収束×集束×終息する世界   作:混沌の魔法使い

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4周目の世界 滅びを求める地球意思 その22

 

4周目の世界 滅びを求める地球意思 その22

 

翔子を模倣したドッペルゲンガーと澪の戦いが終わるまで私はじっと待っていた……いや、正確にはジョージに待つように指示を出されていたと言える。

 

「翔子のドッペルゲンガーと共に戦えば確実に澪は処理出来る」

 

『私は反対するよ、バディ。あのドッペルゲンガーは通常固体ではない、恐らく高位の悪魔の指示によって澪に試練を与えると言う名目でこの場にいるはずだ。今乱入した場合高確率で澪とドッペルゲンガーが君の敵となる可能性が極めて高い。ここで無理に勝負を仕掛けるのは避けるべきだ』

 

ジョージの正論に飛び出しかけていた身体を押し戻す。

 

『まだ君は全力で戦える状態ではない。君が全力で戦えるのは澪がより成長したその時だ。君と澪はほぼ同一存在という事を忘れてはいけない』

 

「……分かっている」

 

最初は不意打ちで殺したが、恐らく次はほぼ同等の戦いになる……葛葉の力を使っている以上あの時のように楽に殺せるとは思っていない。

 

「だがそれでも私はこの戦いの中に乱入するべきだと思っている。安全マージンを取れるのはここまで、次からは余りにも不確定要素が強すぎる」

 

長久を救い出せるチャンスで安全マージンを取れるのはここまで、セクターデルファイナスからは安全が保障出来なくなる。

 

『勿論それは私も理解している。だが君がより力を発揮できるのはデルファイナスからだ。先にジャック部隊を行動不能に追い込む、後にデルファイナス奇症によって警備が緩くなったレッドスプライト号へ侵入する。これが一番確実だと私は思うよ』

 

ジョージに言われなくともそれが一番確実と言うのは分かっている。だけどそれでも……私はカリーナで決着を付けたかった。

 

「バディ。仕掛けるわよ」

 

『OK、悪魔が使えない分しっかりとサポートする。思う存分戦ってくれ』

 

ジョージの言葉に頷き、ドッペルゲンガーの翔子が倒れ澪が宝箱に触れようと屈みこんだ瞬間に私は一気に距離を詰め、手にしていた刀を振るった。だが澪は私が刀を振り切る前に地面を蹴って後方へと飛んでおり、私の刀は空を切った。

 

「避けたか、苦しまずに殺してやろうという慈悲のつもりだったんだがな、ジョージ。お前のせいだぞ」

 

『すまないな、バディ。私のミスだ、これからは作戦行動に口を出さない。君に任せよう」

 

思わず恨み節をジョージに言うのも当然だ。あの必中のタイミングで澪は攻撃をかわした。それだけ澪が本来の力を発揮しだしている証拠だった。仮に翔子のドッペルゲンガーとも戦う事になったとしてもやはり戦いの中で乱入しておくべきだった。ジョージも万全を期したはずが完全にかわされた事で自分が間違いだったと認め、謝罪の言葉を口にするが。

 

「最初からそうしていろ、ジョージ。神代澪……今度こそ貴様を殺す」

 

「アレックス……」

 

「私の名を軽々しく呼ぶなッ!」

 

私の名を口にした澪の言葉を遮るように地面を蹴って斬りかかる。だが澪は飛び込むように前転し私の攻撃を回避し、起き上がると同時に構えた銃から銃弾を放ってくる。

 

「ちいっ!」

 

照準など禄に合わせていない筈なのに恐ろしいほどに正確な射撃に思わず舌打ちする。

 

【厄介な相手ですの! ハーベストですわーッ!】

 

【ラスタキャンデイ】

 

女神デメテルがラスタキャンデイを発動させると同時にポーチから取り出したデカジャの石を投げる。

 

「ッ!? はぁッ!!」

 

デカジャによって身体強化を失い、一瞬たたらを踏んだ澪だが、即座に立て直し裂帛の気合と共に錬気刀を振るってくる。並みの悪魔、並の人間ならば両断されるであろうその一撃を錬気刀の側面に己の刀をぶつけて軌道を逸らすと同時に滑るように澪の懐を取る。

