【助け】悪の組織の人質にならない方法【求む】   作:鷲野高山

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問題:サブタイトルの〇に当てはまる文字は何でしょうか?
分からなかった方は、評価と感想の方よろしくお願いします!

※冗談です、読んでいただけるだけでもありがとうございます。
評価と感想もいただけるとすごく喜びますが。
ぶっちゃけノリと勢いだけで書いてますが、どんな評価であれ色ついたのは嬉しいですね。
今までに評価、感想くださった方も、読んでくださっている方もありがとうございます!
今回は掲示板形式、主人公視点、メスガキ幹部視点でお送りします。
ではどうぞ。


〇〇〇〇~それは、魔法の言葉~

1:名無しの人質

助けてクレメンス

 

2:名無しの一般人

嫌です

 

3:名無しの一般人

うーん、なんか見覚えあるような……

 

4:名無しの一般人

あ、もしかして人質にされてる最中に書き込んでたニキか?

 

5:名無しの人質

>>4

はい

 

6:名無しの一般人

まだ人質になってんの!?

よく生きていられたな

 

7:名無しの一般人

イッチ、まさかお前もう実は……

 

8:名無しの一般人

ヒェッ

頼むから成仏してクレメンス

 

9:名無しの人質

>>8

死んでないです

解放されたけど、今日も人質にされてるだけ

 

10:名無しの一般人

なんだ、またアンフェア様に捕まってるのか?

羨ましい奴め

 

11:名無しの一般人

とはいえ、何故か最近悪の組織、それも女幹部によって人質がとられる事件が各地で急増してるらしいぞ

まあ、俺はなったことないんだけどな(白目)

 

12:名無しの一般人

人質になりてえなー、俺も

拘束してほしい

 

13:名無しの一般人

で、今度も抱き着かれてんの?

 

14:名無しの人質

>>10

違う

 

>>13

座られてます

 

15:名無しの一般人

???

 

16:名無しの一般人

(´-`).。oO(……この人また訳わかんないこと言ってる)

 

17:名無しの一般人

待て待て、整理しよう

まず、誰に捕まってるんだ?

 

18:名無しの人質

>>17

分からないけど、ピンク髪のロリっ娘

周囲を配下らしき戦闘員に囲まれてるから、多分どっかの悪の組織の幹部っぽい

 

19:名無しの一般人

ロリ……だとっ!?

 

20:名無しの一般人

ピンク髪のロリっ娘幹部かー

なんか絞れそうな気がするけど、どうだろう?

 

21:名無しの一般人

いや、難しいでござるな

『ショタロリ大連合』、『女王の大号令』、『肉壁☆お兄ちゃんズ』……

それ以外にも、その特徴で思い当たる幹部のいる悪の組織の候補は考えられる故

 

22:名無しの一般人

ええ……

 

23:名無しの一般人

ヤバイ(確信)

 

24:名無しの一般人

最後のなんて全く聞いたことない組織名だぞ

 

25:名無しの一般人

それでは、拙者が説明させていただくでござる

 

まずは『ショタロリ大連合』

ボス及び幹部は全て子供、男女混合にして日本全国に支部が存在する超巨大な悪の組織でござる

あまりにも有名故、詳しい説明は不要ですな

 

次に『女王の大号令』

悪の組織としては中堅でござるが、侮ることなかれ

いかに理不尽にして身に覚えのない罵倒や暴力が彼らを襲おうとも、構成員達は喜んでそれを受け入れる屈強の猛者ばかり

悪の組織逆くっ殺やメスガキブームの火付け役、コアな需要を全国クラスにまで押し上げた功績は計り知れないでおじゃる

なお一部BBAもいるのが玉に瑕

 

最後に『肉壁☆お兄ちゃんズ』

こちらは今最もホットにして、拙者の一推し!

歴史は浅いながらも、性別問わず童児の肉壁になりたいという熱い思いを持った者達により設立された、新進気鋭の悪の組織でござる

その肉壁を突破するのは、どんなヒーローであろうと苦戦は必至ですぞ

 

26:名無しの一般人

マジかよ、日本終わってんな

 

27:名無しの一般人

>>25

同士!

概ね同意だが、『女王の大号令』の一部を敵に回すような発言は危険だ!

