The Bullet of Guilty.   作:@Little

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第2凛 深まる謎

 

 

 

 

 

集side

 

 

 

 

 

 

 

 

まず始めに僕達が驚いたのは、古びた校舎の下駄箱から校庭に出た。いや、校庭に出たと思うんだけど…………、辺り一面が普通じゃ有り得ない程の密林と化していたんだ。

 

 

 

「………………ねぇ、いのり。ここが24区ではないにしろ、今の日本にこんな地域あると思う……??」

 

 

 

「………………ううん。集の言う通り、こんな密林が生い茂る地域は無いと思う。だって、これじゃあまるで……」

 

 

 

「…………ジャングルだね…………」

 

 

 

僕が言った通り、最早目の前は木々生い茂るジャングル。此処まで開拓されていない地域なんてあっただろうか? いや、そもそも開拓されていなければ、学校等建つはずがない。古びた校舎に生い茂る密林…………。この地域は、人知れず放棄されたのか? 素人目で老朽化具合を見ても、かなりの間放棄されたのが伺える。…………木々生い茂るのは良いことだが、幾ら何でも放って置きすぎだろう。

 

 

 

 

「…………これじゃあコンビニ所か、戦闘音がした方向が分からないね………」

 

 

 

「ううん。そうでもないよ? アレを見て?」

 

 

 

そう言っていのりがある方向に指を指す。自然と僕も、その綺麗で細い指の方に目を向ける。

 

 

 

そこには、かなり大きい物が引きづられた後が合った。…………エンドレイヴだろうか? でも、エンドレイヴにしては機械的な足跡が周りにない気がする。

 

 

 

「これは…………一体何の足跡何だろう?」

 

 

 

僕の疑問は間違っていないだろう。エンドレイヴが引きづられたとしたら、先程思った通りになるはず。だが、見た感じだと何となくだが…………巨大な生物を引きずった様な感じがする。もっと調べるために、僕といのりは引きづられた跡に近付き、その場にしゃがみ込む。

 

 

 

「………………これって…………」

 

 

 

「…………血、だね」

 

 

 

跡の周辺には、所々に血が飛び散っている。暗闇だからエンドレイヴのオイルかとも一瞬思ったが、この鉄の匂いと独特の赤黒さは血液だろう。

 

 

 

「…………もしかしたら、近くで人が襲われて逃げたのかも知れない。…………大きい生物か、何かから…………」

 

 

 

…………この現状を見る限り、その可能性が高くなってくる。さっきの戦闘音からすると、衝突した音と何発かの拳銃の発砲音だったからだ。

だが、一つだけ疑問が残る。…………一体、誰が好き好んでこのような密林に迷い込むだろうか? 目が覚めたら校舎内に居た。こんな状況でなかったら、僕なら近付く事等しないだろう。

 

 

 

「…………もしそうなら、助けに行く??」

 

 

 

「…………勿論。もう、見て見ぬ振りをして"六本木の時"の様に見捨てたくはないから…………」

 

 

 

「…………ふふ、なら行こう、集?」

 

 

 

いのりは、僕に向けて右手を差し出して来る。僕はその細い右手を取り、いのりと共に引きづり跡に沿って駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……

…………

………………

……………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ハァ……学校から、結構遠くまで走って来たけど……ハァ、何も居ないね? 人の気配も無いし…………」

 

 

 

「ハァ……ハァ…………、そうだね。 でも、もう少し先に行ってみよう? ここから学校に戻るのもアレだし」

 

 

 

…………「王の能力」を使用していないから、身体能力は普通のままだ。 最近、能力に頼ってばかりだったから、こんなにも自分の力で走ったのは久しぶりと言っても良い。………体力ないな、僕。

一旦、息を整えていのりに返事をする。

 

 

 

「…………ふぅ、分かった。いのりはもう大丈夫?」

 

 

 

「うん、私は平気。これでも、元葬儀社の幹部だもん」

 

 

 

「ふふ、そうだったね? じゃあ、もう少し先に行こうか」

 

 

 

今度は僕が、いのりの手を取り先導する。生い茂る木々の枝等に気を付けて、密林の中を走り抜ける。5分位走った頃かな? 僕達は、密林を抜け出し市街地に出たんだ。だが、その市街地を見て僕達は目を見開いて絶句する。

 

 

 

「…………何、これ…………?」

 

 

 

「…………血だまりに、人の死体…………?」

 

 

 

僕達が見て絶句したのは、暗闇を街頭が照らす市街地の光景。数々の血だまりとバラバラな恐らく"人"だった物の肉片………………。僕自身、幾多の戦いをくぐり抜けて来たが、ここまで酷く凄惨な光景には顔を歪ませる………………。

 

 

 

もしかして、これをやったのはダアトの残党が…………?? いや、アポカリプスウィルスも無くなったのに、そんなことをするとは思えない。

では、何が………………??