 

「はッ!」

 

「なめるなよッ!」

 

刀が無理ならば徒手空拳で迎撃に出ようとした澪だが、それよりも早く私の正拳が澪の胸を穿ち、澪はくぐもった悲鳴と共に吹っ飛びカリーナの商品棚に背中からぶつかり、その姿を崩れ落ちてきた商品の山の中へと消した。

 

『やったか? アレックス』

 

「いや。外された、完全には決まって……この通りだ」

 

商品の山から飛び出すと同時に投げ込まれた煙幕とアギラオストーンによく爆炎が私を襲うがダメージは殆どないが、煙と炎が消えるまでの間に澪とデメテルの姿は消えていた。

 

「隠れられたか、だが無駄な事。ジョージ」

 

『OK、索敵モードを起動する』

 

女神デメテル、そして葛葉の力を使っている澪のMAGは独特なものであり、隠れていたとしてもすぐに見つけ出せる。

 

「逃がしはしない、何処に隠れようが必ず見つけ出す。ここで確実に貴様を殺す」

 

ここで、カリーナで長久を連れ出さなければならない。デルファイナスに行ってしまえば運の勝負になる……そうなる前に、確実に長久を救える今澪を殺さなければならない。ボーティーズのように油断も慢心もしない、確実に仕留めると自分に言い聞かせるように呟き、私は澪を追って歩き出すのだった。

 

 

 

錬気刀を鞘に収め美鶴様が作ってくれた封印紐で鯉口を縛っていると周囲を警戒していたデメテルが私に視線を向けてきた。

 

【気休め程度ですのよ?】

 

「今はその気休め程度が欲しいんだ。女神デメテル」

 

この紐は錬気刀と私のMAGを封ずる特殊な繊維で作られた紐だ。

 

「錬気刀と私は同一。この刀の芯は私の骨と髪と血液で作られている」

 

【ジャパン頭おかしいですわね?】

 

「そこは同意しよう」

 

生娘の骨と髪と血液を混ぜて芯を作ることで強力な錬気刀を作る……そんな外法が葛葉では日常茶飯事だった。その中でも私はどうもその外法と相性が良かったらしく、髪と血液を何度も採取されたのを覚えている。流石に骨は数えるほどだったが、幼い頃はずっと坊主頭だったのを良く覚えている。

 

【勝算はありますの?】

 

「逆に聞くがあると思うか?」

 

【……思いませんの】

 

アレックスは恐ろしいほどに強い、デモニカスーツの性能もあるだろうが……封印していたMAGを解き放った私よりも尚強い。

 

「デメテル。外の空間を一時的でも良い外の世界と同じに出来ないだろうか?」

 

【その服を脱ぐためですの?】

 

「ああ。錬気刀を抜いて、デモニカスーツを脱げば互角程度には戦える。ヒメネス達に救援信号を出して彼らが来るまで耐える。あるいはアレックスを殺す、撃退する事が私とお前の生き残る術だ」

 

私だけではなくアレックスはデメテルも敵と定めている。デメテルが生き残る為には私に協力するしかなく、私が生き残る為にもデメテルの協力が必要不可欠だ。

 

【分かりましたの、でも動ける範囲はそう多くないですわよ?】

 

「それでも構いません、よろしくお願いします」

 

【分かりましたの、すぐに準備しますわ】

 

デメテルが崩れた商品棚などを蹴っ飛ばし、広い場所を作ると豊穣の舞いのようなものを踊り出す。どこまで出来るかという不安はあるが……デモニカスーツを脱いで戦えるように祈るしかない。

 

【あのさー? なんで私も連れてきたの? もう消滅する寸前なんだけどさ?】

 

「成り行きですね。もしかしたら協力してくれまいかと期待もしています」

 

下半身が消え去り、上半身と右腕だけが残っているアナザー・ヒーローは私の言葉に溜息を吐いた。

 

【ピクシー】

 

【なーに? サマナー】

 

【この人を手伝ってあげて、私に勝ったのに死ぬのは違うでしょ?】

 

