何のとりえも無い少女が異世界で生き抜くお話(チート能力は無い模様) 作:カルデアの廃課金マスター
あと、久しぶりの主人公視点に戻ります。
は月こ日
物凄く久しぶりな気がする。
そうだ。ここ数日?数か月?
いやいや。
季節の移り変わりが何周もしていた気がするから数年?
ともかく、かなりの時間が経ったことだけは分かる。
カレンダーなんて物が存在していたとしても、お金無し、食料無し、武器は折れた剣と使っても汚れない不思議な剣だけ。
服もボロボロで布切れを纏っていると言った方が良いかもしれないレベル。
家なんて上等なものはあるはずも無し、安全地帯なんて剣を握りしめて自ら作り出すもの。
日用品なんて土魔法でその場しのぎ。ルーデウスが土魔法で色々作っているのを見てなければ、水で洗った葉っぱを使っていたかもしれないね。
そう私は今、森に居る。
砂漠ではない。
森だ。英語だとフォレスト。
まぁ、この世界に英語なんて無いから誰も理解出来ないんだけど……。
気分が優れないから今日はこのくらいで。
また気分が良い時にでも振り返ろう。
別に紙に書いてるわけじゃないんだから、サボったって何の問題も無い。
どうせ何も変わらない日々なんだかから、そのうち気が向いた時に。
い月べ日
前回から1週間くらい経った……と思う。
二、三日なら覚えていられるけど、それ以上ともなれば何日経ったなんか忘れるし、覚えている余裕なんかない。
初めの方は木に印を付けて日数を数えたりしてたものだが、魔物や獣に壊されたり拠点を移動せざる得なくなったりと、印を定期的に付ける事が困難な日々が続くから辞めた。
やる気があるなら、ベガ何とか大陸で初めて目が覚めた日からやってる。
継続は力なりと言うけど、逆に一日でも早く出来ない日が続いたら即座にやる気が無くなるのが人間の性だろうね。
は月1日
今日は雨で地面がぬかるんでいて、動物を狩るには向いていない。
こうなれば一日中暇だ。
もちろん、魔物さんには関係がないから警戒は常に行っていないと、油断した隙にガブリと食べられてしう。
食べ物が自ら寄ってくるからそれはそれでありな気もするんだけど、今はギリギリ食べる物にも困っていないので却下。
ある程度の怪我は魔力さえあれば治癒魔法で治るとは言え、自ら進んで怪我しに行くほどⅯじゃない。
うん、これ以上の怪我はダメだ。
これ以上身体を傷つけるのは止そう。
今の生活にも慣れて来た。
油断をしなければ生きて行くのは十分できるだろうな。
問題は……現状維持しかできずに帰る手段や取っ掛かりが全く掴めないところだけど……。
大丈夫だ。
何とかなる。なんだかんだ言って生きてこられたんだ。
7月5日
今日は久しぶりに近場の町に行くことにした。
基本的な食べ物や物は現地調達しているとは言え、文明の利器に勝てないもの私が普通の村娘として育ったからだろう。
タオル代わりの布とか、歯ブラシ代わりの固い毛を詰めた物とか……主に布だね。
食べ物は魔物さんや動物を狩ったり食べれそうな木の実や果物を採れば良いし、飲み物は水魔法で生み出して、食器は砂漠時代にも使ったように土魔法で即席で作って破棄、家具はサバイバルに必要はない。
タオルや服代わりに必要な布類だけは自力でどうにもならないので買う必要がある。
あぁ、塩とかも余裕があれば欲しい。
魔法やサバイバルで自力で調達が難しいのは町で手に入れるしかないよね。
勝手知った森を抜けて砂漠へ。
と言ってもギリギリ見える範囲に町はある。
森を出て砂漠を歩き、森が見えなくなったくらいに町影が見えてくる。
そんな距離だ。
体感3時間くらい?
