収束×集束×終息する世界   作:混沌の魔法使い

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4周目の世界 滅びを求める地球意思 その40

4周目の世界 滅びを求める地球意思 その40

 

ずるりという生々しい音が聞こえたと同時に反射的に地面を蹴って横っ飛びする。次の瞬間私が立っていた場所が轟音が響いた。

 

【【【よげるなあああああああッ!!!】

 

【バインドボイス】

 

幾重にも重なった耳障りな叫び声が脳裏に響いた瞬間手足が痺れて横っ飛びした状態のまま立ち上がれなくなる。

 

「ゼレーニンッ!」

 

リリがディス・パライズを使ったことで即座に麻痺状態から回復することが出来た。

 

「ありがと!」

 

「仲間だからフォローするのは当然! それより早くこいつをなんとかしないとジリ貧にも程があるんだけど!?」

 

「大分ダメージは通ってるはずッ! もう少し頑張りましょうッ!」

 

「そうはいうけどよ! 弾薬が大分やばいぜ!」

 

カインの言う通り出撃前に持って来た装備はその殆どを使い切ってしまっているし、悪魔のMPも底をつく一歩手前だ。マンドレイクとマンドラゴラが回復の秀でた悪魔なので持久戦になると予想し、ヒメネス達よりも多く物資を持って来ていたのだが、予想以上にマンドレイクはタフだった。

 

【【【あああああッ!】】】

 

「アメノウズメ! ディアラマッ!!」

 

身体を大きく震わせたのを見てアメノウズメにディアラマを指示する。

 

【OK! だけどこれが最後よ!】

 

【ディアラマ】

 

【ディアラマ】

 

アメノウズメの手から溢れたMAGの光とマンドレイクとマンドラゴラが混ざり合った悪魔が身体を震わせて使ったディアラマが全く同時に作用する。

 

【【【あ、アアアアアアアア! 崩れる! 崩れるううううう】】】

 

回復魔法を多用するのは危険だと長久に聞かされていた。MAGによって体力を回復するので過剰回復になり細胞の壊死を加速させるリスクがあると聞かされていた。短時間に乱用しなければ問題は殆ど無いそうだが、悪魔との戦いではそんな事を言ってられない場合も多いからこその長久の警告だったが、それが今回は悪魔に起きた。短い時間で回復魔法の多用によってマンドレイクとマンドラゴラは混ざり合った。それでもなお回復魔法を多用した混ざり合った悪魔の肉体はディアラマによって回復せず、逆に崩壊を始めた。

 

「リリ、カイン今よ! 畳み掛けるわッ!」

 

「OK!」

 

「残ってる弾薬を全部ぶち込んでやるぜ!!」

 

崩壊を始めている悪魔の肉体は私達の見ている前で半透明のゼリーのような物へと変化していた。

 

(これがMAGを失った悪魔の末路)

 

MAGを失えば悪魔は己の肉体を維持出来ない、混ざり合った異形の悪魔の姿が見る見る間にぶよぶよとしたスライムへと変わる。

 

【【【□☆○△ッ!!】】】

 

言葉として認識出来ない耳障りな音を発しながら、辛うじて残っている茎や葉っぱを振り回して攻撃してくるスライムだが、攻撃が完全に当るよりも先に伸ばされた触手や茎はスライムの物へ置き換わる。

 

「こんな鈍い攻撃に当るかよ!」

 

カインのいう通り急速に遅くなるその攻撃に当る訳が無く、カインの放った火炎弾がスライムの身体を打ち抜き、デビルCO-OPの不可視の打撃がスライムを滅多打ちにする。

 

「ジャックランタン!」

 

【も、もう限界ホー】

 

「これで最後よ頑張って!」

 

【後でお菓子を要求するホー!!】

 

【アギラオ】

 

「お願い、頑張ってフェニックス」

 

【く、くあー……】

 

【ファイヤブレス】

 

お菓子を寄越せと言いながらジャックランタンがランタンを掲げてアギラオを放ち、飛ぶ体力の無いフェニックスをリリが抱き上げ、火炎放射機のようにフェニックスがファイヤブレスを吐き出した。

 

【【【アアアアアア、いや、いやだ……アアアアアアアッ!!!】】】

 

