GATE 近未来日本国国防軍 彼の地にて斯く戦えり   作:国防アレキサンダー

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どうも、匿名投稿の国防アレキサンダーです。

この小説は、同じくGATEと近未来日本のクロスオーバーである『GATE SF自衛軍彼の地にて斯く戦えり』に影響されて書き始めました。
こちらはCoD:AWやドールズフロントラインを中心に近未来世界を構築していますので、楽しめたらと思います。


2022/12/11
本日、本小説の大規模改稿を開始しました。
第一戦役、第二戦役の話はほぼ最初から書き直しておりますので、また楽しんでいただけたら幸いです。


第一戦役 銀座事件編
EP.01 銀座事件、接触


日本国 首都東京 銀座

 

 その日は夏の暑い日であったとされ、今年最初の猛暑日を記録していた。気温は28°、2020年代と比べるとかなり涼しい数値だが、地球規模の災害が起きた2055年の日本にとってはこれでも猛暑に数えられる。

 多くの人々が休日を楽しむのは東京、銀座の繁華街。多層に広がったビルや高速道路が空を包み、摩天楼の壁にはホログラムの文字が浮かぶ。

 ギラギラと光る太陽が頂点に達し、時刻が正午になった頃。

 

 銀座四丁目の交差点にそれは現れた。

 

 中世の世界観に出てくるような、巨大な門。

 

 それは後に「ゲート」と呼ばれる様になる。

 

 ホログラムだろうか?かと思ったら実体がある。見物人が多数、何事かとそれを写真に収めていた。

 無論、第三次世界大戦を経験した危機管理能力のある市民により警察に通報がなされたが、すでに遅かった。

 門が開き、中から異形の怪物が飛び出してきた。オークやトロル、さらにはリザードマンやゴブリン、果てには空にドラゴンが舞い上がり、それら怪物は集まった群衆を老若男女問わず殺害し始めた。

 彼らは暴れまわり、その後に来た中世の騎士の様な人間は宣言した。

 

「蛮族どもよ!!よく聞くがよい!!我が帝国は皇帝モルト・ソル・アウグスタスの名においてこの地の征服と領有を宣言する!!」

 

 彼らは異世界の軍勢で、門の先の世界において最強の帝国だった。向かう所敵なしで、その先が異世界であろうと帝国の勝利に終わると考えていた。

 

 しかし、彼らの予想はあまりに滑稽で無知であった。

 

 門の先は、彼らの常識の通用しない遥か上の存在であると。そして、繋がった先の国は恐ろしい技術を持つ国家であった事を。彼らはその身を持ってして思い知ることになる。

 

 

 

 

 

 

事件の数分前

東京 新橋駅

 

 伊丹耀司は自他に認める『オタク』である。

彼は言う、「自分は趣味のために生きている」と。彼にとっての第一は「食う寝る遊ぶ」であり、その間のちょっとの時間が人生なのだ。

 その日は伊丹が毎年欠かさず行っている日本最大級の同人誌即売会、その1日目の開催日であった。彼は念入りな情報収集とルート検索に基づき、一番乗りで行くはずだったが……

 

「やっべえ、寝坊がこんなに響くなんて!」

 

 その日は彼にしては珍しく寝坊してしまった。職業柄、そしてオタクという趣味の傍ら、寝坊するなんて事はあり得ないのであるが、今日はそうなってしまったのである。

 

「とにかく、次のゆりかもめに乗らんと昼の部に間に合わない!!」

 

 遅れはしまいと急いで走る伊丹であるが、曲がり角の先で誰かの人影が見えたかと思うと、そのまま正面から衝突した。

 

「うおっ」

「きゃっ」

 

 どうやら衝突したのは女性の様で、高い声で悲鳴をあげる。やってしまったと思いつつ、痛む頭を抑えて伊丹は謝ろうとする。

 

「すみません……大丈夫ですか?」

「ちょっとイタミー、目の前くらい気をつけろよな?」

 

 と、相手の女性が自分の名前を呼ぶのを聞いて、伊丹はハッとした。こんな名前で呼ばれるのは、伊丹の知り合いである。そして、数少ない女性の知り合いでこんな口調なのは……

 

「あ、42式じゃないか!」

「"あ"、じゃないよ全く……」

 

 42式、と言う変わった名前で呼ばれているにも関わらず受け流す女性。

 彼女は造られたかの様な美人であり、茶髪の髪を結ってまとめている。服装は夏らしい半袖であり、露出も多く日焼けなどは気にしていない様だ。

 そして伊丹からぶつかってきたにも関わらず、42式は気にせず接する。彼女はまず急いでいた理由を聞き出した。

 

