何のとりえも無い少女が異世界で生き抜くお話(チート能力は無い模様)   作:カルデアの廃課金マスター

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サバフェス楽しかったです。


17冊目

f月5日

 冬が過ぎて暖かくなってきた。

 揃って冬眠していた動物が起き出す頃だろう。

 忙しくなるけどその分食糧問題が解決するし、凍死の心配をしないで済む。

 まぁ、夏は夏で灼熱の地獄で干からびそうなんだけどね。

 

 

や月D日

 春はあけぼのと言うらしいからあけぼのに起きてみた。

 木の上に登って空を見てみると、青い空がだんだんと赤くなっていく様子が見られた。

 神秘的な気分になって気分がいい。

 今日は良いことが起きそうだ。

 

 

P月R日

 良い事は何も無かった。

 ……逆に考えよう。

 魔物に殺されることも無く、怪我を負う事も無く、拠点をボロボロに壊される事も無かった。

 何も起こらなかったのは平和であると。

 うん、私は激動な毎日を望んでいる訳じゃない。

 何もない平穏な日々それでいいじゃないか。

 

 もっとも、その平穏な毎日がこんな辺鄙な大陸じゃなくて、周りに家族が居たら良いのになぁ。

 

 

 

 

 

つ月魔日

 春だ。

 気持ちの良い陽気な季節……にはならない。

 砂漠が大部分を占めるべが何とか大陸では暑いか寒いかだ。

 春なんてあっても寒いと暑いの間って感じ。

 幼女先生の話をもっと聞いていたらこの大陸の脱出に繋がるヒントがあったかもしれない…。

 でも、幼女先生もべが何とか大陸には行った事が無いって言っていたはずだから、幼女先生でも知らない大陸でサバイバルするのは難しいかも。

 まぁルーデウスなら、それでもどこから得たのかも分からない知識を駆使してこんな大陸をとっとと脱出しているはずだ。

 私だってこんな言葉も文字も文化も違う大陸じゃなかったら如何にかなっていたもん。

 

 

d月F日

 本格的な春になった。

 夏になって猛暑で余計な行動が出来なくなる前に鍛錬を再開しようと思う。

 と言ってもパパウロに鍛えられていた時から変わってない素振りと型の練習を一人で小一時間程。

 毎日実戦はしている……と言うか起こらざる得ない。

 対人技術は殆んど成長しないと思うけど、魔物とかモンスターみたいな獣?……ともかく人型じゃない戦闘には慣れた。

 もしかしたら、魔物相手の戦闘ならルーデウスよりも強くなっているかもしれないね!

 そう思ったら毎日の鍛錬と食料集めに力が入るというもの。

 

 

 

 

鯖月祭日

 といったものの、今の自分がどのくらいの強さなのか全く分からない。

 指標がない。

 毎日の様に狩っている魔物の…ランク?がどの程度なのか?

 ベガ何とか大陸に飛ばされた当初に戦った兵士さん達はどのくらいなのか?

 私よりも強い人がいたから、最低でも上級剣士は居たはず。

 と言う事は上級剣士にも劣らない程度には実力が付いたと言う事かな?

 正直言ってパパウロの方が強くて、今でも勝てそうに無いから自信はそこまでない。

 はぁ~。

 ルーデウスは魔術で水聖級になっておきながら、剣術の方でも中級になっていると聞いた。

 片方だけでも凄いのに両方ともそれなり以上を修めているのはズルい。

 魔術が初級を修得した程度の私は、もっと剣術も魔術も頑張らなきゃならないのに……こんな変な大陸で足止めとかツイていない。

 

 

 

20月23日

 今日は雨だ。

 雨季に当たる季節だと思う。

 恵みの雨だけど、視界が悪くて音で敵を判別しにくいくなるから嫌いだ。

 食料に余裕があるから拠点で筋トレして過ごすことにした。

 

 久しぶりに前回の続きを振り返ろうと思った。

 どこまで振り返ったっけ?

 ……あぁ、私を砂漠で助けてくれた冒険者さん達にできる限り恩返しをしようって考えていた頃だった。

 

 

 あの後、あの冒険者さん達とは直ぐに別れる事になった。

 私が逃げたとか逃げられたとかじゃない。

 砂漠で巨大ミミズに地面の下からパクリだ。

 あっけない死だった。

 冒険者をしているから死ぬ覚悟なんて出来ているはずなので、本人も心残りはないだろう。

 また、一人になった。

 

 そこから砂漠を横断しながら町を転々とする生活が続いた。

 基本的にはサソリ、ミミズ、コウモリ何かが敵であり食料になった。

 焼けば不味いけど食べられなくはない。

 偶に遭遇する馬みたいなフォルムで顔と首部分が鷹みたいな動物は物凄く強かった。

 単体で出会った時は何とか怪我をしないで勝てるけど、群れに遭遇した時はボロボロになりながら勝利した。

 食べられる量は決まってるし、保存も中々出来ないし、売ろうにも持ち運べる荷物にも制限がある。

 群れは不都合しかない。

 

 あぁ、私を捕えようとする無法者共にも沢山であった。

 海でも山でもないから何賊なんだろう?