最後に搾り出すように嫌だと叫んだスライムはアギラオとファイヤブレスの中へと姿を消し、のた打ち回りながらその身体をMAGの粒子に変えながら消滅した。

 

「ふう……クリア」

 

「これでゴア隊長達が戦ってる悪魔の回復力も下がったはずよね」

 

「長久と大和の計算通りならその筈。でも……とりあえず考えるのはここまでにしましょう」

 

これだけ長時間の戦闘は私は勿論、リリとカインも初めての事でまず最初が尻餅をつくように座り込み、それに続いてリリとカインも倒れた。

 

「救援要請出そうか……」

 

「そうだな。そうしよう」

 

「ええ、それが良いわ。戻るだけの気力も体力も無いわ」

 

文字通り精も根も尽き果てた私達は悪魔をデモニカに収納してから救援要請を出してその場に倒れ込んだ。

 

(やることはやった……後はみんなを信じるだけ)

 

マンドレイクとマンドラゴラによる回復がなくなった事でヒメネス達が戦っている悪魔も倒せるようになったはずだと思いながら、薄れ行く意識の中最後の力を振り絞り、ポーチの中にしまっておいた結界札を破り結界が展開されたのを確認したのを最後に私の意識は闇の中へ沈んでいくのだった……。

 

 

 

放った銃弾が両目を潰されたバジリスクの鱗を深く穿った。今までほんの僅かな傷を与え、そこを魔法で追撃していたのだが銃弾で十分にダメージを与える事が出来た。

 

【ガアアアアア!? 馬鹿な、馬鹿な、馬鹿な! 生命の輪廻が途絶えたのか!? そんな馬鹿なことがあるかアアッ!】

 

生命の輪廻が途絶えた……その言葉の意味は分からなかったが。何が起きているのは理解出来た。

 

「やりやがった! ゼレーニン達がやったみたいだぞ!」

 

「ならこっちも気合を入れようか!」

 

「俺達も伝説を作るかッ!」

 

バジリスクは伝説にも語られる龍だ。それを倒す事で俺達もドラゴンスレイヤーになるかと軽く言うウルフマンに笑みを浮かべる。

 

「それだけ余裕があるなら大丈夫だ。でも慢心は駄目だからな」

 

使役できる悪魔も、戦闘力も俺達はゴア隊長達より劣っている。結局は数の暴力で取り囲んでバジリスクを突破するしかない。誰か1人でも倒れればそこから崩される可能性が高いので慢心するなと警告する。

 

「分かってるわ。目が潰れてもあの巨体よ、少しでも掠めた瞬間にアウトね」

 

「まずは遠距離から削る。接近戦はその後だ」

 

ドーソンもスティードマンも冷静その物で安堵し、俺も銃を構える。

 

【何をしても貴様らを殺す! 最早弱き人間と侮れりはせんぞッ!!】

 

動揺していたバジリスクが冷静さを取り戻したのか威厳を感じさせる声でそう呟いた。

 

『いけない! 全員守りを固めてください!』

 

長久の警告に構えかけた銃にセーフティを掛け、両腕をクロスして守りを固める。

 

【龍の眼光】【タルカジャ】【デカジャ】【チャージ】【冥界波】

 

凄まじい轟音が響き、しっかりと守りを固めていたのに凄まじい衝撃と共に吹っ飛ばされる。

 

「がっはあ……くそったれッ!」

 

「補助魔法……を消された……ッ」

 

デカジャが挟まれた事で補助魔法が全て打ち消され、チャージでその威力を爆発的に高めた物理攻撃は強烈そのもので、長久の警告通り守りを固めてなければ今の攻撃で死んでいたと確信するほどの破壊力だった。

 

【ぬううッ! まだ死んでいないか! 小賢しい人間共よッ!】

 

凄まじい攻撃を繰り出してきたバジリスクは荒い呼吸をしていて、今の攻撃がバジリスクにとっても相当な消耗を強いる攻撃であり、連発が出来ないのは分かった。

 

『次は耐えられない。補助魔法はなしで頑張ってください』

 

「わかってるぜ! ドーソン! マイク! 支援は頼むぜ!」

 

補助魔法を掛けた所でデカジャを使われれば意味が無い、鍛えた自分の身体を信じてバジリスクに突貫するしかない。

 

「うおおおお!!」

 

「蛇野郎! 覚悟しな!」

 

