TS転生した俺が天使になって消えると勘違いされているんだが 作:TG
視点がヒロイン目線からになります。主人公視点は二話から。
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風が強く吹き、草木が揺れる。そんな中私は同室の後輩であるリアをじっと見つめていた。
リア・アルマーニ。私より3歳年下の13歳、私と同じく親に捨てられ、私と同じく教会に拾われた娘。シスターとして働き始めたのはつい最近の事だ。私は先輩として、彼女と一緒に行動しているという訳だ。
そんな彼女は今、ニコニコしながら花を眺めていた。つい先ほどまで二人で洗濯をしていた時は疲れていた彼女も、もうそんな事忘れている様に浮かれていた。
「シスターエリミナ!このお花は何て言うんですか?」
「…それはリエットよ」
へぇそんな名前なんだ、と呟きながら花をツンツンと突いているリアを見て、私はグッと拳を握りしめる。
その花はここに住んでいる人間なら誰しもが知っているような有名な花なのに。
そしてその花を初めて私に教えてくれたのは貴女自身なのに。
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『生誕の儀』
リアの状況を見て聖都から来た神父様はそう告げられた。私も詳しい事は知らなかったが、後から調べるとそれは神の祝福という物らしい。
様子のおかしいリアをマザーに報告した次の日には、見た事も無い数の馬車を連れて神父様が来られたのだ。私はすぐさま、話が聞きたいと呼ばれて今に至っている。
「…リアが記憶をなくしたのはつい最近だと思います」
「そうですか。それはまさに生誕の儀の第一段階。忘却です。
身近な事、人物、思い出等の欠落。頭の中に残った文字や言葉等は消えませんがね。」
「じゃあ私の事も…」
「忘れているでしょうね」
愕然とした。と同時に最近のリアの様子に合点がいく。まるで初めてあったかのような態度、自分の事を解っていない振る舞い。それが記憶を無くしていたからなんて…
「…待ってください、それは治るんですか…?これから思い出す事は」
「ありません。今までの前例から解っている事ですが、儀式は一寸の狂いも無く行われています」
「…っ!」
私は唇を噛み締めた。それと同時に淡々と喋る神父に対して憤りを感じていた。
人間一人の記憶が完全に失われる…?それが儀式…?はっきり言って意味が解らなかった。神様だの何だの言っているが、私達はなりたくてシスターになっている訳でも無い。それしか道が無かったからだ。
そんな私達が神の祝福だって…?馬鹿げてる。何かが間違っている。
「悲観する事はありません。シスターエリミナ。彼女はこれから数度に渡る儀式によって神の祝福を得るのです。それはとても幸福な事なのですよ?」
「幸福…?記憶を無くすことが…?」
「えぇ。何故なら彼女が生誕の儀を完遂させれば…」
「人間としての彼女は消えて『
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