The Bullet of Guilty. 作:@Little
木更side
………………私は三人に声を掛けたあと、ズカズカと防衛省の中まで歩きながら、一人思い老ける。
さっきは突然、舞い上がっちゃった私だけれども、それにはちゃんと理由がある。…………だってあの!! 民警の社長など"私達"界隈では、とても優秀で有名な便利屋、「Lost † Christmas」の二人だって言うんだもの!
…………そ、それはテンションも上がるわよ!! 里見くんが声を掛けてる時から"白メッシュのカッコイイ人"と"鮮やかな薄紅髪の可愛い人"だなぁ、とは思ってたけど、紹介を聞いたらビックリよ!!
しかも、それでいて私と里見くんとは、歳が二つしか離れていないのだから、また驚愕したわ……! まさか、有名な便利屋の二人が歳の近しいカッコイイ青年と、可愛い女性だなんてね。
………………そう。つい、舞い上がりすぎちゃって、咄嗟にあのような私の"本音"まで出ちゃった程。こんな"
例え"職種"は違えど、同じ"社長"としてはある意味、集兄様達は私の憧れの的なの。「Lost † Christmas」と言う便利屋は。何処に事務所があるのかは公式には発表されてないので分からないが、電話一本で仕事を引き受け、成功させて、依頼人達からは"リピート"が掛かる程の信頼性。おまけに、今まで"容姿"などは知らなかったが、"カッコイイ"に"可愛い"と来た!!
だからかな?? 一種の憧れとして、"自己紹介"時の二人の歳上らしい、凛々しい雰囲気があるから、兄様みたい、姉様みたいと思うのは? …………私は、心の奥では…………兄や姉の様な"家族"が欲しいと思っている…………のかな?
実際、二人に"拒否"されなかっただけでも心が弾んだし、満たされてるから。もちろん、里見くんと延珠ちゃんだって、私の"家族"。でも、歳上の"頼れる"兄達の様な存在が、欲しかったんだって。さっき咄嗟に言った"本音"で、自分の気持ちに気が付いたんだ。
「…………ふふ。今日はなんかツイてる気がする♪」
まさかこのような所で、こんな出会いがあるとは思っても見なかった。そう思うと、私はツイているなって心底思える。彼らは別に"民警"ではないが、連絡先の交換位して話などを色々と聞きたい。どうやって依頼人の信頼を勝ち取ったのか〜とか、"どういう"依頼があるの〜とか。
ウチの事務所だって人が少ないから、二人が暇な時は遊びに来て欲しい位だ。まぁ、貧乏すぎて……まともなおもてなしは出来ないけど…………。
でも、こんなにも初対面の人達に私が懐くのも、珍しいなぁって思う。"あの事件"があってからは、私は取り繕ってる居るのが殆ど当たり前だから、心から満たされたのも、心が弾んだのも随分と久しぶりだ。
"家族"である里見くん達との会話なども、勿論楽しいけど。…………やはり"天童"の事を知っているからか、多少は負い目を感じてしまう。その点、集兄様達は"天童"の事を何も知らない。だからこそ、拒否されないのは嬉しいんだ。
…………だが、私は見た。集兄樣が、自分達の便利屋の名前である「Lost † Christmas」を呟くと同時に、本当に一瞬だが…………顔に"影"が差したのを。きっと、集兄様達も私と"同じ"で、忘れられない"何か"が過去に有ったのだろう。
それを見てしまったのもあり、私は……この二人とは仲良くなりたいと思っているのかもしれない。同じ、過去に"何か"を背負った者同士として…………。
………………何時か私も……二人に自分の事を話せたら、二人は私に………二人の事を話してくれるかな?
私はそんなことを思う。 自分から、こんな過去を話したいだなんて、今まで思ったこともなかった。
「………………ふふふ」
そう思うと、私は笑ってしまう。この二人との出会いは、いい意味で"私"を変えてくれる。そんな気がしたから………………。
「おいおい、木更さん…………何笑ってるんだ??」
「ん? んーとね…………内緒だよ、里見くん?」
私は少しだけ考えた後、自分の口に人差し指を持って行き、里見くんに内緒だと答えた。普段はこんな事はしないけど、偶には良いよね? 嬉しい時位はさ?
