幻想郷食堂   作:storyblade

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クリスマス番外編です。時系列的には現時点での本編とは関係ありません。キャラが多いですがお楽しみ頂ければ幸いです。



番外編 ねこやのクリスマス

ある日のねこや…。

 

「よう。注文されたケーキの一部、冷蔵庫に入れとくぞ」

 

「おう、おはようさん」

 

「入りきらない分はうちで保管しとくから足りなくなったら取りにこさせてくれ」

 

来たのはねこやにケーキや洋菓子を卸してくれているフライングパピーの店長。

 

「…よっこいしょっと。今日の注文分の酒はこれで全部だな」

 

「ありがとな。…うん、これだけありゃあ流石に足りるだろ」

 

「しかしお前のとこの客は本当に酒好きだな。正直恐ろしい量だ」

 

続いて来たのは酒を卸してくれているレオンハートのマスター。

 

「おはようございます!ご注文の分の納品に来ました!」

 

「おはようさん。悪いな大量に注文して」

 

「いえ大丈夫っす!」

 

「あ、おはようございますショータさん!」

 

「! お、おはようございますアレッタさん!」

 

更にカートを押しながら来たのはパンを卸してくれているベーカリーキムラの店主の息子。見ての通り何かしらの準備をしているらしく、この日は開店準備から大忙しなのだった。

 

(マスター。こっちの飾りつけはここでいい?)

 

「ああ、ありがとうクロさん。…ふう、ちょっと休もう。皆茶でも飲んでくか?」

 

「ありがたいがまだ店の準備が終わってないんだ。しっかし今回の量は久々に恐れ入ったな。洋菓子屋なのにケーキが見たくなくなりそうだ。ははは」

 

「またあっちの客が増えたのか?」

 

「あっち?海外のお客さんっすか?」

 

因みにフライングパピー店長とレオンハートマスターはねこやが異世界に繋がる事を知っている数少ない人物である。それ以外に知るのは店主の肉親の一部のみだ。

 

「まぁな。まぁ今年はちょっとそれだけじゃないが」

 

「ふふ、皆さんがどんな反応されるか私も凄く楽しみです!」

 

 

…………

 

博麗神社

 

 

場所は変わってここは博麗神社。連日しんしんと降る雪で周りはすっかり雪景色。幻想郷は四季がはっきりとしており、春は桜、夏は星空、秋は紅葉、冬は雪と毎年変わらず味わえ、その度にあちこちで宴会も起こる。最も博麗神社の場合宴会はしょっちゅうだが。

 

「……」

 

そんなこの日、霊夢はこたつでミカンを食べながらぬくぬくしたいた。

 

「毎年この時期お前は変わらねーな霊夢」

 

そんな霊夢の前には同じ様にこたつに入りながらいつもの如く魔理沙もいた。

 

「春雪異変の時も同じ風景見た気がするぜ。あん時のお前のグータラさと来たら」

 

「そうだったかしら?もう忘れちゃったわね〜。…ああ思い出した。私だけで解決してやる!って言っときながら幽々子との勝負で私に助けられた時ね〜」

 

「うぐっ!」

 

「それにあの時もなんだかんだあっても結果的に解決できたんだから同じ様にしてても問題ないんじゃないどうせ?」

 

「お前なぁ」

 

魔理沙はやや呆れ顔をするが霊夢との付き合いも長いためにそれ以上は怒らない。

 

「それにもうあと一週間もしたらうちが一番忙しくなるんだから今のうちに休みよ休み」

 

「忙しいって言っても毎回いつもの奴らが新年の挨拶に来るだけだろ?」

 

「うっさいわね〜。それがわかってるならお賽銭でも入れなさいよね〜」

 

「自覚はあるんだな」

 

 

ヴゥゥゥゥン!