時計なんて村で過ごしてた時からなかったから知らないけど。
道中襲ってきた砂漠ミミズやデカイサソリは狩って今日の金銭としてもらう。
冒険者登録なんてしてないし、言語が分からないからしていない。
まぁ、知らない人の言葉なんてもう信じないけど…………。
町へ着いたら狩った獲物を買い取ってくれる人を探して、身振り手振りでお金や目的の物と交換する。
ぼったかれているかもしれない、いや絶対にそうに決まっているけど、私にはそれを調べ伝える手段がない。
甘んじるしかない。
まぁ、どうだって良い。
お金があっても町には住めないし、住みたくない。
最低限の物資を手に入れた私はサッサと町から出る。
早くしないと日が暮れてしまうし、こんな大陸の町には少しでも居たくない。
荷物があるから行きよりも僅かに時間をかけて森へ戻ってきた。
やっぱり森は落ち着く。
言葉の通じない人は居ないし、砂漠よりも危険度は低い。
不満があるとすれば帰る手立てが全く立たない程度。
せめて現在地が分かれば港町目指して一直線に進めるのに……。
お金は魔物狩ってどうにかする。
言語が通じる大陸なら今よりももっとやりようがあるだろうし、パパウロもゼニスママも私を見つけてくれるかもしれない。
拠点にしていた場所に帰ってきた。
魔物か動物か分からないけど、色々と壊されていた。
……よくあることだから大丈夫。
0月は日
町に行って物資補給した日から数日経った。
ようやく壊された拠点の整理が終わった。
これがあるから大事な物は常に持っていなきゃいけないし、何時でも逃げられるように最低限の物しか大事に出来ない。
まぁ、二本の剣さえあれば私は何処だって行ける。
こ月で日
今日は豪勢にいった。
まぁ、魔物さん達の襲撃が多く、血抜きして乾燥させてほし肉にする分以外も大量に余っちゃったから焼いて焼肉にしただけ。
タレなんてあるはずも無く、塩を塗して焼いただけ。
硬いけど食べれないことはない。
白いご飯が食べたくなってきたけど、この世界にお米がないので一生無理だろう。
今は少し硬いお肉だけで我慢してやろう。
し月た日
猛暑日だ。
日陰でダラダラと動きたくない気持ちに支配されそうになるが、この暑さだと昨日狩ったお肉は腐ってるだろう。
今日のご飯の為に森を回って魔物さんでも動物さんでも見つけなきゃたんぱく質が取れない。
1日くらいどうって事ないかもしれないけど、明日も明後日も御飯が食べられなければ?と考えれば、動ける間に動いて確保しなきゃならない。
まあ、最悪常に持ち歩ている非常用の自家製干し肉と感想果物で凌げる。
もっとちゃんとパパウロの冒険者時代の話を聞いてサバイバル術を習っておけば良かった。
あ月り日
猛暑日が続いている。
水が欲しい……。
涼しい室内が欲しい。
クーラーが欲しい。
複数の魔術を使えば涼しい風を発生させる事が出来るかも知れないけど、そんなオリジナル魔術はルーデウスの得意分野だ。
それに魔力は有限だから脱水症状にならない程度に水を飲む以外は使用厳禁。
ルーデウスならまた違ったんだろうけど、私程度じゃ遊びに使う余裕なんてない。
さて、現実逃避はこのくらいにしておこうかな?
盗賊さん達に連れられて砂漠を横断し、着いた町で何があったのか、どういう経緯でこの森に辿り着いたのか。
嫌だけど記憶の整理は必要だ。
家族に見つけてもらった時、私が何をしてきたのか伝える必要がある。
そうしなきゃ……コレは納得してもらえないだろう。
コノ…………心臓付近に大きく残る傷跡は。
盗賊さんに連れられて入った町で私は売られた。
ゼニスママの容姿、発展途上の身体、私だけ性の捌け口に決してされなかった事実。
客観的に見ても私は可愛い。
さぞかし高く売れたであろう。
私に感謝しながらミミズに食べられて死ねばいいのに。
売られた私は綺麗に洗われた。
あぁ、汚れたままだと客も嫌がるだろうからね。
実際に体験や教わった訳ではないけど、良く分からない前世の記憶で知っている。
そして初めての客を取って……。
殺した。
うん。
やっぱり生き残り為とはいえ嫌だった。
嫌悪感でごちゃごちゃになって、気が付いていたら殺してた。
今更人を殺した事をどうのこうのいうつもりはないし、吐気はあったけど放心している暇なんて無かった。
私の大切なものがしまってある場所に突撃してパパウロと恩人から貰った剣を奪取。
そこからまた一心不乱に自分の邪魔をする人を切って、斬って、きって、キッテ……。
気が付いたら死体の山の上に立っていた。
自由の為とは言え殺人鬼が町に居るのは難しく、まともに見える人達が集まる前に逃げた。
追手は来なかった。
私が殺したので全員なのか、まだ上に伝わっていないだけなのか、私が気付いていないだけで追手は近づいてきているのか……分からなかった。
砂漠を超えた。
人影が見えたら冒険者だろうが構わず避けた。
体力を考えずに一心不乱に毎日走った。
数時間で倒れそうになると、倒れて休む。
水は全部魔法で賄った。
魔物は切り捨てて進んだ。
とにかく町から離れることだけを考えて、何日も歩き通した。
気分が悪くなったので今日は終わり。
もう日もだいぶ落ちて来たから軽く周囲を探索して今日のご飯を用意しなきゃ。
え月R日
暑い。熱い。
今日は小枝や葉っぱを集めて編み込んで屋根を作った。
拠点を新設する度にやっているから既に慣れた物だ。
これで直射日光を防げるから幾らかマシになるね。
ここの拠点はどの位持つのか……せっかく作ったんだから出来るだけ長く使いたいものだ。
う月S日
旬の果物は美味しい。
問題はそのまま丸かじりするしか食べ方が無い事だ。
今度、絞ってジュースにしてみようかな?