「何をそんなに急いでいたんだ?」

「あー、すまん。同人誌即売会に一番乗りしたくて急いでた」

「うわぁ、ないわー。オタク趣味のために人にぶつかるとかないわー」

「うぐっ」

 

 42式の抗議の声に刺さるものを感じつつ、伊丹は先を急ごうと別れようとする。

 

「とにかく、俺急いでいるから先行っていい?」

「えー、お詫びになんか奢ってよー」

「悪いけどツケといてくれ、頼む!」

「……言っとくけど、ゆりかもめは止まっているぞー?」

「え?」

 

 伊丹にとってゆりかもめは、目的地までの直行便である。新橋駅から乗り換えでゆりかもめに乗っているのだが、止まっていると聞いて42式に聞き返す。

 

「マジで?」

「マジ、なんか数分前に突然ねー。あと、レインボーブリッジも封鎖されたって」

「は、はぁ!?マジでぇ!?」

 

 伊丹の目的地である有明までには、必ずレインボーブリッジを渡らなければいけない。そしてその要であるゆりかもめも止まっているとなれば、到着は相当遅れてしまう。

 

「嘘だろ……何が原因だ?」

「それがねー、分からないから現在調査中なんだってさ」

「出た、いつもの決まり文句」

 

 別に鉄道会社を非難するわけではないが、それでも生命線である橋と鉄道が止まっている以上、いける手段は限られてしまう。

 

「2日目もあるんだろー?明日にすれば?」

「いいや!今日と明日じゃ売っている内容が違う!今日の分は見逃せない!」

「ええ……」

「それより教えてくれてありがとうな!別のルートを探すぜ!」

「あ、おい待て……」

 

 と、そうして伊丹が42式と別れようとした瞬間、近くの巨大な窓の外に黒い大型の影が映った。一瞬足を止めてその方向を見ると、影はこちらに目を剝き口を大きく開けている。

 

「なんだあれ……?」

 

 42式もその陰に気づいたらしく、その方向を凝視した。窓の近くに大勢の人間が集まり、何かを見ている。

 その窓の外にいたのは、巨大な翼で空を飛ぶドラゴンであった。そして、そのドラゴンはこちらに口を開け、口の中から火の玉を……

 

「あぶねえ!」

 

 とっさに伊丹の身体が動いた。42式の体を守るように覆いかぶさり、守ろうとする。その瞬間、熱波と衝撃、そして悲鳴が新橋駅の構内を包んだ。

 

「いてて……大丈夫か?」

「なんとかー」

 

 何があったのかは想像がつく。先ほどまで野次馬が集まっていた窓の近くは、炎で覆われていた。無論、そこにいた人々は焼け焦げ、今なお燃え盛っている。周囲はその攻撃にパニックになり、一目散に逃げ始めた。

 

「なんだよこれ!?」

 

 普段の仕事柄、死体を見慣れている42式ですらそんな声を上げた。彼女が驚愕しているのは死体にではなく、いきなり攻撃してきたドラゴンに対してだろう。あんな生物は見たことがない。

 伊丹と42式はとにかく外へ出た。その先では人ではない異形の怪物たちが、逃げる市民を追いかけていた。そして、その市民たちを矢や刀剣などで殺害し続けている。

 

「くそっ!こんなのテロ事件じゃないか!」

 

 伊丹は叫んだ。市民が虐殺されている現状に、42式も怒りを覚える。

 

「くそっ……ゆりかもめもレインボーブリッジもコイツらのせいか!」

「伊丹!これヤバいよ!」

「そうだ!どこかに避難できるところがあれば……」

 

 伊丹は携帯式のホログラム端末を取り出し、地図アプリを開いて検索を掛ける。そしてその中から指をさして、避難できそうな場所を探した。

 

「そうだ皇居だ、そこに市民を避難させれば!」

「皇居だねー!よし、みんなを避難させよう!」

 

 意を決すると、伊丹は駆けだした。なんとかしなければならない、この後の展開が渦を巻くように想像できる中、伊丹にはやらなければならないことがあった。

 

「みんな、逃げろ!ここは危険だ、すぐに!!」

「に、逃げろってどこに?」

「西方向だ!皇居に逃げるんだよ、警察署もすぐ側だろ!」

 

 伊丹が繰り返し声を張り上げると、新橋駅周辺にいた人々も納得したのか、すぐさま行動に入り、速やかに駅の西の方角へと走り出した。

 

「42式、付近に交番があったはずだ!警察官と合流しよう!」

「了解だよー!」

 

 伊丹は市民を逃がして、このテロ事件から市民を助けるため、行動を加速させる。

 

「急ぐぞ!!このままじゃ、同人誌即売会が中止になってしまう!!!」

 

 ……いや、あくまで趣味のために。

 

「そっちかいー!!」

 

 伊丹の後を追いつつ、42式はAIコアの底からツッコんだ。

 