 

28:名無しの一般人

>>27

フフ、心配御無用

何者にも忖度せず、己の主張を貫くことが我が道なれば!

 

29:名無しの一般人

……同士!!

 

30:名無しの一般人

情報量が多いけど……

取り敢えず、悪の組織逆くっ殺って何?

 

31:名無しの一般人

悪の組織に捕らえられ、己が死を望むシチュエーションでござる

 

32:名無しの一般人

じゃあ、逆じゃないのは?

 

33:名無しの一般人

悪の組織の構成員がヒーローまたは一般人に捕らえられ、死を望むシチュエーションですな

無論、幹部や組織のボスも含みますぞ

 

34:名無しの一般人

…………

 

35:名無しの一般人

流石ジャパンだ

 

36:名無しの一般人

おい!

今テレビつけてたら、なんか何処かのショッピングモールが悪の組織に占拠されたってニュースがやってるぞ!

現場が上空から生中継されてて、ピンク髪のロリっ娘が映ってる!!

 

37:名無しの一般人

うわぁ、他でも事件が起きてるなんて大変だな

……ん? ピンク髪のロリっ娘?

 

38:名無しの一般人

なんだっけ、最近そのワードを見た記憶はあるんだけど

 

39:名無しの一般人

まさか

 

40:名無しの一般人

え、イッチがテレビに映っちゃってる感じ??

 

41:名無しの一般人

そんなことある?

 

42:名無しの一般人

……なるほど、座られてるの意味が分かったわ

確かに座られてるな

 

43:名無しの一般人

ああ、男の子の膝に座ってんな

これがイッチか? 身体の大きさそんなに変わんないみたいだけど

どういう状況だ?

 

44:名無しの人質

>>43

逃げ遅れて隠れてたら捕まった

で、なんか椅子になれって命令された

ちなみに、特に意味もなくショッピングモールを襲ったらしい

あと僕は高校生

 

45:名無しの一般人

なるほど、分かったでおじゃる

このお方は『女王の大号令』の幹部の一人、チェリーエンジェルたんですな!!

 

46:名無しの一般人

嘘乙w……と思ったら、本当だった

テレビの方もたった今テロップが出たぞ

 

47:名無しの一般人

タッチの差で報道より早くて草

 

48:名無しの一般人

で、イッチはどうしたいわけ?

というか、前も思ったけどよくその状況でこんなことできてるな

 

49:名無しの人質

>>48

状況をどうにかしたい

なんか慣れちゃったし、前に座られてるから視界的にこの子には多分気付かれてないし

 

50:名無しの一般人

いや、周りをがっつり戦闘員達に囲まれてんじゃねえか……

 

51:名無しの一般人

誠に羨ましい限りですぞ!

イッチ殿、チェリーエンジェルたんの椅子の栄誉を与えられた気分を教えてくだされ

 

52:名無しの人質

あんまり辛くはないけど、なんかこの子がさっきからしきりにお尻をもぞもぞ動かしてくる

 

53:名無しの一般人

エッッッッッッ

 

54:名無しの一般人

ヌゥッ!!!!!

 

55:名無しの一般人

ふむ、何やら盛り上がっておるのう

一体何事じゃ?

 

56:名無しの一般人

こんにちは

 

57:名無しの一般人

イッチが人質にされてテレビ中継されてて祭りの予感

 

58:名無しの一般人

ほう

 

59:名無しの一般人

これはもう安価しかないだろ

 

60:名無しの一般人

待て!

下手をすれば人質が危険になるぞ!!

 

61:名無しの一般人

いいんじゃねえの、その人質がイッチしかいないんだから

 

62:名無しの一般人

ぐう畜すぎて草

 

63:名無しの人質

>>59

うーん、そうだよなー

このまま何もしないでもしょうがないし

それじゃ、まあ3つくらいでお願いします

>>68

>>70

>>72

 

64:名無しの一般人

いいのかよwww

 

65:名無しの一般人

命乞い

 

66:名無しの一般人

逆にその子を人質にして包囲を突破する

 

67:名無しの一般人

〇〇る

 

68:名無しの一般人

罵倒するのじゃ!