アナザー・ヒーローの言葉を聞いたピクシーは私をジッと見つめ、納得したように頷いた。

 

【良いよ。どの道私は1回限りの命、サマナーがそう言うなら手伝っちゃうよ】

 

【ん、ありがとピクシー。そう言う訳だからこの子を貸してあげる。言っておくけど彼女は本当に1回限り、使い所を間違えないように】

 

そう言って契約を譲渡されたピクシーのデータがデモニカスーツに映し出され、思わず私は息を呑んだ。

 

「正気ですか?」

 

【これが1番低コストで1番破壊力が出るんだよね。まぁ澪が私に勝て無かった場合のペナルティって事で】

 

だとしても正気ではない、このピクシーは、いやピクシーですらない。これは爆弾として作られ悪魔の形に出力された存在と言える。だがそんな道理外れの武器に縋るしかないのが今の私だ。

 

「短い間だけどよろしくお願いします」

 

【うん! よろしくね! どーんっとメギドラオンぶちかましちゃうから!】

 

防御も回避も出来ない万能魔法、その最上級のメギドラオンを自身の命と引き換えに発動出来るピクシーがにこりと微笑む。だが私は引き攣った笑みを浮かべるのがやっとだったと思う。

 

【澪出来ましたわよ! あとついでにアレックスが猛ダッシュで……きゃあッ!?】

 

デメテルの出来たという言葉と鋭い斬撃音、そしてデモニカスーツに表示されている外気のデータがグリーンなのを確認し、私は重い拘束具であったデモニカスーツを脱ぎ捨て、再び錬気刀の封を解くのだった……。

 

 

 

 

漆黒の風となった澪の強襲を紙一重で回避出来たのは正直に言って偶然だったと思う……本能的に避ける事が出来たが後ほんの数秒遅ければ私の命は絶たれていた……そう思うほどに強烈な一撃だった。だがそれよりも私が驚いたのは……。

 

「正気か貴様」

 

この人間が生身では生きていられないシュバツルバースの中で生身で立つ澪の姿にだった。

 

「正気? こんな世界で、いえ、悪魔がいる世界で正気も何も無い。等しく皆狂っている……私はそう思いますよッ!!」

 

強烈な踏み込み音と共に何かが飛来した。咄嗟に地面を蹴って後ろに飛ぶ事で避ける事に成功した……。

 

「馬鹿な……ッ」

 

『信じられん、こんな事が人間に可能なのか……?』

 

私の最新式のデモニカスーツの胸元が陥没していた。あと数秒遅ければ心臓が貫かれていたと分かり、額から冷や汗が零れる。

 

「馬鹿な事ではないですよ。この程度の児戯……デモニカスーツという拘束具がなければ他愛も無いことです」

 

軽い踏み込みと共に放たれた無数のMAGの刃を見て、咄嗟に前に飛んで回避する。

 

「その動き……やはり葛葉の手の物でしたか」

 

「なっ!? ぐっ!!」

 

回避した直後に目の前にいた澪に動揺し、動きを止めた瞬間に澪の回し蹴りが叩き込まれ、交通事故のような轟音が響き渡り私は呻き声と共に吹っ飛ばされていた。なんとか体勢を立て直し足から着地し銃を構えた時には澪の姿はなく、影が落ちたのを見て頭を庇いながら再び転がると同時に凄まじい轟音が再び響いた。

 

『澪の異常なあの攻撃の正体は分かったかね? アレックス』

 

「ああ。今ので把握したよ、ジョージ」

 

魔法ではなく飴玉のラスタキャンデイを2個まとめて頬張り、それを奥歯で噛み砕いて無理矢理嚥下し身体能力を強化する。魔法ではなく、薬剤としての強化なのでデカジャなどで解除されないという利点がある。信じられないほどに不味い薬剤であり、こんなものを食うくらいなら死んでやるとさえ思っていたがまさかこれで命を拾う事になるとは思ってもいなかったが……これでも今の澪に追いつけるかは僅かな不安が残る。

 

(最悪は撤退するぞ、アレックス)

 

(……分かっている)

 

