収束×集束×終息する世界   作:混沌の魔法使い

46 / 114
4周目の世界 滅びを求める地球意思 その17

4周目の世界 滅びを求める地球意思 その17

 

オーカス討伐と口にするのは簡単だが、オーカスは今まで戦ってきた上位の悪魔では最も戦いずらい相手と言えるだろう。弱っている今畳み掛けたい所だが、無策で突っ込めば負けるのは俺達だ。追跡班と陽動班が頑張ってくれている間にオーカス対策を纏めなければならない。

 

「そこまでか? 豚野郎なんかよりもミトラスの方が強いんじゃねえのか?」

 

「単純な地力で言えばミトラスの方が上ですよ。それは間違いないです、ヒメネスさん」

 

ミトラスはマハブフダイン、大冷界、精神に異常を来たさせる万能魔法、大多数との戦いに特化しているが、単体戦闘の能力も群を抜いているし、配下の悪魔も多数いて、ミトラスが指揮官タイプの悪魔だった事を考えると勝てたのは本当に奇跡に等しい。

 

「正直に言えば契約を吹っかけないと全滅してただけの相手だと言えますよ」

 

契約で互いを縛り戦闘方法に制限を掛けたから勝てたのであって、真っ向から戦えば現状の調査隊の戦力では勝てない相手と断言出来る。

 

「何故オーカスをそこまで危険視するんだ長久」

 

「カトーさん。簡単です、相手が馬鹿だからです」

 

はっ? という声が司令部のあちこちで上がるがオーカスが厄介なのは頭が弱い点にあると言える。

 

「頭が弱いから戦術や戦法なんてありません。周囲のMAGと生命力を吸収して、そのでかい図体で力任せに暴れまわる。これを厄介と言わず何を厄介と言えば良いのでしょう?」

 

「あーそういうことか……なるほど確かに厄介だな、あの図体だ間違いなく体力も桁違いだよな?」

 

「恐らく、ミトラスよりタフなのは間違いないと思いますよ。それに加えてMAGと生命力の吸収による回復……これを上回る火力を出せなければ……負けです」

 

オーカスの回復力を上回る攻撃力が調査隊にあるかと言われると不安が残る。では悪魔を主力にするにしてもオーカスのMAGドレイン能力を考えると吸収範囲から逃れ遠距離攻撃に攻撃方法が縛られる可能性が高く、安定した火力を出せるとは言い難い。オーカスを倒すためには安定したダメージソースが必要不可欠なのだ。

 

「オーカスバスターはどうでしょうか? 若様」

 

「ダメージは与えれると思うけど……澪。それ連射出来る?」

 

「……出来ません」

 

「じゃあ駄目だね」

 

オーカスにダメージを与えやすくとも、連射出来ないのでは回復が追いついてしまう可能性がある。

 

「デビルCOーOPを主軸に考えるべきだろうか?」

 

「はい、ゴア隊長。僕もそれがベストだと思うのですが……肝心のオーカスに弱点があるかどうかは分かりません」

 

デビルCO-OPの理論は分からないが、弱点をつく事で悪魔のMAGに影響を与えてダメージを与えていると俺は考えている。確かに強力な武器であり、調査隊の面子も多く生き残っているので1発でも発動すれば相乗効果でダメージが倍増するだろうが……。

 

「高位の悪魔は弱点が無い……そうよね?」

 

「はい、その通りです。ゼレーニンさん。あんななりでもオーカスは魔王個体ですからね、弱点がない可能性も十分にあります」

 

高位の悪魔ほど弱点が少ない、オーカスは悪魔で言えば中の下から中の中くらいの個体だが、魔王種と言うのは通常の悪魔とは違う底力のようなものがあるから厄介なのだ。

 

「必要な物はオーカスの攻撃に耐えれるだけの防具、回復力を上回れる武器の2つか」

 

「防具に関しては現在アーヴィンがフォルマを使い魔法攻撃に弱くなりますが、物理攻撃に強くなるリサイクルベストを可能な限り量産してくれています。長久、このリサイクルベストでオーカスの攻撃をある程度軽減出来るだろうか?」

 

差し出された試作品と思われるベストを受け取って観察する。流石にどんな耐性を持っているかまでは分からないが、使われている悪魔のフォルマと素材が効果を発揮しているのか重量からは信じられないほどに物理防御が高いのは間違いない。

