いた<て普通のラブコメ   作:君の心を因数分解

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VOICEVOX実況「浮気なんて酷い!」
ゆっくり実況「わたしはしょせん、あそびだったっていうの?」

プレイ動画「楽なんです!! 何より編集が楽なんです。インパクトのあるシーンはたくさん撮れてるし、私はカットするだけで良い。"再生位置で分割" "選択" "削除して左寄せ"。こんな感じで良いのです。さらに良いゲームを選べば、実況よりも再生回数が増える! 何よりこの動画は……自分で見返せる。今まで、ありがとうございました」



VOICEROID実況「誰がこのパロディ分かるんだよー!」


ロースピードアクションラブコメディ! 略してIS! ついでに、あの娘のメアドをゲットだぜ!

 元来、人間というのは7つまでしか数が認識出来ないという。だから0~9の中では7は孤独だし、7は古来から縁起の悪い数字とされて来たし、鋼人七瀬も虚構の怪物だ。

 よって入学式とかの校長先生の話は7分以内、文字数なら1ウィンドウ40文字以内にするべき。

 自分は体育座りをして体育館の壇上を見上げていた。新入生のA組、そして出席番号二桁。最前列だから首が痛くなる。よって顔面は校長先生の方を向かず、思考も外を向かず内向的に行こうと思う。別に話を適当に聞き流そうとううわけではない。考えるべきことがあるのだ。多分。

 まず、考えるべきは───

 

───何故、世界の色素はこうも歪んでいるんだ。

 

 自分が入学式……というか校門から校内へ足を踏み入れた瞬間に感じたのは『カラフル』だった。ClariSの曲ではない。色とりどりのカラフルだ。

 道行く新入生達の髪の毛の色はマーブルチョコのごとくカラフルっていて視界が華やかなことこの上なかった。

 とにかく色とりどりだったのだ。例えば、

 ピンク、緑、レッド、青、スカーレット、若緑、ヴェール、水色、紅緋、オリエンタルブルー、黄緑、マゼンダ、菊塵、ブルー、桜、クリムソン、若草、シアン、常磐、グリーン、紺青、桃色、アクアマリン、撫子、シクラメン、瓶覗、ビリジアン、鶯、牡丹、ローズ、ベゴニア、ストロベリー、ガーネット、エメラルドグリーン───

 …………赤、青、緑ばっか!

 

 前話の次回予告コーナーで触れるって言ったから触れている……というわけでは決してないのだけれど、これはどうやって説明を付けるのだろうか。

 そんなエレベーターよりも下らないことを(エレベーターは下るけど)考えていたら、校長先生が話し始めた。

 

「この世界の髪の毛色素はなぜこんなにカラフルなのかという問題について前話の次回予告ネタで触れたこととは特に関係はないけれど気になる……皆さん、そんな顔をしていますね」

 

 どんな顔だ。そんなピンポイントな顔があって堪るか。恐らく全新入生の気持ちが一致しただろう。

 というか、これはツッコんでいい話題なのか。いくら本作がメタネタを扱うような作品だからといって、そんなディープでセンシティブな話題に突っ込んでも大丈夫なのか。いや、センシティブではないけれど。

 

「それについては私から説明しましょう」

 

 何でだよ。またしても全新入生の気持ちが一致したことだろう。

 自分の疑問を読み取ったかの様に校長先生は続けた。

 

「どんな時も生徒の疑問に答える……」

 

 そう言われるとちゃんとした教師のようだが、全然そんなことはない。流石に騙されないぞ。

 

「……義務を投げ捨てて集会の時に無駄な話を長々とするのが校長だからです」

 

 そう言われるといかにもパブリックイメージとしての校長っぽい。が、そんな者を校長なんて言ったらちゃんとした校長先生から怒られると思う。 

 

「校長先生! 質問があります!」

 

 と、ここで体育館に声が響いた。何事かとざわざわしはじめる生徒達。そのざわめきを制すように校長先生は応じた。

 

「良かろう。新入生。ただし、次からは挙手するように」

「挙手しました!」

「ああ、そうか……生徒がゴミの様で分からなかったよ」 

 