その巨体に組み付き手にしている剣を振るう。鱗が弾け、どす黒い鮮血が飛び散る。

 

【グガアアアアアッ!】

 

バジリスクの苦悶の声が響くがバジリスクは倒れる気配が無いし、ダメージも通っているように見えない。

 

「こいつ守りを固めてやがる!」

 

「奴さんも必死ってか!」

 

さっきの攻撃をもう1度繰り出す為にバジリスクは守りを固めて力を蓄えている。

 

「出し惜しみ無しだ! MAGも体力も全部使え!」

 

「とにかくこいつをもう1度攻撃させるな!」

 

悪魔に一々指示を出している時間はないと判断し、悪魔の自己判断で攻撃するように指示を出し、闇雲に武器を振るう。

 

(まだか、まだ倒れないのかッ!)

 

どれだけ攻撃を続けたのか分からないが、全力で必死に攻撃を続けているのにバジリスクの巨体はまだ倒れない。

 

【し、死なぬ……我はまだ死なぬ! 母の為にい……ッ】

 

執念。ウロボロスの為にまだ死ねないという執念がバジリスクを支えていた。だが負けられないのは俺達も同じだ。

 

『来ます! 守りを固めて!』

 

長久が守りを固めろと叫ぶと同時に俺は剣を両手で構えて全力で地面を蹴って飛んだ。

 

【ウルルルォアアアア】

 

「いい加減くたばりやがれえええええッ!!」

 

バジリスクの瞼が開かれ、バジリスクの身体に見つめられた事で身体が急激に重くなるがそれでも俺は剣の柄から手を離さず、重くなった身体を逆に利用して全体重と石になり掛けている痛みに歯を食いしばって耐え、バジリスクの目に剣を突きたてた。

 

【ギ、ギィやアアアアアア!?】

 

眼が潰され、複数回動く為のスキルがキャンセルされのたうち回るバジリスクに振り払われ地面に叩きつけられるが、それでも俺は叫んだ。

 

「畳みかけろ! 一気に潰せ!」

 

これが正真正銘最後のチャンス。叩き付けられた事で石になった腕がもげたが、石になっているお蔭で逆に痛みは無く、身体を起す事が出来ずに見ることは出来なかったがバジリスクの断末魔にやり遂げたという充実感があった。

 

「あんたなんて馬鹿を!」

 

ドーソンが駆け寄って来て俺を怒鳴るが腕1本を犠牲にしたが、そのお蔭でバジリスクを倒せたのなら御の字だ。

 

『ドーソンさん、もげた腕を出来るだけ近づけて、ウルフマンさんはディス・ストーンの準備を、皆で身体を押さえつけて、あと舌を噛み千切れないように詰め物をしてください』

 

「何をするつもりだ」

 

『死ぬほど痛いんで我慢してください』

 

「ま、待て! 何をするッ!? っああががががががッ!」

 

ディス・ストーンで石化が解除され、腕の痛みに絶叫する俺の口に布が押し込まれ、ドーソンが俺のちぎれた腕を血塗れになりながら傷口に押し当て、そこを回復魔法で無理矢理繋げられる。言葉に出来ない痛みに俺の意識は闇の中へと沈んでいくのだった……。

 

 

 

 

インデイアンズ・キメラの回復力が落ちているのに最初に気付いたのはヒメネスだった。俺達の攻撃をどれだけ受けても自己再生で立ち上がり続けるインデイアンズ・キメラとの戦いは泥沼になりかけていたが、自己再生が無くなっただけでぐっと俺達は戦いやすくなった。

 

「歯を食いしばれ! ビビッてないで前に出ろ!」

 

「言われなくても分かってるぜ!」

 

耐性の無い装備なのでインデイアンズ・キメラの攻撃は俺達自前の頑丈さとデモニカスーツで耐えるしかない。

 

【図に乗るな、人間共ッ!】

 

【マハラギダイン】【アクセルクロー】

 

凄まじい業火に身を焼かれながらそれでも歯を食いしばって耐えて前に出る。振り下ろされた巨大な熊の手に自ら突っ込み完全に振り切られる前にあえて受けることで威力を軽減させる。

 

「「うおらあああああッ!!」」

 

俺とヒメネスの怒号と共に突き出した剣がインデイアンズ・キメラの目に付き刺さる。

 