 

69:名無しの一般人

泣き喚く

 

70:名無しの一般人

抱きしめる

 

71:名無しの一般人

下僕になる

 

72:名無しの一般人

耳元で「へぬぽぅ」と囁く

 

73:名無しの一般人

死んだふり

 

74:名無しの一般人

つまり、

罵倒して

抱きしめて

耳元で「へぬぽぅ」と囁く

なんだこれ……

 

75:名無しの一般人

何だ最後のは

 

76:名無しの一般人

意味不明すぎてワロタ

 

77:名無しの一般人

大丈夫?

これ、イッチ殺されない?

 

78:名無しの一般人

我のが選ばれたのじゃ!

 

79:名無しの一般人

前二つだけみれば、洗脳っぽい手法で草

最後は知らん

 

80:名無しの人質

まあ、よく分かんないけど取り敢えずやってきますー

 

 

 ――――

 

 

「ふん、ふん、ふふーん♪」

 

 携帯を胸ポケットにしまった僕は、膝の上に座っている少女を見た。

 何やら彼女はご機嫌な様子で、鼻唄を歌っている。しかも、両足をパタパタさせているというおまけつきだ。

 

「君、ちょっといいかな?」

 

 そのピンク色の後頭部に、声をかける。

 すると少女は鼻唄を止め、顔だけを僕の方へと振り向いた。

 その鳶色の双眸が僕を見つめ、僅かに細められる。

 

「あれあれ~? どうしたの、お兄ちゃん。疲れちゃった?」

 

 舌足らずが抜けきっていない、甘ったるい声色。

 言葉だけは、こちらを気遣うようなそれであったが。

 

「そ・れ・と・も~。――もしかして、興奮しちゃった?」

 

 刹那、クスリ、と幼いながらも妖艶さを漂わせる笑みを浮かべ。

 フリフリ、とわざとらしくそのお尻を僕に意識させるように擦りつける。

 

 大きなお友達の一部にとっては大興奮必至かもしれないが、生憎と僕の女性のタイプは真逆。

 よってただのロリだろうが小生意気なメスガキだろうが興味はなく。その所作をとっても、小さい子供の背伸び以上には思えなかった。

 

「立って」

 

 端的に告げる。そうしないとこの後の行動に移せないためだ。

 しかし言ってから気付いたが、体勢の指定は無かったし、今のままでもできなくはなかったのではないか。

 とはいえ、やっぱりいいと訂正もできないでいると。

 

「ん~? 別にいいけど、変なの~」

 

 言うことを聞いてくれるかは確信がなかったが、それでも少女は不思議そうな顔をしながらも、こちらに従って立ち上がってくれた。

 続いて僕も立ち上がり、少女と相対する。

 

 改めて彼女を見てみれば、誠に遺憾ながら背丈はそれほど変わらなかった。明らかに年齢差はありそうなのに。

 だが、僕の方が若干高い。そこでまずは胸を撫で下ろす。

 服装を見れば、何と言えばいいのだろうか。

 所謂、ゴスロリと呼ばれる部類の黒い服を着ている。ただ、何故かお腹の辺りは露出しているへそ出しルック。

 悪の組織っぽいといえばぽいし、そうでないっぽいとも言える恰好だ。

 

「お兄ちゃんは本当に小っちゃいね~。ざぁこ♪ ざぁこ♪」

 

 あちらを観察している間に、相手も僕を下から上に見ており、揶揄うようにそんなことを言ってきた。

 分かってはいたけど、面と向かって言われるとイラっとする。

 

 ……最初は、罵倒だったか。

 非常に好都合だ。この生意気な少女にわからせ(・・・・)てやろうじゃないか。

 

「それで~? 小っちゃくてかわいいお兄ちゃんは~、いきなり、どう――」

「うるっさいなあ」

 

 話の途中で割り込み、バッサリと切り捨てる。

 瞬間、周りを囲っていた戦闘員達が殺気立った。

 肝心の少女はといえば、え、と思わずといったように声を漏らし呆然としたようにこちらを見ている。

 

「……お兄ちゃん、生意気だね~。いいのかな~、そんな態度を取っちゃって」

 

 しかし、流石は悪の組織の幹部といったところか。

 彼女は何を言われたのかを理解すると、ついさっきまでの小馬鹿にしたような顔はどこへやら、すぐさま冷徹な仮面を被った。

 横溢する敵意。欠片も向けられていなかったそれが、ヒシヒシと僕の身体に突き刺さるのが分かる。

 だが、その程度で止まる僕じゃない。

 