 

 

 

「………………集、来て?」

 

 

 

僕が1人悩んでいると、いのりから来て欲しいと頼まれる。それに答えるため、僕は一旦考えるのを辞め、いのりの隣に立つ。

 

 

 

「この人達の死に方…………、銃や兵器で殺された物じゃないよ。…………何かに食いちぎられてる」

 

 

 

「…………食いちぎられてる…………?? こんな市街地で…………??」

 

 

 

いのりの言葉を聞き、更に訳が分からなくなる。人を食いちぎる様な猛獣は、流石に日本には居ない。日本の熊ですら、人を食いちぎる事などないだろう。…………アメリカのグリズリーなら分からないが。いや……そもそも日本の熊は臆病だから、人間の居る市街地などには顔を出さない。では、一体何がこのような惨劇を引き起こしたのか。

 

 

 

「………………集! これ見て、何かのライセンスかな??」

 

 

 

何時の間にか他の場所に移動していたいのり。そして、いのりは唯一原型の留めている若い男性の死体に近付き、躊躇なく胸ポケットを探り何か免許証の様な物を取り出す。それを横から覗き込み、僕も確認する。

 

 

 

「…………何これ? 坂井民間警備会社所属、桜井 悠。IP序列、8800番台。IP序列?? 所持武器は、45口径リボルバーのR&W-500に、グロックカスタムの二丁?」

 

 

 

「………………これだよ、そのR&W-500とグロックカスタムの二丁拳銃」

 

 

 

既に何かのライセンスを確認していたいのりは、ライセンスの持ち主である彼の懐から、R&W-500と二丁拳銃を手にしていた。彼の身につけていたホルスターを取り、二丁拳銃は両足に、R&W-500は左の脇元に収納する。腰元のショルダーバックには銃弾が結構な量入って居たので、それも拝借していた。

 

 

 

「…………いのり、それ護身用??」

 

 

 

「うん。こんな状況なんだし、武器は必要だと判断したから」

 

 

 

………………ま、まぁ、確かに一理あるけどさ。…………言い方悪いけど、死体から武器を奪うって中々図太いんだね、いのり。

 

 

 

「…………集も要る?」

 

 

 

そう言ってリボルバーである、R&W-500を手渡そうとするが、僕には必要は無い。

 

 

 

「ううん? 「王の能力」があるから平気。 両方ともいのりが持っていて?」

 

 

 

「ん、分かった」

 

 

 

そして再度、僕はライセンスに目を通す。すると、さっき目に入らなかった物が目に入る。

 

 

 

「…………登録イニシエーター 獅童 蘭。 モデル・キャット」

 

 

 

…………イニシエーター?? モデル・キャット……?? また、更に訳が分からなくなる。イニシエーターなんて言葉は聞いた事が無い。それに名前から想像するに、このイニシエーターとは恐らく女の子だろう。

 

 

 

…………待てよ? なんで"民間"警備会社なのに、個々で拳銃を所持しているんだ…………? 警察官や刑事なら分かるが、警備会社の人員が拳銃所持だなんて不自然過ぎる。 ましてや、僕達と余り変わらない年の彼が持っているなんて可笑しい。

 

 

 

葬儀社やGHQ、僕達の知らない所で、アポカリプスウィルスでキャンサー化し、暴走した人達を止める組織が出来たとか? いや、感染者がキャンサー化したら、高が一個人じゃ対処など出来ないだろう。

 

 

 

「分からない事だらけだ…………」

 

 

 

分からない事だらけで頭を捻りに捻って考えていると、"ガサッ"と音がした。即座に僕達は音の方に目を向けると、血と死体で荒れ果てた市街地のデパート内から、1人の小さい女の子がゆっくりと出て来る。その子自身傷だらけで、お腹の辺りは大量の血で汚れていた。恐らくあの量はかなりの重症だろう。

 

 

 

「……ッ!! 君!! しっかりして…………!!」

 

 

 

僕といのりはすぐさま駆け付け、傷だらけの女の子に近付いて支える。こんな怪我、このような小さい子がする怪我じゃない……!! 一体何が…………!!

 

 

 

「…………あ、お願い……します……!! 私を…………」

 

 

 

「…………うん!! 今すぐ君を助けるから…………!!」

 

 

 

僕は"夢"の様な所で、祭と再開したのを思い出し、女の子を助ける為に"僕"自身のヴォイドである右手の結晶状の義手で、"祭"が残し託してくれた無機物でも有機物でも瞬時に治す『全てを癒す包帯』を取り出そうと、自分の胸の前に手を持って行くが…………

 

 

 

「――今すぐ殺して…………!」

 

 

 

「「え…………??」」

 

 

 

暗闇の中、目の前の血だらけの彼女の"殺して"と言う言葉に時が止まったかの様な衝撃が走る。僕達は、彼女が一体何を言っているのか、分からなかった………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集sideout

 

 

 

 

 

 

 

 






突然ですが、いのりの銃を45口径リボルバー「R&W-500」に変更しました!
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