 酷い言いようだった。早くクビになれ。さもなくば炎上しろ。ファイヤーだけに。

 ……酷いダジャレだった。

 と、そんなエレベーターよりも下らないことを考えていると、入学式の校長挨拶に質問という前代未聞の強靭なメンタルを誇るであろう生徒の声が後ろから聞こえてきた。

 

「先生のお話、長くなりますか?」

 

 校長先生の話が延長する=閉会時間が遅れる。後の行動スケジュールを組み立てるためには、どれぐらい話が長いかを知らなければならない。電車の都合でもあるのだろう。

 ……いや、そんなわけはないよね。

 

「なる」

 

 校長は悪びれもせずに言った。ちゃんと時間内に収めてくださーい。

 

「……つまり?」

「入学式が長くなる」

 

 校長先生の答えは変わらなかった。

 一瞬、間が空いた。

 

「…………要するに?」

「えっ、今ので伝わらなかったの? 校長先生、最近の若者にちょっと心配」

 

 話が長くなることを認めたくなかったんじゃないかな。現実逃避の一種と言いますか。あと、最近の若者にちょっと心配なのは最近の若者も同じなのです。

 

「……話は終わりで良いですか?」

「あぁ、うん……いや、まだ始まってすらない!」

 

 話はオチまで行ったみたいだ。口を閉じた校長先生をチラッと確認した教頭先生が式を進行させた。

 

「では、続きまして。担任紹介……ですが、その前にひとつ」

 

 担任紹介とかって、男か女か、若いかそうでないかぐらいしか見ないんだよね。どうせ詳しい紹介は教室で各自がするんだし、いらないと思う。こういう風に無駄が多いのが、入学式の類いが長くなる理由のひとつなのだから。

 しかし、スケジュールに反してまで急遽ねじ込むような事とは何だろうか。これはかなり重要な話の気配がする。

 

「えー、教頭先生。実はこの春休みで腹話術を覚えました」

 

 心底どうでも良かった。

 と、心底どうでも良かった内容に呆れる生徒達を横目に、教頭先生は何かを手に嵌めた。緑色のカエルの人形と、白黒カラーの牛の人形だった。

 

「パペットマネッコ」

 

 真似っこなんて言葉じゃ隠しきれない程のパクり!

 

「やぁ、左手のチャーミングな緑色の僕は『キリマンジャロ』!」
「右側のぶっ飛びモノトーンのボクが『フロッグ』!」

 

 逆じゃないのか、それ。何で牛さんの方がフロッグなんだよ。というかキリマンジャロの由来が気になる。

 心底どうでも良い内容の割に意外と生徒受けは良好だったらしく、生徒達から軽い笑い声が上がった。それと同時に生徒の中からまた手が挙がった。

 

「なぜカエルがフロッグじゃないんですか?」

「牛を英語で言うと何だと思いますか?」

 

 質問に質問で返す教頭先生。牛の英語か……『cow』だった気がする。

 挙手した生徒は少しの間、沈黙した。

 

「…………分かりません……!」

「そうですか」

 

 落胆したかの様に項垂れた教頭先生は、マイクに向かって特大の溜め息を漏らした。

 

「教頭先生も分かりません……」

 

 分からないのかよ。いや、何で"牛の方の名前がフロッグだったか"の答えとして、この質問をしたんだよね? ということは、その理由は『牛を英語で言うと何になるのか分からなかったから』だ。

 ……え? 何で牛さんの名前がフロッグになったの?

 

「そうですか……だから、牛の方がフロッグだったんですね……まさかそんな深い理由があるなんて…………!」

 

 どんな理由だ。今のところ、Aカップ並の深さだぞ、理由。

 教頭の左手のキリマンジャロくんがマイクに近付いた。

 

「続きまして、OB団長の挨拶」

 

 OBの方の挨拶なんてあるのか。まぁ、OBならそんなに長くは話さないだろう。

 壇上に上がったOB団長は一礼し、喋り始めた。

 

「えー……新入生の皆さん、入学おめでとう。疲れたでしょう。アイシングの準備をしといて下さい」

 

 どんだけ長く話すつもりだよ。アイシングが必要なレベルって何時間話すんだ。そんなに内容ないだろ。

 

「ワシの頃は……」

 

 あー、自分語りパターンだ!

