The Bullet of Guilty.   作:@Little

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嘘界さん。回想で出ます。回想のみで、です笑


-First Chapter- 七星の遺産と王の能力
第6凛 『Lost † Christmas』


 

 

 

 

集side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────2031年、4月6日。

 

 

 

12月初めにあのキャラバンと別れ、東京エリアに入ってから、もう少しで5ヶ月目に入った。もう季節は変わり、気温も暖かくなって過ごしやすい春日和。そして、僕といのりはお互いに18歳になった。ダアト本部での戦いから…………いや、このガストレアが蔓延する世界にやって来てから、後少しで1年となる。

 

 

 

………………1、年かぁ………………

 

 

 

「皆、元気にしてるかなぁ…………??」

 

 

 

僕の言う皆とは、母親の春香、綾瀬やツグミにアルゴ、颯太に谷尋達。前の世界の友人や家族の事。………………皆、元気だと良いけど。

 

 

 

………………せめて、こっちは無事だよ。位、知らせられたら良いのに。…………まぁ、そんなこと出来るならとっくにやってるけど。

 

 

 

「…………集? どうしたの? 何か心配事??」

 

 

 

「ん? ううん? 元の世界の皆は、元気にしてるかな?って少し思ってさ?」

 

 

 

僕の様子が気になったのか、少し離れていた所に居たいのりが、僕の所に近付きそう聞いてきた。

僕がそう言うと、いのりも同意したのか、少しだけ眉を顰めて考え出した。何だか、その光景がおかしくて、僕は小さく笑いを零す。

 

 

 

「…………ふ、ハハッ」

 

 

 

「…………? 私、何かおかしい事した??」

 

 

 

「いや、違くて…………、いのりが眉を顰めて考え出したから、少しおかしくてね? 前だったら、絶対にそんなこと無かったしさ? 眉を顰めたとしても、怒ってる時位だったからね」

 

 

 

そう、いのりは本当に感情を表に出せないコメントだった。唯一感情を出せるのは、彼女が"歌っている"時だけ。普段は能面の様に、顔の表情に動きが無かったんだ。

 

 

 

「………………むぅ」

 

 

 

それが、今はこんな事まで言える程に素直になった。これはこれで、良かったと僕は思う。いのりに感情があるのは、僕自信嬉しく感じるから。

 

 

 

「ふふッ。怒らないでよ、いのり。あっ、今日は少しだけ出掛ける? "クレープ"でも食べよっか?」

 

 

 

「…………ホント??」

 

 

 

感情が増えたからか、"クレープ"何かでもいのりは目を輝かせる。本当に彼女は変わったよ、良い意味でね??

 

 

 

「うん。 じゃあ、着替えてコンタクトを装着したら行こうか??」

 

 

 

僕の言葉にいのりはコクリと頷き、洗面台の方に向かった。そんないのりを見送っていると、1人の老人が僕に声を掛けてくる。

 

 

 

「おや? 集さん、今日はいのりさんとお出掛けですか?」

 

 

 

「あ、はい。 今日は少し町に出て来ますね? "松崎"さん、何か必要な物はありますか??」

 

 

 

「いえ、今の所大丈夫です。お二人共、今日は楽しんで来てくださいね??」

 

 

 

「ありがとう松崎さん。 じゃあ、行ってきますね?」

 

 

 

「行ってらっしゃい。お気を付けて」

 

 

 

僕は松崎さんに見送られ、洗面台に居るいのりと合流する。洗面台から出て来たいのりは、僕に気付くと近寄って来る。そして、何時もの様に…………

 

 

 

「…………登るよ。いのりは行ける??」

 

 

 

………………地下の梯子を登る。

 

 

 

「大丈夫。 元葬儀社幹部だよ?」

 

 

 

………………たまにいのりは、「元葬儀社幹部」そのネタを使ってくる。梯子登るのに、余り関係ない気がするけどね。まぁ、良いか。

 

 

 

「じゃあ、何時も通りに僕が先に行くから」

 

 

 

「うん」

 

 

 

僕は梯子の前に行き、手を掛ける。 そして足を乗せ、一歩一歩上に向かって動かしていく。…………知ってる人には、「王の能力」使えば早いじゃん。とか思われるだろうけど。

 

 

 

僕らが今住んでる人達には、まだ知らせてないから無闇やたらと使う訳には行かない。…………皆、優しいから平気だろうけど、余り……と言うか見た事もないだろう力で、子供達を怖がらせたくない。傍から見たら、白銀のプリズムとか綺麗だけどね? 僕の瞳が紅くなるのも平気だろうけど、問題は"ヴォイド剣"かな? 流石にあんな大剣、幼い皆には悪影響な気がするしね。

 

 

 