私は任務を果すまで死ぬ訳にはいかない。安全マージンを失う事になるが、デルファイナス、エリダヌスとまだチャンスはある。

 

「考え事か?」

 

神速の踏み込み、そして突き出される錬気刀の切っ先にMAGが集まりその形状を刀から槍へと造り変えるのを横に飛んで回避し、着地と同時に跳躍した私の足の下を鎌が通過する。

 

「考え事をしていても余裕なのさ」

 

「減らず口を」

 

空中から火炎弾掃射で足止めを狙うが澪が1度錬気刀を鞘に収め、抜き放つと同時に放たれた無数のMAGの刃が火炎弾を全て切り払った。

 

(恐るべき反射神経とMAGの操作の技術……やはり恐ろしい相手だ)

 

神代澪ならば楽に勝てていた。だが今の澪は楽に戦える相手ではない……。

 

「流石はゲイリンの名を継ぎ、捨てただけはある」

 

「……なるほど、未来の知識ですか」

 

私が未来の人間という推測までされているか……とはいえゴアが生きているのならばその可能性は十分に考えられた。だからこそ、ここで切り札の1つを切ると言う決断をする事が出来た。

 

「ジョージ」

 

『……5分だ。それ以上は許可出来ない』

 

「十分だッ!!」

 

私が蓄えていたMAGによってデモニカスーツの機能が解放される。地面が陥没するほどに強く踏みしめて澪との距離を一気に詰める。

 

「ッ!? 早いッ!」

 

「はぁあああああッ!!」

 

MAGの光に包まれた私の錬気刀と澪の錬気刀がぶつかり合い、荒れ狂うMAGによってセクターカリーナの壁が次々と崩壊する。

 

【し、死んでしまいますわー!?】

 

【あわわ!? あわわわあッ!?】

 

私と澪のぶつかり合いの余波から巻き込まれまいと逃げていくデメテルとピクシーにも目もくれず、私は澪だけを睨みつける。

 

「お前の存在を許すわけにはいかないッ! 貴様はここで死ねッ!」

 

「その言葉そっくりそのまま返しましょうッ!!」

 

 

 

 

 

セクターカリーナに響く轟音に俺達は走る速度を早めた。澪からの救難要請が来てから15分……俺達が回収したアイテムをマイク達に預け、マイク達の無事な悪魔数体と瀕死の悪魔を交換するのに5分……その間黒いデモニカの女と戦っていることを考えると状況は絶望的だが、間に合うかもしれないと一縷の希望に縋り俺達は走り続けていた。

 

「くそ! どうしてこのタイミングであの女が出てくる!?」

 

「知るかッ! ゴア隊長がいうには長久を連れ去ろうとしてたんだろ!? 年下趣味の変態女の考えることなんか分かるかよッ!?」

 

「それは止めろヒメネスッ! 澪まで変態にしか見えなくなるッ!」

 

マッキーがそう言うが澪の奴は半分変態に足を突っ込んでいると思うんだがなと思っていると一際大きい轟音が響き渡る。

 

「近いぞ! 戦闘音が続いてるという事は澪は生きている! 急ぐぞッ!」

 

「「了解!」」

 

タイラーの言葉に頷き走る速度を早め、澪と黒いデモニカスーツの女――アレックスを眼前に納めた俺達はその信じられない光景に言葉を失った。

 

「「はぁあああああッ!!」」

 

生身の澪と黒いデモニカスーツの女が振るう刀がぶつかり合う度にカリーナの壁がまるで豆腐かゼリーのように切裂かれる。

 

「ゲイリンの名を捨ててもその技は健在かッ! 葛葉澪ッ!」

 

「葛葉は最早護国にあらず、そして私は元より護国に興味はないッ! そして私はゲイリン候補であり、ゲイリンではない」

 

澪の強烈な前蹴りで黒いデモニカスーツの女が吹っ飛んだ。

 

「ゲイ……リン? 葛葉? 何の話だ?」

 

「いや、それよりも何故澪はデモニカスーツを脱いで活動出来ている!? どういうことだッ!」

 

目の前の光景に混乱しているタイラーとマッキーを無視して、俺はアナザー・カオスヒーローが手にしていた銃を抜き放った。

 