「………………内緒かよ! まぁ、良いけどさ」
「まぁまぁ、拗ねないの里見くん」
私は、拗ねた里見くんを励まして上げる。全く、子供か君は?と、内心思いながら背中を叩いてあげたよ。"パァンッ!!"と、ね??
「……ッ!!!!!!!! 痛ってェ!!!!!!」
「…………あはは、強すぎちゃった?? ごめんよ、里見くん」
私はペロリと舌を出し、里見くんに謝る。そんな私を見た里見くんは、怒る気力も失せたのか、少しだけ呆れていた。
「…………まぁ、いいや…………」
「…………大丈夫? 蓮太郎?」
「…………ありがとう、いのりさん」
叩かれた里見くんを心配そうに、いのり姉様が背中を摩る。…………なんか、ごめんなさい二人共。
「ふふ…………、仲が良いね二人はさ?」
「…………む、そう言う集兄様だって、いのり姉様とは仲睦まじいじゃないですか?」
集兄様が、私と里見くんの仲の良さを指摘して来るが、私的には二人の方が仲が良いと思ったので、反論してみた。
「………………まぁ、本当に色々な事を二人で、"乗り越えて"来たからね。 …………と言うか、出来れば"兄様"は止めて欲しいんだけど、木更?」
…………色々な事を、"二人"でか。 何だかそれが、とてつもなく羨ましく感じる。それ程までの強い"信頼関係"だと、今の発言から伝わる程に。…………私も、誰かと"一緒"に乗り越えられたらなって思ってしまう。少しだけ俯いて、そう考えてしまった。
「…………木更?」
「…………あ、はい? えと…………何でしたっけ?」
しまった…………!! 考えていたせいで、先程の会話を忘れてしまったみたい…………! えぇっと…………何だったっけ??
「……………いや、何でもないよ。 それより木更、今日は世話になるね。ありがとう」
集兄様は私の様子に気が付き、話を無かった事にしてくれた。…………ありがたいのはコッチですよ。 ふと、横を見てみると…………隣ではピーチクパーチク騒いでる里見くんといのり姉様。…………何か、面白い組み合わせね。あの二人は。そして集兄様の方に向き直り、私は返事を返す。
「いえ、そんな大した事していませんし、大丈夫ですよ? 寧ろ、会議後じゃないと二人の困り事を聞けませんし、ごめんなさい集兄様」
私は素直に謝る。会議後まで二人を待たせてしまうのだから。
「…………いや、もう此処で真実を話すけど、本当は防衛省の第一会議室に来いと、"僕ら"の敵かも知れない"ある人物"に言われたんだ。 …………でも、良く見たら防衛省に入って行く人達は、イニシエーターを連れた"民警"の人達。
…………そして、僕らは"民警"じゃない…………。だから、どうやって中に入ろうか悩んでたんだよ」
…………私は、集兄様の言葉に驚きを隠せない。だ、だって………… "僕ら"の敵かも知れない人物…………? そ、それに、"民警"が集められていると言う事は、確実にガストレア関連。ましてや"民警"でもない、"便利屋"の集兄様達がなぜ呼ばれる? 幾ら優秀だからと言って、そう簡単には、ガストレア何かとは戦う事は出来ない。
「…………集兄様…………。悪い事は言いません。今直ぐに、ここからいのり姉様と共に去ってください」
………………この二人を、みすみす見殺しにするなど、私には出来ない…………! だったら、直ぐにでもここから去って欲しい。 それが、私の素直な気持ち。しかも、敵かも知れない人物に言われたのなら尚更の事…………!!