 

 

とその時、宙に裂け目が現れた。

 

「こんにちは霊夢、魔理沙」

 

出てきたのは妖怪の賢者にして大妖怪の八雲紫。

 

「おっす紫」

 

「紫じゃない、何か用?てかまだ冬眠してなかったのアンタ」

 

「相変わらずこの時期はいつも以上に動かないわね霊夢」

 

「失礼しちゃうわね。いつも掃き掃除してるじゃない」

 

「なら雪かきとか年越しに向けて掃除でもしたら?」

 

「今は雪が降ってるからイヤ。止んだらやる。三妖精やあうん達にも手伝ってもらうわ」

 

そう言って相変わらずこたつから出ない霊夢だが。

 

「……あっそ。それじゃあ私達だけで行ってこようかしら〜?」

 

「行くってどこにだ紫?まさかねこやに行くんじゃ…」

 

「そのまさかよ。ついさっき藍と橙の出掛けていた先に偶然扉が現れたのよね〜。その知らせを受けて私も行きたいなと思って〜。だから一緒にってお誘いしに来たんだけど寒いんじゃしょうがな」

 

「さぁ行くわよ魔理沙!紫!子供は元気の子風の子って言うじゃないの!」

 

「…ほんと現金なやつ」

 

「早く行かないと他のやつに食べられ尽くしちゃうわ!幽々子とか来たらどうすんの!最近は扉が現れる場所も多くなってるんだから!」

 

「はいはい」

 

タダ飯が食べれるとあっては直ぐ様元気になる霊夢に魔理沙と紫はため息をつくがこれも見慣れた光景なのでそれ以上は言わないのであった。とにもかくにも霊夢達は現れた扉でねこやに向かう事になった。

 

 

…………

 

洋食のねこや

 

 

〜〜〜〜♪

 

 

「こんにち…ってうわ!」

 

「おお!」

 

霊夢達が扉を開けると既に多くの客が来ていた。テーブルに座っている客よりは立食している客が多い。そしてよく見ると店内の様子もいつもよりだいぶ違っている。紅白や金銀等煌びやかな飾り付けがあちこちにされていて、しかも店の一画にこれまた鮮やかに飾り付けされた小ぶりの木が置かれている。

 

 

ワイワイガヤガヤ…

 

 

「これは凄い賑やかですね」

 

「…あ、そうだわ。確か今日はクリスマスだったかしら」

 

「クリスマスって何ですか紫様?」

 

すると霊夢や紫達に気づいたアレッタが近づいてきた。頭にはいつものカチューシャでなく紅白の色をしたとんがり帽子を被っている。

 

「あ。いらっしゃいませ皆さん!メリークリスマス!」

 

「いらっしゃい」

 

「凄い賑わいねアレッタ、店主さん。てか今日はなんかの宴会?」

 

「はい!私も初めて聞いたんですけど今日はクリスマスパーティーなんです!」

 

「さっき紫が話してたやつだな。…そういや私も前に本で見た様な気がする」

 

「ええ外の世界じゃ今日が確かそうよ。ある人物の降誕祭、つまり誕生日を祝う日なの。まぁ今はそっちよりもご馳走を食べたりサンタクロースっていう人が子供達にプレゼントを配る日っていうのが主流らしいけどね」

 

「はい。なので今日はマスターから皆さんにプレゼントという事でクリスマスのご飯が食べ放題の日なんです。是非召し上がっていってください!」

 

「いつもの料理も注文頂ければ作りますんで」

 

「それはとても嬉しいわね♪」

 

「言われなくても食べてくぜ♪」

 

そんな訳で霊夢達も皆の輪に加わるのだった。

 

 

…………

 

※誰が喋っているかご想像しながらお楽しみください。

 

 

「う~ん美味し~♪ビーフにポークにチキン、より取り見取りのケーキも全部食べ放題なんて夢の様だわ~♪もうここに住もうかしら~?」

 

「こら!皆や私達の分までとっときなさいよこの亡霊!」

 

「そう言う霊夢もさっきから凄く食べてるじゃないの~」

 

「はぁ…幽々子様も霊夢も一応紫様と店主さんの奢りなんですからね。そういえばアレッタさん、テリヤキさんやロースカツさんはどうされたんですか?」

 

「おふたりでしたら今日は夜に来るそうです。ゆっくり食事を楽しむ方がいいって言ってました」

 