 どんな人間であれ、自分語りは長くなるものだ。しかも、こういう話題を用意してくる人は大概、時間を気にしない。

 OB団長のパターンを感じて諦めムードになった生徒の中から声が挙がった。

 

「質問良いですか!」

 

 またお前か、とは誰も思わない。いや、十中八九思っただろうが今の生徒が気持ちはひとつ。「早く式を終わらせてくれ」に尽きる。とっとと終わらせてくれるなら誰でも良かった。

 

「おう! 元気な新入生、その意気や良し! だが……ワシの話を遮るとは恐れ知らずな奴よ……!」

 

 ニブニブニブ···と唐突にOB団長がバトル漫画の様な台詞を繰り出した。しかし、OB団長というのは学校のお偉いさんに顔が聞くのだろうか。はたまた団長さん自体がお偉いさんか。どちらにせよ、あまり良い話ではなかった。

 

「団長さんのお話は長くなりますか?」

「当然よ……ッ!」

 

 当然にしないで欲しい。

 

「それが我が校の伝統なのだからなッ!」

 

 伝統にしないで欲しかった。

 

「でも、伝統という形に縛られて目の前の人間をないがしろにするのって良くないと思います」

「黙れ、ワシの1/10も生きていない若造が!」

 

 ギネス記録でも1/10したら12、3歳にしかならない。

 

「ですが、年齢は───」

「ええい! ワシに口答えするとは、ここの新入生じゃないわ!」

 

 とんだ暴論だった。口答えしただけで最終学歴中卒とか嫌過ぎる。

 

「な、な…………!?」

 

 あまりに斜め上の怒り方だったせいか、生徒の人も戸惑っていた。とても混乱しているようだ。そりゃそうだろう。傍観者たる自分ですら驚いているぐらいだ。当事者だったら驚き桃の木山椒の木だろう。

 生徒さんの呟きは静まった体育館によく通った。

 

「なんで、私が替え玉受験で受かったことを……!?」

 

 驚き桃の木山椒の木!

 

「替え玉!!? ……そうじゃ、お主のことなんて最初っからわかっとったわい!」

 

 無茶苦茶素直に驚いてたじゃん。「替え玉!!?」って。ビックリマーク2個も付いてたら流石に誤魔化せないよ?

 

「おい! 校長! この卑怯者を連れ出せい!」

 

 OB団長が校長先生に向かって叫んだ。それを聞いた校長先生は素早く近くの男性教員に声をかけると、壇上に上がった。

 

「あなたは本当に替え玉受験で合格したのですか?」

「……はい」

 

 ちなみに今年は何年かに一度の不景気な年だったそうで、定員割れしている。替え玉は不要だった。勿論、替え玉をバラしたのが一番不要だったけど。

 

「ということは関係者ではない人間が、この学校の敷居を勝手に跨いだことになる」

「……はい」

 

 チラリと振り返ると替え玉さんは神妙な顔で校長先生の話を聞いていた。この学校の制服ではなかったが、乱雑な短髪とズボンを履いていることから男子生徒だと確信できる。

 ……いや、違う学校の制服じゃん! 何で今までスルーされてたの!?

 自分の驚きをと余所に話は進む。他の生徒は「どうでも良いから早よ終われや」という顔をしていた。

 校長先生がスタンドに置かれていたマイクを持った。

 

「…………これが本当の侵入生、なんちって」

 

 羊達の沈黙

 

「悲しみに包まれた体育館。校長先生は悲しいです。というわけで歌います……」

 

 どういうわけだ。というか、歌うためにマイク持ったのか。

 まぁ、校歌斉唱をとっととやってくれるならありがたい。式が終わりに近付いている証拠だった。ちなみに替え玉さんは屈強な男性教員2人によって連行された。

 

「曲名は……『もってけ! セーr「はい、校長先生、お時間になりました」………校長先生からは以上です」

 

 何と教頭先生が無理やり止めた。いや、良いよ? 早く終わらせてくれるのはね?

 でも、校長先生の『もってけ! セーラーふく』聞きたかった。チョイスが意外過ぎるだろ。60後半のおじいちゃんがらき☆すた知ってるの桃の木どころかモチモチの木でしょ。

 しかし、遅延行為の一端を担っていた教頭先生が無理やり止めるレベルの歌唱力なのか、校長先生……まぁ、曲自体がアレだけど。

 

「えー、はい。皆さん、色々ありましたが本校はこういう学校ではありません。以上です」

 

 そういえばどんな学校かすら言ってないぞ、この大人達。仕事しろよ。

 まぁ、結果的に短く終わったから良し……かな?