 砂漠だから砂賊?

 そういった人たちにはもう躊躇しない。

 剣神流で速攻、水神流でカウンター、北神流で奇襲して殺していく。

 時には大人数って言葉も生温い人数に出会うこともあったけど、そう言った時は逃げることを最優先に考えてガムシャラに頑張った。

 捕まるようなヘマはもうしないって思いながら、ただひたすらに剣を振って足を動かして感覚を研ぎ澄ました。

 

 

 何時だったから忘れたけど、私の分かる言葉で話しかけて来た女の人がいた。

 今までも町には同じ言語を喋れる人が居たのかもしれないけど、私に話しかけて来た人は初めてだった。

 警戒と同時に歓喜の感情が湧き出た。

 ボロボロで独りぼっちな私を心配してくれたらしい。

 そこから数週間、もしかしたら半年かそれ以上は付き合いがあったと思う。

 正確な日数なんて覚えてるわけがない。

 

 優しい人で親身になった私の悩みを聞いてくれたし、色々と情報を教えてくれた。

 あぁ、そうだ。

 ベガリット大陸と言う名前を思い出したのもここだ。

 この大陸はサキュバスと言う存在が居て、男性たちを魅了してしまうらしかった。

 そこでこの大陸では後腐れのない性処理の文化が根強いているらしい。

 やっと理解は出来たけど、私の性分には全く合わない文化だ。

 絶対に触らせてなるものか。

 

 

 今日はお終い。

 夜遅くなって眠いし、これ以上は今日語るべきではない。

 

 

 

 

 

A月A日

 熱くなってきた。

 涼しく比較的過ごしやすい季節は通り過ぎるのが早い。

 森だから日陰があったまだマシだけど、生活用品を補充しに砂漠を超える時は地獄だろうなぁ。

 鍛錬にもなるし、日が陰ってからダッシュで向かうのはどうだろう?と考えてみる。

 

 

 

A月は日

 行きはよいよい帰りは恐い。

 まさしくそうだった。

 行きは多少明るいし、向かっている町に灯がともっているから見失いことは無かった。

 だけど帰り路が全くわからなかったので、結局町で一泊警戒しながら座って待ってから森へ戻った。

 砂漠だ月明かりだけが頼りになる。

 そんな文明の欠片も無い場所で夜、砂漠を踏破するのは自殺行為だと私でも分かる。

 月が雲で見えなくなってしまえば忽ち歩くべく指針を失い、闇雲に歩こうものなら折角人が立ち寄らない場所へ帰る事が出来なくなってしまう。

 私が住んでいた大陸に帰る為と、一か八かの掛けに出るべきだったか……。

 

 いいや、それで死んでも元も子もないはずだ。

 安全策を取って地道に生き残ってパパウロやゼニスママの救援を待とう。

 

 

 

3月完日

 どべーっとしながら休んでいた。

 熱くなってきたから体力の使いどころをよく考えなきゃ。

 

 

巫月は日

 例年よりも熱くないと感じるのは単に今年が特別なのか、それとも私の身体がこのベガリット大陸に慣れたからなのか。

 前者よりも後者の方が嬉しいな。

 

 この大陸の気候に慣れる程長い年月戻れてないのか、と気分は落ち込んでしまった。

 

 

 

 

5月石日

 夢を見た。

 裏切られた夢だ。

 私が積極的に戻ろうという意志を初めに削いで来た出来事。

 いい機会だから記しておこう。

 

 ベガリット大陸に飛ばされて一番優しく親身になってくれた女性。

 毎日ずっと一緒に居たわけではないけど、最低でも3日に1回は顔を見せてくれて悩みを聞いてもらった。

 そんな女性は、私を奴隷に売り飛ばす為に親身になってくれてただけだった。

 この人なら大丈夫って信じていた時にあった裏切りに私は相当荒れた。

 もちろん、当然の報いを受けて貰った。

 今でもその感触は覚えている。

 一生忘れないだろう。

 

 それからより一層疑い深くなり、人と対人する時は軽い気持ちを辞めて常に警戒した。

 でもでも、それでも心の中では寂しかったのだろう。

 時々良さげな人を選別しては少しだけ歩み寄ってみてみたけど、やっぱり何かしらの欲を持って私に近寄って来ている事が分かった。

 単純にゼニスママ譲りの顔とスタイルを目的として、大多数に囲まなければ大抵の魔物を倒せる剣の腕を目的として。

 大抵はこの二つだけど、偶に私が使っている剣を奪おうとしてくる輩も居た。

 まあ私が切り捨てるか、不幸な目にあって私の下に戻ってくるのだけれど……。

 