「今日のブイヤベースも美味しいわ♪前に食べた時とお魚が違うのね」

 

「はい。今日使っているのは鱈にイカ、そしてホタテです」

 

「このカナッペ、土台が前と同じ油揚げなんですね!」

 

「はい。マスターが用意してくれたんです」

 

「藍様気に入ってましたもんね~」

 

「元気そうねタロ。調子はどうユート、頑張ってる?」

 

「元気元気!昨日は大きな鹿を仕留めたぜ!な、タロ」

 

「ワン!」(犬用に味付けされた肉をがっついている)

 

 

「ねぇねぇ黒いお姉さん!トカゲのおじさんやライオンのおじさんは?」

 

(ガガンポさんは民を待たせてはいけないと、ライオネルさんは試合があると言って既に帰られました)

 

「な~んだ残念」

 

「フラン様仲良かったですからね。…あ、このローストビーフ凄く美味しいですよ!」

 

「使われているのはクランベリーソースでしょうか…とても美味しいです。良いお仕事されてますね」

 

「このケーキ…。まるで血を纏ったような一点の汚れもない真紅…。嫌いじゃないわね」

 

「お、お嬢様その発想は怖いですよ!」

 

「パチュリー。新しい本を持ってきた」

 

「ありがとうヴィクトリア…。私も持ってきたわ」

 

「ああずるいぜパチュリー!私にも今度貸してくれよ!」

 

「嫌」

 

 

「いや〜前に食べた串カツってのも美味かったがこのバーベキューやローストチキンってのも酒に合うねぇ♪」

 

「おう、この肉々しさがなんとも言えねぇだろう!」

 

「ほんとに美味しい…。妬ましい位に…」

 

「ね〜、こっちにまだ見た事無いお酒一杯あるよ~♪」

 

「あっはっは!相変わらずいい飲みっぷりに食いっぷりだねぇ」

 

「いやー今日はめでたい!宴じゃ宴じゃ!」

 

「あの…ギレムさん、ガルドさん今日はいつもより元気ですね?」

 

「おお。こいつの硝子彫刻が王国の大会で金獅子賞をとったんじゃ。硝子職人にとっては最高の栄誉なんじゃよ」

 

「ほう、それは凄いのぉ。因みに狸や鯨の賞なんていうのは無いのかの?」

 

 

「このポタージュスープ甘くて美味しい♪」

 

「匂いで分かったけどこれも乳を使っていないのね…」

 

「豆乳とかぼちゃを使ったかぼちゃのポタージュです。あとこちらのケーキは乳や卵も使ってない特注のケーキなのでエルフでも召し上がれますよ」

 

「こういう料理は卵や乳が欠かせないって思いこんでいたけど…そういう考えは捨てないといけないわね」

 

「相変わらず料理のアイデアが広いんだなぁ外の人間てのは。弟子入りさせてもらいたい位だべ」

 

「このフルーツサンドイッチ、前に食べたのとまた違う果物なのね!」

 

「ええ。今日は苺とみかんとキウイですよ」

 

「果物といえば秋が一番と思ったけど冬の果物も美味しいね♪」

 

「本当ですね。…どうしたんですか文さんはたてさん?そんながっかりして」

 

「だってだって~!」

 

「こんないつも以上に賑やかで、多種多様な人が集まる会を取材させてもらえないなんてあんまりだわ~。相変わらずなんでかカメラも動かないし~!」

 

 

「お元気そうねティアナ。どう、私があげた花の種は上手く育っている?」

 

「うむ、良く育っておるぞ。我らの種はどうじゃ?異世界でも育ってくれるか?」

 

「ふふ、大丈夫よ。私に育てられない花は無いわ」

 

「私は冬の間は木の中に閉じこもってるんだけどこっちは暖かいから頑張って来ちゃった♪」

 

「私達もほんとは寒かったから出たくなかったんだけど…」

 

「冬の間もやる事があるから花畑の手伝いに来なさいって言われて…」

 

「ま、まぁそのおかげでまたクレープやケーキ食べに来れたんだからいっか~」

 