M月H日
純度100%のジュースは微妙だった。
選んだ果物が悪かったのか、砂糖がなかったのがダメだったのかは分からない。
不味くは無いから飲めないことは無いけど、これをジュースにして飲むくらいなら普通に齧った方が美味しかったかもしれない。
ジュース作戦は失敗だね。
凛月N日
冬が近い。
砂漠であろうと寒気はあるらしく、森では中々動物や魔物さんを見つけにくくなっていた。
これは不味い。
本格的に冬になる前に食料を集めておかないと餓死する。
森で生活を始めて初めの方は準備を怠ったから、餓死寸前まで行ってしまった。
もうあの死にそうな日々は味わいたくないよ。
魔法で水を出せなかったら確実に死んでた。
なりふり構っていられないので、魔物でも動物でも、果物でも野菜でも何でもいいから食べれそうな物を集めるのだ。
上月D日
本格的な冬になった。
経度と緯度が関係あるのか分からないけど、この地域は幸いにも雪は降らない。
それでも寒く、魔法で火を起こして身体を温めないと凍死してしまいそうになる。
他の季節に比べたら圧倒的に少ないとは言え、魔物さんだって冬眠していない奴はしてないから出会ったらポケモンバトルだ。
そんな中で寒くて身体が動かなかったら死ぬ。
水も必要だから、毎日火魔法と水魔法の消費で魔力がヤバい。
私の魔力量はルーデウスに比べたらゴミカスみたいな量なので、毎日が魔力量との戦いだ。
K月N日
身体が固まらないように動いている。
と言っても、運動レベルまで動くと体力が無くなって肝心な時に動けなくなるので拠点周りを歩いて魔物さんを早期発見に努めたり、一日に30分程の素振りを行うだけ。
うーむ暇。
さ月n日
暇なので久しぶりに回想の時間だ。
確かに……砂漠を逃げて逃げて逃げまくった時から。
毎日毎日砂漠を彷徨った。
街が見えても立ち寄らずに別方向に逃げた。
補給物資は要らない。食料は食べたくないけど魔物さんがあるし、水は魔法で生み出せる。
気が休まらない日々だった。
冒険者か旅人か商人か、誰かは分からないけど人を見つけた時は視認した瞬間に逃げた。
どうせ言葉が通じないんだから、会っても無駄だから。
もしかしたら私を奴隷にしようと捕まえようとするかもしれないと思えば、誰にも頼らずに逃げたのは正解だったはず。
砂漠を彷徨って数日だったと思う。
気が付いたら町の中だった。
近くには冒険者らしき人と商人。
どうやら倒れてた私を拾ってくれたらしい。
砂漠で倒れたままだと魔物さんに食べられていたはずなので物凄い幸運だった。
案の定通じない言語。
身振り手振りでお礼を言って立ち去る。
あまり関わりたくないけど好意を無下にするわけにはいかないからだ。
ところが、立ち去る私を引き留めてきた。
言葉が分からないから本当の事は分からないけど、多分私を心配してくれているらしい。
引き下がってくれらないものだから数日だけお世話になることにした。
この頃はまだ他人に対してあまり関わりたくない程度の気持ちしかなかった。
言葉が通じないので身振り手振りで意思疎通を図る。
意外と通じるときもあれば、文化圏の違いなのか全く通じない時もある。
まぁ、この期に及んで乙女の尊厳とかないない。
数か月お風呂に入れなくても、怪我で体中がボロボロでも、空腹で痩せ細っていても、それほど気にならなくなった。
私が子供だからか、とても優しくしてくれる。
うん、久しぶりの好意がとても嬉しい。
私も出来ることがあれば恩を返そうと思う。
ここまでにしておこう。
少しだけ哀しくなってきたのと、私を狙っている魔物さんの登場だ。
余韻に浸らせてくれたった良いんじゃないって叫びたくなる。
でも、魔物にそんな言葉必要無いし、想いを出したからと言って現状が変わる訳じゃない。
そう、一日一日を生きて救援を待つんだ。
主人公視点なので抜けてるシーンや敢えて描写してない場面があります。