The Bullet of Guilty.   作:@Little

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第8凛 2人との遭遇

 

 

 

 

 

 

 

 

集side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今、僕らは防衛省の前に居る。だが、一つだけ……そう、一つだけ重大な問題が浮かび上がる。それは、僕が防衛省の門を潜ろうとした瞬間だ。いのりがボソッと呟いた事から始まる。

 

 

 

 

 

……

…………

………………

……………………

 

 

 

 

 

 

「…………ねぇ、集。私達って"民警"じゃ…………無いよね?」

 

 

「え?…………うん」

 

 

「さっきから防衛省に集まって居る人達、どう見ても"民警"だよね??」

 

 

確かにいのりの言う通り、さっきから黒のセダンやら何やらから降りて、防衛省に向かって居るのはイニシエーターを連れているプロモーター。民間警備会社の対ガストレア専門のペアだ。

 

 

「…………うん。どう見ても"民警"だね」

 

 

「つまり、今日防衛省には"民警"が集められてるんだよね?」

 

 

「…………うん、多分…………」

 

 

………………段々いのりが何を言いたいのか、分かって来た………………。いや、分かってしまった。

 

 

「…………私達、受付で返されるんじゃ…………」

 

 

「…………うん」

 

 

マズイ…………完全に盲点だった……ッ……!!

 

 

「…………どうしよっか」

 

 

「…………完全にどうしようもない気がするけどね……」

 

 

今の僕達には、この状況を打開する案がない。強行突破が出来ればどんなに楽か…………!! そんなことはしないが、そう思いたくなってしまう。

 

 

「…………どうしたものか…………」

 

 

「諦めて、憩いの我が家(マンホールハウス)戻る??」

 

 

「でも……それだと此処に来た意味が…………」

 

 

「…………なぁ、あんたら。そんな所…………いや、防衛省の入り口なんかで何してんだ?」

 

 

僕らが悩みに悩んでいると…………ふと、声が掛かった。その声の方に僕らは振り向くと、その声の主は…………昨日ビルの上から見掛けた、"僕だけ"が一方的に知っている少年だった。まさかのエンカウントに、僕は目をパチくりさせる。…………義手の右腕に、前もって"黒"の手袋をしておいて良かった…………。

 

 

「…………集? どうしたの?」

 

 

「あ、いや、うん。困ってるって言うか何と言うか…………。それと昨日、君に少し似てる人を見掛けたなぁと思ってさ? あ、アハハ…………」

 

 

………………凄い微妙な誤魔化し方をしてしまった!! もしも、お互いが逆の立場だったとしたら、完全に今のは僕でと不審者だ と思えるよ!!

 

 

「…………そうか? まぁ、似たような奴なんて沢山居るだろ? エリアだって、決して広くはないしな?」

 

 

………………あれ? 怪しい…………とは思わないのかな…………??

 

 

「………………集。何で動揺してるの?? 知り合い?」

 

 

いのりがボソッと、隣で僕に疑問を投げ掛ける。なので、僕もボソッといのりに返事をした。

 

 

「………………昨日のガストレア退治の時、ガストレアと対峙していたのは彼とイニシエーターの子なんだ」

 

 

「………………なるほど。でも、別に動揺する程でもないよね?」

 

 

「いや、動揺は怪しまれてないかなって…………?」

 

 

確かに遭遇には驚いたけど、流石に会ったくらいで動揺はしないよ。でも、防衛省の前で二人共に立ち止まってたもんだから、周りから怪しまれてないか心配だったのが理由。

 

 

「里見くん? 何してるのよ……あら? 彼らは里見くんの知り合いなの?」

 

 

「いや、木更さん。何か困ってたっぽいから、声を掛けたんだ。もし困ってたら、手助け位なら出来るんじゃないかってさ?」

 

 

「そうなの? まぁ、里見くんらしいわね。なら、"緊急招集された会議"が終わるまで、一緒に居たら良いんじゃない? 私達の"天童民間警備会社"の付き添いって事で」

 

 

………………え? 何で勝手に話が進んでるんだ……?