そんなことを考えながら、僕は梯子を登り切る。登り切った僕の後ろから、いのりが這い上がろうとしてるので手を貸す。

 

 

 

「…………はい、いのり」

 

 

 

「ん、ありがとう集」

 

 

 

僕のその手を素直に手に取るいのり。そのいのりを地下から上げ、入口を閉める。…………入口と行ってもマンホールの蓋だけど…………。マンホールと言っても二日に一辺、皆でこまめに掃除をしているからとても綺麗だ。マンホールの中だとは決して思えない程に。

 

 

 

「よし、じゃあ町まで行こうか?」

 

 

 

僕はいのりに手を差し出す。いのりは僕が差し出したその手を取り、僕の隣に来る。

 

 

 

「ふふ……じゃあ、エスコートをお願いしますね?」

 

 

 

「うん。仰せのままに、ってね?」

 

 

 

そんな軽い冗談を交えて、僕らは今住んでる"外周区"から町の方に、歩を進めて行ったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……

…………

………………

……………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

久しぶりに町に繰り出した僕といのり。久しぶりの外出…………ではないけど、久しぶりにビルと言う物、車、人混みを見た気がするよ。そんな人混みを掻き分けて、僕らは色々な店に回る。

 

 

 

うん。何だかんだ言っても、いのりもやっぱり女の子。一つ一つの買い物が長い。当初のいのりからは思いもしなかったよ、この光景は。やっぱり、女の子的にはこれくらい普通なのかな? 綾瀬とかツグミ、祭に聞いとくべきだったか……?

 

 

 

「…………う…………集ッ…………集ッ!!」

 

 

 

「え? あ、ごめん。どうしたの、いのり??」

 

 

 

「…………もう、この服どうかなって…………」

 

 

 

そう言ういのりの手には、白いワンピースを一着手に取っている。鮮やかな薄紅色の髪の毛に肌の白いいのりには、合うんじゃないかな?? うん。きっと似合うと思う。

 

 

 

「いのりにその服、似合うと僕は思うよ??」

 

 

 

「ふふ、ありがとう集。 じゃあ、これも買って行くね?」

 

 

 

僕が褒めたから買うのか、気に入ったから買うのかは分からないが、いのりさん。………………あなた、少し買いすぎでは…………??

 

 

 

「…………む、集今服買いすぎって思ったでしょ? 私達、"便利屋"で結構稼いでるから、大丈夫だよ」

 

 

 

「…………まぁ、確かにそうだけどさ? そんなに必要、なのかなって?」

 

 

 

そう。僕らは東京エリアにやって来てから、"便利屋"として活動している。避難民の高校生の歳で、まともな仕事なんて無い。むしろ、合ったとしても簡単には雇ってくれないだろうと思い自ら、便利屋「Lost † Christmas」を建てる事にした。

 

 

 

名前が「Lost † Christmas 」なのは、あの出来事を忘れない。…………忘れてはならないから、この名前でこの世界に広める事にした。だが、この名前のお陰…………お陰?で、まさかの出来事…………。

いや、僕からしたら災難かも知れない。

 

 

 

そう、 あの…………"嘘界=ヴァルツ・誠"

 

 

 

元GHQのお偉いさん、そして…………最後は僕が谷尋のヴォイドである命を刈り取るハサミで殺した人。死んだはずのあの嘘界さんが、僕らの前に"現れた"んだ。彼曰く、町中で配った「Lost † Christmas」のチラシを偶然拾ったらしい。

 

 

 

僕らの世界には、忘れられない単語である「Lost Christmas」。彼は、自分以外にこの世界にやって来た人物が居る。そう思い立ったら即行動。僕らの拠点と現在の家である"マンホールハウス"に即電話。その時は、僕らは留守だったから松崎さんがその電話に出たんだ。

 

 

 

そしたら…………「明日の"明朝"、そちらに向かわせて頂きます」と、一方的にそう言って切ったらしい。…………名前も名乗らずにね。

 

 

 

そして、翌朝。彼は本当にやって来たんだ。…………朝の"四時"に…………。朝からマンホールを叩く音がうるさくて、皆でリビングの様な部屋に集まり、入口の方を凝視する程。仕方なく、僕が調べに行く事になり、梯子を登ってマンホールの蓋を開けた。

 

 

 

その時は、明朝と言っても12月後半。夜は開けてない。最初は真っ暗でお互い、誰か分からなかった。だが、そんな中…………彼が先に口を動かす。

 

 

 

「……………………あれ? まさか、集くん?」

 

 

 

「……………………え、せ、…………嘘界さんッ!?」

 

 

 

僕は驚きの余り、大声を出してしまったよ。だって、自分が殺したはずの人間が生きているんだもの。驚かない訳が無い。だが、そこからが一番驚いた。

 

 

 