 

「オーカスの攻撃には強くなると思いますけど……他の悪魔に見つかると不味いですね。ネコマタとかシルフィーとか、インフェルノとか……」

 

カリーナに生息する悪魔は魔法攻撃に突出している者が多い。マハラギが使えるネコマタやブフーラを使うシルフィー、そしてアギダインを扱うインフェルノなどはリサイクルベストを装備していれば間違いなく直撃を受ければ即死しかねない。

 

「オーカスと戦う班とオーカスの元までの護衛は別の装備にするべきと?」

 

「それが出来ればそうしたいです」

 

オーカス対策とカリーナに出現する悪魔の対策はイコールではない、オーカスに対して対策すれば野良悪魔にやられる。そして野良悪魔に対策すればオーカスにやられる。

 

「ちなみにそこまで言うなら長久。お前の中で考えはまとまってるんだろ? 編成はどんな感じだよ」

 

ヒメネスさんが俺は分かってるぜって言わんばかりの視線を向けてくるので俺の考えを正直に口にする。

 

「オーカス討伐班はゴア隊長を主軸に澪とヒメネスさん、それとタイラーさんがベストかと、ゴア隊長と澪は純粋にMAGを多く溜め込めるので強力な悪魔の使役が可能ですから、タイラーさんとヒメネスさんは射撃の技能が高いので属性弾による弱点のあぶり出し、それとデビルCO-OPを発動させる事による安定したダメージを与えれる要員として考えています」

 

選んだ人員としては後はオーカスの威圧感に屈しないタフな精神力を持っている面子を選んだと言える。

 

「陽動班の皆さんには負担が大きいですが、デビルCO-OPの認識範囲内で待機して貰ってデビルCO-OP対象の人員の増加及びオーカスの元までの護衛班と合流し、戦線維持をして貰えるとオーカスと戦いやすいかと……」

 

「分かった編成は長久君の案を採用する。タイラーとヒメネスは属性弾を可能な限り装備、長久君。私と澪のデモニカにオーカス対策の悪魔を頼む」

 

「分かりました。すぐに準備をしますッ!」

 

ゴア隊長達が仲間にした悪魔は数多くいる、それらを使いオーカスに有利とまでは言わないが一定のダメージを与えれる悪魔を用意する為に俺は動き出したのだが……。

 

(なんだ、この感じ……胸騒ぎがする)

 

オーカスに対する作戦、対策は十分に考えたはず……それなのに言葉に出来ない胸騒ぎを俺は感じていたが、それを解決する時間はなく、俺は悪魔合体プログラムで2体のハイピクシー、澪にメディア、ザンダイン、ジオダインを継承したアメノウズメ、ゴア隊長にアギラオを火炎ブースタを継承させたフェニックスを作成し2人のデモニカスーツへ移動させるのだが、その間も俺を襲う胸騒ぎはどんどん強くなっていくのだった……。

 

 

 

メインモニターに映るオーカスとゴア隊長達の戦いを見ながら私は顔を歪めた。考えうる対策、備えはした……長久も全力を尽くしてくれたのは分かっている。ここまで準備をすればある程度は有利に戦えるのではないかという考えがあった……だがモニターに映し出される光景に私は再び現実を思い知らされた。

 

「これでも届かないのかッ」

 

考えうる限りの装備、悪魔、陽動班と機動班の連携……アントリア、ボーティーズを経てその錬度は間違いなく上がっている。それなのにオーカスに対しては完全に劣勢だった。

 

【どうしたどうした、その程度か人間ッ!!】

 

【エアダイブ】

 

オーカスの巨体が飛び上がり凄まじい速度の体当たりが放たれる。ゴア隊長達はオーカス本体は回避したが、衝撃破に打ちのめされ壁際まで吹っ飛ばされる。

 

「ぐっく……アメノウズメ……ッ」

 

【分かっていますわッ!!】

 

澪が何とか立ち上がりアメノウズメへ指示を出し、アメノウズメの手から溢れた光がゴア隊長達を包み込んだ。それによって体力を回復したゴア隊長達は立ち上がるが映像越しでも呼吸が荒いのが判る。

 

「長久! 式神で何とかならないのか!?」

 

「今考えてます……ちょっと静かにしてくださいッ!」

 