「何か言いたそうね貴方達?」

 

「「「なんでもないです!」」」

 

 

「このチーズハンバーグ美味しい。チーズってデミグラスソースにも合うんだ」

 

「アルテ、こっちの豆腐ハンバーグっていうのも美味しいよ」

 

「ねぇねぇロウケイ、アルテとはまだ結婚の約束してないの~?」

 

「!なな、何を言うのさいきなり!?」

 

「違うの?私らすっかりその気かと思ってたのにな」

 

「何々~?そう言う事なら式の演奏は私達に任せてね♪」

 

「そうそう♪」

 

「こ~ら、リリカもメルランも馬鹿言わない。私達は向こうに行けないでしょ」

 

「だったら前夜祭として今からでも」

 

「も、もう皆!」

 

「何慌ててるのロウケイ?」

 

 

「今日はフライドポテトやナゲットが食べ放題なんだね~!しかもメロンソーダとかコーラまで飲み放題なんて♪」

 

「とっても美味しいのだー♪」

 

「聞いて驚け!初めて俺達だけでダンジョンの最奥に到達したんだぜ!」

 

「へー凄いね!」

 

「因みに奥にいたのはチルノと同じ氷を扱う魔物でしたよ」

 

「なに~!そっちの世界にも氷を使う奴がいるのか!こうしちゃいられない今すぐ幻想郷最強のアタイが真の氷マスターを」

 

「チルノちゃん今はお料理を楽しもうね」

 

 

「ピザだけじゃなく他にも美味しそうな料理が全部食べ放題なんて凄いね!驚きだよ!」

 

「む~…驚かすのは私の本業なのに~。まぁ美味しいからいいか♪」

 

「あのピザは今日は無いんだ。…残念」

 

「まぁまぁ。…ねぇアレッタ、これはなんて料理?どうやって食べるの?」

 

「あ、それはチーズフォンデュと言いましてこちらのチーズ鍋に食材を付けて食べるんです」

 

「同じお皿に付けて食べるなんてなんか貧乏くさい料理ね~」

 

「じゃあ食べなくていい。私が女苑の分まで食べる」

 

「べ、別に食べないなんて言って無いでしょ!」

 

「クロさん、これはなんてパンなの?」

 

(シュトレン、といいます。木の実や色々な果実を練り込んで焼いたパンです)

 

「そうなんだ。食べる場所で味が変わって面白いし美味しいよ♪ねぇ正邪もそう思うよね?」

 

「そ、そうですね。とっても…お、美味しいです」

(やっぱり「不味い」って言えない…。なんで、なんで美味しいのに「美味しい」としか言えないんだよ~!)

 

 

「ねえお姉ちゃん!このアップルパイっていうのすっごく美味しいね!甘くてサクッとしててふわっとしてて!」

 

「ええそうね。前に食べたフレンチトーストに感じが似てるわ」

 

「お空、あのチキンも美味しそうじゃない?」

 

「いやいや共喰いになるから!」

 

「この料理前に食べたミートソースのお肉が大きくなったみたいですね」

 

「そちらはミートボールのトマト煮込みです」

 

「前にこれをスパゲッティに混ぜた料理を何か外の本で読んだ気がするわ~」

 

「成程、ミートソースもこうすればそれだけで立派な料理になるのか…。新たな商品の可能性だな」

 

「これも中々ジューシーで美味しいわね」

 

「…メンチカツ。その、これ、良かったらどうだ?」ガサゴソ…

 

「…あら、可愛らしいイヤリングね、これどうしたのエビフライ?」

 

「ま、町の露天商に圧されたのだ。男の私には不要な物だからな。決して他意はないぞ!」

 

「わかってるわよ。どうもありがと」

 

「う、うむ!」

 

そんな感じでねこやの昼は過ぎていった…。

 

 

…………

 

そして時刻は夕刻。客層が変わって人は少なくなったがまだまだ店内は賑やかだった。

 

 

「うむ、やはりフライドチキンもカレーに合うな!」

 

「しかし何か店内がこうもいつもと違うと少し落ち着かんな…」

 