「んな事はどうでも良い! 澪支援するぜッ! バガブー俺を支えろッ!」

 

【バガブッ!!】

 

両手で銃を押さえ、バガブーに支えられながら銃の引き金を引いた。

 

【マハラギダイン】

 

「うおッ!?」

 

【バ、バガブッ!?】

 

凄まじい反動にバガブーもろとも吹っ飛ばされたが、放たれた業火は狙いを外さずアレックスの足元に炸裂する。

 

「ぐっ! 時間を掛けすぎたか……ッ!」

 

「貰った!」

 

足を止めたアレックスに向かって澪が突貫するが、刀を振り切る前に澪は舌打ちと共に後退した。

 

【アレックス! 逃げよ! 汝ではゲイリンには勝てぬッ!】

 

【ここは退けッ! 時間稼ぎは俺達に任せろよッ!】

 

「……すまない、トール、ロキッ!」

 

ハンマーを手にした巨人と黒い蝙蝠の翼を持つ悪魔が澪の前に立ち塞がり、アレックスは背を向けて走り出す。

 

「させるかッ!!」

 

「逃がさんッ!!」

 

マッキーとタイラーが銃を撃つが、トールと呼ばれた悪魔が両手を広げて銃弾を防いだ。

 

【人間よ、悪い事は言わん。逃げるが良い】

 

【俺達はここで自爆するぜ? とっとと尻尾を巻いて逃げねぇと死んじまうぜ?】

 

ハッタリではない、悪魔の身体からは紅いMAGがあふれ、今にも爆発しそうだ。

 

「澪! 道具は回収したのか!」

 

「まだなんです! ドッペルゲンガーを倒してすぐアレックスが強襲して来たのでッ!」

 

長久を救う為の道具がまだ回収されていない。この場に宝箱は無いが、悪魔の後の通路に金色の影が見える。

 

「くそがッ! あれかよッ!」

 

「駄目だッ! あの距離では間に合わないぞッ!」

 

余りにも遠すぎる。俺達の誰かが宝箱に到着する前に悪魔が自爆する。

 

「デメテルッ! なんとかしてください!」

 

【女神を酷使しすぎですわッ!!】

 

【ラスタキャンディ】

 

澪が連れて来た金髪の少女にしか見えない悪魔の手から光が放たれ、俺達を包み込んだ。

 

「ピクシー! お願いします!」

 

【OK! ちゃんと頭を伏せてよ?】

 

「皆頭を庇って地面に伏せてッ!」

 

鬼気迫る澪の言葉に反射的に頭を守って地面に伏せる。

 

【メギドラオン】

 

地面に伏せた俺の目の前で虹色の球体が光り輝き、自爆しようとしていた悪魔を消し飛ばし。虹色の球体を作り出したピクシーもまたMAGの光の中へ消えていった。

 

「……何が起きたんだ……それよりも澪、なんでお前は生身で」

 

「説明は後で、アイテムを回収していてください。私はデモニカスーツを着てきます、レッドスプライト号に戻ったら全てを説明しますので」

 

言うだけ言って走り去る澪の姿を見ながら俺達は目の前に広がるクレーターに視線を向ける。

 

「戻った後も問題になりそうだな」

 

「ああ、俺もそう思うが、今はアイテムを回収するの優先しよう」

 

底が見えないほどのクレーターの周りを通り俺達は金色の宝箱の中に収められていた反魂香を手にしたが、この惨劇をどう説明するのか、そして生身で何故澪がシュバツルバースで活動できていたのか、そして葛葉ゲイリンの名の意味とは、長久を救う為の道具は全て手にすることが出来た。だが新たな頭痛の種……いや、不和の種をどう処理するかに頭を悩ませるのだった……。

 

 

 

4周目の世界 滅びを求める地球意思 その23へ続く

 

 




と言う訳で澪はゲイリン襲名予定だった葛葉の人間でした、とは言えショタひさにメロメロになった。こう書くとアレですが澪さんはショタではないのであしからず、次回はレッドスプライト号での話と、最後に長久が起きる所まで行こうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします。
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