長久に怒鳴り返され、すまないと謝罪する。戦闘開始時点ではゴア隊長達が圧倒的に有利だったのだ。オーカスの弱点が火炎と電撃と分かり、デビルCO-OPとオーカスバスターで回復力を上回るダメージを与える事が出来ていた。だがオーカスが手にしている杖を振るってから戦況が変わった。火炎と電撃でデビルCO-OPが発動しなくなったのだ。そこから少しずつゴア隊長達の形勢は不利になり始めたのだ。

 

「バリア、弱点を補填する魔法……杖から溢れた光は2つ……赤と黄色……ヒメネスさん聞こえますかッ!」

 

『なんだ長久! あの豚野郎の突破方法か!?』

 

「オーカスは弱点を無効化するバリアを張っています! 僕で無力化出来るのは1つだけ、火炎か電撃か、どっちが無効化出来るか分かりませんが……バリアを無効化しますッ! そこを狙い撃てますか!」

 

『俺の勘を信じるってか、良いぜッ! やってくれッ!』

 

式神の口が開かれ、そこから放たれた光がオーカスを照らすと同時に銃声が響き渡る。

 

【ブ、ブォォ――ノオオオオオッ!?!?】

 

オーカスが凄まじい絶叫を上げ、不可視の衝撃破が全方位からオーカスを打ち据える。

 

『しゃっ! おらあッ! 俺の勘を舐めるんじゃねぇぜッ! ゴア隊長! タイラー、澪ッ! 畳み掛けるぜッ!!』

 

2分の1に賭けにヒメネスは勝利し、デビルCO-OPによって戦況が再びゴア隊長達が有利になる……そう思った時オーカスが再び杖を振るった。

 

【ボナペティッ!!】

 

【食材調達】

 

オーカスの回りに片耳がつぶれた黒い豚が2匹現れた。本当に普通の豚と大差ないその姿にオーカスは余力を失ったと私は判断した。

 

『弱ってる! 今がチャンスだ』

 

「駄目だ! タイラーさんッ!』

 

タイラーが動き出した瞬間黒い豚――後で長久に教えられるのだがカタキラウワが一声鳴声を上げると黒い光が放たれ、それに飲み込まれたタイラーは糸が切れた人形のようにその場に崩れ落ちた。

 

「た、タイラーの心肺が停止しましたッ!」

 

「なッ!?」

 

メディカルチェックをしていたオペレーターの言葉に私は言葉を失った。瞬きの一瞬の間にタイラーが死んだ……その現実を受け入れる事が出来なかった。

 

「ヒメネスさん! 地返しの玉を使ってください! 今ならまだ蘇生できるッ! ゴア隊長と澪はカタキラウワを警戒してください! そのカタキラウワは即死魔法を使ってくるッ!」

 

【マハムド】

 

【マハムド】

 

【人間に呪殺が耐えれるか! 死んだ所を喰らってやるブォーノーッ!!】

 

【エアダイブ】

 

長久の警告を嘲笑うようにカタキラウワが連続でマハムドを放ち、毒々しい紫の光とオーカスの咆哮と共に放たれたエアダイブの衝撃によって、通信が断絶する。

 

「急いでモニターを復旧させろッ! 追跡班! 追跡班聞こえるかッ! ゴア隊長達の援護に回れッ!」

 

「このガキがッ!」

 

「うっッ!?」

 

私が指示を出す後で怒号と長久の呻き声、そしてゴトっという音がし、ギョッとして振り返ると拳を振り下ろした姿勢のクルーと頭を殴りつけられたであろう長久が司令部の床に倒れこんでいた。

 

「こんなガキが指揮を取ってるのがおかしいんだッ!」

 

足を振り上げ長久の頭を踏み潰そうとするクルーの腹にタックルし、長久から引き離す。

 

「貴様何をしているのか分かってるのかッ!」

 

「何をッ!? 悪魔憑きのガキを殺して何が悪いって言うんだッ!? ええっ!? こいつの言う通りにしたからゴア隊長達が死んだんだッ! こいつは疫病……「黙れッ!!」ぐっ!? ふざけんなよ、カトーッ!!!」

 

「ふざけてるのはお前だッ!」

 

「動かしちゃ駄目よッ! ゾイを、ゾイを司令部に呼んでッ! 早くッ!!」

 