 

 

 

 

 

午後12時22分頃

東京 銀座

 

 突如出現した謎の武装集団による虐殺が行われた東京銀座。

 ホログラムが乱れ、血溜まりに人が倒れ、その中で謎の武装集団は、逃げ惑う人々を弓や剣で虐殺を続けていた。

 それに対し、警察官達は果敢に抵抗を続けていた。空から攻撃してくる竜騎士や、尖兵として前に出されたゴブリンやらに対し、牽制射撃を繰り返していた。

 だが過去の警察よりは強化されたとはいえ、彼ら警官が持つのは9mm口径の自動拳銃と数挺のライフル小銃、それと散弾銃くらいである。フィジカルで勝るゴブリンや竜騎士相手に、火力が全く足りなかった。

 

「あの小鬼を撃ちまくれ!」

「この野郎!」

 

 警官はパトカーを盾にして竜騎士の槍から身を守りつつ、市民がシェルターへ避難する時間を稼いでいた。

 東京では地下鉄駅がシェルターに改造されており、多くの市民は隔壁を閉じてやり過ごしていた。だがその収容能力にも限界があり、多くの市民を前に飽和しすぐに閉じてしまう。

 せめてもっと安全な場所に避難できる時間を稼ぐべく、警察官達は武器を手に取って応戦を続けていた。しかし、ライフル小銃などでは空から攻撃を仕掛けてくる竜騎士には無力に等しく、

 

「先輩!もう弾がありませんよ!」

「くそっ!そっちはどうだ!?」

「私の方も弾数が……!」

 

 本来ならこう言ったテロ事件が起きれば、強襲科などの完全武装に強化外骨格に身を包んだ警察特殊部隊が出動するはずなのだが、警視庁では情報の混乱が発生し統率が取れなくなっていた。

 警察官たちはパトカーに積んである最低限の装備でしか戦わざる得ず、大量の敵を相手に弾薬が欠乏しかかっていた。

 

「上空!ドラゴンが来るぞ!」

「クソッタレ!」

 

 上空から攻撃を仕掛ける竜騎士に対し、ライフル銃を乱射し牽制射撃を行い続ける。だが飛竜の硬い鱗はその弾幕を潜り抜け、婦警に向かって突撃していった。

 

「きゃっ!?」

「しまった!」

 

 婦警がその巨大な竜上槍に貫かれ、左腹部に重大な損傷を負う。

 そのまま串刺しのまま上空に連れて行かれるが、婦警はそれでも抵抗をやめず、副武装の拳銃を取り出し発砲した。

 果敢な抵抗により、竜騎士は発砲に驚いて竜の鞍から落下していく。それと同時に、婦警も槍から抜け出し地上へ落ちていく。

 

『おのれっ!!』

「っ!!」

 

 落下した竜騎士はすぐさま受け身を取り、短剣を引き抜き警察官達へ斬りかかろうとする。あまりの突然の出来事に、警察官は拳銃を引き抜く暇もなく隙を見せてしまう。

 

 切られる。

 と思ったその時だった。

 

 竜騎士の刃は、横から割り込んできた人影に止められた。女性の様であり、かなりの美人。しかし、彼女は腕に短剣が刺さっているにもかかわらず、全く怯まない。

 

『なにっ!?』

「ぐっ……ふんっ!!」

 

 それに驚愕する兵士は女性に腕を掴まれ、人間業とは思えない剛力でアスファルトに叩きつけられた。

 頭から地面に叩きつけられ、付けていた兜が粉々に砕け、中の人間も頭蓋骨を砕かれそのまま絶命した。

 

「大丈夫ですか?」

 

 後ろから声をかけられ、警官達は唖然としながらも振り返ると、先ほどの茶髪の女性とは違う、ごくごく普通の一般人の男性が立っていた。

 しかし彼も彼で、目の前で殺人(正当防衛)が行われたことに対して全く動じない。警官達はこの二人が何者なのか分からなかったが、すぐに自己紹介してくれた。

 

「あっ、俺……じゃなくて自分はこう言うものです」

 

 そう言って彼が差し出した身分証明書には、『日本国国防陸軍 伊丹耀司中尉』と書かれていた。偶然居合わせた非番軍人であると判明し、警官達は思わず敬礼した。

 

「それで、大丈夫ですか?」

「え?ああ……彼女のおかげで……」

 

 茶髪の女性はスッと短剣を手から抜き取る。彼女の負傷した腕からは、なぜか血の一滴も流れていなかった。

 

「ふぅ……あー、これは左手の修理代高くなるなー」

「42式、あまり無茶するなよ。手を損傷したら銃を撃てなくなるからな?」

「だいじょうぶ、銃なら片手でも撃てるからさー」

 