「こちとら、小さくなりたくて小さいんじゃないんだよ!! おかしいだろ、高校生だぞ僕は!? 初対面の人に、一度も高校生と思われたことなんてない、酷いときには小学生扱いだっ!!」

「……っ、そんなの知らな――」

「ああ、知らないだろうさ! だいたい、ショタってなんなんだよ!? そんな奴元々いなかったじゃないかぁぁっ!!」

 

 ビクリ、と眼前の少女が身を竦ませた。

 じり、と周囲の戦闘員達が円を縮めてきた気がする。

 だがそんなので怒れる僕は止まらない。

 

 あれ、これって罵倒なのか?

 自分で言ってて、ふと思った。……なんか、惨めになりそうだから話題を変えよう。

 しかしそう考えれば、罵倒って案外難しいな。

 取り敢えず、僕もだがショッピングモールも被害にあってるからそっち路線で行くか。

 

「だいたい、さっきここを襲ったのに意味は無いって言ってたよね!? 百歩譲って、何か目的があるならいいさ! いや、全然よくないけど、まだマシさ!」

「……それはお兄――」

「君みたいなお子ちゃまや引き篭もってる人達には分かんないかもしれないけど、休みの日だってショッピングモールの皆さんは働いてるんだ、連休は書き入れ時なんだ!! こんなことされたら、ショッピングモールの売り上げが落ちるじゃないか!!」

「悪の組織がそんなの気にっ――!」

シャラップッ(shut up)!!」

 

 反論しようとするのを、尽く封殺する。

 最初こそ気丈に振舞っていた少女は、段々とその仮面が剥がれ落ちつつあった。

 顔色は年相応の困惑、そして怯えを含んでいるのが感じられる。

 

 いいぞ、もう一押しだ。

 丁度いいから、あのポンコツも纏めて成敗してくれる。駄目押し喰らえっ!

 

「大体、人質にとられたところで、僕が悪に屈すると思ったか!? 素直に言うことを聞くと思ったか!? とんだ甘ちゃんだ、甘すぎるっ!!」

「…………」

「いいか、僕が悪の手先に成り下がることはありえないっ!! これは絶対だ!!」

「…………」

「そもそも、その年で、そんな小っちゃい身体でこんなことして危ないじゃないか!」

「……ふぇっ」

 

 最後のは、些細な意趣返し。散々僕のことを小さいと言ったんだ、こっちだって言ってやらないと気が済まない。まあ、危ないのは主に今まさにこうして巻き添え食ってる僕なのだが。僕に関わらないのなら好き勝手やってよろしい。

 

 ともかく、これで言いたい事は言い切った。

 

「常識人代表として、言わせてもらったよ。この位で勘弁してあげようじゃないか」

 

 僕がそう宣言して指を突き付け、改めて少女を見れば。

 

「……うぅ、ぐすっ……ひっく……」

 

 泣いていた。

 余裕さはもはやそこに完全に無く、ボロボロと涙を流して。

 つまりはガチ泣きである。悪の組織の幹部とはいえ、幼女を泣かせている。絵面としては最悪だった。

 

 ……やっば。

 

「「「――我らが天使を泣かせた者は、万死に値する」」」

 

 周囲の戦闘員さん達も大層お怒りである。謝っても許してもらえなさそうだ。

 まだ距離はあるが、今にも飛び掛かってきそう。しかし、まだ間に合う。

 次だ、次。次は、そう――。

 

「――っ!」

 

 抱き着く。いや、抱きしめるだったか?

 ええい、もうどっちでもいいや。とにかく、少女に近寄って正面からその小さな身体を両腕に抱いた。

 少女が息を呑み、身を硬くしたのが感じられる。

 

 そうして、僕は彼女の耳元で、こう囁くのだ。

 きっとそれが、この状況を切り抜ける魔法の言葉だと信じて。

 

「――へぬぽぅ」

 

 ……いや、なんだこれ。

 本当に、なんなんだろうね?