「………………ごめん、木更。 僕は昔、逃げた事で"大切"なモノを幾つも失ったんだ。…………だから、僕はもう逃げない。突然出来た"大切"な妹の為にもね? …………例え、この先どんな敵が居ようとも…………僕は大切な人達を、"守る"為に戦うよ」
「…………ッ……集兄様……」
"大切なモノを幾つも失ったんだ" そう言った集兄様はまるで、そのまま"儚く"消えてしまいそうな程に、悔しそうな顔をしていた。そして、何かを思ったのか"優しい眼差し"を向けて、手袋を着けていない左手で私の頭を撫でながら、私を"大切な妹"と呼んでくれた集兄様。
…………あぁ、これが…………。心の奥底で、私の求めていた"兄妹"の心地良さなのかな? …………"天童"の私の"異母兄"のようじゃなく、全く血は繋がってないが、同じ様な"深い悲しみ"を持ち、その上で、包み込む様な優しさを持つ"兄"のような存在。
…………私の求めていた、"兄"の温もり何だ。って初めて感じ取れたんだ。
「…………おっと、もう受付みたいだね。 僕らにはどうしようもないから、木更。頼んだよ?」
集兄様は私の頭から手を離し、受付の方を指さして私にそう伝える。…………頭から手が離れたのは…………少しだけ、ほんの少しだけ残念な気がしたけど。 まぁ、仕方ないよね……流石にこれは。
「…………分かりました。 じゃあ受付で、集兄様達も"会議室"に入れる様に、私が手配しておきますね?」
「ありがとう、木更。助かるよ」
「………はい! では、行ってきますね? 里見くん! 里見くんも着いて来て!」
…………ふふ。何故だか、集兄様に頼られるのも悪くないなぁと、思えたんだ。そして、私は里見くんを呼び、受付に向かう事にする。突然、私に呼ばれた里見くんは、いのり姉様に「行って来る」と伝えて、いのり姉様の側を離れてコチラに小走りでやって来る。
「よし! 行こうか木更さん」
里見くんがそう言い、私達は受付まで歩き始める。
「えぇ、ちゃんとライセンスを出してといてね?? あ、後。あの二人にも"会議室"に入れる様に手配するから」
「…………あぁ、分かってる。こっちはいのりさんから。名前は聞いてないが…………"敵"かも知れない人物から此処に来いと呼ばれたと聞いた。」
「…………こっちもよ、里見くん。だから、今直ぐにここから去ってと、私は伝えたけど…………。逆に"大切な人達を守る"為に僕は戦う。って言われちゃってね。 そんな集兄様の"想い"を聞いたら、無下には出来ないなって思ってね」
「…………そうか。なら、今回の会議にはもしかしたらあの二人の言う"敵"による、"何か"があるかも知れないな。」
「えぇ。いざとなったら、私達は"二人"を守りましょう? 兄様達は、"便利屋"であって"民警"ではないもの。」
「…………あぁ、分かってるよ木更さん。」
私と里見くんは顔を見合わせて頷き、受付に辿り着く。受付で名前や民警ライセンス等を証明し、受付を済まし、天童民間警備会社には二人の"付き添い"が居ると言う事で"無理矢理"押し通し、"四人"全員の"第一会議室"入室許可証を頂いた。
「…………これで、OKね。後は会議室に向かうだけ」
私はそう呟き、里見くんは頷く。私達は、集兄様といのり姉様の所まで戻り、二人に"入室許可証"を手渡した。"入室許可証"を受け取った二人にお礼を言われながら、時間も迫っている事もありあり、私達"四人"は"第一会議室"に時間も足早に向かった。
………………だが、この後。"私と里見くん"の思いも寄らぬ"真実"が待ち受けているのを、私達は知らない。何かあったら私達が"守る"と決めた人達に、私達を含めた"全員"が逆に守られる事など、思いもしなかったんだ。
………………そう、だって彼ら、"集兄様"と"いのり姉様"が…………"上位の民警"や"裏"で有名で、"民警"なのかも分からず、その上……"民警"じゃないにしろ、普通じゃ有り得ない"序列番外"扱いされていると言う"世界最強"のペア───────
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木更sideout
ちょっとずつ、お気に入りをしてくれている方が増えてくれて嬉しいです← ありがとうございますね? このまま頑張って行けたらなと思います!!
第9凛 木更の想い。でした!! この作品では、木更は少しでも集達に触れ、"憎しみ"が和らげたらなと思っています。なので、同じ様に"深い悲しみ"を持つと思われる集達に、木更が懐く。と言った思いです。集は、姉は居たけど"妹"は居ません。
しかし、"妹"のような友達である"祭"の様に、木更を受け入れる事にしたと言う事です。その為に、大切な存在であった"祭"の様には失わないと誓った集です。
最後に、
前回の話を、結構内容薄く書いたので、分かりづらいかも知れませんね。もう一度読み返して、編集しようと思います!!