよ〜!!」

 

 そんな素頓狂な声は朝の静かな住宅街に木霊し、遠くの方の電線に止まっていたカラスたちを驚かせバサバサと一斉に飛び立たせる。まぁ防犯カメラが無くても車とかのドライブレコーダーを見れば、すぐ犯人は特定できるんだけどね。

 そんなことは当の本人は知るよしもなく、土日の人数の少ない人混みの中へと紛れ込んでいった。

 

 

 

 

 

 

 どうもおかしい。おっとと、話に入る前に俺の名前を教えていなかったな。

 どうもこんにちは~。鬱系youtuberの(やしろ)犬斗(けんと)ではなく、鬱系会社員の社犬斗です。

 少し俺の名前についての話をしよう。

 

「なんで犬なんだよーーーーーー!!!!!!!!!!」

 

 犬斗だったら賢斗とかあるだろ!!犬て、まるで会社の犬を体現しているような名前じゃないか。俺が小1のクラスでの初めての呼名で、担任の爺さんが俺の名前の時だけクスッと笑って呼んだこと。今でも忘れない。

 もし今が戦国時代なら首を切って、さらし首にするね。っていうのは冗談だけど、それだけ嫌だったって事だ。母さんに抗議したこともあったが、

 

「親が決めたことにグチグチ言うな。」

 

でいつも逃げられてしまう。この質問をすると何故か母さんは悲しそうな顔をするのでそれ以上突っ込むのはやめようと思ってしまうのだ。それも母さんの策略なのかものしれないが。

 

 あの年の桜は綺麗だった。あたり一面が鮮やかなピンク色に染まり、桜の甘い匂いがそこら中に立ち込めていた。

 驚くほど桜の甘い匂いがしたのを覚えている。今でもこの香りを思い出すと、胸がキュッと締め付けられるような哀愁がドッと押し寄せてくる。

 母はもういない。その現実を突きつけられた時は、世界が全て灰色になってしまったような気がした。

 

     このとき、初めて死神っているんだなと、いっぱいいっぱいの頭の片隅で思った。

 

 おっとっと、話が脱線してしまった。いや脱線を超えて話が横転してしまった。話をもとに戻すと、何かおかしい。俺は今周りから妙な視線を感じている。通り過ぎていく人は皆俺の顔を見ては、顔を伏せて逃げるように早歩きで去っていく。

 

 なぜだ?

 俺の顔に何かついているのか?

 

 気になったので近くの公衆トイレの鏡で確かめることにした。生ぬるい風が頬を撫でる。ふとなんだか嫌な予感がしたが、これはフラグなのか?そんな事を考えながら、その気を振り払うように鼻歌を刻みながら、冷たく冷めきったアスファルトの上をゆっくりと歩いた。




 自分で読んでいて下手だなぁと泣きたくなって来ます。これから頑張ってタイピングにも慣れていい文章をかけるようにがんばります!
 おっと親の足音が聞こえる。(ガチ)ということでまた次回会いましょう。さらば!!
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