長久へ暴行を加えたクルーを引き離し、オペレーターが医療室のゾイを呼んでくれと叫び声を上げる……タイラーの死、そして映像が途絶えた事で作戦行動中なのにも関わらず司令部は混乱へと陥る。

 

「皆落ち着け! 落ち着くんだッ!!」

 

その混乱を必死に沈静化させようとするが私の言葉に誰も耳を傾ける事はなく、司令部は罵詈雑言が飛び交う大混乱へと陥った。シュバツルバースの調査と言う先の見えない現状に疲れ、長久への不満が爆発した瞬間であり、それを沈静化させる術を私は持たないのだった……。

 

 

 

 

マハムドの連射とエアダイブの衝撃によってカメラが破壊されたが、ゴア達は健在だった。マハムドは確かに恐ろしい魔法ではあるが強い精神力を持っていれば耐えられる。タイラーは不意をつかれマハムドで一時は死んだが、地返しの玉による素早い処置で息を吹き返していた。

 

「澪、ヒメネス、あの黒い豚の悪魔を頼む、私はフェニックスと共にオーカスを叩く」

 

「……それしかねえな、長久もそうだが、レッドスプライト号と連絡がつかねえ、俺達だけで何とかするしかねえな」

 

連絡が途絶えた事で安否を伝える事は出来ないが、カトーに私が居ない間の指揮は任せてあるので大丈夫だと判断し、作戦を続行する。

 

【は、ははははははッ!! やはり人間ッ! 人間なんぞ、この……【キュアアアアアッ!!!】ご、ゴガアアアッ!?】

 

フェニックスの放ったファイヤブレスの業火にオーカスが巻かれ、デビルCO-OPの不可視の衝撃がオーカスへと襲い掛かる。

 

【ブウ、「くたばれ、この豚ッ!!」ピギィッ!?】

 

カタキラウワに向かってヒメネスが銃弾を放ち、マハムドを放とうとしていたカタキラウワは呻き声を上げて地面へ落ちる。

 

「澪! もう一体だ! マハムドを唱えさせるなッ!!」

 

「分かってるッ! ハイピクシーハマオンッ!」

 

【行くわよッ!!】

 

ムドと対成す昇天魔法が放たれカタキラウワは断末魔の声も上げずに光の中へと消え去り、デビルCO-OPの不可視の打撃がもう1体のカタキラウワとオーカスへと叩き込まれる。

 

【グガアッ! 喰う! 喰うぞォッ!!】

 

【ぴ、ぴぎゃああああああッ!?】

 

「喰って傷を癒して……ッ! フェニックスッ! ファイヤブレスッ!!」

 

【キュアアアアッ!!!】

 

フェニックスがファイヤブレスをオーカスへ向かって吐き出すが、カタキラウワを喰らって体力を回復したオーカスの方が早かった。

 

【温いわアッ!】

 

【アクセルクロー】

 

【ピ、ピギャアアアアッ!?】

 

その巨体からは信じられない側で動いたオーカスはその爪をフェニックスに突立て、カタキラウワと同様に頭から貪り食う。

 

「ロスト……ッ!? 完全消滅したのかッ!」

 

私のデモニカスーツからフェニックスの名前が消えた。オーカスに喰われた事で再生不可能の完全な死を迎えてしまったのだとわかり顔を歪める。

 

【褒めてやる……人間にしては良くやったと……だが……それもここまでッ! お前達も喰らって【ブモオオオオッ!!】ぬ、ぬううッ!?】

 

牛の嘶きがオーカスの言葉を遮り、エアダイブをしようとしたオーカスを無理矢理上から押さえ込んだ。

 

「長くは持ちませんよッ! ハイピクシーアギラオッ! アメノウズメジオダインッ!!」

 

「澪銃を貸せッ! 電撃弾も火炎弾もぶちこんでやらあッ!!」

 

「ハイピクシー! アギラオッ!!」

 

モラクスが押さえ込んでいる間に攻勢に出るしかないとMAGの消費を考えず悪魔に火炎と電撃魔法を使うように指示を出す。

 

【行け行けーッ!!】

 

【外したら駄目よ! 確実に当てるのよッ!!】

 

【分かってるー♪】

 

【ブォォォォォォォォーノッ!?】

 

業火と電撃がオーカスを捉え、デビルCO-OPが発動しオーカスを打ち据える。モラクスに押さえ込まれているので逃げる事も出来ず、アギラオとジオダインがオーカスの身体を焼く。