【グギャアアアアアッ!! 己ええええッ!】

 

【丸かじり】

 

大口を開けてヒメネスを噛み千切ろうとしたインデイアンズ・キメラの口の中に反射的に手榴弾を投げ込む。

 

「お、おい! タイラーお前!」

 

「気合で耐えろ!」

 

俺も歯を食いしばって衝撃に供えた次の瞬間インデイアンズ・キメラの口の中の手榴弾が炸裂し、爆風と吹き飛んだインデイアンズ・キメラの肉片と血が俺とヒメネスに降り注いだ。

 

「バガブー! 突っ込むぞ!」

 

【OKっ!!】

 

「うおおおおッ!!!」

 

「立て直す隙を与えるなッ!」

 

頭が吹き飛ばされたことでよろめいているインデイアンズ・キメラに立て直す隙を与えるなとマッキーが叫び、俺とヒメネスは暴れまわるインデイアンズ・キメラに殴られながらもそれぞれの獲物を振るう。

 

【やってやるホー!】

 

【ブフダイン】

 

【むん!!】

 

【鬼神楽】

 

今まで要塞のようだったインデイアンズ・キメラの巨体が崩れた。この長期戦の中でそれは初めて俺達の前に現れた好機であり、リスクを承知で一気に畳み賭ける事を俺達は選択した。蛮勇というかもしれない、愚かかもしれない。だがそれが俺達がインデイアンズ・キメラを打倒する切っ掛けとなった。

 

【グウルル。死ね、人間共おお!】

 

【マハブフ】

 

咆哮と共に放たれた吹雪は俺達の足を止めるには何の役にも立たない弱い弱い吹雪だった。

 

【な、何故!?】

 

「くたばれッ!」

 

マハブフダインを使うはず発動したのは弱すぎるマハブフに困惑するインデイアンズ・キメラの蛙の首がヒメネスの一閃によって宙を舞った。インデイアンズ・キメラもヒメネス達も知る良しもないが、バジリスクが討伐された事でバジリスクから供給されていたMAGが失われ、インデイアンズ・キメラは大きく弱体化をしていた。自身のスキルであるダイン系の呪文は最下級の呪文になり、身体能力も大きく下降したインデイアンズ・キメラに懐に潜りこんだヒメネス達を追い出すだけの力は無かった。

 

【カアアアア】

 

【アギ】【ひっかき】【体当たり】

 

「ゼレーニン達がやったみたいだな」

 

「ああ! そうみたいだな! このまま行くぜ!」

 

図体が大きく確かに今の状態でも直撃すればそれなりのダメージを受けるが、明らかに初動が遅く、そして攻撃している本人も動揺しているインデイアンズ・キメラの攻撃にヒメネス達が当る訳も無く……。

 

「これで……トドメだッ!!」

 

「これをくらえええええッ!!」

 

「俺達の邪魔をするなぁッ!」

 

【もうし……わけ……ありません……母よ……】

 

ヒメネスの一撃が鳥の頭を刎ね、タイラーの一閃がその翼を断ち、俺の一撃が熊の首を跳ね飛ばした。頭の大半を失い、翼を失ったインデイアンズ・キメラはウロボロスへの謝罪の言葉を口にし、その巨体をMAGの光に変えながら消滅した。

 

「だはあ……つ、疲れた」

 

「確かに厳しかったな……」

 

「だがやり遂げた……後は……ゼレーニン達を救助してレッドスプライト号へ帰還するだけだ」

 

ゼレーニン達もマイク達もやり遂げたが動けるだけの体力は残されていないのか救援要請を出しており、まだ動ける余裕がある俺達で助けに行くぞとヒメネスとタイラーに告げながらチャクラドロップや魔石を投げ渡し、アーサーにゼレーニン達の場所を聞き、俺達は若干重い身体を引き摺りながら歩き出すのだった……。

 

 

 

 

私の振るった一閃をサイドステップで避け、そのまま突き出してきた刀を篭手で掴んで引き寄せ、女の顔面に文字通りの鉄拳を叩き込む。

 

「がぁッ!!」

 

苦悶の声と共に吹っ飛んだ女の影からもう1人の女が飛び出してくるが刀の間合いに入る前に自ら前に出て肩から体当たりを叩き込んだ。

 

「澪! アレックス!」

 