 もうどうなってもしーらない。

 

 

 ――――

 

 

 ――叱られたのは、初めてだった。

 

 私は、裕福な両親の元、一人っ子として生まれた。

 けれども、お父さんもお母さんも仕事だなんだと、家にいないことばかり。

 ハウスキーパーのおばさんが面倒は色々と見てくれたけど、結局その人とてただの仕事。

 本当の家族ではなく、些細なことでも距離を感じた。

 構ってもらいたくて悪いことをしたこともあったけど、一度として。両親にも、誰にも叱られたことはなくて。

 

 ――心配されたのは、初めてだった。

 

 学校から一人で帰っている時に、よく分からないおじさん達に囲まれた。

 今となっては悪の組織への勧誘だったと知ってるけれど。当時は、いきなり自分達の上に立って欲しいって言われてもっとよく分からなくて、ただ凄く必死だったから可哀そうになって着いていったのを覚えている。

 その時までは、もしかしたら帰りが遅かったらお父さんもお母さんも私のことを気にかけてくれるかもしれない、と淡い期待を抱いていた。

 でも、そうはならなくって。私は悪の組織に入った。

 きっと今も、私が悪の組織の幹部であることを二人共知らないだろう。

 配下のおじさん達も、私のことは崇めるだけだ。心配されたことはない。

 

 ――泣かされたのは、初めてだった。

 

 泣かせたことはある。

 学校のクラスメート、ちょっかいかけてきた男の人、敵対したヒーロー、配下のおじさん達。

 陰口を叩かれていたからやりかえした。

 気持ち悪かったから適当にあしらった。

 向かってきたから叩き潰した。

 罵ってほしいって言われたからそうした。

 

 誰もいない家も、そういうものだと当たり前のように思えてしまった。

 寂しかった時ですら、涙は出なくって。

 おじさん達に無茶なことをいっても、皆は私の言うことを喜々として聞くだけ。私を泣かせた人はいない。

 

 ――抱きしめられたのは、初めてだった。

 

 両親も、ハウスキーパーのおばさんも、学校の先生も、配下のおじさん達も。

 肌と肌の接触はあったような気はする。

 それは例えば、握手だったり、頭を撫でてもらったり、膝に座らせてもらったり。

 けれども、面と向かって抱きしめられたことはなかった。

 私に熱をくれた人はいなかった。

 

 だから、拭っても拭っても涙は止まらなかった。

 だから、その温もりは私にとって未知のものだった。

 

 お兄ちゃんに抱きしめられた時。

 耳元で何かを囁かれたが、初めての感情に戸惑っていた私は、それを聞き逃してしまった。

 でも、きっと素敵なことを言われたに違いない。

 好き? ううん、きっと愛してるって言われたんだ!

 えへへ、だって彼は私のお兄ちゃんなんだから。

 

 最初にお兄ちゃんのことを知ったのは、噂だった。

 

 ――高校生だけど、私達と同じくらいにしか見えない男の人が近くの学校に通っているって。

 

 仲がよくもないクラスメートがそんな話題で盛り上がっているのを偶々聞いた私は、最初はバカみたいって思った。そんな人いるわけないって。

 でも、気まぐれで見に行ってみた。いなくてもそれはそれでよかった。

 

 ……でも、貴方はそこにいた。

 

 だから今回も、気まぐれで掲示板で聞いたことをやってみたけど。

 今となっては本当にあの書き込みに感謝している。

 

 血が繋がっていないのは当然分かっている。

 でも、そんなことは関係無い。

 ようやくわかった。お兄ちゃんこそが、本当の家族だったんだって。

 お父さんとお母さんも、配下のおじさん達も、ただのごっこだったんだって。

 

 叱ってくれて、心配してくれて、抱きしめてくれて。

 そんな人は、今まで私にいなかった。

 だから、今まで寂しかったのは当たり前だった。

 私の、ワタシの、大事な大事なお兄ちゃん。

 

 そっと、私は両腕を彼の身体に回す。

 お兄ちゃんがやってくれているように、お互いに抱きしめ合うように。

 

 ――やっと、見つけたよ。

 

 

 

 怒り狂ったアンフェア(幼馴染その一)と、ヒーローハートビート(幼馴染その二)が乱入してくるまで、後三秒。




というわけで、正解は『へぬぽぅ』でした
適当に私の頭に浮かんだ単語です。

なんか書いてる内に、何書いてるんだろうと思わず自問するほどに変な方向に行きました。
次回は、この騒動をテレビ中継越しに掲示板の面々から見た内容+αです

読んでいただきありがとうございます、次話もよろしくお願いします。
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