 

「まだ動けるのか……どんだけタフなんだ」

 

かなりのダメージを与えているのにオーカスは今だ健在。その恐るべし体力には流石の私も驚かされる。

 

【悪いけどそろそろMAGが怪しいわよ】

 

【うーそろそろ限界】

 

ハイピクシーとアメノウズメの限界も近い、アギラオとジオダインという強力なダメージソースを失えばオーカスを倒しきるのは不可能かもしれない……そう思った私は一か八かの賭けに出る事を決断した。

 

「ハイピクシー。ニヒルにアギラオを当ててくれるか?」

 

【いいけど大丈夫~?】

 

「大丈夫だ、頼む」

 

【ん、分かったアギラオッ!】

 

ニヒルにアギラオが当り刀身が赤熱化。義手で握っているがその熱に思わず額に汗が浮かぶ。

 

「ゴア隊長!? あんた何してるんだ!?」

 

「MAGが尽きる前に決めるッ! ヒメネス、澪援護しろッ!!」

 

ヒメネスと澪に援護するように命じ、燃え盛る刀を構えオーカスへと突進する。

 

【グググ……ブォォォォォォォォーノッ!】

 

【ぶ、ブモォオオオオッ!?】

 

凄まじい咆哮と共にモラクスが弾き飛ばされ、自由になったオーカスが杖を振りかざす。

 

【アギラオ】

 

【マハラギオン】

 

動く体力が無く放たれたであろうアギラオとマハラギオンの中に自ら飛び込む。物理耐性が高い変わりに魔法耐性が低いリサイクルベストにアギラオとマハラギオンの熱は耐え切れるものではない。

 

「ぐ、ぐおおおおおッ!!!」

 

凄まじい痛みに耐えながら叫び、地面を強く踏みしめて大きく跳ぶ。

 

【馬鹿目ェッ!! 「馬鹿はてめえだ豚野郎ッ!!」「ゴア隊長そのままッ!!」ブォォォォォォォォーノッ!?!?】

 

飛び上がった私の股の間をヒメネスと澪の放った火炎弾と猛雷撃が通りオーカスを捉える。

 

「ゴア隊長行けーッ!!!」

 

「ぶっ飛ばせーッ!!!」

 

「うおおおおおッ!!!」

 

陽動班のクルーたちの言葉を背に、私は両手で握り締めた赤熱化した妖刀ニヒルで袈裟切りにオーカスを斬り付けた。

 

【ブ、ブ……ブォォォォォォォォーノッ!?!?】

 

凄まじい絶叫と共に切裂かれた箇所からオーカスを形作るMAGが吹きだし、オーカスの輪郭がぶれ始める。

 

【ま、まだ……まーだああッ!!!】

 

【食材調達】

 

オーカスが最後の力を振り絞りカタキラウワが再び召喚され、次の瞬間にはMAGの光となり消滅した。

 

「み……お。ひめ……ねす……最後……気を……ぬくん……じゃねえ」

 

息を吹き返した物の意識を失っていたタイラーが壁に背中を預けたまま、ブラスターPを構えたタイラーがにやりと笑う。

 

【お、おのれ……】

 

「これで、トドメだッ!!!」

 

最後の力を振り絞り上段に構えた妖刀ニヒルを振るい、オーカスの首を刎ねる。

 

【消えるのか……消化されるのか……我が体も……いや……流れ……消え……いつの日か……】

 

首を刎ねられ、身体からMAGを放出させながらオーカスは消滅し、残されたフォルマとロゼッタ物質を回収する。

 

「皆良くやってくれた。これよりレッドスプライト号へ帰還するッ!」

 

「「「了解ッ!」」」

 

1度死んだタイラーも無事に息を吹き返し、負傷者も多数だが死者はいない。次のセクターへ行くためのロゼッタ物質も入手し、また1歩前進出来ると嬉々としてレッドスプライト号へ帰還した我々を待っていたのは暴行を受けた長久君が意識不明であると言う信じがたい報告なのだった……。

 

 

4周目の世界 滅びを求める地球意思 その18へ続く

 

 




ショタ久の不幸はまだもう少し続く感じです、次回は意識不明のショタ久とアリスちゃんを登場させてみたいかなと思っております。長久が復活するまでは1回休みですしね、ちょっとここで他のイベントを進めて見たいと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。