The Bullet of Guilty.   作:@Little

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2話目です!! 因みに"輪"は、話数の数え方です。いのりの涙から咲いた結晶の花をイメージして"輪"にしました。

ではでは←


-Prologue- 月夜に輝く白銀の二刀
第1凛 始まりの夜


 

 

 

 

 

 

 

集side

 

 

 

 

 

 

………………ねぇ集、私が言った皆を護れる「優しい王様」になってくれた?

 

 

 

は、れ………………?? …………ハハッ、ごめん祭。僕は、君を失った後に「優しい王様」じゃなくて皆を恐怖に貶める「独裁者」になってしまったんだ。葛藤したよ…………、本当にこれで良いのかって? 皆を24区から無事に連れられるのかって……

 

 

 

………………そっか。 でもさ? きっと集の事だから、ちゃんと皆と仲直り出来たんでしょ??

 

 

 

…………うん。 綾瀬もツグミも颯太も八尋もアルゴ達だって、最後は僕と共に戦ってくれたよ。それで、4度目の黙示録も防げたんだ。

 

 

 

…………良かった。 なら、もう心配ないは要らないね?

 

 

 

ありがとう、祭。 心配してくれて…………。

 

 

 

ううん? 私も集が"好き"だから、心配するのは当たり前だよ? …………だから、私は集の力になりたい。

 

 

 

え? 祭…………?

 

 

 

だから集、私の『心』も一緒に連れて行って欲しい。これは私の最後のお願いだよ?

 

 

 

ちょっとまって祭! 連れて行くって何! それに最後って…………!!

 

 

 

…………例え『心』だけでも、私はあなたと一緒に居れたら幸せなの。私も、ずっと側で集を守ってあげるからね?

 

 

 

祭…………!!

 

 

 

ありがとう、集。もう会えないだろうけど、私は必ずあなたの力になるから。

 

 

 

…………どうして、どうして最後っていうんだよ!! なのに……! なのに何で笑って居られるんだよ!!

 

 

 

…………最後に、大好きな集に会えたからだよ? 2人は"生きて''…………集は、いのりさんを幸せにしてあげて…………? じゃあバイバイ…………集。

 

 

 

 

ま、待って祭…………!! 祭ェェェェ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「祭ッ!?!?!? …………祭…………? ………………夢……なのか…………??」

 

 

 

僕は"そこ"から飛び起き、直ぐに辺りを見回す。辛うじて電気が点いている薄暗いその部屋は、真っ白な天井に本棚などがあり、応接室の様な部屋だと分かる。黒のカーテンは閉まっていて、黒のソファーが2つあった。

僕はそのソファーの1つに寝かされている事に気が付く。テーブルを挟んだ先の正面のソファーを見ると、そこにはいのりが横たわって居た。

 

 

 

「ッ! いのり……!!!!」

 

 

 

すぐさま僕は、いのりが横になっているソファーの方に趣き、いのりの身体に怪我等がないかを見る。

 

 

 

「…………はぁ、良かった。何処にも怪我は無さそうだ」

 

 

 

見た感じ、いのりの身体には何処にも怪我はなく、ちゃんと息をしていた。あの"アポカリプスウィルス"の影響だって………………………………アポカリプスウィルス?

 

 

 

何かが引っかかった僕は、すぐさまいのりと自分の身体を見回した。その光景に、僕は目を見開いて驚く。

 

 

 

「…………え? な、どうして……? 涯達との戦いの後、僕達が世界から吸収した全てのアポカリプスウィルス。その影響で現れた結晶化が治っているんだ…………?」

 

 

 

確かにあの時、僕達の身体には全身を包みこむ程の結晶化が進んでいたはずだ。…………それを悟って、自分は目を瞑り覚悟したのだから…………。でも、それが全て無くなって居るんだ。流石に自分の目を疑う。

 

 

 

「………………どういう事なんだ…………??」

 

 

 

………………正直、意味がわからない。 いのりと共に世界を救う変わりに、死を覚悟したんだ。 それが何故、2人揃って生きているんだ…………? ……いや、そもそも本当に生きているのか…………?

 

 

 

僕はそう1人で混乱しながら、いのりの寝ているソファーに腰を下ろす。 すると、寝ている筈のいのりが僕の腰に抱きついて来た。

 

 

 

「…………いのり??」

 

 

 

抱きついて来たから、起きたのかと思い見てみるが、いのりは眠っている。前なら、絶対にこんな事無かっただろうな…………??