男が女の名前を叫んで前に出ながらアギラオストーンを投げてくるのを見て、マントで顔を庇いながら後に下がる。

 

(他の人間はやったようだな)

 

ウロボロスの子供達が敗れたことで私を縛っていた術はその効力を失い、知性も知恵も戻って来た。ならば抑止力として召喚された英霊として協力するのも吝かでは無いが、それでは駄目だと直感で悟っていた。

 

(仮に悪魔として協力したとしても、なんの為にもならない)

 

あの澪とアレックスという女は互いに敵意を抱いている。それでは駄目だ、ここから先は古き神の領域。今までとは桁違いに強力な悪魔が蔓延るエリアを仲違いしたまま進む事は不可能だ。

 

【むんッ!!】

 

【獣の眼光】【チャージ】【冥界波】

 

力を溜めてからの冥界波を放ち、私と戦っていた人間が3人とも吹き飛び、立ち上がるまでの間に再びチャージを発動させ力を溜める。

 

(何度でも繰り返してやろう。理解せよ、人間)

 

3対1。本来ならば圧倒的に人間が有利な中で互いに仲違いをしているから数の利が全く生かされていないのだ。

 

【はぁッ!!】

 

【ヒートウェイブ】

 

スキルとしては弱いヒートウェイブでもチャージを発動させてから使えばその威力は威力は段違いに強力だ。再び吹っ飛ばされ地面に転がる人間達を見据え、再びチャージで力を溜め込み、大上段に西洋剣を構えた。

 

(まだ分からぬか、私はいつまでも優しくはないぞ)

 

【龍の眼光】

 

知識と知恵が奪われても尚、私は試練として立ち塞がった。だがいつまでも己の因縁を優先し、協力し合う事が出来ないのならば、そんな愚か者達に未来はない。MAGによる時間操作による行動を加速させる龍の眼光を発動させ、武器を構えている人間達を次は殺すつもりで構えを取る。私の動きを見て人間達がなにを選択するかとジッと観察する。

 

「はぁぁッ!」

 

男が刀を構えて突っ込んでくるのを見てやはり協力し合うことは選択しないかと僅かな落胆をし、振り上げた西洋剣を降ろそうとし……。

 

「貴方の思惑は分かっていますよ」

 

腕が上に吊り上げられル。手首を見るとMAGの糸が何時の間にか巻き付いていた。

 

「ああ、そうだな。こうも試されているのは気に食わんなッ!」

 

黒い女の放った銃弾が私の手から剣を弾き飛ばしたが、この身は英霊。獲物を失ったくらいで戦えないほどやわではない。それにこの程度の連携、そして協力で負けてやるほど私はお人よしではない。

 

【タルカジャ】【スクカジャ】【ラクンダ】【冥界波】

 

補助魔法で身体能力を強化し、相手の守りを弱くするラクンダをはさみ、渾身の冥界波を放つ。

 

「そう来ると思っていたッ!」

 

最初に駆け出してきた男の鎧の篭手に小さく光る丸鏡を見た時に私は己の敗因を悟った。

 

【物反鏡】

 

それは決して珍しい品ではない、使い捨てのお守り程度の道具……だがその効力は本物。使えばテトラカーンを発動させる物反鏡が私の渾身の冥界波を跳ね返し放った衝撃波が全て私自身へと跳ね返ってきた。

 

「悪いがお前の望んだ通りに協力し合うことは無いが」

 

「必要ならば手を組むこともしますよ、英霊」

 

【どうも私の価値観が古かったようだ】

 

冥界波に打ちのめされた私に女達の攻撃を凌ぐ余力は無く、私の望んだ協力関係では無いが。それでもこの人間達には前に進むだけの力があると認めざるを得なかった。

 

【見事だッ!】

 

こちらの考えを読み、罠に掛け、自分達の作戦を通した人間達を賞賛し振り下ろされた2刀を身体で受け止めた私はそのまま背中から倒れ込み、新しい人間の価値観はなんと複雑怪奇かと笑いながら己の敗北を認めるのだった。

 

 

4周目の世界 滅びを求める地球意思 その41へ続く

 

 




次回はゴア隊長の視点からは入り、ジャック部隊の話を入れ、ウロボロス戦を開始して行こうと思います。
DSJの最後まで後4話くらいになると思いますが、最後までお付き合いの程宜しくお願いします。
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