 

「では、これにて入学式を閉会します。イッチ年生は教室に帰る準備をして下さい! イッチ年生は教室に帰る準備をして下さい!」

 

 教頭先生、ちょっとハグリット入ってんなぁ……と自分が考えていると、背中をチョンチョンとつつかれた。

 振り返って見ると、神崎さんだった。淡い緑色の髪が揺れていた。可愛い。

 

「あ、神崎さん。何ですか?」

「何で出席番号二桁なのに一番前なんですか?」

 

 さぁ? そんなこと聞かれても知らないとしか言いようがない。確かに出席番号が若い神埼さんが後ろにいるのは変だ。が、出席を取るという目的を考えれば"どうでもいい"ということで。

 

「話、進んでませんね」

「……そうですね」

 

 神埼さんは自分がひしひし感じていた問題点を突いた。そうなのだ。今話も雰囲気や字数からもうそろそろ終わりそうな気配を見せている。しかし、一向に話が進んでいない。

 

「進めましょうか?」

「えっと……出来るんですか?」

「はい」

「じゃあ、お願いします」

「では失礼します」

 

 神崎さんは一旦、制服の中をゴソゴソまさぐると「Hな描写禁止条例はスリーストライク法なので、もう2回やったら分かってますよね」……これ、アウトなんですか? むしろこれをアウトと考えるそちらの頭がアウトなのでは? 思考が男子中学生!

 って、ちょっと待った。地の文貫通は流石に辞めて下さい。ラブコメ出来ない。

 神崎さんは自分にペコリと一礼。それからケータイを目の前に出した。デコってない淡い緑色の髪のシンプルケータイだ。

 

「メアド、教えて下さい」

 

 ……ちょっと待った。待ったはそんなに乱用出来ないのは分かっている。でもあれだ。

 ツッコミ所が多過ぎる。

 

「1回全部ツッコんで良いですか?」

「2ストライク追い込んだ-!」

「奈良判定! チャレンジを要求しますよ!?」

「はい。冗談は置いといていつか使うとしますね」

 

 二度と使わなくてよろしい。そして思考が愚直!

 自分は軌道修正を試みる。

 

「そのまま置き場所は焼却炉にして下さいね。えー、では、行きます」

「アムロ?」

「行きまーすっ!! いや『いつか』が早い! あのですね? まず、何でメアドなんですか?」

 

 いつか使うって10秒も経ってませんよ、神埼さん。

 どさくさに紛れて1つツッコミを入れることに成功した。

 

「あ、赤外線通信が良かったです?」

「そういう問題じゃないです。LINEとかありますよね?」

「(そんなの)ないです」

「な、何で……?」

「描写から分かりませんか? 『ガラケー』の時代ですよ?」

 

 突然だが、科学は常識を疑う所から始まるという。既存の形に捕らわれ、目の前の真実をないがしろにしてはいけないのだ。古事記にそう書いてある。嘘だ。

 でも、だ。

 これは常識外れではなく、荒唐無稽の類いだ。

 

「時代設定おかしいです……」

「あ、時代は2022年ですよ?」

「紛らわしいっ!」

 

 そういうわけで自分は好きなあの娘との連絡先をゲット。ニセコイとかでも小野寺の連絡先を手に入れるのに苦労してた所を考慮すれば幸先は良いハズだ。

 良いと思い込まないとやっていけないわ、これ。

 

 


 

 

OB団長「お前、愛米の生徒じゃないな。一体何者!?」

シンニュウ生「えと……ボクは……」

校長先生「嘘をつくなー! 一人称を変えるなー!!」

シンニュウ生「まだ、何も言ってないのに!」

歩夢「もしかしてまた厄介事に巻き込まれて……?」

 

今回、いた<て普通のラブコメ

『ロースピードアクションラブコメディ! 略してIS! ついでに、あの娘のメアドをゲットだぜ!』

 

歩夢「神崎さんはもう少し自重しないと幸せ、掴み逃すと思います……」

 

神崎さん「君は小宇宙を感じたことはあるかっ!!」

 

歩夢「言ったそばから…………ん? 今話予告!?」

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