 大人びたその姿からは想像がつかない程子供じみた声、そして損傷に対して飄々とした態度から、警官達はある一つの結論で納得した。

 

「あの、もしかして……自律人形の方ですか?」

「ん?そうだよー。私は陸軍の戦術人形、"42式自動散弾銃"さー」

 

──戦術人形。

──又は自律人形。

 

 自律人形とは、現在の日本おいて広く普及しているAIコアを搭載した完全自立型のアンドロイドである。感情豊かで人間と見分けがつかない様な容姿をしており、人間社会において労働力として受け入れられていた。

 その中で戦術人形とは、軍隊において従事する戦闘型自律人形の事を指す。一般的に民間の自律人形よりも高性能であるとされ、様々な技術で戦闘に特化している。42式はその戦術人形の一人だった。

 

 現役軍人の次は軍事カタログでしか見かけない本物の戦術人形という、二連続の衝撃に思わずまた敬礼をしてしまう警官達。

 

「それより、さっきの婦警さんは?」

 

 ちなみに、自律人形は警察にも普及している。先ほど槍に刺された婦警も自立人形であり、地面に着地し腹部を損傷しながらヨロヨロと立ち上がった。

 

「先輩ぃ、私串刺しにされましたよ……」

「あー……彼女は自立人形なので多分大丈夫かと」

「って、ちょっと先輩!少しは心配してくださいよ!」

 

 腹部から槍の破片を引き抜いた婦警人形は、全く心配してくれない先輩警官に頬を膨らませながらツッコミを入れた。

 

「そっか、良かった……あ、こいつは自分と同じで非番ですので敬礼しなくても大丈夫です」

「私たち、今日は休暇だからねー」

「ああ、とにかくありがとうございます。でも原隊に戻らなくてよろしいので?」

 

 警官の言う原隊とは日本国国防軍の事であり、この様なテロ事件が起きたなら真っ先に動員されるはずだ。当然の疑問であると言える。

 

「戻っている時間はないでしょうし、今からでも手伝いをしたほうが良いと判断しました」

「そそ、人手は多い方がいいでしょー?」

 

 その言葉には警官達は感謝した。実際、現役軍人が付いてくれるだけでもありがたい戦力になる。

 

「ありがとうございます。申し訳ありませんが、避難誘導を手伝ってください」

「その避難誘導なのですが、考えがあります。彼らを皇居に誘導できませんか?」

「皇居ですか?」

 

 警官達は皇居に避難と言われ、なぜその様な考えに至ったのか分からなかった。彼らにとって皇居とは、日本の象徴である人物が住む神聖な場所という認識でしかない。

 

「皇居は元々江戸城で軍事施設です。中に市民を入れれば、半蔵門方面へ避難する時間を稼げると思う」

「それに、警察署も近いし、皇居には重装備を持った皇居警察もいるからねー。彼らと合流するのはどうー?」

 

 そこまで言われて、他に打開手段が思いつかなかった警察官はそれを了承した。

 

「確かに……そこに集合すれば、我々も戦力の集中が行えます。分かりました、その様に本部に意見具申をします」

「ありがとうございます」

 

 その様子を確認し、伊丹と42式は警官がパトカーの無線機を使って先ほどのことを通達するのを確認し、まずは一安心した。

 だが油断はできない。まだ敵勢力は多数が残っている上、いまだに攻撃を仕掛けている。まだ戦いは始まったばかりだった。

 

 全ては同人誌即売会を守るため、伊丹達は行動を開始する。




今回から情報などを載せていきます。

・日本国
本作の舞台となる日本の国家。
2020年になるとユリシーズの欠片が九州に落下し混乱に陥り、第三次世界大戦では本土が戦場となったが、それでも国体を維持している。
人間型自律人形の分野で世界トップクラスの技術を保有しているが、軍事力自体は新ソ連には遠く及ばない。さらには九州地方のほとんどの地域が崩壊液汚染に侵食されており、日本国国防軍はかなり苦しい現状に悩まされている。
元ネタはありすぎて不明。

・自律人形
2055年において広く普及しているAIコアを搭載した完全自立型のアンドロイド。他の無人機とは違い、原則的に二足歩行であるとされる。
民間だけでなく軍事においても広く普及し、第三次世界大戦においては新ソ連が「戦術人形」と呼ばれる軍事人形をいち早く実戦に投入。思考戦車やドローンと組み合わせた無人化戦術部隊を編成し、ヨーロッパの戦いにおいて勝利を重ねた。
日本国国防軍では、戦術人形は人間兵士と共に編成される。人間数十人の小隊に2〜4人ほどの戦術人形を組み込み、人間兵士の作戦行動の補佐をおこなっているのだ。
元ネタはドールズフロントライン。

オリ戦術人形達の挿絵は欲しい?

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