 

 

「…………いのり。これはチャンスだけど、マズイよね? 僕ら民警じゃないのに会議室に入れさして貰えるとは思えないよ? 良くて休憩室じゃない?」

 

 

「…………でも、中に入るまたとないチャンスだよ? これを逃したら、会議終了後にすら入れるかどうか…………」

 

 

「…………会議終了後に入る必要無いよね?」

 

 

「…………もぉ、それは例えの話だよ、集……!」

 

 

僕らは、彼らの前でコソコソと話す。確かに、防衛省の中に入るまたとないチャンス。いのりの言う通り、会議終了後にすら入るチャンスがあるかどうかだ。

 

 

「なぁ、あんたらもそれで良いか?」

 

 

「…………え? あ、付き添いって形での事かな?」

 

 

「あぁ、そう言う事。まぁ、付き添いって事で着いて来てくれるか? 外せない会議が合ってさ。それ終わらないと、あんたらの困り事も解決出来ねーからさ」

 

 

「あ、うん…………。よろしくお願いします……」

 

 

「…………よろしく」

 

 

……とりあえず、彼の優しさが胸に突き刺さる。何で、僕らに声を掛けたのが、こんなにも親切な好青年なんだ…………!! 確かに困っていたけど、それは民警じゃない僕らが、どう会議室に行くかの事で。別に他の事で困ってるとか、そういうのじゃない…………。

 

 

だが、僕らは彼の誠実さに"よろしく"と言ってしまった。きっと、一度決めた事はやり通す性格だろう…………。もう、後戻りは出来ないよいのり。

 

 

「じゃあ、付き添いって事になるんだし、とりあえず自己紹介ね。私は、"天童民間警備会社"の社長、"天童 木更(てんどう きさら)"16歳。木更で良いわ? よろしくね」

 

 

「…………何だよそのアイドルみたいな紹介は…………。あぁ……えっと、俺は"里見 蓮太郎(さとみ れんたろう)"だ。俺も同じように、蓮太郎で良い。今、イニシエーターは外してるけど、一応"天童民間警備会社"のプロモーターだ。歳は木更さんと同じだよ」

 

 

すんなりと、彼らは自分の事を紹介してくれた。…………普通ならこんな所に突っ立ってる人間を、怪しむ所な気がするが…………。いや、自己紹介を無げにする訳にも行かないし、僕らも自己紹介をしよう…………。僕はそう思い、いのりに視線を送る。すると、僕の視線に小さく頷くのが見えた。

 

 

「…………丁寧な自己紹介をありがとう。僕は"桜満 集"。僕も集で良いよ。 因みに歳は18歳だよ。今は訳あって、外周区に彼女と住んでる。因みに"便利屋"「Lost † Christmas」のオーナー兼"仕事請負人"だよ。」

 

 

「私は"楪 いのり" 私もいのりで良い。歳は集と同じで、18歳。"便利屋"「Lost † Christmas」の副オーナー兼"相棒"だよ。」

 

 

僕らの紹介が終わり、改めて二人を見てみると…………何故か二人は驚いていた。

 

 

「と、年上だったのか……!? 済まなかった。あのように馴れ馴れしい口調で二人に話してしまって……」

 

 

「違うでしょ里見くん!! た、確かに年上なのも驚いたけど、私がもっと驚いてるのは「Lost † Christmas」の方!! この二人…………どんな依頼も成功させると言う巷で有名なあの"便利屋"よ!!」

 

 

………………どんな依頼も成功させるとは、何時どこでそのような噂が…………?? 犬の散歩とか、1日だけの育児とか、運び屋(トランスポーター)

とか、"表"だった事しか民間には"公開"してないんだけど……?? 一体何時、そのような尾ひれの着いた噂が流れたの?