「………………ワンダフォーッ!!!!!! まさか、まさかまさかまさか!!!! この世界でも集くんに会えるとはァ!! いやいやいやぁ、元気にしてたかい集くん!!!!」

 

 

 

………………余りにも、僕に殺された人なのに友達の様に接して来る彼、 嘘界=ヴァルツ・誠。やはり、この人はおかしい。何処がおかしいと言われても指摘出来ないが、兎に角おかしい。普通、殺した相手を恨むか、殺意が湧いて復讐するかとかするもんじゃ………………? あれかな? 僕がドラマの見すぎとか…………? ドラマ全く見ないけどね。

 

 

 

正直、そこからは余り思…………覚えてない。うん。覚えてない。………………便利屋の話から大部それちゃったな。まぁ、良いか。一つだけ言えるのは…………あの日、嘘界さん曰く「私は生き返ったァ!!!!!! 此処が、私の……オアシスかァ!!!!」

 

 

 

それはもう、発狂の如く騒いで居たよ。…………薄紫色の髪におでこから一本、ぴょんと寝癖のように跳ねてて、赤と緑のオッドアイの年上の男性がね。マンホールハウスの事をオアシスと呼んだんだ。

 

 

 

それから彼は、頻繁にマンホールハウスに来る様になる。最初の頃は、僕自信が起こした事だから気まずかったけど、腹を割って話したら何だかんだで良い人で、すっかり仲良くなれた。そう、もう一つびっくりなのは。

 

 

 

彼、子どもの扱いがとても上手い。

 

 

 

嘘だ!! ってGHQの人達なら言うかも知れないが、僕だってびっくりした程だ。彼が来てから、子供の笑い声が絶えないんだ。子供達の中では、とても良い遊び相手なのだろう。遊んでいる子供達は皆、"呪われた子供達"。

 

 

 

そんな彼女らは、自分らを恐れずにこうして遊んでくれる嘘界さんを、とても信頼してる。彼の雰囲気的に、最初は皆怖がってたけどね?? 僕らの知り合い、そして実際話して遊んでみたら、いつの間にか。みたいな感じで仲良くなっていたよ。

 

 

 

まぁ、嘘界さんも満更でも無さそうに、子供達と接しているから大丈夫だろう。彼女らと接している彼は、本当に優しい顔をするんだ。それこそ、元の世界では有り得ない事だろう。それを、僕は知っているから。

 

 

 

彼の狂気の仮面が外れる事を。

 

 

 

そうなったら、仲間でさえ平気で殺す人だから。だからこそ、彼にとってもこの環境は良いのかも知れない。優しい心を育める、この環境が。

 

 

 

おっと…………、少し考え過ぎたかな?

 

 

 

そして、回想から戻って来た僕は、いのりに話を降る。

 

 

 

「結局、全部買ったんだね…………」

 

 

 

「むぅ、女の子にはこれくらいのオシャレしたいのです、集」

 

 

 

「さ、作用でごさいますか…………」

 

 

 

…………何故か、いのりに睨まれてしまった。そんなに欲しかったのか、それ。まぁ、稼ぎはこの5ヶ月でかなりあるから良いけどさ?

 

 

 

…………下手したら、"民警"より儲かってたりして。いや、それはないか。あっちは毎回、命掛けてるんだしそれ相応の報酬だよね。こっちは、難易度の高いレベルⅣのガストレア討伐とか、大群の殲滅位しか、命掛けるのはないしね。軽いものは、配達とか探し人等かな?

 

 

 

「ねえ、集」

 

 

 

そんなことを思いながら歩いていると、いのりが声を掛けてくる。どうしたんだろう??

 

 

 

「どうしたの??」

 

 

 

「…………なんか、近くで"発砲音"がしない??」

 

 

 

「………………発砲音…………?」

 

 

 

こんな町の中心近い住宅街で、発砲音…………??

 

 

 

"パァンッ"

 

 

 

「ッ!? ……本当だ。もしかして…………」

 

 

 

「うん。………………ガストレアかも知れないよ、集」

 

 

 

こんな街中でガストレア………………。早く倒さないとマズイ…………!! 市民の皆がガストレア化など、溜まったもんじゃない!!

 

 

 

「行こう、いのり。ガストレアから市民の皆を守りに…………!!」

 

 

 

「うん!!」

 

 

 

そして、僕らはガストレアを倒すべく、銃声の聞こえた方へと駆け出したんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

集sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




便利屋の名前は「Lost † Christmas」。やっぱり、Guilty Crownには切っても切れない言葉なので、お借りした所存です。


嘘界さん、優しくしました。いや、ギャグ要員でもありますが、優しさの満ちる嘘界さんも悪くないかな、と思いまして…………←

実際、優しかったら子供達に人気出そうですし。多分。

という訳で、6話でした!!
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