TS転生した俺が天使になって消えると勘違いされているんだが 作:TG
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やべぇよやべぇよ。と心の中で呟きながら、俺は今孤児院の子供達と遊んでいた。とても助かる事だが子供達と遊ぶと、俺の邪な気持ちがどんどん薄れていくのだ。ありがたや。
先程、俺は部屋で目を覚ますと、下着姿のエリミナさんがいらっしゃったのだ。確か昨日は泣き疲れたのかそのままお眠りになられていたが、朝になったらそんな姿になっていたせいで脳がエラーを起こしましたわ。
それと同時に俺の鼻からも血が流れ出た為、誤魔化す為に必死だったがアレはバレていただろうな。凄い心配そうなヤツを見る顔だったもの。まともに目を見つめ返せませんでした、ごめんなさい。
そんなこんなを考えながら、子供達のままごとに付き合っていたが、いつの間にか大半の子供達はボール遊びに夢中になり始めているらしい。もう少し時間もあるので、そちらに参加しようと重い腰を上げたがその時遠くから眺めているエリミナと目が合った、がすぐに逸らされる。あー…非常に気まずい。
「ねぇねぇリアちゃん、エリミナお姉ちゃんと喧嘩したの?」
隣でままごとをしてた女の子がそんな俺を見て気になったのか、声をかけてきた。幼女にまで心配されちゃ溜まったもんじゃないぜ…。
「うーん喧嘩というか、何というか…」
「いっつも仲良いから、珍しいよね」
「ねー」
うむむ、やっぱり子供は純粋だからいつものリアと違う所がバレてしまうのかもしれん。このまま喋ってるだけでもボロが出てしまいそうなので、俺は「あー!あそこにお金が!」と適当な事を言いつつ子供達の輪から抜け出す。
リアは元々子供好きだったのか、凄く慕われているが…多分俺は、そこまで好きじゃなかったのだろう。うん、正直まだ昔の自分の事にはもやが罹ったように、思い出せない。しかし、何か引っかかる所があるんだが…。
とりあえずで、木の傍でゆっくりしていたエリミナの横にサラッと来てしまった。うむ。今朝の誤解を解くためにも、しっかり話をしておかなければ。
「あの…シスターエリミナ」
「いいよ、普通に喋っても」
「…本当?良かった、堅苦しいのって面倒なんだよねー」
部屋の中で喋る時以外は気をつける様にとマザー?から言われていたので、非常に助かる。そもそもの所、日記を見る感じにリアちゃんも余り守っても居なかったようだが。
木の傍に立って少し身体を預ける。昨日から続いて、風もあるいい天気だ。
「あの…朝の事なんだけど、ごめんなさい!」
「…リアが謝る事じゃないでしょ」
「え?」
「どうしようもない事…そういう事もあると思うわ」
うん?もしかして、俺の男部分が出てしまった事を理解してくれてるのか?それとも元々リアちゃんがエリミナの事を見て同じ様な事が起きてたとか??
良く解らんが、許してくれる時に許してもらうのが一番後腐れ無い事は解ってるので、ここはこの流れに乗ろう、そうしよう。
「そ、そうだよね。ドウシヨウモナイヨネ…」
「…」
アハハと笑いながらも気まずい雰囲気が続く。うおお、俺に真っ当な会話を求めるんじゃないよ!そもそも元々喋る方じゃ無いってのにさ!
…うん?元々喋る方じゃない?それって俺の事…?
「リア、そろそろ帰りましょう」
「あ、うん!」
声を掛けられた俺は歩いていくエリミナを追いかけていく。
今、何となしに考えたが、思い出したよな?少し昔の事。確か俺はそんなに人と喋る方じゃなかった。だから子供なんかと喋るのも面倒で…。
「…」
解らない。何だろうか、思い出さなきゃいけない事があるはずなのに、頭の中がぐちゃぐちゃしている。
考えてもどうしようもなくて、俺は前を歩くエリミナにとぼとぼとついていくしか無かった。
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見渡す限り真っ白な空間、こことは違う場所で一人の少女が二人の事を見つめていた。
「あーあやっぱり難しいのかなぁ」
手を後ろで組みながら呟く少女は、二人を見て溜息を吐く。
「どうやってもボロが出る。そんなのは最初からわかってた。それでも現状が変わるなら、どうにかしたかったんだ」
目を伏せ、二人から目を逸らし少女は呟く。
「ごめんなさい
リアと呼ばれる少女と瓜二つの彼女は、静かに涙を流したのだった。