 1年にも満たない間に私からこの大陸の……いや、見知らぬ人への信頼はゼロを通り越してマイナスへと堕ちた。

 ゼロならまだ信用しないで利用するだけに留める事も出来たのかもしれない。

 でも、ゼロを超えてマイナスになった信頼は並大抵の事では覆らないし、覆そうとも思えないと知った。

 

 簡単に言えば、私は人と出会う事を極端に嫌った。

 町に入るのは人工物が必要などうしてもの場合だけで、数か月に一度だけ常に警戒してコソコソ隠れて売人とも目を合わせず、時には出会わない方法を使って欲しい物を入手する。

 砂漠では暑さと寒さで死ぬから、森を探して生活拠点にする事に決めたのもこの時期だったはず。

 

 あぁ、正直に告白しよう。

 私は人間不信になったのだ。

 

 

 

 

 

5月月日

 秋を迎える。

 嫌な事を思い出したから、最近は街へ物資調達へ行けていない。

 布は欲しいけどあったら便利程度だ。

 無くても困らない。

 多少の汚れは気にならないし、服だってボロボロでも構わない。

 人はここに居ないし来ないからさらけ出したって何ら問題も無い。

 

 流石に恥ずかしいから全裸にはならないけど。

 

 

 

 

イ月B日

 冬になる前。

 そろそろ保存の効く食べ物を集めておかないと。

 まあ、最悪砂漠に行けば魔物さんが新鮮なお肉を求めて顔を見せてくれるだろう。

 動物よりも不味いから余り食べたくないんだけど、餓死するよりはマシ。

 空腹で剣を握れなくなって骨になる前に砂漠へ向かうギリギリのラインを見極めるのは嫌だなぁ。

 

 

 

n月と日

 今日の夜は晴れだ。

 珍しい晴天。

 人工の光が全くない大自然での夜空はびっくりするほど綺麗だ。

 殆ど記憶が無くほんの少しだけの知識しか残っていない前世でも、大自然での夜空は綺麗だ、と言っている。

 

 何故ふと満天の星空煌めく宙を眺めているかというと、何となくだ。

 夜とは言え何時敵が襲ってくるか分からないから常に剣を握りしめて経過している私なのだが、今日は物凄く静かだったから気が緩んだのだろう。

 そして気が付いたら森の終わりまでやって来て砂漠との境界線から満天の星空を見ていた。

 

 緊迫した毎日。

 消耗していく身体と精神。

 

 そんな中で何となくで足を運んで見上げた空は綺麗だった。

 何も考えず、周りに気を使わないでただただ夜空を眺める。

 

 なんでだろう。

 涙が止まらない。

 家族に会いたいって気持ちは何年も前から少しも変わらないのに。

 今になって、この瞬間だけは抑える事が出来なかった。

 

 

 

H月捕日

 昨日は眠れなかった。

 お日様が登る頃になってようやく涙は止んだ。

 泣き疲れたのか、今更ながら眠たくなってきた。

 こんな場所で、こんな時間帯に寝てしまったらいざという時に起きれない。

 いつもは半分寝て半分起きてるような状態で取れてる睡眠が、今寝たらぐっすり全ての脳が眠てしまうだろう。

 そんな状態なら敵がすぐ近く来るまで気づかないで、下手したら怪我を負ったり致命傷を追ってそのまま……ってなる可能性が高い。

 だから意識を失うなら昼間よりは活動数が減っている夜まで我慢だ。

 

 恐らく身体的には一番辛い日になるだろう。

 泣きつかれて眠たいが寝てはならない。

 意識を保つ為に動いていようにも激しく運動し過ぎると疲れ果ててゴロン。

 かと言ってボーっとしてたらそのままゴロン。

 八方塞がりじゃない?

 眠気をガーッと飛ばす食べ物か何かが欲しいけど、この世界にそんな物があるのか知らないしあっても無一文でサバイバーな私には手に入れる事は出来ないだろうけど。

 

 

k月う日

 気が付いたら朝だった。

 夜まで我慢して寝たのか、それとも日中から爆睡してしまったのかは分からない。

 眠くて眠くて、じーっとしてたら意識を失いそうになるから動いていて、かと言って激しい運動だと余計に眠くなる。

 多分剣を片手に森を徘徊していたんだと思う。

 うん、朝起きてから私が最近拠点にしている場所まで戻る最中(目覚めた場所が何処か分からなかったから帰るのに非常に苦労した)剣で切られて死んでいる魔物や動物の死骸を沢山目にした。

 恐らく私が出合い頭に斬り付けたのだろう。

 一夜経っているからか臭いが凄かったし、一部食べられていて気持ち悪かった。

 出来るだけ綺麗な状態で残っている動物を1体だけ持って帰って、急いで魔法を使って火を出して焼いて今日のご飯にした。

 

 一応私以外の人間がこの森にいる可能性を考えて、数日間は警戒していよう。

 

 

 

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