「そう言ってやるな。郷に入ってはとやらだ。お主は昼に来なかったのかリンノスケ」

 

「僕もゆっくり楽しみたい方なんです。それに…いつも彼女らのために賑やか過ぎますから」

 

「「「はっはっは」」」

 

 

「うむ、今日の料理も美味い!褒めて遣わすぞ店主」

 

「ありがとうございます」

 

「総領娘様、そういう態度は幻想郷だけにしていただけると助かるのですが?」

 

「私が私であるならば世界が違う事など些細に過ぎぬわ♪」

 

~~~~♪

 

「いらっしゃいませー!」

 

「こんにち…わ!凄いですね今日なんかってあ、天子さん!また今日も教えてよ!異世界の天人の技術や歴史!」

 

「私達も聞きたいな~!ねぇなんで空に住んでいるのに私達みたいに羽が無いの?どうやって飛んでるの~?」

 

「いっ!お、おい助けてくれ!」

 

「良いではありませんか。喋り友達ができて。たまには交流を深めて勉強しましょう♪」

 

 

「ねぇねぇ聞いてよラスティーナ!この前あの子がね~!」

 

「まぁ!それは面白いですね」

 

「いいのか?何か噂されてるぞ」

 

「いいんだいいんだ。付き合うだけ損ってもんだよ」

 

「こら妹紅、あんたの話なんだからこっち来て付き合いなさいよ~♪」

 

「断る。なんでこっちでもお前に付き合わなきゃならないんだ」

 

「よ!レイセン。元気そうだね」

 

「お久しぶりです皆さん」

 

「おや、このちっこいのはレイセンの妹かなんかかい?」

 

「誰がちっこいだ!私はこれでもこいつやあんたらの何倍も年上だぞ!あとこいつの妹なんかであってたまるもんか!」

 

「私だってあんたの姉なんてお断りよ!」

 

「ふふふ、仲が良いですわねおふたり共」

 

「全くあの子達騒がしいんだから…。ごめんなさいね」

 

「気にされる必要はありません。今日は宴の日なのですから」

 

「それに子供というものは多ければ多いほど良いものですよ。特に大好きなスコッチエッグを食べる時の笑顔なんかたまりませんわ」

 

「私も芳香にもっと兄弟や姉妹を作ってあげたいのだけれど…中々あの子に並ぶ位可愛い物ができないのよね~」

 

「私も子供は好きだけれど元気すぎるのも考えものよ。いえそもそももう子供なんてものじゃないけれど」

 

「ふふふ、まるで母親の様な話され方ですわね永琳様」

 

(新しいブランデーケーキが入りました)

 

「本当ですか!…あ、すみませんはしたない」

 

「いえいえ。ふふふ、セレスティーヌ様本当にあれがお好きなのですね」

 

「…あれは悪魔のケーキですわ」

 

「では語り合いながら皆さんでじっくり味わいましょうか」

 

 

「今日のショコラの中のチョコレート、白いのね」

 

「このパフェにかかっているチョコレートもです!」

 

「はい!ホワイトチョコレートと言って白いチョコレートなんです」

 

「俺達の世界ではショコラティエって言ってチョコレート専門の職人なんてものもいる位、チョコレートは奥が深い食べ物なんですよ」

 

「それはとても楽しいですね。是非一度食べてみたいです」

 

「すまないアディ。こんな遅い時間になってしまって」

 

「気にしないでシャリー。大丈夫よ」

 

「王族となると年越しの行事とかもあるだろうし、色々大変でしょうね」

 

「それがそれだけではないのよね~」

 

「どういう事ですか、ラナーさん?」

 

「聞いてよアリス~早苗~」

 

「お、おいラナー!それはまだ言わない約束だろう!」

 

「…?どうしたのアーデルハイド?」

 

「す、すみません…。まだ…ひ、秘密です…」

 

「ふふ♪」

 

そんな騒がしくも賑やかな夜は続く…。

 

 

…………

 

そして更に夜は更け、この時刻でもお客はいた…。

 

 

「お待たせ致しました。ビーフシチューです」

 

(…うむ、美味い。やはりどんな料理よりもこれに尽きるというものじゃ。……だが店主よ。今日は其方の世界の特別な日と聞いた。ならばそちらの世界のしきたりにあやかろう。食後にケェキ、とやらも頂くとしようか)

 

「はは、しきたりなんて大層なもんじゃないんですけどね。わかりました。ご用意しますね」

 

 