 

 

 

僕はそう思いながら、いのりの鮮やかな薄紅色の柔らかい髪に触れ、優しく撫でる。

 

 

 

「………………ん」

 

 

 

撫でられてるのが気持ちいいのか、いのりは小さく声を漏らし幸せそうに口元を緩め、眠りについてる。そんないのりを見て、改めて嬉しさが募る。

 

 

 

「…………大好きだよ、いのり」

 

 

 

いのりの顔を見ていると、自然にこの言葉が漏れる。…………無意識にそう言ってしまって、気付いた時には段々顔が熱を持ったのが分かった。要するに、恥ずかしいって事だ。…………いのりが起きてなくて良かった。

 

 

 

「…………ふふ、私も集が好きだよ?」

 

 

 

「………………お、起きてたの…………いのり?」

 

 

 

僕はいのりの方に顔をギギギと向ける。そこには、目をこするいのりが居た。

…………前言撤回しよう、完璧にいのりに聞かれていた。しかも、凄い嬉しそうな顔をしている…………

 

 

 

「集、顔が赤いよ?」

 

 

 

「いや、あの! これは、その…………」

 

 

 

滅多にない事で、慌てる僕。そんな僕を見て、いのりはクスッと楽しそうに笑った。

 

 

 

「……集、焦りすぎ。 でも、私はさっきの言葉嬉しかったよ?」

 

 

 

「う、うん。なら良かったよ」

 

 

 

…………なんか情けない感じになってしまった。僕は恋愛経験なんて今までなかったからか、こんな事でも恥ずかしくなる。…………うん、仕方ない。

 

 

 

「…………ねぇ、集。 ここは何処?? それに、私達生きてるの…………??」

 

 

 

「………………いや、僕も分からないんだ。目が覚めたら対面のソファーで眠っていたから…………

 

それに、僕達はあの状況から無事だったみたい」

 

 

 

「…………そう。とりあえず、外に出てみる?」

 

 

 

「そうだね。あの後どうなったのか分かるかも知れないしね」

 

 

 

いのりも起きた事だし、その提案に乗って応接室から出る事にした。扉を開けると、廊下に出た。廊下は真っ暗で、今が夜だと分かる程。

廊下があるって事は、此処は学校なのか……?? に、しては凄い古ぼけてる気がするけど。2039年、今の時代に木造校舎なんてあるのか…………? いや、それよりも…………

 

 

 

「…………どうして僕達は学校に居るんだ?? ダアトの本部が崩れた後、海を漂流でもして海岸にでも打ち上げられたのかな?」

 

 

 

「…………分からないけど、集。此処は人が来るまで待っていた方が良いんじゃない?」

 

 

 

…………いのりの言う通りかな。勝手に動いても応接室?を貸してくれた人達に悪いし、お礼の一言も伝えないで出て行くのは如何せん、寝覚めの悪い事だろうしね。

 

 

 

僕はそう思いながら応接室に掛かっている時計を見る。時間は夜の12時15分、完全に夜中だった。こんな時間に人が来るのか…………?? そして、良く見たら壁などはかなり老朽化している。…………此処、本当に人が来る所なのか…………??

 

 

 

「…………いのりの言う通り待とうと思ったけど、時間を見たら夜中の12時超えてるよ? こんな時間だし、今日は誰も来ないだろうから…………どうしようか??」

 

 

 

僕の言葉にいのりはコクリと頷き、2人でこの後の事を考える。

 

 

 

「…………とりあえず、お腹が空いたね?」

 

 

 

「…………確かにね。この校舎から見るに日本だろうし、お金は少し持ってるからコンビニにでも行く??」

 

 

 

「そうしよっか」

 

 

 

お腹が空いたという事で、僕達は応接室から出てコンビニを目指すのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……

…………

………………

……………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最終決戦時の服装だった僕達。流石にコンビニに行くとなったらいのりの露出の多いドレスの格好は不味いので、僕が着ていた黒のロングコートと赤いマフラーを貸してあげた。僕は下に着ていた制服姿でコンビニに向かう。その途中、僕は違和感に気が付いた。

 

 

 

「…………ねぇ、いのり。何かさっきから外の方がうるさくない?」

 

 

 

「…………うん、集も聞こえるなら幻聴じゃないね 」

 

 

 

「戦闘の音…………?? 24区では無いだろうし、エンドレイヴが居るとは思わないんだけど…………」

 

 

 

そう、このような校舎は24区にはなかった。あそこにあるのは真新しい校舎ばかりで、最先端とも言える設備ばかりだからだ。

 

 

 

「…………集、音のする方に行ってみよう?」

 

 

 

「…………そうだね。この戦闘音も、無くなったはずのアポカリプスウィルスの影響で起きているなら、僕達が止めなければならない」

 

 

 

「うん!」

 

 

 

僕は右腕を見つめる。袖から出ている右手は、僕のヴォイドである結晶状の義手のままだ。左手にも「王の刻印」は刻まれている。それに加えて、義手の右手にも「王の刻印」が戻っている。

………………そうか。最後涯達は、僕の義手の中に光となり消えて行ったんだ。それにより、奪われた右手の「王の能力」が、僕に戻って来たんだ。

 

 

 

…………それに、姉の真名と涯、祭の存在も右手から感じ取れる。さっきの祭の"夢"は、夢じゃなかったのかも知れない。僕の右手に宿った3人は、きっと僕に力を貸してくれる。そう思うと、自然と僕の『心』が暖かくなる。

 

 

 

「行こう、いのり!!」

 

 

 

いのりはコクリと頷き、僕達は音のする方に駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最初の冒頭部分は、祭が集達のアポカリプスウィルスをヴォイドで抑え、託して最後に集に想いを伝え消えて行く。と言う場面です。集の"夢"などでは在りません。


祭は魂だけになっても"優しく"あって欲しかったので、こんな形にしました。





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