 

 

「…………あ、えっと……、……木更さん、だよね?」

 

 

「は、はい!! 何ですか集さん!!」

 

 

「な、何で急にそんな畏まるのさ!?」

 

 

「い、いえ!! 何となくと言うか何と言うか………、き、木更で良いです。集さん、いのりさん」

 

 

「「…………は、はぁ……」」

 

 

僕といのりは呆気にとられる。…………その、彼女の変貌に。まるで、有名人と会ったかの様なその素振りに。

 

 

「…………何で木更さんは、いきなりこんなになったんだ? 集さん」

 

 

「…………いや、蓮太郎。僕に聞かれても…………」

 

 

実際、彼女の変貌について行けてないのは、僕らも一緒だからね?? 蓮太郎。

 

 

「…………むぅ、どうして里見くんだけ呼び捨て何ですか……?」

 

 

「いや、まぁ…………アハハ。 …………はぁ、これでいい? 木更」

 

 

僕は、彼女の訴えて来る瞳に敗けて、ついつい名前を言ってしまう。…………すると。

 

 

「……ッ!!!! はいッ!!!! 里見くん聞いて!!!! 私、こんなカッコイイ"兄様"の様な人と、こんな可愛い"姉様"が欲しかったのよ!! これは……"集兄様"と"いのり姉様"と呼ぶしかないわ…………!!」

 

 

…………びっくりする位、瞳を輝かせ喜んでいた。木更は一人っ子だったのかな? 僕には物心着く前から、真名姉さんが居たからな。一人っ子ってやっぱり寂しいものなのかな? …………いや、今思うと僕も余り変わらない気がしてきた。だって僕、ほぼ一人暮らししてたしね。と言うか、兄様と姉様って…………、えぇ…………

 

 

「………………集さん、あんた凄いな。木更さんを初見で手懐けるなんて、中々出来る事じゃないぜ?」

 

 

「…………蓮太郎。手懐けるも何も、集は木更の名前を呼んだだけだけど?」

 

 

「…………うん。いのりの言う通り何だけど…………」

 

 

「いッ、よーし!!!!!! 早速、第一会議室に向かいましょう!!!! 里見くん、集兄様、いのり姉様!!!!」

 

 

…………そう言って、ズカズカと防衛省の中に向かって歩いて行く木更。僕ら三人は、一度顔を見合わせると…………仕方ない。と行った感じで、木更の後に付いて行ったんだ。

 

 

そして、僕らに声を掛けて、蓮太郎は木更の隣に歩いて行った。僕は、その前の二人を後ろから見詰める。…………見つめながら僕は思う。何故だろうか…………? この二人とは、長い付き合いになる予感がするんだ。そう、ガストレアとの戦いや、プライベートなどの事でも、彼等とは長い付き合いになると思うと………………

 

 

「………………ふふ」

 

 

「集?」

 

 

そんな事を思った自分に、自然と小さな笑いが溢れた。そんな僕を見たいのりが、声を掛けてくる。

 

 

「大丈夫だよ、いのり。あの二人を見てたら笑っちゃってさ?」

 

 

「………………そっか……ふふ、そうだね、集」

 

 

僕に同意したのか、いのりも笑い始めた。別に何か合った訳ではない。これは僕の、只のカンなんだ。でも、このように良いカンが働いてくれるのは、僕としても気分が安らぐ。

 

 

「…………案外、入り口で悩んでた"意味"が、あったかな??」

 

 

「それは、私も"同意"するよ、集」

 

 

こんな出会いがあったのならば、悩んでる時間も捨てたもんじゃないなと素直に思える。

 

 

「突然、僕に"妹"のような子が出来たよ、遥香。そして……"祭"」

 

 

僕は、そんなことを思い呟きながら、空を見上げた。見上げた空は、晴れ晴れとした晴天。透き通る水色は、心を軽くしてくれるようだ。そんな彼らを、僕は再び見詰め思う。

 

 

───────僕は、僕のせいで失ってしまった、"妹"の様な大切な友達である"祭"。その"祭"と同じ様に思える"木更"に、蓮太郎を…………彼らを守ろう。数多のガストレアから、彼らを襲う数多の敵達から…………。全てを救えたり、全てを守れる訳じゃないが、僕が今度こそは"守りたい"と思える人達位は、命を懸けて守ろう。と、そう思った。

 

 

僕はそう静かに心の中で固く"決意"し、僕らも蓮太郎と木更の隣に向かって早歩きで歩を進めたんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




木更さん年下だから"妹"っぽくしてみました笑

後は、多少ながら最後の方を編集させて頂きました!!
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