~~~~♪

 

「来たわよん♪」

 

(…ほう貴様か)

 

「あら、こんばんわあーちゃん♪」

 

「いらっしゃいませヘカーティアさん!」

 

(いらっしゃいませ)

 

「うちの子が先に扉入っちゃったから心配だったけど別のが見つかって良かったわ♪…あらあらアンタも来てたの映姫ちゃん」

 

「私は仕事終わりですよヘカーティア様。遅くに来るのは迷惑かと思いましたが…つい。最も小町は既に昼にこっそり来ていた様ですがね」

 

「気にされる事はありませんよ。いつでもお越しください。昼頃に小町さんも来られましたし」

 

「店主さん。お言葉はありがたいのですがそうもいきません。私には閻魔としての職務がありますから。……まぁ、ただ、その、あくまでも仕事の範囲外ならば、またお茶をしに来たいとは思いますが…」

 

「ふふ。そこまで固く考える事も無かろう。儂とて来たいと思った時は来るぞ?」

 

「そういうものですかねセレナ殿」

 

「そうそう♪たまには仕事も忘れてパーっと遊ぶのも必要よ?」

 

「貴女の場合もう少し抑えた方が良い様に感じます」

 

(……ふぅ。この時間に来る者も増えたものじゃ。……が、不思議とこうして同じ場所での食事も悪くないと感じる様になったのは…黒と同じく、妾も変わった、という事か…)

 

朝から閉店までねこやのクリスマスは続くのであった…。

 

 

…………

 

そして客も全員帰り、閉店作業を終えて店主、アレッタ、クロのまかないタイム。折角なのでこの日は客席で食べる事にした。

 

「今日はありがとうなふたり共。疲れたろう?」

 

「いえ大丈夫です!大変でしたけど、とても楽しかったです!」

 

(……)コクコク

 

チキンとケーキを頬張っているアレッタといつもの通りチキンカレーとこの日は珍しくケーキも食べているクロ。

 

「あ、そうだそうだ忘れるとこだった」

 

すると店主はキッチンの奥の方に下がり、何かを持って戻ってきた。

 

「ほい、これ」

 

それは綺麗に飾り付けされたふたつの袋。それをアレッタとクロに渡した。

 

「マスター、これは?」

 

「俺からふたりへのクリスマスプレゼントだ。あんまり大したもんじゃないが折角だからな」

 

少し照れているのか苦笑いしながらそう言う店主。

 

「マスター…ほんとに、ほんとにありがとうございます!」

 

(……ありがとう)

 

「また来年も宜しくな」

 

「はい!(はい)」

 

そんな感じでねこやのクリスマスは騒がしくて大変で賑やかで、且つ笑顔が一杯なものとなった…。




クリスマス特別編でした。

如何でしたでしょうか。なんかクリスマスメニューよりもキャラの交流と告知が大部分を占めてしまいました(^^;)
登場しているキャラ、していないキャラ。名前は出しませんでしたがわかる方はわかると思います。今回出てきた新たなキャラ達は今後の投稿で出てくる予定です。勿論ここで書ききれなかったキャラ達も出したいとは思っています。それも踏まえて今後も楽しんでいただけたら幸いです。
改めて今年一年ありがとうございました。皆さん良いお年をお迎えください。

こんにちは、storybladeです。幻想郷食堂をお読み頂きありがとうございます。突然ですがアンケートです。先代博麗の巫女や魂魄妖忌の回があれば読んでみたいと思いますか?公式設定が少ないのでオリジナル要素を含んでしまいますがどうでしょうか?ご意見お願いします。期限は今月一杯です。

  • あれば読んでみたい
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